あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「人のいい使い魔」で検索した結果
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蒼い使い魔
デビルメイクライ3よりバージル召喚 蒼い使い魔-01 蒼い使い魔-02 蒼い使い魔-03 蒼い使い魔-04 蒼い使い魔-05 蒼い使い魔-06 蒼い使い魔-07 蒼い使い魔-08 蒼い使い魔-09 蒼い使い魔-10 蒼い使い魔-11 蒼い使い魔-12a 蒼い使い魔-12b 蒼い使い魔-13 蒼い使い魔-14 蒼い使い魔-15 蒼い使い魔-16 蒼い使い魔-17 蒼い使い魔-18 蒼い使い魔-19 蒼い使い魔-20 蒼い使い魔-21 蒼い使い魔-22 蒼い使い魔-23 蒼い使い魔-24 蒼い使い魔-25 蒼い使い魔-26 蒼い使い魔-27 蒼い使い魔外伝 タバサと悪魔と吸血鬼 蒼い使い魔-28 蒼い使い魔-29 蒼い使い魔-30 蒼い使い魔-31 蒼い使い魔-32 蒼い使い魔-33 蒼い使い魔外伝... -
罪深い使い魔
「ペルソナ2」より「向こう側の周防達哉(罰ED後)」を召喚 罪深い使い魔-01 罪深い使い魔-02 罪深い使い魔-03 罪深い使い魔-04 罪深い使い魔-05 罪深い使い魔-06 罪深い使い魔-07 罪深い使い魔-08 罪深い使い魔-09 罪深い使い魔-10 罪深い使い魔-11 罪深い使い魔-12 罪深い使い魔-13 -
蒼い使い魔-03
前ページ次ページ蒼い使い魔 「遅かったな」 医務室の窓から外を眺めながら振り返らずにバージルは言った。 入って来たコルベールは額に汗を浮かべ 「お待たせして申し訳ありません、ではどこからお話ししていいものやら…」 と困ったように言った。 「聞きたいことがある、この左手の模様はなんだ?」 グローブを外し左手の甲をコルベールに見えるように掲げる。 「はい、それは使い魔のルーンです、契約の儀式をした際に使い魔の身体に刻まれます。 そちらのルーンは珍しいものでしてねぇ、現在こちらで調査中ですよ」 「使い魔契約だと…?そんなものいつ俺が了承した」 バージルから凄まじい殺気が漂ってくる、 コルベールは殺気に圧倒されそうになりながらも「申し訳ございません、ですが、使い魔との契約ができないと 彼女は二年次に進級できないので「そんなことはどうでもいい」……」... -
ガラの悪い使い魔
シャドウハーツ1,2 よりウルを召喚 ガラの悪い使い魔-01 ガラの悪い使い魔-02 ガラの悪い使い魔-03 -
蒼い使い魔-04
前ページ次ページ蒼い使い魔 「う・・・う~ん・・・」 「へっ・・・あれっ・・・?」とルイズは間抜けな声を出し辺りを見回す 辺りはもう日も暮れ、すでに夜になっていた 「そういえば…医務室に使い魔の様子を見にいって・・・」 「目が覚めたか」「ひゃうっ!!」 突然かけられた声に驚き、声のした方向へ顔を向ける 腕を組みながら、窓から見える二つの月をバックに此方を睨みつける 蒼いコートを羽織った銀髪の青年がそこに立っていた まるで一枚の絵画のごとき構図にルイズは一瞬息をのむ が、すぐに正気を取り戻しバージルに食ってかかった 「なな、な、なんであんたがここにいるのよ!」 先ほど死ぬほど怖い思いをした相手である、当然の反応だ バージルの手にはルイズにとってもはやトラウマになりつつある閻魔刀が握られている しかしバージルから出た言葉は意外なものだった ... -
蒼い使い魔-01
前ページ次ページ蒼い使い魔 一人の男が魔界へと落ちて行く―― 偉大なる父の力を追い求め、同じ血を分けた双子の弟との壮絶な殺し合いの果て… 敗れた男は自らの身体を魔界へと投げた。 だが、魔界へと落ちきるその刹那、突如として鏡が現れ光を放ち男を包み込む。 男は吸い込まれるようにその中へ消えていった… 所変わってここはトリステイン魔法学院。 魔法学院では現在春の使い魔召喚の儀式の最中。 それは二年次に進級する生徒達が使い魔を召喚、契約し、自身の魔法属性と専門課程を決める重要な儀式である。 生徒達は各々が召喚した使い魔をみて明るい表情を浮かべている。 その中で暗い表情をした桃色の髪をした少女が一人、 杖を掲げながら使い魔召喚のための呪文「サモン・サーヴァント」を唱えては爆破を繰り返していた。 「何で!?何で何も出てこないのよっ!!」 彼女、ル... -
蒼い使い魔-15
前ページ次ページ蒼い使い魔 ルイズは夢を見ていた。まだ小さい頃、トリステイン魔法学院に行く前の頃の…。 「ルイズ、ルイズ、どこに行ったの? ルイズ! まだお説教は終わっていませんよ!」 ルイズは、生まれた故郷、ラ・ヴァリエールの屋敷の中庭を逃げ回っていた。 騒いでいるのは母、追ってくるのは召使である。理由は簡単、デキのいい姉達と魔法の成績を比べられ、 物覚えが悪いと叱られていた最中逃げ出したからだ。 「ルイズお嬢様は難儀だねえ」 「まったくだ、上の2人のお嬢様は魔法があんなにおできになるというのに」 召使達の陰口が聞こえてくる、ギリと歯噛みしルイズはいつもの場所に向かう。 そう、彼女の唯一安心出来る場所、『秘密の場所』と呼ぶ中庭の池へと。 あまり人が寄りつかない、うらぶれた中庭。池の周りには季節の花が咲き乱れ、小鳥が集う石のアーチとベンチ。 池の真ん中には... -
蒼い使い魔-07
前ページ次ページ蒼い使い魔 失敗魔法による爆発でメチャクチャになった教室を 片付けを命じられたルイズが黙々と掃除している、 一方その使い魔のバージルは腕を組みながら壁に寄りかかって目を瞑っている その姿をみてルイズは堪忍袋の緒が切れた 「ちょっと!なんであんた手伝わないのよ!」 「なぜ俺が手伝わねばならん、貴様の責任だろう」 「主人の不始末は使い魔の不始末なのよ!いいから手伝いなさい!」 そう言われようやくバージルは(渋々だが)片付けに参加した 重い沈黙の中二人でしばらく教室の片付けをする しばらくするとルイズが唐突に口を開いた 「わかったでしょ?私がゼロって呼ばれてる理由…」 「……」 「そうよ、私は魔法の成功率"ゼロ"%、だからゼロのルイズ。 笑っちゃうわよね、魔法も満足に使えない癖に偉そうにしちゃってさ!」 半ば自暴... -
