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「魔法少女リリカルルイズ07」(2009/03/01 (日) 11:38:23) の最新版変更点
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#navi(魔法少女リリカルルイズ)
食事の間ルイズは心配になってきた。
ユーノはちゃんと食べているだろうか。
出された物が本当はフェレットに食べられない物じゃないだろうか。
心配になったので確認することにした。
(ユーノ、ユーノ。ご飯、食べてる?)
念話で話しかける。
(あ、ルイズ。うん、食べてるよ。おいしいよ)
ほっとする。
(だったら、食べ終わったら教室に来てね)
(うん、わかったよ)
どうやら心配はなかったようだ。
食事に戻ったルイズは弟ができたらこんなのかも知れない、そんなことを考えていた。
厨房の片付けをしていたシエスタは小さいなにかを叩く音を聞いた。
トントントントン音がする。
耳を澄ませるとやっと音の方向がわかった。
入り口のドアが叩かれている。
だけど少しおかしい。
扉は普通、胸の高さで叩く物だが、この音は膝の高さくらいを叩いている音に聞こえる。
それでも扉が叩かれているのには変わりない。
「はーい、待ってください」
小走りで扉まで行って、開ける。
「あら……?」
誰もいない。
左右を見回すが人影もない。
もう一回見回しているうちに足下から小さい動物の鳴き声が聞こえた。
「きゃっ!?」
予想外の物を見つけて声を上げてしまう。
「どうした?……こ、こいつは」
聞きつけたマルトーも来たがこちらも固まってしまう。
二人の足下にはミス・ヴァリエールの使い魔のフェレットがいた。
フェレットが皿を持って待っていたのだ。
渡したいように前に皿を持っているのでマルトーが皿の端をつまんだ。
「これでいいのか?」
マルトーが皿をしっかり持つとフェレットは前足を放し、1回お辞儀をしてどこかへ走って行ってしまった。
「随分丁寧な使い魔さんでしたね」
「ああ、いけすかねえ貴族どもの使い魔とは思えねえくらい丁寧なヤツだ」
二人はしばらく扉の前に立っていた。
ミス・シュヴルーズが教壇で話を始めたとき、ルイズは酷く落ち着かなかった。
「このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」
さらにあわてる。無意味にきょろきょろする。
ユーノがまだ来てないのだ。
教室に来て、とだけ言って教室の場所を教えていなかったのであたりまえと言えばあたりまえである。
念話を使うとユーノがかなり近くに来ていたことがわかった。
「おや、ミス・ヴァリール。あなたの使い魔はどうしたのですか?」
「い、今ここに来てます」(早く来て、ユーノ)
声が少し裏返ってしまった。
「ホントは、召喚に失敗したんじゃないのか。ゼロのルイズ。」
「なによ!あんただって見てたじゃない。私が召喚するとこ」
「じゃあ、使い魔に逃げられたんだぜ」
「逃げられてないわよ!すぐに来るんだから!!」
扉が少し動く。
隙間が出てきて、ユーノが入ってきた。
ユーノは走って、ルイズの足下へ。
(何してたのよ。おそいじゃない)
(ご、ごめん)
(いいわ。でも今度はもっと早く来てね)
ユーノに手を走らせ、机の上に上げてからルイズはマリコルヌを睨んだ。
「ほら見なさい。ちゃんと来たじゃない」
マリコルヌは憮然として席に着いた。
「では、ミス・ヴァリエールの使い魔も見せていただいたところで授業を始めましょう」
生徒達がシュヴルーズに注目した。
ユーノも注目した。
「なにか、生徒が1人増えたような気がしますね」
シュヴルーズは杖を振りながら授業を始めた。
授業は今までの復習から始まったようだ。
4つの系統の話から始まりドット、トライアングル、スクエアと言ったメイジのレベルの話をおさらいしていく。
生徒達は次第に集中力を失っていったが、ルイズの隣でユーノはシュヴルーズを熱心に聞いていた。
(ねえ、ユーノ。面白いの?)
