美琴「黒子、アンタってさぁ…彼女とかいないの?」 黒子「はい?」


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美琴「だから、付き合ってる女の子はいないのかって聞いてるのよ」

黒子「お姉様?先程から仰っている意味がよく分からないのですけれど…」

美琴「あ、その…ゴメン、気にしないで!別に、黒子がどんな女の子と交際しようが私には関係ないわよね!?」

黒子「………はい?」

美琴「私は、アンタがずっと一緒に同じ部屋でいてくれればそれで構わないんだから………クスン」


黒子「クスンって… お姉様、何か悪いものでも口にされたんですの?」

美琴「…悪いものって何よぉ」 

黒子「いえ、それはわたくしが知りたいぐらいですし」

美琴「私だって変なものを食べた記憶なんてないわ…………ん?」

黒子「どうやら心当たりがあるようですわね」

美琴「ふふ……そうね…心当たりというか、ズバリそのものって感じかしらね……ふふ、ふふふふふふ…」

黒子「お姉様!?ど、どうなされましたの?」

美琴「ねぇ黒子。アンタに一つだけ確認したいことがあるんだけど」  ビリッ

黒子「黒子に答えられるものならいくらでも確認してくださいまし」


美琴「パソコン部品」 ボソッ…

黒子「!?」

美琴「ゲコ太の形をした緑色のケーキ」 ボソッ…

黒子「ぴぃ!?」

美琴「一応謝っておくけど、勝手に食べたのは悪いと思ってるわよ?」  ビリッ!!

黒子「い、いえ。あれは、その、最初からお姉様の為にと用意してたものですから、お気になさらずっ」 

黒子「あぁそういえば!わたくし初春と約束をしておりましたの!この話の続きはまた後で………」  美琴「初春さんなら、今日は本体のメンテナンスがある日よ」 ニッコリ

黒子「………うにゅー!?」

美琴「他に、何か言う事はあるかしら?」 ニコニコ

 

 

美琴「てへっ ですんだらアンチスキルはいらないんだけど」

黒子「えぇと、そのー……ジャッ、ジャッジメントですの!?」

美琴「ったく、なんで黒子みたいなのが風紀委員なんて務まるんだかねぇ。もういいわ、この話はこれで終わり!いいわね?」

黒子「お姉様?」

美琴「中に混ぜられていたモノが何なのかは知りたくもないけど、ケーキの味はそこそこ美味だったし。許してあげるわ」

黒子「そういう問題なんですの…?」

美琴「そういう問題なの。……、許してあげるって言ってるんだから混ぜ返すんじゃないの」  ペチン!

黒子「わ、分かりましたの」

美琴「……とはいえ、まだなんか頭がスッキリしないしモヤモヤした感じが消えないのは困ったわね」


美琴「…はぁ……、こんな変な状態がいつまでも続くようだと………」  //////

黒子「……、お姉様。どうかなさいましたの?」

美琴「……………ねぇ、黒子……」  /////////

黒子「はい?」

美琴「………私にこんなもの食べさせたりして、アンタは私をどうしたいの?」   ギュゥゥゥ…  
黒子「えぇと、そのー……ジャッ、ジャッジメントですの!?」

美琴「ったく、なんで黒子みたいなのが風紀委員なんて務まるんだかねぇ。もういいわ、この話はこれで終わり!いいわね?」

黒子「お姉様?」

美琴「中に混ぜられていたモノが何なのかは知りたくもないけど、ケーキの味はそこそこ美味だったし。許してあげるわ」

黒子「そういう問題なんですの…?」

美琴「そういう問題なの。……、許してあげるって言ってるんだから混ぜ返すんじゃないの」  ペチン!