罪深い使い魔-02
前ページ次ページ罪深い使い魔 「俺が特異点であることに変わりはない……。 俺がいれば……『こちら側』はいずれ『向こう側』に飲み込まれるだろう……」 すべてを思い出したあの時から、頭のどこかでわかっていた。 いつかはこうなる。こうしなければならない。こうする以外の方法はない。 ただ、心がそれを拒絶していた。 帰りたくない。ここにいたい。みんなと一緒が良い。一人になりたくない。 でも、そんな願いは決して許されない。 『あいつ』を倒しても、俺という存在が『こちら側』を蝕む存在であることには変わりがない。 俺のせいで、みんなが生きる『こちら側』を壊したくない。 それに、約束も果たさなければならない。 「帰るよ……『向こう側』へ……」 辛くないと言ったら嘘になる。悲しくないわけがない。逃げ出したい気持ちに偽りはない。 そ... -
虚无(ヤク)い使い魔
「3×3EYES」から「藤井八雲」を召喚 虚无(ヤク)い使い魔-01 虚无(ヤク)い使い魔-02 虚无(ヤク)い使い魔-03 虚无(ヤク)い使い魔-04 -
赤い使い魔
春の使い魔召喚の儀式。そこで『ゼロのルイズ』が呼び出したのは、一頭の熊だった。 否、それは熊というにはあまりにも大きすぎた。大きく、太く、超重量、そして大雑把すぎた。それはまさに怪獣だった。 爛々と光る隻眼は、それの凶暴さを語り、あと、なんか口元が血で汚れていたりした。 「ミス・ヴァリエール!」 「なんですか。ミスタ・コルベール」 「召喚のやり直しを。これはなかった事にして召喚のやり直しをしてください」 そんな言葉に、ルイズは、ありありと不満を顔に浮かべる。 何度も失敗して、ようやく召喚をしたのに、どうしてやりなおさなくてはいけないのか。 「それはダメです。ミスタ・コルベール」 「どうしてですか?」 「決まりだからです。一度呼び出した使い魔は変更することはできません。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからです」 「い... -
罪深い使い魔-06
前ページ次ページ罪深い使い魔 「その使い魔の左手に刻まれたルーンについて調べたら」 トリステイン魔法学院の院長にして偉大なる魔法使い(と、言われている)オールド・オスマンは 慌しくやって来た学院の教師、コルベールがもたらした報告を聞いていた。 「始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』に行き着いた、というわけじゃね?」 「そうです! あの少年の左手に刻まれたルーンは、 伝説の使い魔『ガンダールヴ』に刻まれていたものとまったく同じであります!」 「で、君の結論は?」 「あの少年は、『ガンダールヴ』です! これが大事じゃなくて、なんなんですか! オールド・オスマン!」 興奮するコルベールに対し、オスマンはどこまでも冷静だった。 オスマンはコルベールの持ってきた資料に目を通す。 「ふむ……。確かに、ルーンが同じじゃ。ルー... -
罪深い使い魔-03
前ページ次ページ罪深い使い魔 最初に目にしたのは、見慣れない天井だった。 ここはどこだと疑問に思う前に、自分が異世界に来たことを思い出して達哉は憂鬱になる。 しかし『向こう側』で迎える朝も、やはり憂鬱なものだったに違いない。 そう思いながら寝返りをうつと、視界の端に昨夜ルイズが投げた下着がちょこんと置かれていた。 「洗濯か……」 面倒だが、使い魔の仕事を引き受けた以上サボるわけにもいかない。 達哉は暖かい毛布の感触に別れを告げて渋々起床した。 床で寝ていたせいで体中が痛かったが、軽くストレッチをするとそれも和らぐ。 下着を手に掴み、さっさと済ませようと部屋を出たところで大事なことに気づいた。 どこで洗うんだ? 当然達哉はこの学院の地理など知らない。 達哉は「ルイズを起こして聞いてみるか」と一瞬考え、すぐにその案... -
蒼い使い魔-05
前ページ次ページ蒼い使い魔 朝の柔らかい光が窓から差し込み部屋の中を照らす その光に気がついたのかバージルは静かに目を開いた 「…やはり夢ではない…か…」 と部屋を眺め、ベッドの上で静かに寝息をたてる少女をみて 昨日起きたことは現実であることを実感する 周囲には昨夜ルイズが脱ぎ捨てた衣類が散乱している、 「洗濯しておけ、と言っていたな…」 と寝る間際そう言いながらルイズがこちらに投げ付けて来たことを思い出す フンと不愉快そうに鼻を鳴らし、手近なカゴの中に衣類を回収しバージルは窓から庭へ飛び降りた 適当に庭をうろついていると、一人のメイドが歩いているのが目に入った 洗濯が出来る場所を探しているバージルにとってその存在は渡りに舟だったので声をかけてみることにした 「おい、そこの貴様」 「はっはい!なんでしょう!?」 いきなり高圧的なご挨... -
蒼い使い魔-02
前ページ次ページ蒼い使い魔 「くっ…ここは…」 男が覚醒した、ベッドから身を起こし辺りを険しい目で睨み回す。 どうやら誰もいないらしい、開け放たれた窓からはやわらかな日の光が差し込み 爽やかな風を送り込む、 城のような場所なのだろうか?中世西欧風の建築様式が目に入った。 「一体…」 どうやらここは魔界ではないらしい、このような清浄な空気は魔界はおろか 彼がいた現代世界でもありえない。 バージルはベッドに腰かけ今まであったことを思い出す。 魔界で双子の弟――2000年前に魔界から人間界を救った、伝説の魔剣士スパーダの血を引くダンテと戦い、敗北、魔界に身を投げたはずだ、しかしここは? そうだ、途中なにか光を放つ鏡の様なものが現れて…そこに吸い込まれた? そして気がついた時には目の前にはなにやらピンク色の髪をした女がいて… たしかそこで使い魔だの何だの... -
