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宝石泥棒1



ある年の 元旦─────────


元旦というだけあって、いつもより忙しそうな住民たち。

ざわざわと騒がしい。


しかし、少し違う ざわざわ もある。







   宝 石 泥 棒




大きな立て札には、達筆な文字でこう描いてある。


【警察署】




警察署内に、ドンと大きな音が響き渡った。



「あんの宝石泥棒・・。 寄りによって元旦狙うか!?

  ハァー・・ 今年始まってから早速仕事だなんて・・。」



横の壁を、己の拳で壊す寸前にした女は、紅葉(もみじ)

この警察署 特別隊の部長。



「ぶ、部長ぉ・・ 壁・・・ 壁にヒビが・・・。」



あわあわと慌てる楓(かえで)は、

紅葉の殴った壁をおそるおそる見つめていた。


そんな楓を無視し、紅葉はさっさと話を進めた。



「店主に寄ると、泥棒は女らしい。

 顔は隠してなかったが、あまりにも素早くて顔が見れなかったらしいわ。

 宝石泥棒を見つけたのはもうとっくに宝石を盗み終えたところらしい。

 全体の七割は持って行かれたそうよ。


 っていうか・・。 あまりに暇だからって

 あの店主が暢気に1人オセロやってるから発見が遅れたらしいわ。

 馬鹿か。馬鹿だろ店主。 ちょっとは自覚持ったらどうなのよ。」



紅葉はうんざりした顔でがっくりうなだれている。



「ひ、1人オセロ・・・・」



一生懸命笑いを堪えている楓に、

紅葉はゴツンと立派な音を立てた拳を頭にお見舞いしてやった。



「い、いだぁっっ! ・・ そそそ、それより、もうちょっと特徴とかは・・・」



半べその楓。そして不意に ちらりと窓を見た。



「目撃者は、こう言い残した。 髪型は二つ縛りの金髪ロング。

 服装が長袖服に、袖の部分の色が灰色よ。胴体部分は紫色みたい。

 下はズボンで、上の服の原部分の色と同じ灰色。靴は布製。これまた灰色。

 という、きわめて地味な服装ね。 そして所持品は盗んだ宝石一袋・・・」



紅葉の話を聞きながら、窓の方へ目線をそらさない楓。



「おい、楓 話聞いてんのか・・・」




「・・・部長・・ その泥棒の身長って、小柄な感じですか?」



楓はまだ窓の外を見ている。



「ん?ああ。 まあ、そんな感じの情報も・・。」


「それで、屋根の上とか飛んで移動していたり?」


「まぁな・・・ 屋根に飛び移って逃げたらしいが・・。

 というか、なんで楓がんなこと知ってんだ?」



不満そうに楓を見る紅葉。

すると、楓がやっと紅葉の方を振り向いた。



「いる・・ いるんですよ。ほら、あのここから二件目の家の屋根・・・。

 二つ縛りの金髪で 灰色と紫の長袖服、

 灰色のズボン、灰色の布製靴、大きな袋に小柄な体型・・。」



顔を引きつらせながら、楓は確かにそう言った。




「・・・わざわざ警察署の近くに来るなんて・・ いい度胸じゃないのォ・・。

 っていうか馬鹿なだけか? んだよ私の周りには馬鹿ばっかだな。

 ・・・それより行くわよ楓。仕事だわ。


 ・・・・・・・・捕獲ぅうううううう!!!」



「は、はい!部長ぉお!! 待ってくださーーーい!!!!」






二人はドタバタと音を立てながら、賑やかな街をどんどんと走り進んで行った。


















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