黒子「わ、分かりましたの」

美琴「……とはいえ、まだなんか頭がスッキリしないしモヤモヤした感じが消えないのは困ったわね」


美琴「…はぁ……、こんな変な状態がいつまでも続くようだと………」  //////

黒子「……、お姉様。どうかなさいましたの?」

美琴「……………ねぇ、黒子……」  /////////

黒子「はい?」

美琴「………私にこんなもの食べさせたりして、アンタは私をどうしたいの?」   ギュゥゥゥ…  
黒子「お、お、おおおお姉様!?」

美琴「黒子が私の事をそういう目で見てるのは知ってたけど……。それって結局はその、恋人関係を望んでるのよね?」

黒子「わたくしとお姉様が恋人関係!?」

美琴「ぁ…ぇと…、ちがうの…かな……グスッ」

黒子「いえあの、違わない展開を望む理由はないのですけれど……、それはやはり些かお話として問題がありそうな気がしますの」

美琴「ぅ……ヒック…うぅ、黒子。私、やっぱり変かも。ううん…変なのは分かってるんだけど、黒子の顔を見てるとよく分からなくなるの」  


黒子「わたくしを……?」

黒子「……… (しっかりしますのよ黒子!!ここは対応を絶対に間違えてはいけない大事な場面なんですの!!
    たとえ不本意な展開からとはいえ、このチャンスを生かさずにどこでお姉様との間にラブフラグを立てるというんですの!?)」


美琴「ゴメン、ちょっと外で頭を冷やしてくるわね。……、門限までには戻るから心配しなくていいわよ」

黒子「へ?あの、ちょっと!?お姉様っ……」


美琴「そこらへんをブラブラしてくるだけだからー、ついてこなくていいわよー。ていうかアンタがいると意味がないんだってば!!」

  バタン!!!

 

 

 

「おねえさまが壊れてしまいましたの……」

 

 

 

 

「…………………」

 

 

 

美琴「…………『彼女』、か」

美琴「ふぅ……、やっぱり外に出て正解だったかもね」

美琴「いつまでもあの部屋にいたら変な雰囲気に危うく飲み込まれるとこだったし」

美琴「……でも」


美琴「私の心は、本当にそれでよかったと思ってるのかな……本当は、あのまま黒子と────」

美琴「…………馬鹿。そんなんじゃない、黒子はそういう存在なんかじゃない。それは私が一番よく知って……」  
 

     ドン!!

???「うぉわっ!?」   
美琴「あっ、す、すいませんっ!!ちょっと考え事してたもので…………って、あれ?アンタ、何してんのよ。こんな所で」


上条「ビリビリ……、人に思い切りぶつかっておいて相手が上条さんだと分かった途端に態度を変えやがって!
    一体どういう考え事してりゃそうなるんだよ!?」
美琴「……アンタには関係ないじゃない。これは私個人の問題なんだから余計な口出しは結構よ」

上条「ああ、そうかよ。だったら俺は何もしないし何も言わねぇよ。けどな、お前がどうしてそんな顔してるかって事ぐらい知る権利はあるだろ」

美琴「はぁ?言ってる内容が意味不明にも程があるってのよ。いいから、アンタはそこをどいてさっさとどこかに消えなさい」


上条「……、自分で気付いてないなら教えてやる。目の前に今にも泣きそうな顔してふらふら歩いてた女の子がいるってのに、
   それを放っておく事なんか出来る訳がねぇって言ってんだよ」

美琴「………るさい」   バチッ…

上条「お前が本当に何でもないってんなら、そう言えばいい。だけど…違うんだろ」

美琴「………うるさい、って言ってるのよ!!そこをどけ!どきなさいよ…!!」  


「……どかない。お前が話してくれるまで、俺はどかない」
美琴「なんで…アンタが…前にいるのに、……ヒック…黒子…どうして」

上条「…… (黒子?白井のことか…?)」

美琴「もう、分かんないよ…」

上条「話を聞こうにも、ひとまず落ち着くのが先決ってもんだよな。そこの公園のベンチでちょっと待ってろ。……歩けるか、御坂」

美琴「……」 コクリ

上条「なら俺はちょっと暖かい飲み物でも買ってくるからさ、黙ってどこかに行ったりするなよな?」

美琴「……私がそんな人間に見えるの、アンタは。いいから、さっさと行って戻ってきなさいよ……馬鹿」

上条「そういう意味じゃないんだけど。んじゃまぁ悪いけど、ちょっと待っててくれ」


美琴「はぁ……どうして私、こんな場所であんな奴と一緒にいるんだろ……」

美琴「黒子、今頃心配してるわよね」

   ギュッ…

美琴「……、してくれてるわよね」  

   フルフル…

美琴「それとも……、私のことなんてどうでもいいって…」



上条「誰が、どうでもいい存在なんだよ」

    ピトッ…!

