《5》

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 ハロウィンのひには、ごしゅじんさまとまちをねりあるきました。
 このひ、かぼちゃのランタンは、あかるいえがおがみんなのにんきものです。

 かぼちゃのランタンはおもいました。
ごしゅじんさまといっしょに、ずっとよみちをてらしていたいな。
あかるいえがおでおもいました。


 ふゆをこえてはるがおわって、なつになったあるひ、かぼちゃのランタンは、よみちをてらしませんでした。
ごしゅじんさまがまちへいかなかったのです。
 かぼちゃのランタンは、さびしいのをがまんしてつぎのひをまちました。

 つぎのひも、かぼちゃのランタンはよみちをてらしませんでした。
ごしゅじんさまがそとにでてこなかったのです。
 かぼちゃのランタンは、とてもさびしいのをがまんしてそとをみつめていました。

 そのつぎのひも、そのまたつぎのひも、かぼちゃのランタンがよみちをてらすことはありませんでした。
 かぼちゃのランタンは、とてもとてもさびしいのをがまんして、ごしゅじんさまがそとにでてきてくれるのをまちました。

 あるひ、かぼちゃのランタンとごしゅじんさまのいえに、ねこがやってきました。
ねこは
「こんにちは、かぼちゃくん。ごしゅじんさまをしんさつしにきたよ」
といいます。
 かぼちゃのランタンは、ねこがなにをいっているのかわかりませんでしたが、
ごしゅじんさまをそとにつれてきてほしい、とおもいました。

 ねこはふたりのいえにはいると、しばらくしてからかえっていきました。
ごしゅじんさまは、きょうもそとにでてきませんでした。

 つぎのひも、ねこがやってきました。
かぼちゃのランタンはそとをみつめていました。
 つぎのひもそのつぎのひも、ねこはやってきました。
でも、ごしゅじんさまはそとにでてきませんでした。

 あるひ、ねこがいつものようにやってきたときも、かぼちゃのランタンはそとをみつめていました。
かぼちゃのランタンには、みちをてらしてわらうことのほかに、なにもすることができないのです。
 それをみたねこは、かぼちゃのランタンのあたまをやさしくなでてくれました。
かぼちゃのランタンには、ねこがないているようにみえました。


 なつがおわり、あきになりました。
 ごしゅじんさまはまだそとにでてきてくれません。
 かぼちゃのランタンはそとをみつめながら、そろそろまたハロウィンのきせつだな、とおもいました。
ことしも、まちをごしゅじんさまとねりあるけたら、どんなにしあわせだろう。
 かぼちゃのランタンは、そとをみつめながら、ごしゅじんさまのことをおもいました。

 あきがさらにふかまったあるひのことです。

 ついに、ごしゅじんさまがそとにでてきてくれました。
かぼちゃのランタンはおおよろこびです。
 ごしゅじんさま! ごしゅじんさま! またまちへいこう! ハロウィンももうすぐだよ!

 なぜかちいさくなってしまったごしゅじんさまはかぼちゃのランタンをみてわらうと、
「まちへつれていってあげられなくて、ごめんね」
そういって、かぼちゃのランタンをやさしく、やさしくなでてくれました。

 そこにねこがやってきました。
 ねこはおおあわてでごしゅじんさまのもとへかけよると、
なにかをいいながら、ごしゅじんさまをいえのなかへつれていってしまいました。
 かぼちゃのランタンは、まちへいけなかったのはざんねんでしたが、ごしゅじんさまがそとにでてきてくれたのでがまんしました。
まちへは、またあしたいけばいいとおもったのです。

 ですが、
つぎのひ、ごしゅじんさまはそとにでてきてくれませんでした。
 それでも、かぼちゃのランタンは、だまってそとをみつめていました。
まっていれば、またきのうのようにそとへでてきてくれるかもしれないと、ごしゅじんさまをまちつづけます。

 そのつぎのひも、そのさらにつぎのひも、かぼちゃのランタンはごしゅじんさまをまちつづけました。
ただずっと、そとをみつめながら、まっていました。
 ごしゅじんさまは、そとへでてきませんでした。ねこはまいにちやってきました。





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