虚无(ヤク)い使い魔-02
前ページ次ページ虚无(ヤク)い使い魔 「だから帰る方法が見つかれば帰りたいなーと…」 学園に戻るとルイズはまず八雲の服を替えさせた。 奉公に来ている平民の服を借り、体を洗わせ、ようやく少しは見られる格好になると自分の部屋へ入れてやったのだが.. あろうことかその世話のかかった使い魔が開口一番に言った一言が「方法が見つかれば故郷へ帰る」だったのだ。 「ちょっとアンタかってすぎるわよ! ただでさえハズレをひいたのに『帰り方が分かれば帰る』とか! 使い魔はそんなひょいひょい換えられるものじゃないのよ」 「それは分かってるつもりだけど…ホラ!あの頭のハゲた先生も俺を故郷へ帰すことに協力してくれるって言ってくれてたしサ。」 「私だって使い魔を換えられるのなら、今すぐにでもアンタをクビにしたいわよ! だけど使い魔は一生モノなの! アンタが帰ったら私は一生使い魔も持たない... -
蒼い使い魔-06
前ページ次ページ蒼い使い魔 二人は朝食をとるために、『アルヴィーズの食堂』へと向かう そこは、食堂とは言えとても華やかな作りであり いかにも貴族趣味、といった建物である 中も豪華絢爛という言葉がぴったり当てはまるほどの内装が施されていた 中には百人はゆうに座る事ができるテーブルが三つ並んでいる。 どうやら学年別に分かれているらしく、ルイズはバージルを連れ二年生所定の真中のテーブルへと進んだ。 周囲からは「おい、ゼロのルイズだ」「平民なんか連れてるぜ…」などと様々な声が聞こえてきたが それらを無視しルイズは自分の席へと進み着席する 「…悪趣味だな」とバージルは中をみて呟く 「…今のは聞かなかったことしてあげるわ、 メイジはほぼ全員が貴族だから。だからトリステイン魔法学院では貴族たるべき教育を存分に受けるの。 だから食堂も貴族の食卓にふさわしいも... -
蒼い使い魔-26
前ページ次ページ蒼い使い魔 翌朝、ルイズは眼をこすりながらゆっくりと起床する、 ここ最近、バージルは朝、ルイズを目覚めさせる仕事すら放棄しているため 自分自身で目覚めなければならないのだった。 ルイズははっとしたように部屋の中を見渡す、そこにはバージルの姿は見えなかった 昨日のバージルの言葉が脳裏をよぎる、 ―俺は魔界へ行く 脳内でその言葉が再生された瞬間ルイズは跳ねるように飛び起きた。 「どこっ!?バージル!どこに行っちゃったの!?」 ルイズはパニック状態になり部屋の中を引っかき回し己が使い魔の名を呼びながら探す、 眼に涙を溜めながらクローゼットの中からベッドの下まで覗き込む、 心臓が早鐘のように高鳴る、呼吸が荒くなるほど胸が苦しい、 「バージルッ…どこよ…どこにいっちゃったのよ…」 部屋の中を散乱させ、部屋の中で崩れ落ちるように座り込む、目から涙が... -
罪深い使い魔-01
前ページ次ページ罪深い使い魔 「おいルイズ、いつまでやってるんだよ」 「『サモン・サーヴァント』も満足に出来ないのか?」 「いい加減にしろゼロのルイズ!」 うるさいわね。黙ってなさいよ! 集中できないでしょ!! 罵声を浴びせかけられた少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの端整な顔が怒りと屈辱で歪む。 この日彼女の怒りは頂点に達していた。 もっとも、それ自体はさして珍しいことではない。彼女にとってはむしろ怒らない日の方が珍しい。 「もう無理だって。諦めろよルイズ」 「諦める!? そんな必要はないわ、次は必ず成功するんだから!」 がー、と憤怒の形相で吼えるも、周りで見ている少年少女達は嘲りの笑みを止めない。 そんな威勢は、彼らにとってはただの負け犬の遠吠えでしかない。実際その通りだった。 ... -
蒼い使い魔-08
前ページ次ページ蒼い使い魔 ヴェストリの広場 そこにはこれから行われる"決闘"―という名の貴族による一方的な制裁 を見物しようと噂を聞きつけた生徒たちで、広場は溢れかえっていた。 「諸君!決闘だ!」 その広場の中心、決闘を申し込んだ男子生徒、ギーシュは 薔薇の造花を掲げ高らかに宣言をする。うおーッ!見物人から歓声が巻き起こる。 「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズの平民だ!」 ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。 一方、決闘を受けたバージルは詰まらなそうに腕を組み目を瞑っていた。 一方人だかりの最前列では、ルイズがバージルと同じように腕組みをしながら見ている そのルイズに向かい、隣にいたキュルケが話しかける 「あらルイズ、自分の使い魔が決闘するっていうのに随分冷静ね?」 「いいのよ、アイツなら負けないでしょ、何度も... -
蒼い使い魔-18
前ページ次ページ蒼い使い魔 バージルがラ・ロシェールへ向け馬を走らせる、 馬で二日かかる距離であったが 途中約束通りタバサがシルフィードに乗り迎えに来たため その日のうちに無事一行はラ・ロシェールへと辿りつくことができた。 バージルがタバサと共にルイズ達が宿をとっている『女神の杵亭』へと降り立つと ずっと入口で待っていたのかルイズが立っていた。 「バージル!なにをしてたのよ!ご主人様を待たせるなんてっ…!」 目に涙を溜め真っ赤にしながらバージルに走り寄る。 「こいつに乗る人数が合わなかっただけだ」 そう言うとさっさとバージルとタバサは宿の中に入ってしまった。 「ばかっ…!どれだけ心配したと思ってるのよ…」 その様子を見ながらルイズは地団駄を踏みながらつぶやいた。 「あ、ようやく来たようだね、いやぁ心配していたよ!」 そう言いながらもすでに酔っているの... -
ゆるーい使い魔?