美琴「きゃっ…!!っていうか、熱!!アンタねぇ!!女の子の顔をなんだと思って……………え?」


黒子「お姉様……、心配しましたのよ」

上条「すぐそこまでお前を探しに来てたみたいだぜ。自販機の前でバッタリ会ったもんだから、御坂ならここにいるぞってな」

美琴「……黒子」

白井「あの、お姉様。先程のお姉様の振る舞いは黒子がすべて悪かったんですの」   ペコリ

美琴「………黒子?」
          ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
白井「お姉様がおかしくなったのは言うまでもなく、あのケーキを食べてしまったからなんですの」
美琴「それが、黒子の気持ちって訳?」

黒子「いいえ、わたくしはお姉様が抱いた幻想の顛末を申し上げているだけですの」

美琴「っ……」

黒子「お姉様はケーキに含まれていた媚薬の効果によって、一時的に気持ちが昂ぶった状態に───」


美琴「───アンタは、そんなくだらない事を言いにここまで追ってきたって訳なのね」  パリッ…

黒子「確かに、このような愚にもつかない展開は『くだらない』としか言いようがありませんわねぇ。もっとも、そう望んだのはお姉様自身ですのよ」

美琴「なに、アンタ、私に喧嘩でも売るつもりなの……」 ビリッ!!

黒子「わたくしの言葉をそう捉えるのならそれでも結構ですの。ですが、そう感じたというのはつまり……お姉様も自覚しているのでしょう?」

美琴「………」  …ビリッ!! 
黒子「口を挟めずにただ突っ立ってこちらの様子を伺っている殿方こそが、お姉様が本来見るべき幻想ではありませんの?」  チラッ

美琴「……ぇ」


上条「なにやってんだよ、お前」

美琴「なにって……、まさか、アンタ得意のお説教でも今からするつもり?………悪いけど、今度にしてよね。今はそんな事に──」   …バチンッ!!!

上条「………」   ギュッ…

美琴「……え、ちょっ、こんな時にどういう冗談してんのよっ…アンタはっ!!」   

上条「ああ、そうだよ。お前等の関係はどんな時だって、冗談でもそういうのを相手に向けていいもんじゃないだろ」

美琴「離せ、離しなさいよ!!いくらアンタでも今回ばかりは…………ぁ…ぐ、電流が、伝わらない…っ!?」

上条「……、悪いな御坂。でも俺はお前からこの手を離すことはできない。お前があいつに電撃を使う姿なんて、俺は見たくないから」

美琴「なによ、それ……、」    

上条「………」

美琴「わたしだって、黒子に……そんな…つもり……」  ボロッ…

美琴「……ぅ…ヒック……大好きな、黒子に…そんなこと…したくないよ……」 

上条「だそうだ、白井」  チラッ…


黒子「…………、まったく」

 

「大人しく身を引いてあなたにお姉様を任せたというのに……、どうしてこうなるんですの?」
美琴「わたしは……黒子のことが大好きなのにっ…どうして黒子はそれを否定するの…?」

