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#navi(カラッポの使い魔)
&setpagename(カラッポの使い魔 第1話)
#settitle(カラッポの使い魔 第1話)
・・・・・・人に会いたい
魔で満ちた空間の中で、彼はそうつぶやいた
人修羅と呼ばれ、力による支配を良しとせず、静寂を拒み、孤独を嫌った悪魔は今
彼にとっては全く意味を成さない紅い感情の奔流の中で、孤独と静寂に身を蝕まれていた
絶対の孤独
彼の周りには、誰もいない
いつもは聞こえるはずの『声』も聞こえない
彼の周りに居た『はず』の仲魔は何処にも居ない『彼女』が居ない
目覚めたら彼は一人だった
目覚めたら彼はこの場所にいた
神をも倒す力を身につけた人間の少年は、たった一人でここにいた
「人に会いたい。」
何度、つぶやいただろう
何度、『彼女』を探しただろう
何度、出口を探しただろう
会えなかった
居なかった
見つからなかった
だから
『輝く扉の様な魔法陣』が彼の前に現れた時
彼がした行動を避難する事は出来ないだろう
それが、使い魔召喚の為の魔法陣だとしても・・・・・・
そして、それを彼が理解していたとしても・・・・・・
一方 その少し前
桃色ががったブロンド髪の少女 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは焦っていた
何度やっても『サモン・サーヴァント』が成功しない
失敗回数はすでに三桁を超えており、本来の授業時間は過ぎ担当教師に頼み込んで追加で監督をして貰っているのに一向に成功しない
春の使い魔召喚の儀式は神聖な儀式、このような状況ですら前代未聞だというのに、召喚すら出来ないのでは留年もやむなし
それだけは避けるべく再度、呪文を唱える ━━━━━━━━━ 爆発
「・・・・・・これで、通算665回目の失敗ですね。」
担当教師のコルベール教師が冷静にルイズの失敗をカウントする
「もう一度! もう一度だけお願いします!!ミスタ・コルベール!!!」
食い下がるルイズにコルベールはゆっくりかぶりを降って、ルイズの肩に手を置く
「残念だが、ミス・ヴァリエール。」
彼女の使い魔召喚の儀式は失敗だ
それは回数が証明している
目の前の少女にはあきらめの顔が見られない
だがそれでも、665回の失敗は覆されない
彼女の使い魔召喚の儀式は失敗だ、それを告げなければならない
コルベールはいくらか気分が重くなり、空を見上げた
二つの月が淡く輝いていた・・・・・・
が、それでも、少女の懇願は止まない
当たり前だろう、自分の進級がかかっている、それよりも何よりもコルベールは彼女が『ゼロ』と呼ばれている事を知っている
だから
「もう一度だけですよ。ミス・ヴァリエール。」
同情からか、そう言ってしまったのも無理はない
そして、ルイズは詠唱を始める
「この世のどこかに存在する・・・もっとも強き我が下僕よ・・・我が呼び声に答え・・・今 ここに姿を現せ!!」
━━━━━━━━━ 心臓が跳ねた
気持ち悪い 吐き気がする 頭が痛い 殺さないで 手がしびれる 前が見えない 暗い 口の中が生暖かい 紅い
ルイズは己が開いたゲートから紅いナニカが吹き出すのを見ながら意識を失った
理性が言った
構えろ と
本能が言った
膝をついて許しを請え と
教師である自分が言った
横にいる生徒を見捨てるのか と
体が膝ついて言った
立てない と
それでも、コルベールは目の前の、おそらくルイズが召喚したであろう存在を凝視した
ぼんやりと光る人型が見える
ゆらりと、此方に歩いてくる
はっきりと、見える
男だ
相手も此方に気が付いたようだ
立たねば
震える足に力を込める
半ばまで立ち上がったところで足に力が入らなくなる
相手が此方を見た
不味い
口を開けた
「あの・・・・大丈夫ですか?」
出会うはずのない二人 出会った先に待つのは・・・・・・
