過去ログ
あらすじ(若干のネタバレがあります)
一方通行は学園都市最強のロリコンというレッテルを貼られていたが、
実は彼、自分より年上の女が好きという性格であった。
女子大生くらい~80以上までというレベル5級のストライクゾーンを持つ彼は
偶然居合わせた御坂美琴と上条当麻と話し合い、誤解を解くに至った。
誤解を解いたは良いが、出会いが欲していた彼は『アイテム』と出会い、麦野沈利に惚れてしまった。
ニート状態から脱却するため学園都市最強の素性を隠し、めでたく下っ端雑用『ラビット』として暗部入りを果たす。
ちゃっかり美女4人と同棲を始め、時にぶつかりながら順調に仲間との絆を深めていった…
そんな中、麦野の誕生日にアイテムの仕事が舞い込む。
内容は「ピンセット」なる装置を守る事。
一方通行はすぐさまレベル5が来る事を予測し、アイテムをサポートする形で独自に動き出す。
現れたのはスクールのリーダー垣根帝督であった。
垣根帝督との激戦により帝督は未元物質を昇華。一方通行は黒翼を発現する。
垣根は重症を負い逃走。ラビットはアイテムのメンバーに一方通行だとバレてしまい、
結果的には垣根からピンセットを守った。その数日後、めでたく麦野の誕生日を全員で祝えたのだった。
一方「…」
滝壺「あ、たんぽぽだ」
麦野「春だなぁ…。あ、これって西洋タンポポじゃなくて日本タンポポじゃない?」
一方(…なンでこンな事になったかなァ…)
滝壺「知らない。でもきれいだから好き」
麦野「花の~名前は~しら~なくて~も~♪」
麦野「…の後なんだっけ」
滝壺「知らない。でも良い歌」
一方(そこに咲ーいてー きれーいーだーからー…♪)
一方(…似合わねェな)
一方(…)
・・・・・・・・・・
・・・・
・・
・
~数日前~
フレンダ「さて、ようやく退院って訳ね」
一方「車椅子だけどな」
フレンダ「杖突きに言われたくないわね」
絹旗「で、私が押すんですか」
フレンダ「悪いわね。抜糸完了しても上半身の負担は避けたいからって理由で手押しだからね」
麦野「…」
冥土返し『神経の縫合と投薬の為にしばらく通院になるね』
麦野『あの…フレンダは』
冥土返し『大丈夫、歩けるようにしてみせる』
麦野『…よろしくお願いします』
冥土返し『ただ…電動車椅子はやめておこう』
麦野『…?』
冥土返し『言っただろう?彼女に一番利く薬は君達の『笑顔』だ。だから君達が彼女を押してあげた方がいいだろう』
麦野『!…ありがとうございます!』
麦野(…笑顔…ねぇ…)
フレンダ「麦野ー?どうしたの?暗い顔して」
麦野「…え!?そんな顔してた?」
フレンダ「いや、そこまで深刻そうじゃなかったけど…」
麦野「あー…まあ、その…なんというか…アンタ食べ物とかどうするんだっけ?」
フレンダ「一応腸や内臓は繋がってるから消化のいいものだけど…」
絹旗「もしかして退院祝いのご飯ですか?そろそろ昼時ですし」
麦野「あー…まあそんなとこ。どっか外食行く?」
滝壺「健康館とか?」
フレンダ(……う~ん…流石に車椅子ってのもなー)
フレンダ「…あははー。そうね!おいしいもの食べたいなー」
一方「いや、俺が飯作ンぜ」
絹旗「?いいじゃないですか。折角の退院祝いですし」
一方「…」カチッ
絹旗「!?いきなり人の手を触っt」
《聞こえっか?…チビガキ。金髪の気持ち考えろ》
絹旗(これは…生体信号による通信ですか…?)
《大脳新皮質の言語部位に信号を直接伝達してンだ》
《…いいか?車椅子で料理屋とか行って変に目立ちたくねェだろ?