黒子「お姉様…」


上条「白井、俺はそういうのよく分からないからさ。
   ここは御坂をずっと近くで見てきたお前の…いや、お前じゃないと駄目なんだよ」

黒子「そもそもの発端はわたくしが出来心で購入してしまったモノが原因ですの…
   自業自得とはいえ、真っ向から向き合うのは少々キツい問題ではありますけど」

美琴「………」

上条「俺が言えるような台詞じゃないかもしれないけど、御坂を…頼む」

黒子「しょうがありませんわね。それでは乙女心が分からないお猿さんはお家に帰って結構ですの」

黒子「……と言いたいところですけど、あなたにはまだ大事な役目があるのですから、
   もう少しこの場にいてもらいますのよ」

上条「そっか。なら上条さんは離れて待ってますから、終わったら声かけてくれよ」


黒子「……さて、どうしたものやら。まずはお姉様から全てを包み隠さずにお話いただくのが一番いいとは思いますが…」

美琴「………」
美琴「……だから、わたしは黒子のことが」

黒子「包み隠さずにと申しましたのよ」

美琴「……何も隠してなんかないわよ。わたしは正直な気持ちを言ってるだけだもの」

黒子「ならそれでも構いませんの。わたくしとお姉様は両想い。それ即ち禁断の恋の成立、というお話ですのね?」

美琴「そうだって言ってるじゃない。それがアンタが望んだ関係だし、わたしが望む関係でもある……の…よ」  グッ…

黒子「無理はしないでくださいな…?」

美琴「っ…………してないわよ…馬鹿」 


黒子「それは結構ですの。でも、それだとおかしいですわね。わたくしはその言葉を聞いてもちっとも心に響きませんの」

黒子「寧ろ、わたくしは逆に苛立ちすら感じている。これはどうしてですの?お姉様」


美琴「そ、それは……」


黒子「分からないのであれば、お姉様の言った台詞は全て───ただの戯言にすぎませんのよ」
黒子「答えてください、お姉様。今のあなたは、わたくしの気持ちがちゃんと見えていますか?」

美琴「嘘じゃ…ない」  

黒子「………」


美琴「誰よりも…黒子は大切な存在で……、黒子さえいれば…わたしは……」  パチン…
「わたしはもう何もいらないんだからぁっ!!」  バチッ
黒子「お姉様…」   
上条「おい、美琴!?それだけは絶対にやっちゃいけない事だって分からないのかよ!!」

美琴「っ…、うるさいっ…!!わたしには黒子がいればそれでいいの!アンタなんかもう知らない!二度とわたしの前に現われるな───!!」     

  
上条「く…そ…何がどうしちまったんだよ……」


黒子「……はぁ」

黒子「頭では理解していたつもりでも、やはり面と向かってそう表現されてしまうと……結構辛いものですのね」


黒子「ですけれど、やっとお姉様の本当の気持ちを聞くことが出来ましたの」
上条「なぁ…白井。美琴はお前のことが好きなんだろ?お前だってその気があるんなら、それ以外の気持ちなんて……」

黒子「あなたの出番はまだ先ですのよ。…念のために聞いておきますけど今のお姉様の言葉、ちゃんと聞いていましたの?」

上条「俺は、もう美琴とは関わらない方がいいみたいだからな。お前の言う俺の役目ってやつが終わったら大人しく消えるさ。
    そして二度と会わないようにする。それが美琴のためなんだろ?」


美琴「………」        

黒子「何といいますか、ここまで愚直が過ぎると苛立ちを通り越して『殺意』すら覚えてきますわね」

上条「どういう、意味だよ」


黒子「お姉様がどんなお気持ちであなたを拒絶したか……どんな想いで日々あなたを見ていたのか……あなたはどうせ理解もできないのでしょう?」

美琴「……やめてよ黒子」



上条「だから、どういう意味だって」

黒子「お姉様にとってあなたがどんな存在だったか……どんなに大きな存在になっていたか……胸に手をあてて考えたことが一度でもありましたの?」

美琴「黒子……、もういい、やめて──」


黒子「心を奪っていった人間から振り向いてもらえない痛みが、あなたに分かるとでも…?」

美琴「…お願い……やめ…て……!!」


黒子「答えなさい上条当麻、今ここであなたの役目を果たしなさい」

黒子「わたくしに串刺しにされる覚悟があるのか、それともお姉様をわたくしから奪い取るつもりなのかを」

 

 

 

「……そんな選択、答えを決めるまでもねぇよ」

 

「俺は御坂美琴と周りの世界を守る。それだけだろ」  

 

 

 