泉こなたは、ネトゲ仲間で担任でもある黒井に挨拶をすると、ゲームから ログアウトしてPCの電源を落とした。 時間は既に午前三時。今夜は見たいアニメも無く、そして明日は平日なので学校がある。何よりもう眠気が我慢できそうに無い。ここが潮時だろうと彼女は思い、長い間モニターを見つめていたため、凝りきった肩を解した。そして椅子に座ったまま大きく伸びをした、その時だった。 「そろそろ寝よっかな……んん~?」 こなたの逆さの視界に、大きな『鏡』が映っていた。はて、この部屋にこんな物があっただろうかと疑問に思い、姿勢を正して椅子から降りた。そして丁度真後ろに存在していたその鏡を、顎に手を当てて唸りながら見つめる。 それは見れば見るほど奇妙な物体だった。彼女の身長より高く、光り輝くその鏡は何と宙に浮いているではないか。しかし、彼女はそれに奇妙な既視感を覚えていた。つい最近... -
罪深い使い魔-08
前ページ次ページ罪深い使い魔 「やあ、ごきげんよう。ミス・タバサ」 「…………」 オスマンの陽気な挨拶に、タバサは無言で答えた。オスマンの顔が引きつる。 青いさらさらのショートヘア。表情に乏しいが整った顔立ち。 そしてルイズよりもさらに一回り小さい、小柄な体格。 オスマンはそんなタバサが、怯える子供のように見えたのでわざと明るく振舞って見せたのだが、 どうやらその心配も杞憂だったらしい。 それを知ってオホン、とわざとらしく咳払いをした。 「あー、別に緊張することはないぞ。ワシは君を罰するためにここへ呼び出したわけではないからの」 「…………」 タバサは何も答えない。 オスマンは「やりにくいのう」と心の中で呟いた。 「呼び出した用件は他でもない。昨日君が目撃したであろう光景についてじゃ。覚えはあるかね?」 ... -
蒼い使い魔-14
前ページ次ページ蒼い使い魔 「まさかミス・ロングビルが『土くれ』のフーケだったとはのぅ…美人だったもので 何の疑いもせず採用してしまった」 フーケを捕え、学院に戻ったルイズ達はオスマンに事の顛末を報告していた。 オスマンが言うには居酒屋でたまたま働いていたフーケを採用したらしい。 隣にいたコルベールはあきれ返っている。 「「「死んだ方がいい…」」」 三人は口をそろえて呟く、バージルはいつも通り壁に寄りかかっているが… そんな下らない理由で命を落としかけたのだ、三人が刺すような視線がオスマンを見つめる そんな三人の視線に気がついたのかオスマンが本題に入るため真剣な表情へと変える。 「さてと、君達はかの有名なフーケを捕まえた。『破壊の杖』も無事戻って来た、 これからは我々が責任を持って今まで以上に厳重に管理しよう、バージル君の話によると かなり危険な兵... -
蒼い使い魔-17
前ページ次ページ蒼い使い魔 翌日、朝靄の中、ルイズ達は馬に鞍をつけ準備をしていた。 アルビオンへの船が出ているという港町、ラ・ロシェールまでは馬で二日かかるという。 そんななかギーシュがルイズに何やら頼みごとをしていた、 「お願いがあるんだ、僕の使い魔を連れていきたいんだけど…」 「あなたの使い魔?」 「あぁ、そういえばまだ紹介してなかったね!おいでヴェルダンデ!」 ギーシュはうれしそうに笑うと、足で地面をたたく。すると、もぞもぞと地面が盛り上がり、 茶色の大きな生き物が顔を出した。 小さい熊ほどもある巨大なモグラ、ジャイアントモール ギーシュは膝を突いて、そのモグラにひしと抱きつく。 「ヴェルダンデ! ああ、僕の可愛いヴェルダンデ!! なあ、ルイズ!ヴェルダンデを連れて行ってもいいだろう?こんなに可愛いんだしさ! 」 「それってジャイアントモールじゃ... -
造作もない使い魔
「ここは……」 突然の転移に、シュウ・シラカワは驚きを隠せない。 「チカ、空間座標算定を」 「はい!」 クチバシと足を器用に使い、コンソールを操作するファミリア。座標はそちらに任せ、シュウはカメラの目視で周囲を警戒する。 先程までシュウは、ラ・ギアスの空を飛んでいた。 金の鉱脈近くや、かつて高圧高温であった地殻付近でデモン・ゴーレムを作り出すと、金や宝石、或いはレアメタルを多く含んだデモン・ゴーレムが出来上がるので、普通に掘り出すよりも余程簡単に貴金属を採取可能となって非常に有用なのだ。 今日もその一環で近くの鉱脈跡へ向かっていたのだが、いきなり至近に鏡が現れ、回避する間もなくネオ・グランゾンはそこに突っ込んでしまったのだ。 「地平線……ここは地上ですか?」 そこでようやく、シュウはネオ・グランゾンの足下にいる人々が見えた。何やらその周りには地上でもラ・ギアス... -
蒼い使い魔-16
前ページ次ページ蒼い使い魔 朝、ルイズが目を覚まし、朝食をとりバージルと共に授業へ向かう 普段はすぐにふらりといなくなってしまうバージルだが、ルイズが授業を受ける時だけは別だった。 バージルはハルケギニアの魔法という力に興味を持ち、毎回授業は真面目に受けているのである。(むしろ生徒達よりも熱心に聞いている) といっても壁によりかかるいつものポーズでだが…。 使い魔の教室への同伴は基本認められているため、教師陣も何も言ってこない。 そんなバージルは今日もルイズと共に授業を受けるために教室へ入る。 しばらく待っていると教室の扉が開き、ミスタ・ギトーが現れた。 長い黒髪に漆黒のマントといった黒ずくめ、不気味な雰囲気を漂わせ 授業が始まれば自身の系統最強説を語るため生徒たちに人気がない。 「では授業を始める。 知ってのとおり、私の二つ名は『疾風』。疾風のギト... -