障害者ってのは他人からの視線や周囲の人の気遣いが一番辛ェンだよ》
絹旗(あ…ラビット…)
一方「…いいかァ?寿司ってのはテメェのような手じゃ出来ねェ。俺の手の質感、触ってわかったろ?
俺の能力を全開にした最強にヘルシーな寿司を麦野s…金髪に提供できンだよ」
絹旗「…わかりました。じゃあラビット、お昼ごはん超期待してますから」
一方「ケッ、作ったらありがたく食えよ」
フレンダ「…ま、確かに期待できるかもね」
一方「…まァな」
滝壺「うん、楽しみ」
一方「あンがとよ」
麦野「まぁ、そう言うなら…お願いね?」
一方「オゥ!!任せろォ!そォ期待されちゃァ仕方ねェよなァ!!」
三人「「「…」」」
・・・・・・・・
・・・・・
「「「「ごちそうさまでしたー」」」」
一方「ン…お粗末さン。金髪、胃の調子はどォなンだ?」
フレンダ「いやー、結局いつも病院食で味気ないものばっかだったしねー。うん、良かったわ」
一方「あァー…麦野さン、そのォ…なンつーか…」
麦野「うん?あー…生魚はあんまし隙じゃないけど…コレはおいしいわ。うん」
一方「!ほ、本当か!」
滝壺「うん、バーナーで生魚を炙ったネタなら、むぎのも抵抗なく食べられるね」
麦野「…生魚ってあの最初の舌触りっていうのが嫌なんだけど…これはレアかミディアムレアの肉って感じね」
絹旗「ラビットにしては超悪くないですね」
麦野「特にあの炙りサーモンは焼き鮭よりも癖になるね。ラビット、またお願いね?」
一方「お、オゥ!!!」
絹旗(私とラビットとで買い物に行ったからわかりますが、寿司のネタは学園都市最高級の卸市でとったものですからね
恐らくどこかの高級レストランで使われるような超高級ネタですよ。滝壺さんが今口にしてる大トロは恐らく一貫だけで四桁行くでしょうね)
一方「チビガキ、金髪を部屋まで連れてってベッドに寝かしてやれ」
絹旗「はいはい」
一方「滝壺、食器を適当に浸けといてくれ。終わったら米の予約も頼ンだ」
滝壺「わかった」
一方「麦野さンはゆっくりしててくれ」
麦野「あれ?いいの?」
一方「いいのもクソもねェだろ。むしろ俺になンか仕事くれ」
麦野「あー…じゃあちょっと話があるんだけど」
一方「!?」
~麦野の部屋~
一方「あァー…麦野さン?(オイオイ…こりゃァついにキタぜ)」
麦野「悪いわね、忙しいでしょ?」
一方「ンな事ねェよ!ぜェンぜン暇ですしィー!?」
麦野「あははは!まあ、良くも悪くもラビットは真面目に働いてるわ」
一方「あ、あンがとよ…悪くってなンかあったか?」
麦野「いや…悪くっていうのはね…フレンダの事かな」
一方「…(なンだよ…てっきり麦野さンからの…ハッ、アホらしいぜ)」
麦野「アンタ、あの子にちょっと気を遣い過ぎじゃない?」
一方「!」
麦野「あのね、確かに重症から退院したばかりだけどアイツはそんなヤワじゃない。強い奴よ」
一方「俺は…そンな別に…(金髪に良くしてンのの半分以上は麦野さンの点数稼ぎとは言えねェよなァ…)」
麦野「まあ…アンタも障害を持ってるからフレンダに対して優しくしてるんだろうけどさ、…アンタがそこまで苦労する必要はないって」
一方「…」
麦野「私は気が付かなかったけど、アンタがわざわざ外食を選ばなかったっていうのもフレンダは気付いてるんじゃない?」
一方「…チッ、ただの気まぐれだ」
麦野「ハァ…まあ、アイツもラビットにそこまで何かさせてもらおうとは思ってないって」
一方「…」
麦野「そのうちフレンダから何か言ってくるかもよ?アンタも肩の力抜きなさい」
一方(流石麦野さンの意見は大人だぜェ…!たまンねェ…!)