黒子「その言葉に嘘偽りはないと、この白井黒子の前でお姉様に証明する覚悟はお持ちですの?」

美琴「黒子、もういいって、いってる……のに……」


上条「……覚悟っていうか約束だからな。それを守るのは当然だし何よりも俺自身がそう望んだんだ。
    だからそれが愚かな選択だったとしても、たとえ俺が望まなかった結果だとしても、それをしない訳にはいかねぇよな」

美琴「………」

黒子「そこまでお姉様のことを考えているのなら、どうしてこうなる前に……というのはさすがに言いすぎですわね」

上条「いや、返す言葉もねぇよ。すまない白井、この件に関しては完全に俺のせいだ」

黒子「……あまり思い上がらないでくださいな、上条───さん。
    わたくしはあなたという存在をそこまで高くは評価をしておりませんので」


上条「それでもだよ」

黒子「……?」


上条「結果的には、お前の言ってる"媚薬"って奴のせいで美琴がこうなったのは今の話で分かった。
    けど、俺が美琴を追い詰めたことに変わりはないだろ?」


黒子「……だそうですわよ、お姉様」

美琴「……………」
黒子「お姉様はわたくしが好きだと言ってくださいましたの。わたくしさえいれば、もう何もいらないと」

美琴「……そうよ。今だって、わたしはそう思ってるもの。今さらアイツが何を言おうと関係ないじゃない…」

黒子「それがお姉様の気持ち。お姉様にとって、嘘ではない心からの言葉なんですのね?」

美琴「うん…だから、お願い……わたしを受け入れて」
「あなたがいないとわたしはもう───生きていけないから」

 

「ええ、わたくしもお姉様がいないと生きてはいけませんの」
「ですから──────」

 

 

 

 

「も う 、 こ の 甘 く て 魅 力 的 で 心 地 よ い く だ ら な い 悪 夢 か ら は 覚 め ま し ょ う 、お 姉 様 」

 

 

 

美琴「悪夢ってどういう意味よ……」

黒子「そのままですの。ケーキに含まれていたのはお砂糖ではなく……そう、人口甘味料とでもいいましょうか」

黒子「お姉様は、作られた味に誤魔化されていたに過ぎませんのよ?」

美琴「そ、そんな事ないっ……」

黒子「例えどんなに甘く感じられても本物には遠く及ばず、それでも体が欲するから求めずにはいられない……」

美琴「やめてよ…そんな風にわたしの気持ちを言わ…ないで…」

黒子「そしてやがては……味覚が狂って本物の甘さも分からなくなってしまう」

美琴「………」

黒子「お姉様の心を傷つけてしまうとしても、黒子はいつものお姉様に戻ってほしいだけなんですの」


美琴「いつものって、何よ…?前も今も、そんなの関係ないじゃないっ!!わたしが黒子を求めてることに変わりはないでしょう!?
 ……ねぇ、違うの…・?本当は黒子もアイツと同じように…わたしの事なんて何にも思ってな───、」


黒子「そんな馬鹿なお話、ある訳ないじゃありませんか」


黒子「」


美琴「………( え?これ…キス、してるの?)」

黒子「」

美琴「………( アイツともまだしてなかったのに、黒子を相手に……)」


上条「……」


美琴「!!………い、嫌…やめて……お願い、やめて…黒子!」






黒子「……わたくしのキスはお口に合いませんでしたか」

美琴「っ……、そ、そうじゃないの!!そうじゃないけど、なんでかな……ごめんね、黒子」

黒子「ふふ、気にする必要はありませんの。わたくしもお姉様の唇は甘すぎたようですし」

美琴「それって、どういう……」


黒子「そちらにいる殿方ぐらい鈍感な舌を持っていれば、丁度良かったのかもしれませんわね」

美琴「……」


上条「あのーそこで俺に話を振るのは上条さん的には想定外な訳なのですが……」

黒子「お黙りなさいなチンパンジー。そもそも、あなたがしっかりとお姉様のハートを掴んでいないから
 このような事態を招いてしまったという自覚が少し足りないんじゃありませんの?」

上条「……、お前が媚薬入りのケーキだとかそういうのを買わなければ何も起きなかったんじゃないのか───」

黒子「黙りなさい、と言ったのが聞こえませんでしたの?これだからアウストラロピテクスは嫌ですの」

上条「ご先祖様をさりげなく侮辱してる物言いなのは気のせいだよなそうだよなむしろそうであって欲しいのですがー!?」

 

