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青春残酷物語
評価 | ★★★ | ジャンル | 青春 / ドラマ | |
公開年 | 1960 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 大島渚 | |||
脚本 | 大島渚 | |||
原作 | 大島渚 | |||
出演 | 桑野みゆき / 川津祐介 / 久我美子 / 渡辺文雄 | |||
コメント | あの時代だからこそセンセーショナルな内容になり得たが、現代では寓話にすらならないのが寂しい所でもある。ここで描かれるのは、いわゆる安保闘争以後に生まれてしまった社会全体の残酷性なのだと思う。若者は「夢などない」と語るが、それは「夢など持ち得ない社会」になってしまったということ。そして彼らの先天的な反抗は、セックスや暴力に向けられる。それだけのことだが、だからこそ生々しい物語になるのだろう。 |
青春デンデケデケデケ
評価 | ★★★ | ジャンル | 青春 / ドラマ | |
公開年 | 1992 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 大林宣彦 | |||
脚本 | 石森史郎 | |||
原作 | 芦原すなお | |||
出演 | 林泰文 / 大森嘉之 / 浅野忠信 / 永堀剛敏 | |||
コメント | 無駄なナレーションや、奇を衒うような編集にはウンザリするが、エレキ・ギターと青春の絶妙なマッチングが、この映画に日本的なノスタルジーを与えている。主人公であるはずの林泰文は目立たず、坊主の息子役の大森嘉之は良い演技をしている。キャラクター描写と、物語の分量が良い。 |
青春の殺人者
評価 | ★★★★★ | ジャンル | 青春 / ドラマ | |
公開年 | 1976 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 長谷川和彦 | |||
脚本 | 田村孟 | |||
原作 | 中上健次 | |||
出演 | 水谷豊 / 原田美枝子 / 市原悦子 / 内田良平 | |||
コメント | 前半の一連のシーンは圧倒的。誰かが「市原悦子史上最高の演技」と言っていたが、映画史上においても、なかなかああいう演技にお目にかかれる機会はないんじゃないだろうか。もちろん水谷豊の人間的感情が欠落したような抑揚のない演技や、静と動を対比させるカメラ、画面上の音や色や空気感に物凄いリアリティがある。全体の構成が非常に上手く、決して救われないストーリーなのに、何故か観終わった後に爽快な気持ちになれる。 |
青春の夢いまいづこ
評価 | ★★★ | ジャンル | ドラマ | |
公開年 | 1932 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 小津安二郎 | |||
脚本 | 野田高梧 | |||
原作 | 野田高梧 | |||
出演 | 江川宇礼雄 / 田中絹代 / 斎藤達雄 / 武田春郎 | |||
コメント | 初期の小津作品はサイレントいうこともあって、コメディ色が強い。また大学生の日常や男女の恋愛を描いているのも意外に多かったりする。この作品においては前半がコメディで、後半はセンチメンタルなドラマになっている。「青春の夢」とは「学生時代の友情」のことであるが、決してそれは「夢」ではないと語っているのだ。 |
セーラー服と機関銃
評価 | ★★★ | ジャンル | 青春 / 任侠 | |
公開年 | 1981 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 相米慎二 | |||
脚本 | 田中陽造 | |||
原作 | 赤川次郎 | |||
出演 | 薬師丸ひろ子 / 渡瀬恒彦 / 風祭ゆき / 大門正明 | |||
コメント | 「女子高生」と「ヤクザ」という対極なものを組み合わせるというアイデア勝ちな部分が大きいが、全体的なストーリーも良く纏まっており、ハードな描写もすんなりと飲み込める。アイドルとしての薬師丸ひろ子の起用だが、小慣れていない演技が逆に物語を「らしく」しているようにも見える。 |
世界の中心で、愛をさけぶ
評価 | ★ | ジャンル | ロマンス / ドラマ | |
公開年 | 2004 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 行定勲 | |||
脚本 | 坂元裕二 / 伊藤ちひろ / 行定勲 | |||
原作 | 片山恭一 | |||
出演 | 長澤まさみ / 森山未來 / 大沢たかお / 柴咲コウ | |||
コメント | 長澤まさみの自然体な演技は良いが、彼女のシリアスな描写にまで感動的なものを与え切れていない。日本的な美意識で映画を撮る行定勲には、この物語は荷が重すぎたか。それとも、そもそもの物語にどうしようもない欠陥があるのか。感情移入の余地を排するように、偶発性に頼ったストーリーでしかなく、こんなものにまで感動できる人間はとことん寂しい人種なんだと思う。 |
セックスと嘘とビデオテープ
原題 | Sex, Lies And Videotape | |||
評価 | ★★★ | ジャンル | ドラマ | |
公開年 | 1989 | 製作国 | アメリカ | |
監督 | Steven Soderbergh | |||
脚本 | Steven Soderbergh | |||
原作 | Steven Soderbergh | |||
出演 | Andie MacDowell / James Spader / Peter Gallagher / Laura San Giacomo | |||
コメント | パルムドールをとったわりには、大した作品ではない。二人の男女にカメラが肉薄しないせいだと思う。タイトルから想像をかきたてるような危うさが欲しかった。 |
セブン
原題 | Seven | |||
評価 | ★★★★ | ジャンル | サスペンス / ミステリー | |
公開年 | 1995 | 製作国 | アメリカ | |
監督 | David Fincher | |||
脚本 | Andrew Kevin Walker | |||
原作 | Andrew Kevin Walker | |||