ルイズにしてみれば、何度も聞いた話だ。
重要な部分であるのはわかるが、とうに聞き飽きている。
(うん。面白いよ。4系統は他の文明でもよく出てくるけど、ドットやトライアングルって言うのは珍しいね。どうなってるんだろう)
そういえばユーノは遺跡発掘の仕事をしていたと言ってたから他の文明には詳しいのだろう。
といっても、ルイズにはフェレットが遺跡発掘をしている姿がどうにも想像できなかった。
世界ってもしかしたら私が思っているのよりずっと広いのかも知れない。
ルイズが世界の広さに思いを馳せている間も授業は進んでいく。
「では、この石を真鍮に変えてもらいましょう。誰にやってもらいましょうか」
シュヴルーズは生徒達を見回す。
「先生、僕が……」
ギーシュが立ち上がって薔薇をキザに振ったところでルイズは決心した。
先に立ったギーシュを押し切る声を上げる。
「先生!私がやります。やらせてください!!!」
あまり大きなの声だったで、みんながルイズを見る。
キュルケが顔を青ざめさせてきた。
「ちょっと、ルイズ。本気?」
「もちろん本気よ」
「止めなさい!あなたなにをしようとしているかわかってるの?だいたい、あなたは……」
「ミス・ツェルプスト。それは言いすぎでしょう」
シュヴルーズが二人の間にはいる。
「ミス・ヴァリエール。やってご覧なさい」
「はい!」
教壇の前に走っていく。
「見てなさい、キュルケ。絶対成功させてやるんだから」
そうよ、絶対成功するんだから。
自信があるんだから。
昨日の夜だってあんなにすごい魔法を使えた。
ユーノと念話だってできる。
そう、この数時間使う魔法は全部成功させている。
それに私には助けがある。
「レイジングハート、手伝ってね」
「Yes.My master」
こっそりたのんでおく。
教壇に立つとキュルケはもう逃げる準備をしている。
それに比べてユーノはしっかりこっちを見ている。
(ルイズ、がんばって)
(あたりまえよ)
まずはレイジングハートを起動……は止めておく。
変身した後の服のバリアジャケットはすごく素敵だがあまりによすぎて今みんなにお披露目するのは恥ずかしい。
起動はやめて、杖を持つ反対の手でレイジングハートを握る。
ルイズは目をつむり、ルーンを唱えた。
ふと思う。
もしかして力をより集中させたらすごい成功になるかも知れない。
力を集中させるには、あの言葉。
(リリカル、マジカル)
レイジングハートに力が貯まっていくのがわかった。
起動させているときほどではないが、少しずつ貯まっていく。
(リリカル、マジカル)
また少し。
(リリカル、マジカル)
いける。
レイジングハートと体に貯まっている力が自信になる。
ルイズは杖を振り下ろした。
「Error.」
庭を掃除しているシエスタの後ろで爆音が聞こえた。
爆発自体はよくあることなので普段なら気にしないが、今のはとても気になる。
いつもの3倍くらい大きな音だったからだ。
音の元を見ると、教室から煙がもうもうと噴き上がっていた。
さらに、窓から誰かが─シエスタは知らないがマリコルヌが─魔法も使わずに飛んでいくのが見えた。
シエスタは放物線を描いて飛んでいくマリコルヌを目で追った。
とりあえず、どうしていいかわからなかったからだ。
学園の塀の手前まで飛んだところでようやく頭が働き始めた。
「大変!!」
シエスタは塀の向こうに貴族を追っていった。
煙の晴れた教室は惨憺たる物だった。
無事な家具は1つもない。
机の下に隠れた生徒もひっくり返っている。
シュヴルーズについては言うまでもない。
顔を炭で真っ黒にして気絶中だ。
ギーシュは何故か指で床に落ちた灰に「ルイズ」と書いていてから倒れている。
「な、なんで失敗したのよ」
ルイズは涙目でつぶやいた。
「なんで……じゃないわよ」
キュルケはそれだけ言うと口から煙を噴いて力尽きた。
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
食事の間、ルイズは心配になってきた。
ユーノはちゃんと食べているだろうか。
出された物が本当はフェレットに食べられない物じゃないだろうか。
心配になったので確認することにした。
(ユーノ、ユーノ。ご飯、食べてる?)