 

 

 

 

「──────してんじゃないわよ……」
上条「そのどことなく怒りに似た表情は一体なんなのでせうか、美琴センセー……?」

黒子「………( まさに猿芝居、といったところですわね。ですがこれで……)

 

美琴「わたしの黒子に口答えしてんじゃないわよ!この馬鹿!!」


上条「しかもそっちの方向で怒られるのかよ!」

黒子「………( あら、まだ駄目なようですわね。もう一息…)」

美琴「黒子、コイツの言う事なんて気にしちゃ駄目だからね?黒子にはわたしがついてるからね!?」

黒子「お姉様にそこまで執拗に心配されるなんて、いざ経験してみるとむず痒いですの」

美琴「これからはわたしが黒子の露払いをしてあげるから……困ったときはいつでも言っていいからね……」


上条「なんつーか、これ相当重症なんじゃねぇのか……白井」

黒子「そうですわね」

上条「そうって……あのなぁ、本当にお前に任せて大丈夫なのか?医者とかに連れて行った方がいい場合もあるんだぞ?」

黒子「あらあら、わたくしの事が信用できないんですのね。……ではこれで信頼してもらえますの?」


黒子「」


上条「………はい?」
黒子「………( 何をぼさっと呆けてるんですの、ちゃんと役目を果たしてくださいな類人猿)」

上条「………( え?……あー、そうか、そういうことかよ。しかし他に良い方法はなかったのかよ…)」

美琴「ね、ねぇ……黒子…な、何してるの…?その、それって、キ、キ、キ、キスよね…!?
    (あれこれってアイツとわたしの口が黒子の口を通して間接的にキ……す…)」


上条「いやいやー俺は白井の事をちゃんと信用してるぞー?なんたって美琴の信頼する後輩だし
    なんていうかほらその年齢よりも落ち着いて見えるし世話好きのおばさ…………痛っ!やめて抓らないでくれませんか白井センセー!!」