出演 | Brad Pitt / Morgan Freeman / Kevin Spacey / Gwyneth Paltrow | |||
コメント | オープニングからセンスの良い映像が広がる。物語の緊張感、テーマの配置、グロテスクな描写によるリアリティといった、サスペンス映画における主な要素がきっちりと映し出されている。ラストでのブラッド・ピットの演技、全体を通して落ち着いた表情を持つモーガン・フリーマン、異常だが理知的な犯人を体現するケヴィン・スペイシーなど、主要キャストの存在感も物語の中心を支えている。 |
戦場にかける橋
原題 | The Bridge On The River Kwai | |||
評価 | ★★ | ジャンル | 戦争 / ドラマ | |
公開年 | 1957 | 製作国 | イギリス・アメリカ | |
監督 | David Lean | |||
脚本 | Pierri Boulle / Carl Foreman / Michael Wilson / Calder Willingum | |||
原作 | Pierri Boulle | |||
出演 | Alec Guinness / William Holden / 早川雪洲 / Jack Hawkins | |||
コメント | 反戦映画なのはわかるが、今いちピンと来ない。構成に拘って、描写が少ないからか。英軍将校を演じるアレック・ギネスと、日本軍将校を演じる早川雪州の対比。そして橋の完成を祝う捕虜たちと、橋の破壊工作をする兵士の対比。この二つの対比が、作品のテーマを支えている。 |
戦場のピアニスト
原題 | The Pianist | |||
評価 | ★★★ | ジャンル | ドラマ / 戦争 | |
公開年 | 2002 | 製作国 | フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス | |
監督 | Roman Polanski | |||
脚本 | Ronald Harwood / Roman Polanski | |||
原作 | Wladyslaw Szpilman | |||
出演 | Adrien Brody / Emilia Fox / Thomas Kretschmann / Ed Stoppard | |||
コメント | ピアノの演奏シーンは良い。それ以外は大して中身のない作品ではないだろうか。戦争における爆撃や虐殺のシーンは、実話を元にしたストーリーということもあって、リアルで物悲しい。だが、主人公には誇りもなく、生きがいもなく、ただ流されるだけ流される。感情移入が全くできなくて、最後の演奏シーンにとてつもなく違和感がある。 |
戦場のメリークリスマス
原題 | Merry Christmas Mr. Lawrence | |||
評価 | ★★★ | ジャンル | ドラマ / 戦争 | |
公開年 | 1983 | 製作国 | イギリス・日本 | |
監督 | 大島渚 | |||
脚本 | 大島渚 / Paul Mayersberg | |||
原作 | Laurens Van Der Post | |||
出演 | David Bowie / 坂本龍一 / ビートたけし / Tom Conti | |||
コメント | 坂本龍一の演技は目も当てられないし、途中で挿入される回想シーンは全く意味を持たず(大島は変な所でロマンチシズムを付加させようとしたわけだが)、せっかくのテーマが物語と極端に離れてしまったように思う。ビートたけしの演技とラストシーン、坂本の音楽のおかげで、ようやく綺麗に纏まった感じ。 |
戦争のはらわた
原題 | Cross Of Iron | |||
評価 | ★★★ | ジャンル | ドラマ / 戦争 | |
公開年 | 1976 | 製作国 | 西ドイツ・イギリス | |
監督 | Sam Peckinpah | |||
脚本 | Julius J. Epstein / Herbert Asmodi | |||
原作 | Willy Henrick | |||
出演 | James Coburn / Maximilian Schell / Senta Berger / James Mason | |||
コメント | 戦争映画について語るのは非常に難しい。リアルに描かれたものが良い作品だ、という評価は偽善になってしまうからだ。しかし、そこに正確な描写がないと映画として面白味がないのも事実だ。この作品においては、そういった映画としての両極端な要素を上手く均衡させている。冒頭やエンディングでは軽快な童謡をBGMに、凄惨なシーンが映し出される。そういった細かな構築によって、戦争における「狂気」が見事に表れている。 |
千と千尋の神隠し
評価 | ★★★★★ | ジャンル | ファンタジー / アドベンチャー | |
公開年 | 2001 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 宮崎駿 | |||
脚本 | 宮崎駿 | |||
原作 | 宮崎駿 | |||
出演 | 柊瑠美 / 入野自由 / 夏木マリ / 神木隆之介 | |||
コメント | どこにでもあるようなファンタジーではあるが、どこか現実的だったりする。コミュニケーションの重要性なども見えてくる。宮崎駿は日本の神話的なものに興味を抱いているのだろうか。この作品では人間的な視点から神という存在を見ている。宮崎駿作品の最大の魅力は、見ていても力が入らないところだろうか。ハラハラドキドキするような事件が起こっても最後は必ずハッピーエンドだ、という安心感を持って見られるからいい。 |
千年女優
評価 | ★★ | ジャンル | サスペンス / ロマンス | |
公開年 | 2001 | 製作国 | 日本 | |
監督 | 今敏 | |||
脚本 | 今敏 / 村井さだゆき | |||
原作 | 今敏 | |||
出演 | 荘司美代子 / 小山芙美 / 折笠富美子 / 飯塚昭三 | |||
コメント | かつて大女優と謳われた老女が自らの一代記を語っていくうちに、これまで演じた様々な役柄の記憶が錯綜し、回想は波瀾万丈になっていく。色彩が良く、次々と場面転換していくテンポもいいが、観客をフェイントするだけしておいて、ラストで余計な説明を入れてしまった脚本が悪い。実写ではできないことをアニメーションでやる、ということにおいて一つのエンターテイメントとしては成立しているか。 |