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第二話『ルイズとミント』
「うぅ・・・カボチャが・・・はっ!!」
いつも何か嫌な目に遭うとミントは決まって大嫌いなカボチャに囲まれる夢を見る。
そうして思い出すのはあの陰険で陰湿なクソ生意気な妹マヤの姿。
「ここは・・・?」
最悪な目覚めの中意識を覚醒させたミントは自分がベッドで寝ていた事に気が付いた。
それは家出をしてからは久しく味わっていなかった天蓋付きの随分と上等なベッドである。
「気が付いたみたいね、ここはあたしの部屋よ。あんたが広場で倒れてから大変だったんだから、あの憎いツェルプストーにも借りを作っちゃうし・・・」
意識が戻ったミントの直ぐ横、ベッドに腰掛ける形でルイズは不機嫌そうに言う。
「・・・あんたがあたしを介抱してくれたわけ?」
「フンッ、使い魔の管理は主の役目だからね、当然よ。」
ルイズの口から出てきた『使い魔』という言葉に自分が気を失う直前のやり取りとルイズの唇の感触をを思い出したミントは眉をひそめて自分の左手を見た。
既に痛みも違和感も無い、あの痛みと熱さは一体何だったのか?
(あれはノーカン。ノーカン。早く忘れましょっと。)
「で、その使い魔ってのは何な訳?いきなり呼び出されて訳も分からない内にこんな事になって。こっちは良い迷惑よ。きっちり説明して貰えるんでしょうね?」
ミントのその貴族への敬いなど一切感じられぬ言葉使いにルイズも一瞬眉をひそませるもそこは公爵家の娘として寛大な心で流すことにする。
「分かってるわよ、まずは昼間聞きそびれちゃったからね・・・あなた、名前は?」
「・・・人に名前尋ねる時は自分から名乗るもんよ。常識よ?」
「なっ!?」
思わぬ、だがもっともなミントの切り返しにルイズの言葉が詰まる。
まぁミントの事をよく知る人物がこの場に居ればミントの語る常識という言葉に耳を疑っただろう。
「分かったわよ、名乗ってあげるわ心して聞きなさい。
私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール
トリステイン王国ヴァリエール公爵家の娘よ。」
腰に手を当て胸を張り、高らかに名乗ったルイズ。
(ふふふ・・・この使い魔私の名前聞いてさぞ驚くわよ。)
しかしミントの反応はルイズの考えた物とは全く違った。
「ふーん、何かわかんないけどあんたそこそこ良い所のお嬢様なのね?
私はミント。『可愛くて格好いいミント様』でも『薔薇の様に美しいミント様』でも
何なら気軽に『ミント様』だけでも良いわよ。」
あろう事かヴァリエール公爵家の名前におののくどころか自分の事を様付けで呼べと言ってきた。
(え?何この平民?・・・え?)
ルイズが僅かな時間思考を停止させている間にミントが言葉を繋げる。
「で、早速だけどルイズ、あたしにはやる事があるからあたしを元の場所に戻してくれる?
今回はそれで昼間の事も許してあげないでも無いわ。呼び出したのがあんたならそれ位
出来るんでしょ?」
「あぁ・・・それ無理。呼び出す魔法はあっても送り返す魔法は存在しないの。」
事も無げに言うミントに合わせてルイズも又さも当然のごとく軽く答える。
「なっ」
「なっ・・・」
「なぬ~っっっ!!」
二つの月に照らされた魔法学園の女子寮に一人の可憐な乙女の絶叫が響いた。
「無理ってどういうことよ!!ふざけた事言ってるとマジで跳び蹴りかまして泣かすわよ!!」
「無理な物は無理なのよ!!それよりあんたはもう私の使い魔なの!!諦めてさっさと
ご主人様であるこの私に相応の態度をとりなさい!!これから誰があんたの食事や寝床を与えると思ってんのよ!!」
『『ワーワーギャーギャー!』』
ミントとルイズ、二人は言い争いを続けながら顔を寄せ合いうなる様に怒りの形相で互いを睨み付ける・・・
二人の美少女が月明かりの中ベッドの上で触れ合いそうな程に紅潮した顔を寄せ合う。
だが不思議な事に何とも色気や情緒の無い光景である。
「もういいわ!!女の子なんだから特別にベッドで寝かせてあげようと思ったけど
あんたは床よ!!床で寝なさい!!」
「嫌よっ!!何で王女のあたしが床で寝なきゃいけないのよ!!このベッドはあたしが貰った~!!」
「させるか!!この馬鹿使い魔!!」
熱い口論を繰り広げつつミントがベッドに勢いよくダイブし、ルイズも自分の寝床を奪われぬ様慌ててミントを布団から引きはがそうとする。
ミントの蹴りがルイズをベッドから叩き出せば、ルイズは毛布を力いっぱい引いてミントをベッドの上から引きずり落とす。
『『このヤロー!!』』
まさにくんずほぐれつ、二人の美少女が一つのベッドの上で夢中で息を荒げ、互いの身体に触れ合いその欲望をぶつけ合う・・・
なんと色気の無い事か・・・