念話で話しかける。
(あ、ルイズ。うん、食べてるよ。おいしいよ)
ほっとする。
(だったら、食べ終わったら教室に来てね)
(うん、わかったよ)
どうやら心配はなかったようだ。
食事に戻ったルイズは、弟ができたらこんなのかも知れない、そんなことを考えていた。
厨房の片付けをしていたシエスタは小さい何かを叩く音を聞いた。
トントントントン音がする。
耳を澄ませるとやっと音の方向がわかった。
入り口のドアが叩かれている。
だけど少しおかしい。
扉は普通、胸の高さで叩く物だが、この音は膝の高さくらいを叩いているように聞こえる。
それでも扉が叩かれているのには変わりない。
「はーい、待ってください」
小走りで扉まで行って、開ける。
「あら……?」
誰もいない。
左右を見回すが人影もない。
もう一回見回しているうちに足下から小さい動物の鳴き声が聞こえた。
「きゃっ!?」
予想外の物を見つけて声を上げてしまう。
「どうした?……こ、こいつは」
聞きつけたマルトーも来て目を丸くしてしまう。
二人の足下にはミス・ヴァリエールの使い魔のフェレットが皿を持って待っていたのだ。
渡したいように前に皿を出しているのでマルトーが皿の端をつまんだ。
「これでいいのか?」
マルトーが皿をしっかり持つとフェレットは前足を放し、1回お辞儀をしてどこかへ走って行ってしまった。
「随分丁寧な使い魔さんでしたね」
「ああ、いけすかねえ貴族どもの使い魔とは思えねえくらい丁寧なヤツだ」
二人はしばらく扉の前に立っていた。
ミス・シュヴルーズが教壇で話を始めたとき、ルイズは酷く落ち着かなかった。
「このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」
さらにあわてる。無意味にきょろきょろする。
ユーノがまだ来てないのだ。
教室に来て、とだけ言って教室の場所を教えていなかったのであたりまえと言えばあたりまえである。
念話を使うとユーノがかなり近くに来ていたことがわかった。
「おや、ミス・ヴァリール。あなたの使い魔はどうしたのですか?」
「い、今ここに来てます」(早く来て、ユーノ)
声が少し裏返ってしまった。
「ホントは召喚に失敗したんじゃないのか。ゼロのルイズ。」
「なによ!あんただって見てたじゃない。私が召喚するとこ」
「じゃあ、使い魔に逃げられたんだぜ」
「逃げられてないわよ!すぐに来るんだから!!」
扉が少し動く。
少し開いた扉の隙間から入ってきたユーノは、ルイズの足下まで走ってくる。
(何してたのよ。おそいじゃない)
(ご、ごめん)
(いいわ。でも今度はもっと早く来てね)
ユーノに手を走らせ、机の上に上げてからルイズはマリコルヌを睨んだ。
「ほら見なさい。ちゃんと来たじゃない」
マリコルヌは憮然として席に着いた。
「では、ミス・ヴァリエールの使い魔も見せていただいたところで授業を始めましょう」
生徒達がシュヴルーズに注目したのと同じようにユーノも注目する。
「なにか生徒が1人増えたような気がしますね」
シュヴルーズは杖を振りながら授業を始めた。
授業は今までの復習から始まった。
4つの系統の話から始まりドット、トライアングル、スクエアと言ったメイジのレベルの話をおさらいしていく。
生徒達は次第に集中力を失っていったが、ルイズの隣でユーノはシュヴルーズを熱心に聞いていた。
(ねえ、ユーノ。面白いの?)