罪深い使い魔-04
前ページ次ページ罪深い使い魔 メイジ達が授業を受ける教室は、高校の教室よりもむしろテレビで見た大学の講堂に似ていた。 そこにメイジと、どう見ても悪魔としか思えない外見の生き物達がひしめき合っている。 それらを眺めつつ、達哉はルイズが座った席の隣に腰を下ろした。 「ここはね、メイジの席。使い魔は座っちゃダメ」 「…………」 すでに文句はない。今さら文句などつけようはずもない。 出会って間もないが、もう達哉の中でルイズの評価は限りなく最低に近い。 それほど食べ物の恨みは大きかった。 ガタッ 達哉は無言で立ち上がると、つかつかと教室の奥へと向かい、壁にもたれかかった。 教室から出て行こうかとも思ったが、それよりも魔法使いが受ける授業に対する好奇心が上回った結果だ。 そんな達哉を生徒たちが好奇の目で見て... -
罪深い使い魔-09
前ページ次ページ罪深い使い魔 タバサとの接触から数日の間、達哉を取り巻く環境は比較的平穏と言えた。 相変わらずルイズのワガママは絶えないがそれも慣れ、シエスタの厚意で食事にも事欠かない。 昼はルイズの授業に付き合ってこの世界のことを学び、午後は図書館で調べ物をする。 そのくり返しは新鮮さに欠けるが、同時に安定した『日常』となりかけていた。 そんな日々に変化が訪れたのは元いた世界で言うところの日曜日、 『虚無の曜日』にルイズが発した第一声だった。 「街へ剣を買いに行くわよ」 「……いきなりなんだ?」 達哉は眉をひそめた。 「あんた剣が使えるって言ってたじゃない。最近よく言うこと聞くし、褒美を取らせて上げるわ。 忠誠には報いるべきところがないといけないものね」 ふふん、と得意気な笑みを浮かべるルイズ。 一... -
蒼い使い魔-10
前ページ次ページ蒼い使い魔 「街に買い物に行くわよ」 「そうか、勝手にしろ」 決闘騒ぎから数日後、ルイズは休日である虚無の曜日であることを利用し 街へ買い物へ行こうとしていた。 バージルに対し主人らしいことをひとっつもしていないことを気がついたたルイズ、 ここはひとつバージルの気に入る物をプレゼントしご主人様としての株を上げる作戦に出ようとしたのだが… 「勝手にしろって!あんたも行くの!ついてきなさい!」 「なぜついていかねばならない、俺には関係ないだろう」 ご主人様らしい所を見せてやろうとしているのにこの男は…ッ! そう思いながら拳を握り締めルイズは続ける。 「あ、あんたに剣の一本でもなんでも買ってやろうって思ってるのよ!」 「必要ない、俺には閻魔刀がある、これ以上あっても邪魔なだけだ」 とりつく島もない、だがご主人様としての株が賭かって... -
蒼い使い魔-25
前ページ次ページ蒼い使い魔 やがてシルフィードがトリステインの王宮へとたどり着く、 場合が場合なだけに直接降下し、王宮の中へと進もうとすると、 多数の兵士たちがレイピアのような杖を構えルイズ達を取り囲んだ。 「杖と剣を捨てろ!!」 隊長らしい顔付きの男が警告を放つ、 国運を左右する重要な密命を完遂したにもかかわらず、少々残念な凱旋の出迎えである、 全員むっとした表情に変わる。 「宮廷」 タバサが呟き、杖を投げる。他のみなはしぶしぶ頷き、手にしていた杖を地面にへと放り投げた。―ただ一人を除いては 「今現在王宮の上空は飛行禁止だ!ふれを知らんのか?」 すると、ルイズがシルフィードから飛び降りて、毅然とした態度でそれに応える。 「わたしはラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズ・フランソワーズです!姫殿下に取り次ぎ願いたいわ!」 向こうの隊長が、自慢であろう口髭をひ... -
虚无(ヤク)い使い魔-03
前ページ次ページ虚无(ヤク)い使い魔 ハルキゲニアに召喚されて二日目 その日、八雲はルイズから言いわたされた洗濯物をかたづけた後、ルイズの授業に同行していた。 召喚の儀を終えて初めての授業は使い魔の顔見せの場でもある。 生徒たちは自分の召喚した使い魔を連れており、その光景を八雲は物珍しそうに眺めていた。 「異世界だって分かってたつもりだったけど…こりゃスゴイな。」 トリステインからとても遠く離れた場所から召喚されたというヤクモにとって目の前の光景は珍しいものなのかもしれない…しかし異世界とは一体何のことなのだろう? …だが今はそれどころではない ただでさえ平民の使い魔を連れてきたことでただでさえ注目を引いているところに、ヤクモはまるで田舎者のようにそわそわとふるまっている… ルイズは恥ずかしくてたまらなかった。 彼女に芽生えたその疑... -
蒼い使い魔-12a
前ページ次ページ蒼い使い魔 〜虚無の曜日から数日後〜 バージルが昼食のために厨房へ入ると 厨房全体の空気が重く沈んでいる 別にバージルが入って来たから空気が重くなったわけではない 厨房には使用人達やマルトーを筆頭とする料理人たちが集まっていたが全員表情が暗い その中にシエスタの姿は見ることが出来なかった 「何をしている」 「おぉ…!、『我等の剣』!来てくれたか…!」 バージルに気がついたマルトーが声をかける、だがその声はどことなく元気がない。 「……あの女はどうした…?」 先日幻影剣を放ったことにより、シエスタがバージルに対し怯えるようになってしまったが 洗濯はしてくれるので、バージルはそれほど気にしていなかったが、見かけないのは少し気になったらしい バージルはシエスタがいないことをマルトーに訪ねる 「あの女っていうと……あぁ…、シエスタか…実は…も... -