#navi(カラッポの使い魔)
#navi(カラッポの使い魔)
&setpagename(カラッポの使い魔 第一話)
#settitle(カラッポの使い魔 第一話)
・・・・・・人に会いたい
魔で満ちた空間の中で、彼はそうつぶやいた
人修羅と呼ばれ、力による支配を良しとせず、静寂を拒み、孤独を嫌った悪魔は今
彼にとっては全く意味を成さない紅い感情の奔流の中で、孤独と静寂に身を蝕まれていた
絶対の孤独
彼の周りには、誰もいない
いつもは聞こえるはずの『声』も聞こえない
彼の周りに居た『はず』の仲魔は何処にも居ない『彼女』が居ない
目覚めたら彼は一人だった
目覚めたら彼はこの場所にいた
神をも倒す力を身につけた人間の少年は、たった一人でここにいた
「人に会いたい。」
何度、つぶやいただろう
何度、『彼女』を探しただろう
何度、出口を探しただろう
会えなかった
居なかった
見つからなかった
だから
『輝く扉の様な魔法陣』が彼の前に現れた時
彼がした行動を避難する事は出来ないだろう
それが、使い魔召喚の為の魔法陣だとしても・・・・・・
そして、それを彼が理解していたとしても・・・・・・
一方 その少し前
桃色ががったブロンド髪の少女 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは焦っていた
何度やっても『サモン・サーヴァント』が成功しない
失敗回数はすでに三桁を超えており、本来の授業時間は過ぎ担当教師に頼み込んで追加で監督をして貰っているのに一向に成功しない
春の使い魔召喚の儀式は神聖な儀式、このような状況ですら前代未聞だというのに、召喚すら出来ないのでは留年もやむなし
それだけは避けるべく再度、呪文を唱える ━━━━━━━━━ 爆発
「・・・・・・これで、通算665回目の失敗ですね。」
担当教師のコルベール教師が冷静にルイズの失敗をカウントする
「もう一度! もう一度だけお願いします!!ミスタ・コルベール!!!」
食い下がるルイズにコルベールはゆっくりかぶりを降って、ルイズの肩に手を置く
「残念だが、ミス・ヴァリエール。」
彼女の使い魔召喚の儀式は失敗だ
それは回数が証明している
目の前の少女にはあきらめの顔が見られない
だがそれでも、665回の失敗は覆されない
彼女の使い魔召喚の儀式は失敗だ、それを告げなければならない
コルベールはいくらか気分が重くなり、空を見上げた
二つの月が淡く輝いていた・・・・・・
が、それでも、少女の懇願は止まない
当たり前だろう、自分の進級がかかっている、それよりも何よりもコルベールは彼女が『ゼロ』と呼ばれている事を知っている
だから
「もう一度だけですよ。ミス・ヴァリエール。」
同情からか、そう言ってしまったのも無理はない
そして、ルイズは詠唱を始める
「この世のどこかに存在する・・・もっとも強き我が下僕よ・・・我が呼び声に答え・・・今 ここに姿を現せ!!」
━━━━━━━━━ 心臓が跳ねた
気持ち悪い 吐き気がする 頭が痛い 殺さないで 手がしびれる 前が見えない 暗い 口の中が生暖かい 紅い
ルイズは己が開いたゲートから紅いナニカが吹き出すのを見ながら意識を失った
理性が言った
構えろ と
本能が言った
膝をついて許しを請え と
教師である自分が言った
横にいる生徒を見捨てるのか と
体が膝ついて言った
立てない と
それでも、コルベールは目の前の、おそらくルイズが召喚したであろう存在を凝視した
ぼんやりと光る人型が見える
ゆらりと、此方に歩いてくる
はっきりと、見える
男だ
相手も此方に気が付いたようだ
立たねば
震える足に力を込める
半ばまで立ち上がったところで足に力が入らなくなる
相手が此方を見た
不味い
口を開けた
「あの・・・・大丈夫ですか?」
出会うはずのない二人 出会った先に待つのは・・・・・・
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