黒子「お姉様の大切な後輩、の後がよく聞こえませんでしたのでもう一度お願いできます?」

上条「……カワイクテ、ヤサシクテ、タイヘンカワイラシイト、オモイマス」

黒子「あらあら、可愛いだなんて既に分かりきったことを二回も言ってくれるなんて。キスのおかわりはいかがでして?」

上条「いや、もういらな…………ぎにゃぁ!?……お、おねがいします黒子さんしてくださいもう勝手にしてください……」


黒子「という訳ですの」

美琴「………(アイツとキス……アイツとキス……アイツとキス……)」

黒子「お姉様?」

美琴「ふにゃっ!?……あ、黒子……ごめん、ちょっと考えごとを────えっと、何だっけ?」

黒子「ですから、上条さんとわたくしは相思相愛の仲という訳なんですの」

美琴「……え?」

黒子「百聞は一見にしかずですの。……お猿さんはこちらに来てくださいな」

上条「うぅ……もう嫌な予感しかしねぇよ」


美琴「……」

黒子「お姉様はもうこの殿方には未練がありませんのよね?」

美琴「も、もちろんよ。わたしには黒子がいれば───」

黒子「では、わたくしがこの男性とキス以上の事をしても問題ありませんのよね?」



上条「ヲイヲイ俺は少女監禁趣味逮捕ババァ声の女の子に興味があったんですエンドを迎える気はサラサラねーぞ」

美琴「いいからアンタはちょっと黙ってなさい」
美琴「ちょっと、こっちに来なさい……」

黒子「上条さんには聞かれたくないお話でもするんですの?」

美琴「……、お願いだから二人で話をさせて」

黒子「分かりましたの。あなたも、それでよろしいですわね」

上条「ああ……美琴のことはお前に任せるって言ったのは俺の方だしな。最後までお前に付き合ってやるさ」

黒子「それは良い心がけですわね、では少々この場でお待ちになっていてくださいな」

美琴「……」

黒子「人のいない場所を探すのも手間ですし、ここはわたくしの能力で一度遠くに飛びますがよろしいですか、お姉様」

美琴「……好きにして」


黒子「では上条さん?あなたの想い人が帰ってくるまで浮気はしないように」

上条「もうどこから指摘すればいいのか問題ありすぎな忠告だよな……分かったから、さっさと行けって」

黒子「別れのキスは?」

上条「しねぇよ!!お前、実は誰でもいいからキスがしたいだけなんじゃねぇだろうな!!」

黒子「」

上条「だーかーらー、目を閉じても同じだってんだよ!!お前わざとだろ?わざと誘ってんだろ!?」

黒子「……チッ」

上条「アーアー何も聞こえない聞こえません馬の耳に念仏なんです!!」


美琴「もう別にどこでもいい気がしてきたわ……」
美琴「黒子、さっきあなたが言った言葉をちゃんと説明してくれるかしら」

黒子「ここでも構わないというのなら……そうですわね、わたくしは上条さんと正式にお付き合いをさせて頂きたいんですの」

美琴「なんですって……?」

黒子「お姉様が一度は認めた男性ならば、わたくしも素直に自分を表現できるかと思ったまでですのよ」

美琴「……何よそれ、意味分かんない……大体、黒子がコイツを好きになる理由なんてないじゃない…!」


黒子「女性が男性を好きになるのに理由が必要なんですの?」


美琴「……、それは」

黒子「お姉様が上条さんを好きになったのは何か特別な理由があったからですか」

美琴「別に、好きって訳じゃ……」

黒子「今のお姉様の気持ちを確認してるんじゃないんですのよ、どうかそこは勘違いしないでくださいね」

美琴「一緒にいると楽しかった、のかもしれない……黒子と一緒にいる時みたいに」

黒子「……」


上条「………(そこで俺の方を一瞬見るのは、何か意味があるのかよ!?)」


黒子「では、わたくしが上条さんと一緒にいて楽しいと思えるのならそれでいいのですよね」

上条「んで、ここで俺に抱きつく訳ですかそうですか。女の子に抱きつかれてるというのに上条さんはちっとも楽しくないのですが」

黒子「………(心臓から突き出る感じに金属矢を置かれたくなくければ、ニッコリと笑ってくださいます?)」

上条「………(そんな台詞を耳元で囁かれてニコニコできたら誰も苦労しねぇよ!)」

黒子「………(ほら、早くしないとお姉様に怪しまれますわよ。いいから笑えっていってんだろうが!!)」

上条「ぴぃ!?」


美琴「一緒にいて楽しくて、自分が楽しいと思えればそれでいい……か」


上条「やけに都合良く美琴が納得し始めてるのは俺の気のせいなのでせうかー」

 

白井と美琴のマイペースぶりを前にして上条は思わず頭を抱えてしまう。このままでは埒があかないどころか泥沼にはまる一方だろう。

このまま家に帰るのも悪くないよなぁ、インデックスもお腹をすかせて待っているだろうし、うん、そうしようそれがいい! 
と現実から逃避しかけていた上条に、先程までとは打って変わり妙に明るい声で美琴が話しかける。

「ねぇ、アンタはさ。この私と一緒にいて楽しいと思った事ある?」

そんなの当たり前だろ、と口にする寸前で上条は慌てて言葉を飲み込む。

彼女が聞きたいのはそんな淡白な解答ではないはずだ。

そしてここで対応を間違えれば、上条はまた美琴を傷つけてしまう。それだけは絶対に避けなければいけない。

かといって上条にそんな気の利いた発言を期待する事自体が、まず間違いであるのもまた事実だった。

「楽しいってのが、一体何を指して言ってるのか分からないが……俺はお前と出会えてよかったと思ってるけどな」

今の台詞ならとりあえず及第点と言ったところですわね、と白井がニヤニヤしながら悪態をつくのが見えたが上条は気にしない。

「……、ふぅん。そう、なんだ」

上条の精一杯の努力が心に届いたのか、美琴は言葉を詰まらせながら上条の台詞の意味を一つ一つ噛み砕いていた。

(……でも、私をどう思ってるのかはまだ聞けてない)