そんなこんなでお互い途中で疲れて眠ってしまったのか気が付けば二人は仲良く
乱れたベッドの上で朝を迎えていた。
「完全に寝坊じゃないっ!あんたのせいよミント!!」
ベッドから飛び起きたネグリジェ姿のルイズは慌てた様子で怒鳴りながら鏡台の前で
クシャクシャになった自慢のピンクブロンドの髪を櫛でとき身だしなみを整える。
「て言うかあんたがいつ頃起きるか何てそもそもあたしは知らないわよ。」
対してミントは慌てたそぶりも無く肩を窄めた。
着の身着のままハルケギニアに飛ばされたのだから仕方ない。
「服。」
「着てるじゃ無い?」
「そこの机の上に出してる奴!!取りなさいって事よ!!」
「分かってるわよ、冗談の通じない奴ね。」
ミントはまぁこれくらいの我が儘位は聞いてやるかとテーブルの上のブラウスとスカートをルイズに手渡す。
そして服を受け取ったルイズはミントを少々苛立たしげにじっと見つめて少し考えた後受け取った衣服をミントに押し返す。
「ミント、着替えるの手伝いなさい。」
これにはミントの細くてヨレヨレの頼りない堪忍袋の緒が切れる。
「あんた何寝ぼけた事言ってんの?嫌に決まってるでしょ?・・・あたしがそんな事するとでも思ったわけ?」
「使用人や使い魔が居る場合貴族は着替えはそいつ等にやらせる物なの。いいから早く。」
「ハァ・・・付き合ってらんない。あたし部屋の外で待ってるわ。」
ルイズとのやりとりに呆れた様に溜息一つ吐いてミントはすたすたとルイズの部屋から出て行こうとする。
「ちょっと!!待ちなさいよ!!」
「・・・一つ言っとくわよルイズ。時間が押してるんなら無駄な努力の前に
早く一人で着替えれる様になった方が良いわ。なぜならあたしは絶対にあん
たの着替えなんか手伝わないから。」
嫌味たっぷりにそう言い残してバタンと音を立てて扉が閉まりミントの姿が廊下へ消える。
「・・・・・・あの馬鹿使い魔泣いて謝るまでご飯抜きだわ。・・・・・・絶対よ。」
~廊下~
「な・ん・な・の・よ!!あの子は!!」
一方ルイズの部屋の外、怒り心頭のミントが思い切り怒りをぶつける様に地面を足蹴にする。
「生意気で、我が儘で、捻くれてて、おまけに何なのよあのプライドの高さ!!
ある意味マヤよりタチ悪いじゃ無いの!!同じピンクの髪ならエレナがどれだけ良い子
か・・・ほんとに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ。」
これまた自分の事を棚に上げた事をこの美少女は口走る・・・
「エレナ心配してんだろうな~・・・」
ふと頭をよぎるのはクラウスの娘エレナの事、常に全力で走り続けるミントを尊敬し常に裏表無く屈託の無い笑顔を絶やす事の無いごく普通の平凡な女の子
そんな事をぼんやりと考えているとミントの視界の先、ルイズの部屋の隣の扉が開いた。
「あら、あなたはルイズの使い魔の・・・」
開いた扉から出てきたのはルイズの部屋のお隣さんの女である。
真っ赤な髪に健康的な小麦色の肌、ルイズやミントと比べて随分と妖艶な色香を放つワガママボディー、が特徴の女・・・
当然のごとくミントと女は互いの姿を見留め、ごく自然に好奇心に駆られた女の方から興味深げにミントへと接触を図った。
「(でっかい乳ね~・・・)悪いけどあたしは使い魔なんて名前かじゃないわ。
ミント様って名前があるもの。」
ミントとて誰彼構わず喧嘩を売るわけでは無い、少々使い魔呼ばわりは不服であったが軽い挨拶程度には女に答える。
「それもそうね、失礼したわ。私はキュルケ。キュルケ・フォン・ツェルプストー、微熱のキュルケよ。よろしくミント。」
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第二話『ルイズとミント』
「うぅ・・・カボチャが・・・はっ!!」
いつも何か嫌な目に遭うとミントは決まって大嫌いなカボチャに囲まれる夢を見る。
そうして思い出すのはあの陰険で陰湿なクソ生意気な妹マヤの姿。
「ここは・・・?」
最悪な目覚めの中意識を覚醒させたミントは自分がベッドで寝ていた事に気が付いた。
それは家出をしてからは久しく味わっていなかった天蓋付きの随分と上等なベッドである。
「気が付いたみたいね、ここはあたしの部屋よ。あんたが広場で倒れてから大変だったんだから、あの憎いツェルプストーにも借りを作っちゃうし・・・」
意識が戻ったミントの直ぐ横、ベッドに腰掛ける形でルイズは不機嫌そうに言う。
「・・・あんたがあたしを介抱してくれたわけ?」
「フンッ、使い魔の管理は主の役目だからね、当然よ。」
ルイズの口から出てきた『使い魔』という言葉に自分が気を失う直前のやり取りとルイズの唇の感触をを思い出したミントは眉をひそめて自分の左手を見た。
既に痛みも違和感も無い、あの痛みと熱さは一体何だったのか?