蒼い使い魔-09
前ページ次ページ蒼い使い魔 ギーシュとの決闘が終わり、ルイズはさっさと歩いて行くバージルへ駆け寄り質問する 「ねぇ、さっきの剣、あれってなに?先住魔法なの?」 「違う、俺の魔力を打ち出しただけだ。」 「そ、そう、そういうのを魔法っていうんじゃないかしら…、 あと、さっきの決闘、殺しちゃだめっていう命令を無視しかけていたとはいえよくやったわ、褒めてあげる」 そうルイズは言うと少し顔を赤くして俯く。 「フン…」 背中を向けたまま短く鼻を鳴らすとバージルは先ほど取り損ねた昼食をとるために食堂へと向かった。 バージルとルイズが食堂へ辿り着くとそこにはギーシュとの決闘騒ぎの発端となったメイド―シエスタが立っていた。 シエスタはバージルの姿をみるとすぐに駆け寄ってきた。 「あぁっ!バージルさんご無事でしたか!申し訳ございません!私のせいで危険な目にっ…! お怪... -
蒼い使い魔-19
前ページ次ページ蒼い使い魔 「ようやく来たか、使い魔君」 十分後バージルが指定された旧練兵場に着くと、既にワルドが待っていた。 錬兵場と言っても今は『女神の杯亭』の物置き場としか使われておらず、そこかしこに樽や木箱が積み上げられている広場で、 二人は二十歩ほど離れて向き合う。 「昔……、といってもきみにはわからんだろうが、かのフィリップ三世の治下には、ここでは貴族がよく決闘をしたものさ… 古きよき時代、王がまだ力を持ち、貴族たちがそれに従った時代…… 貴族が貴族らしかった時代……、名誉と、誇りをかけて僕たち貴族は魔法を唱えあった。 でも、実際はくだらないことで杖を抜きあったものさ。そう、例えば女を取り合ったりね」 「………」 腕を組んだまま無言でバージルはワルドを睨みつける 「そして立ち合いには、それなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」 ... -
蒼い使い魔-12b
前ページ次ページ蒼い使い魔 一方その頃、モット伯邸内では… モット伯は自室のソファに腰掛け優雅にワインを味わっていた 久しぶりの上物だ、どのようにして愉しもうか、 数多くの若い娘を召抱え味わって来たがあの娘はそのなかでもいい体つきをしている 顔も悪くない、そう考え一気にワインを煽る その時、モット伯のドアがコンコンッとノックされ先ほど呼びつけた若い娘の声がする 「シエスタでございます」 「入れ」 そう命ずるとかなり際どい格好をしたシエスタが入ってきた その顔は何かに怯えるように青くなっている。 「おぉ来たか、待っておったぞ、こっちだ」 そう嬉しそうにモット伯はシエスタを手招きする シエスタが覚悟を決めモット伯に近づいて行く、その時、ドンドンとドアが激しくノックされた 「なんだ?」 これから久しぶりの上物を愉しもうとしているところを邪魔され不愉快そう... -
罪深い使い魔-07
前ページ次ページ罪深い使い魔 「君も忙しい男だね、ミスタ・コペルニクス」 「どこの誰ですか! オールド・オスマン! いや、それより……」 コペルニクス、もといコルベールは両手で机をバン、と叩いた。 「やはり! 彼は伝説の『ガンダールヴ』です! 間違いありません!」 「静かにしたまえ、ミスタ・コルベール」 年長者の威厳を発揮してコルベールを押しとどめるオスマン。 「ちゃんと覚えてるじゃないですか!」というつっこみも綺麗に無視し、静かに告げた。 「彼が『ガンダールヴ』だというならなおさら冷静にならねばいかん。どこに目があるかわからんからな」 「は、はい……」 これを聞いてコルベールも落ち着きを取り戻す。 それを見てオスマンは満足し、しかし悩みの種が大きくなったことに眉根を寄せた。 「まったく、監視すると... -
蒼い使い魔-20
前ページ次ページ蒼い使い魔 ルイズは部屋を出た後、流れる涙を止められずにいた、 使い魔に見放された、そんな悲しさ、虚しさ、寂しさが襲いかかってくる。 「うっ…うぅっ…ひっく…」 止めて欲しかった、文句を言って欲しかった。 だが彼の口から出て来た言葉は一切の関わりを拒絶する言葉。 胸が、心が締め付けられるかのように痛い。 「なんであんなこと言っちゃったんだろう…」 そう呟きながらワルド達が酒を飲みつつ談笑している下へと降りる、 ―ドゴォォォォン!! 階段を降り切った所で、突如宿を凄まじい衝撃が襲う。 「えっ?なに!?」 ルイズがあわてて周りを見渡すのと同時に、 宿の扉が音を立てて開く。傭兵と思われる男たちが殺到してきた。 それにいち早く反応したワルドがルイズを抱き抱え、テーブルの影に隠れる、 タバサとキュルケがテーブルの足を崩し、盾にしながら魔法を放... -
蒼い使い魔-29