美琴が本当に知りたかったのは、上条が自分をどういう存在として捉えているのかである。

つまりは上条が自分に対して恋愛感情を持っているのか、それとも眼中にすらないのか。

いつか確かめたいと思いつつ、まだ知られる訳にはいかないと鍵を掛けてしまっていた"上条が好きだ"という気持ち。

それがあの変な薬入りのケーキを食べたせいで心がグチャグチャになって、今にも飛び出しそうになるのを美琴は感じていた。

「……、」

けれど今の状況はそれだけでは済まない事も理解している。

なぜなら美琴は何を血迷ったのか、ルームメイトかつ後輩に対して告白までしてしまっている。

今さら、『ゴメン、さっきのは冗談、っていうかアンタの買ってきた怪しいケーキに言わされちゃっただけなのよねー、許してね?」
なんて言い訳が通用するとも思えない。

もっとも白井にしてみればそれが目的で恋敵ともいうべき上条と一芝居を打った訳なので、美琴の心配はただの杞憂だったりするのだが。
(この子のことだから、きっと今から拒絶なんてしたらショックが大きいわよね……)

 白井の本当の目的を知らない美琴は、自分を慕っている後輩を傷つけないようにするにはどうすればいいのか悩んでいた。

 実際のところ、媚薬の効果で精神的に不安定な状態にある美琴を白井は本気で心配している。

 だからこそ、部屋で帰りを待っていなさいという指示を無視してここまで追ってきたのだ。

 そんな、心優しくて純情な恋心を抱くツインテールの少女は、美琴が悶々としている様子を見ながらどこか高揚した様子でお姉様を見つめていた。

 口元からじゅるりと涎のような液体が漏れ出しているのは、きっと乙女の嗜みという奴だろうから、気にしてはいけない事なのだろう。

「お姉様は恐らく正気に戻りつつある……ですけれど、正気に戻ったからといって先程までの言動が全て白紙に戻る訳ではありませんの」

 そう呟いた白井は美琴と上条に背を向けるとニヤリと笑みを浮かべ、寮に戻ってから始まるであろうプライベートタイムの妄想に心を奪われてしまう。

 それが頭の中で完結していれば誰も文句などないのだろうが、
 残念な事に、思い描いたプレイ内容が勢い余ってまるで朗読されるかのように口から漏れてしまっていた。

「おーい、白井?一人であれこれ妄想するのはお前の勝手だけど、全部口から出ちゃって丸聞こえなんですけど!?」

 思わず耳を塞ぎたくなるような内容を一方的に浴びせられて、上条は少し気まずくなりながらも注意を促す。

 だが、肝心の白井はめくるめく妄想の世界に行ったきりで、反応が無い。

「やっぱり白井に任せたのがそもそもの間違いだよなぁ……これも突き詰めると、
 無理にでも病院に連れて行かなかった俺のせいって事なのでせうか……」

 上条は自分を責めずにはいられない。今の白井を見て擁護できるほど楽観的な思考を、彼は持ち合わせてはいない。

 ならば、この訳が分からない複雑な乙女心とやらを正しい方向に導いてやるのが、せめてもの償いだろうと上条は決意する。

「今度はこっちから質問するけど、お前は……美琴は俺なんかと一緒にいて楽しかったのか?」

 美琴は上条の質問の意味がよく理解できなかった。

 それを自分に答えさせるなんて。つまり、この少年は何も分かっていないのだろう。

 御坂美琴が、上条当麻と一緒にいて、楽しくないはずがない。

 美琴は上条から突きつけられた悪意のない真実を受け止めながらも、いつもの自分らしく答えなければならない。

 ちゃんと声を発しようと息を吸って、必死に声を絞り出す。

 だが、美琴の口から出てきたのは上条の質問への解答などではなく、

「…………、」

 美琴の意思に反して漏れてしまう嗚咽が、彼女の包み隠そうとした気持ちを表にさらけ出してしまう。

 

 

                                 ここで職人さんスランプに。以下仕切り直し

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