(あれはノーカン。ノーカン。早く忘れましょっと。)
「で、その使い魔ってのは何な訳?いきなり呼び出されて訳も分からない内にこんな事になって。こっちは良い迷惑よ。きっちり説明して貰えるんでしょうね?」
ミントのその貴族への敬いなど一切感じられぬ言葉使いにルイズも一瞬眉をひそませるもそこは公爵家の娘として寛大な心で流すことにする。
「分かってるわよ、まずは昼間聞きそびれちゃったからね・・・あなた、名前は?」
「・・・人に名前尋ねる時は自分から名乗るもんよ。常識よ?」
「なっ!?」
思わぬ、だがもっともなミントの切り返しにルイズの言葉が詰まる。
まぁミントの事をよく知る人物がこの場に居ればミントの語る常識という言葉に耳を疑っただろう。
「分かったわよ、名乗ってあげるわ心して聞きなさい。
私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール
トリステイン王国ヴァリエール公爵家の娘よ。」
腰に手を当て胸を張り、高らかに名乗ったルイズ。
(ふふふ・・・この使い魔私の名前聞いてさぞ驚くわよ。)
しかしミントの反応はルイズの考えた物とは全く違った。
「ふーん、何かわかんないけどあんたそこそこ良い所のお嬢様なのね?
私はミント。『可愛くて格好いいミント様』でも『薔薇の様に美しいミント様』でも
何なら気軽に『ミント様』だけでも良いわよ。」
あろう事かヴァリエール公爵家の名前におののくどころか自分の事を様付けで呼べと言ってきた。
(え?何この平民?・・・え?)
ルイズが僅かな時間思考を停止させている間にミントが言葉を繋げる。
「で、早速だけどルイズ、あたしにはやる事があるからあたしを元の場所に戻してくれる?
今回はそれで昼間の事も許してあげないでも無いわ。呼び出したのがあんたならそれ位
出来るんでしょ?」
「あぁ・・・それ無理。呼び出す魔法はあっても送り返す魔法は存在しないの。」
事も無げに言うミントに合わせてルイズも又さも当然のごとく軽く答える。
「なっ」
「なっ・・・」
「なぬ~っっっ!!」
二つの月に照らされた魔法学園の女子寮に一人の可憐な乙女の絶叫が響いた。
「無理ってどういうことよ!!ふざけた事言ってるとマジで跳び蹴りかまして泣かすわよ!!」
「無理な物は無理なのよ!!それよりあんたはもう私の使い魔なの!!諦めてさっさと
ご主人様であるこの私に相応の態度をとりなさい!!これから誰があんたの食事や寝床を与えると思ってんのよ!!」
『『ワーワーギャーギャー!』』
ミントとルイズ、二人は言い争いを続けながら顔を寄せ合いうなる様に怒りの形相で互いを睨み付ける・・・
二人の美少女が月明かりの中ベッドの上で触れ合いそうな程に紅潮した顔を寄せ合う。
だが不思議な事に何とも色気や情緒の無い光景である。
「もういいわ!!女の子なんだから特別にベッドで寝かせてあげようと思ったけど
あんたは床よ!!床で寝なさい!!」
「嫌よっ!!何で王女のあたしが床で寝なきゃいけないのよ!!このベッドはあたしが貰った~!!」
「させるか!!この馬鹿使い魔!!」
熱い口論を繰り広げつつミントがベッドに勢いよくダイブし、ルイズも自分の寝床を奪われぬ様慌ててミントを布団から引きはがそうとする。
ミントの蹴りがルイズをベッドから叩き出せば、ルイズは毛布を力いっぱい引いてミントをベッドの上から引きずり落とす。
『『このヤロー!!』』
まさにくんずほぐれつ、二人の美少女が一つのベッドの上で夢中で息を荒げ、互いの身体に触れ合いその欲望をぶつけ合う・・・
なんと色気の無い事か・・・
そんなこんなでお互い途中で疲れて眠ってしまったのか気が付けば二人は仲良く