前ページ次ページ蒼い使い魔 バージルはシルフィードから降りた後、バージル達はタルブの村人達と合流、 ルイズの介抱をタバサや村人に任せ、ゼロ戦が奉納されている祠へと向かう。 アルビオンの竜騎兵により焼き払われたものの、 固定化がかかっているためもしかしたらゼロ戦は無事ではないか? という淡い期待を抱き様子を見に来たのである。 「…………」 「あー…相棒…こりゃダメだな…」 バージルが焼け落ちた祠へと足を踏み入れる そこにはわずかに原形は保っているものの無残に焼け落ちたゼロ戦の姿が。 それを見たバージルが眉間にしわを寄せそれに触れる。 「……エンジンはかろうじて無事みたいだが…これではどうしようもないな」 ルーンの力で確認すると舌打ちし踵を返す、人の気配を感じ顔を上げるとそこにはシエスタの姿があった。 「バージルさん…あの…ひいおじいちゃんの竜の羽衣は…?... -
蒼い使い魔-11
前ページ次ページ蒼い使い魔 ―フッ… 突如タバサの視界からバージルが消える 「…っ!?」 ズガンッ!一瞬でタバサの上空まで間合いを詰めたバージルのヘルムブレイカーが襲いかかった。 一瞬バージルを見失ったものの上空からの凄まじい殺気を感じ 横へ転がるように避けたタバサはすぐさま魔法の詠唱へと移る 「エア・ハンマー」 かつて彼を昏倒させた魔法を使う、今回は昏倒とまでは行かなくとも距離を取るつもりで放つ バージルは即座に反応、閻魔刀を抜き放ち魔力が込められた空気の塊を両断、 両者の間に大きな風の流れが巻き起こった。 タバサはフライを使い距離を取りつつ次の魔法の詠唱へと入る、 その隙をバージルが逃す筈もなく、デルフに魔力を込めタバサに思いっきり投げ付けた 「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 広場にデルフの悲鳴が木霊する、回転しながらすっ飛んで来るデル... -
蒼い使い魔-13
前ページ次ページ蒼い使い魔 『土くれのフーケ』 そう呼ばれトリステイン中の貴族を恐怖に陥れているメイジの盗賊がいる その手口は『錬金』の魔法を使い。頑強な扉や壁を粘土や砂に変え、密やかに忍び込み、盗み出す 例え『固定化』の魔法で守られていようが、その強力な『錬金』で打ち破り、ただの土くれへと変えてしまう。 故に名付けられた『土くれ』の二つ名。 だがその様な大人しい盗みばかりでは無い、 時に身の丈およそ30メイルの巨大なるゴーレムを操り、貴族の屋敷を、別荘を粉々に破壊し粉砕し、大胆に盗み出す。 正体不明にして強力なトライアングルクラスの『土』系統のメイジ、 犯行現場に壁に己の犯行の旨であるサインを残していく事もあり、最もトリステインで有名な盗賊である。 その盗賊『土くれのフーケ』が次に目をつけた場所、それこそがトリステイン魔法学院であった。 夜、二つの... -
虚无(ヤク)い使い魔-01
前ページ次ページ虚无(ヤク)い使い魔 何十年…たとえ何百年かかろうと必ずお前の元に帰るから...待っていてくれ 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 爆発の黒煙が薄れた時、そこに現れたのはどう見ても平民であった。 いや単なる平民であるならまだしも、ボロボロの薄汚れたその身なりは物乞いか浮浪者のそれである。 「見ろ、平民だ!ルイズが平民を呼び出したぞ」 その声を皮切りに、辺りには笑いの渦が巻き起こった。 「こいつぁヤクいぜ! まさか平民を呼び出すとはな」 「何あの小汚い格好... 浮浪者じゃない?」 「浮浪者?! こ...怖い」 「ゼロのルイズの使い魔は乞食じゃねーか!」 「み、ミスタ・コルベール!」 ルイズは泣き出しそうな顔で必死に訴... -
罪深い使い魔-11
何よ、この使い魔。 最近はいい子にしてたから、ご褒美に剣買ってあげたのに。 私の偉大さを見せつけてやったのに。 剣持った途端にこの有様? 平民のくせにゴーレムに立ち向かう? バカじゃないの? バカよバカ。 バカバカバカ。 本当にバカ。 剣なんか、渡すんじゃなかった。 翌日、トリステイン魔法学院は上を下への大騒ぎとなっていた。 賊の侵入。鉄壁だったはずの宝物庫の破壊。厳重に守られていた秘宝の強奪。 さらにそれらをやってのけたのは、巷を賑わすメイジの盗賊『土くれ』のフーケ。 まさに学院創設以来、屈指の大事件であり、同時に、過去に例を見ない大失態でもあった。 「土くれのフーケ! 貴族たちの財宝を荒らし回っているという盗賊か!」 魔法学院にまで手を出しおって! 随分とナメられたもんじゃないか!」 「衛兵は一体何... -
蒼い使い魔-32
前ページ次ページ蒼い使い魔 夜、バージルがルイズの部屋へと戻り、ソファに座ると タバサから受け取った伝説が書かれている文献を静かに読み始める。 そうして本を読んでいるとその横にルイズが座り中身を覗き込むのもいつの間にか習慣になっていた。 「何を読んでいるの?」 「イーヴァルディの勇者…、子供向けの文献、童話か…こんなものなんの参考にもならんな…」 「その本、平民に人気がある本よね、あんたがそんなものを読むなんて思わなかったわ」 「…タバサが持ってきた本だ、こんな文献に興味はない」 バージルはそう言うと本をパタンと閉じ、テーブルに放り投げソファの背もたれに背を預ける。 「…ねぇ、ちょっと読んでみてよ」 ルイズはその本を手に取るとバージルに差し出す 「…なぜだ」 「いいから、私が聞きたいの、読んで聞かせなさい」 ルイズの要求にバージルは一瞬眉を顰めるも渋々... -
虚无(ヤク)い使い魔-04