ルイズにしてみれば何度も聞いた話だ。
重要な部分であるのはわかるが、とうに聞き飽きている。
(うん、面白いよ。4系統は他の文明でもよく出てくるけど、ドットやトライアングルって言うのは珍しいね。どうなってるんだろう)
そういえばユーノは遺跡発掘の仕事をしていたと言ってたから他の文明には詳しいのだろう。
といってもルイズにはフェレットが遺跡発掘をしている姿がどうにも想像できなかった。
──世界ってもしかしたら私が思っているのよりずっと広いのかも知れない。
ルイズが世界の広さに思いを馳せている間も授業は進んでいく。
「では、この石を真鍮に変えてもらいましょう。誰にやってもらいましょうか」
シュヴルーズは生徒達を見回す。
「先生、僕が……」
ギーシュが立ち上がって薔薇をキザに振ったところでルイズは決心した。
先に立ったギーシュを押し切る声を上げる。
「先生!私がやります。やらせてください!!!」
あまり大きなの声だったで、みんながルイズを見る。
キュルケが顔を青ざめさせていた。
「ちょっと、ルイズ。本気?」
「もちろん本気よ」
「止めなさい!あなたなにをしようとしているかわかってるの?だいたい、あなたは……」
「ミス・ツェルプスト。それは言いすぎでしょう」
シュヴルーズが二人の間に入る。
「ミス・ヴァリエール。やってご覧なさい」
「はい!」
教壇の前に走っていく。
「見てなさい、キュルケ。絶対成功させてやるんだから」
──そうよ、絶対成功するんだから。
──自信があるんだから。
昨日の夜だってあんなにすごい魔法を使えた。
ユーノと念話だってできる。
そう、この数時間使う魔法は全部成功させている。
──それに私にはこれがある。
「レイジングハート、手伝ってね」
「Yes.My master」
こっそりたのんでおく。
教壇に立つとキュルケはもう逃げる準備をしていた。
それに比べてユーノはしっかりこっちを見ている。
(ルイズ、がんばって)
(あたりまえよ)
まずはレイジングハートを起動……は止めておく。
変身した後の服のバリアジャケットはすごく素敵だがあまりによすぎて今みんなにお披露目するのは恥ずかしい。
なので杖を持つ反対の手でレイジングハートを握った。
ルイズは目をつむり、ルーンを唱える。
ふと思う。
──もしかして力をもっと集中させたらすごい成功になるかも知れない。
力を集中させるには、あの言葉。
(リリカル、マジカル)
レイジングハートに力が貯まっていくのがわかった。
起動させているときほどではないが魔力が少しずつ貯まっていく。
(リリカル、マジカル)
また少し。
(リリカル、マジカル)
──いける!
レイジングハートと体に貯まっている力が自信を呼び起こす。
ルイズは杖を振り下ろした。
「Error.」
庭を掃除しているシエスタの後ろで爆音がした。
爆発自体はよくあることなので普段なら気にしないが、今のはとても気になる。
いつもの3倍くらい大きな音だったからだ。
音の元を見ると教室から煙がもうもうと噴き上がっていた。
さらに窓から誰かが──シエスタは知らないがマリコルヌが──魔法も使わずに飛んでいくのが見えた。
シエスタは放物線を描いて飛んでいくマリコルヌを目で追った。
とりあえずどうしていいかわからなかったからだ。
マリコルヌが学園の塀の手前まで飛んだところで、ようやく頭が働き始めた。
「大変!!」
シエスタは塀の向こうに飛んでいくマリコルヌを追って走り出した。
煙の晴れた教室は惨憺たる物だった。
無事な家具は1つもない。
机の下に隠れた生徒もひっくり返っている。
シュヴルーズについては言うまでもない。
顔を炭で真っ黒にして気絶中だ。
ギーシュは何故か指で床に落ちた灰に「ルイズ」と書いていてから倒れている。
「な、なんで失敗したのよ」
ルイズは涙目でつぶやいた。
「なんで……じゃないわよ」
キュルケはそれだけ言うと口から煙を噴いて力尽きた。
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
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