乱れたベッドの上で朝を迎えていた。
「完全に寝坊じゃないっ!あんたのせいよミント!!」
ベッドから飛び起きたネグリジェ姿のルイズは慌てた様子で怒鳴りながら鏡台の前で
クシャクシャになった自慢のピンクブロンドの髪を櫛でとき身だしなみを整える。
「て言うかあんたがいつ頃起きるか何てそもそもあたしは知らないわよ。」
対してミントは慌てたそぶりも無く肩を窄めた。
着の身着のままハルケギニアに飛ばされたのだから仕方ない。
「服。」
「着てるじゃ無い?」
「そこの机の上に出してる奴!!取りなさいって事よ!!」
「分かってるわよ、冗談の通じない奴ね。」
ミントはまぁこれくらいの我が儘位は聞いてやるかとテーブルの上のブラウスとスカートをルイズに手渡す。
そして服を受け取ったルイズはミントを少々苛立たしげにじっと見つめて少し考えた後受け取った衣服をミントに押し返す。
「ミント、着替えるの手伝いなさい。」
これにはミントの細くてヨレヨレの頼りない堪忍袋の緒が切れる。
「あんた何寝ぼけた事言ってんの?嫌に決まってるでしょ?・・・あたしがそんな事するとでも思ったわけ?」
「使用人や使い魔が居る場合貴族は着替えはそいつ等にやらせる物なの。いいから早く。」
「ハァ・・・付き合ってらんない。あたし部屋の外で待ってるわ。」
ルイズとのやりとりに呆れた様に溜息一つ吐いてミントはすたすたとルイズの部屋から出て行こうとする。
「ちょっと!!待ちなさいよ!!」
「・・・一つ言っとくわよルイズ。時間が押してるんなら無駄な努力の前に
早く一人で着替えれる様になった方が良いわ。なぜならあたしは絶対にあん
たの着替えなんか手伝わないから。」
嫌味たっぷりにそう言い残してバタンと音を立てて扉が閉まりミントの姿が廊下へ消える。
「・・・・・・あの馬鹿使い魔泣いて謝るまでご飯抜きだわ。・・・・・・絶対よ。」
~廊下~
「な・ん・な・の・よ!!あの子は!!」
一方ルイズの部屋の外、怒り心頭のミントが思い切り怒りをぶつける様に地面を足蹴にする。
「生意気で、我が儘で、捻くれてて、おまけに何なのよあのプライドの高さ!!
ある意味マヤよりタチ悪いじゃ無いの!!同じピンクの髪ならエレナがどれだけ良い子
か・・・ほんとに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ。」
これまた自分の事を棚に上げた事をこの美少女は口走る・・・
「エレナ心配してんだろうな~・・・」
ふと頭をよぎるのはクラウスの娘エレナの事、常に全力で走り続けるミントを尊敬し常に裏表無く屈託の無い笑顔を絶やす事の無いごく普通の平凡な女の子
そんな事をぼんやりと考えているとミントの視界の先、ルイズの部屋の隣の扉が開いた。
「あら、あなたはルイズの使い魔の・・・」
開いた扉から出てきたのはルイズの部屋のお隣さんの女である。
真っ赤な髪に健康的な小麦色の肌、ルイズやミントと比べて随分と妖艶な色香を放つワガママボディー、が特徴の女・・・
当然のごとくミントと女は互いの姿を見留め、ごく自然に好奇心に駆られた女の方から興味深げにミントへと接触を図った。
「(でっかい乳ね~・・・)悪いけどあたしは使い魔なんて名前かじゃないわ。
ミント様って名前があるもの。」
ミントとて誰彼構わず喧嘩を売るわけでは無い、少々使い魔呼ばわりは不服であったが軽い挨拶程度には女に答える。
「それもそうね、失礼したわ。私はキュルケ。キュルケ・フォン・ツェルプストー、微熱のキュルケよ。よろしくミント。」
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