前ページ虚无(ヤク)い使い魔 昼食時の学生食堂……その厨房は戦場だ。 なにせ学園の大半の生徒が限られた休み時間の中、ほとんど一時におしかける。 それは貴族のご子息ご令嬢ご用達の格式高い『アルヴィーズの食堂』も例外ではない。 「おい!皿だ」 「ハイ、こっち」 「残飯は奥だ! そのあと洗い場へつっ込んどけ!」 「了解!」 「おめぇ、中々手際がいいじゃねーか!」 がっちりと太った大柄の男、この戦場の司令官であるコック長マルトーが急遽入った臨時戦力に称賛の言葉を贈る。 「どーも、実はむかし料理人めざしたんで、こういう仕事は嫌いじゃないんですよ」 「そうかそうか、それはいい!」 司令官は糸目の男の背中を「バン!」と叩く。 男はよれよれと前に2~3歩つんのめると手にした食器を落としそうになり、慌ててバランスを取る。 なんと... -
蒼い使い魔-23
前ページ次ページ蒼い使い魔 「では、ここで一旦お別れだな、使い魔君」 「………」 翌朝、ニューカッスルの秘密の港では『イーグル』号に女子供等の非戦闘員の搭乗が行われている、 その中で、バージルとワルドが向かい合っていた。 「ルイズが結婚式の準備でこれなくてね、見送りは僕だけだが、どうか許してほしい。 キュルケ達はタバサの風竜で帰るらしい、では再びトリステインで会おう」 特に会話をすることもなくバージルはさっさと『イーグル』号へと乗り込む。 全ての搭乗が完了した『イーグル』号は音をたて出港していった 「もう生きて会うことはないだろうがね…」 それを見送りながら誰にも聞こえないようにワルドがニヤリと口元を歪め呟く、 同時にワルドの姿が、一陣の風となってかき消えた。 『イーグル』号の出港から暫くした後… 始祖ブリミルの像が置かれた礼拝堂で、ウェールズは... -
蒼い使い魔-35
前ページ次ページ蒼い使い魔 朝、太陽が顔を出し、さわやかな日差しが部屋の中に差し込み始めたころ、ソファからバージルが起き上がる ふと床へ目をやると、そこには昨夜床につき落としたシルフィードの胸に顔をうずめる形でルイズが寝息を立てていた 「うぅ~ん……やわらか……うふふふ……」 「あっ……おにいさま……そんなに強く……」 なにやら幸せそうな顔で呟いている二人を放置し、掛けておいたコートを羽織る そして昨日受け取ったメモを確認していると、不意に部屋のドアがノックされる 応対のため静かにドアを開けると、そこにはタバサが立っていた 「何の用だ」 「これ」 タバサはそう言うと何やら大きめの服を手渡す 「あの子の服」 どうやらシルフィードのサイズに合う服を持ってきてくれたらしい、 ルイズの服ではサイズが合わないと駄々をこねていたのでありがたく受け取ることにした ... -
蒼い使い魔-34
前ページ次ページ蒼い使い魔 「あ、バージルさん!」 朝食も終わり、シエスタは食堂で後片付けをしていると、 ふらりとバージルが入ってくるのを見て嬉しそうに声をかける。 「シエスタか」 見るといつもより元気がない…というよりかは機嫌が悪そうに見える。 「あの、元気がないみたいですけどどうしちゃったんですか?」 「別に何もない……」 やはり機嫌が悪い、そう察したシエスタはどうにか機嫌を取り戻してあげようと、 朝、バージルが食堂に来ていないことを思い出す。 「そうですか……、あ、そう言えば、今朝、食堂で見かけませんでしたけど、もう朝食は取られてますか?」 「いや……」 バージルが力なく首を振る。 「それじゃあ、すぐに用意しますね、賄いですけど」 シエスタはポンと手を叩くと厨房へと向かう、バージルはふらりと適当なテーブルにつき、頭を抑える。 「………」 シ... -
罪深い使い魔-05
前ページ次ページ罪深い使い魔 「…………」 「クスクス……」 掃除を終わらせた二人(実際に掃除していたのは一人だけだが)は食堂への道を歩いている。 ただ奇妙なことに、いつも怒ってばかりのルイズは口を押さえて時折ぷっ、と噴出すようにして笑い、 それに付き合う使い魔は誰が見てもわかるくらいに機嫌を損ねていた。 「くくく……タ……タッちゃ……!」 「……いい加減にしろ」 「だ……だって……あんたどう見てもそんな顔じゃ……ぶぷっ!」 『あの時』もそうだったが、別に笑うようなことじゃないだろ! 一体何が面白いんだ! ルイズの機嫌は直ったが、その機嫌と引き換えに何か大切なものを失った気がするのは気のせいだろうか? そんなことを思いながら達哉は不機嫌なのを隠そうともせずルイズに付き従う。 どちらかと言えばあだ名そのものよ... -
蒼い使い魔-22
前ページ次ページ蒼い使い魔 「ばっ!ばかーーーー!何してんのよーー!!!」 突然天井から乱入しウェールズを殺害しようとしたバージルにルイズが慌てて怒鳴る。 少しでもルイズが声を上げるのが遅かったら今頃ウェールズの首は宙を舞っていただろう。 「こいつは賊だろう、何故生かす必要がある?」 閻魔刀を納刀しながら、バージルはルイズを睨みつける。 「ちっ!違うのよ!その人は空賊だけど殿下なのよ!」 「……意味がわからん」 「だから空賊として襲ってきたけどその人は本当は殿下本人で…あぁもう!」 「…わかるように説明しろ」 そう言いながらバージルはワルドを見る。 「つまりだ、君が今殺しかけたその人こそ、僕たちの旅の目的であるウェールズ殿下本人だ。 空賊に扮し敵の物資補給を断つ作戦の最中だったらしい、僕たちの乗った船は偶然それに巻き込まれてしまった、ということだ。」 ... - @wiki全体から「人のいい使い魔」で調べる