麦野(…心なしか恍惚としてるけど大丈夫かなぁ…?)
一方(…)
一方(一応金髪に言っとくか?)
一方(…いや、変に勘繰られンのはメンドクセェ)
一方(…)
ガチャ
絹旗「それじゃ、…って!ラビット!」
一方「!…まだ金髪の部屋に居たのか」
絹旗「ええ。ラビットもフレンダに何か?」
一方「ン…あァ」
絹旗「わかりました。では、ごゆっくり(まぁ、フレンダとラビットは二人にしても大丈夫でしょうね)」
一方「?…あいよ」
フレンダ「あれ…ラビット?どうしたのさ」
一方「…野暮用だ」
フレンダ「乙女の手前で野暮用とはねぇ…」
一方「いや、用は無ェのかもな」
フレンダ「…?まぁ、よくわからないけど座りなって」
一方「…あァ」スッ
フレンダ「…」
一方「…」
フレンダ「あー…改めて言うのもなんだけどさ。…ありがとね」
一方「!!」
フレンダ「アンタが居なかったらあのとき第二位に殺されてたって訳よ」
一方「(…なンだよ、そっちか)…それ入院中にも聞いたぜ」
フレンダ「…病室でお礼したけどさ。みんなが居る前だったしね~」
一方「…別にいいっての。下っ端が上司を助けンのは当たり前だろ」
フレンダ「その上司ってのムズかゆいからやめて…」
一方「…」
フレンダ「で何?アンタは用も無しにここに来た訳?」
一方「…(…何て言やァ良いンだ?…麦野さンから釘刺されたからって言うのか?)」
フレンダ「何?もしかしてお盛んなラビットは私にまで欲情しちゃった訳?」
一方「自惚れンな金髪。冗談はその胸の絶壁だけにしろ」
フレンダ「あー!!!!!!!思い出した!!アンタ私の胸揉んだでしょ!!!」
一方「あァー…無ェモンを揉むとか知らねェなァ」
フレンダ「殺す」
一方「オウ、やってみろ」
フレンダ「麦野ー!!!ラビtt」
一方「すンませんでしたァ!!!!」
フレンダ「よろしい」
一方「チッ…」
フレンダ「んっん~~!?今ウサギ君から舌打ちが聞こえたよーなー?」
一方「…なンでも無いです」
フレンダ(面白いわね)
フレンダ「ふー…ははっ!!あーやっぱりラビット虐めるのは楽しいなー」
一方「お前なァ…」
フレンダ「でも無理してるラビットを見るのは楽しくないなー」
一方「…?」
フレンダ「…ハァ、無理したってわかるっつーの。アンタが私に気ぃ遣ってる事くらいさ」
一方「!!」
フレンダ「大方ここにきたのも麦野か滝壺に釘刺されたからでしょ?」
一方「…」
フレンダ「…図星と取るわよ?…いいラビット?私はね、結局麦野への想いに悩むラビットよりも
私に変に気を遣う『らしくない』ラビットの方がはるかにキモイんだっての」
一方「…俺は別に」
フレンダ「別に?麦野へのアピールのつもりで私に気を遣ってるならここに来てないって」
一方「…悪ィ」
フレンダ「ハァ…(…ンっとに面倒臭いわね)」
フレンダ「…そこの棚の二段目にあるファイル取って」
一方「…?ほらよ」
フレンダ「えーっと…あったあった。ホラ」
一方「ン…こりゃァ」
フレンダ「そ。アミューズメント施設が集中する第六学区のフリーパス」
一方「…二枚あるっつーのは」
フレンダ「悩める下っ端少年への『上司』からのお薬って訳よ」
フレンダ「そいつで麦野とデートしてきなさい」
一方「で、ででででデートォおおおおおおおおお!!!!!!????」
フレンダ「そう。そんでいい加減前に進んだら?」
一方「だ、だがよ…」
フレンダ「言ったでしょ。アタシは気にしないでいいって。気を遣われるのも疲れんのよ?」
一方「金髪…」
フレンダ「さ、行った行った!善は急げよ!」
一方「オウ!金髪!コイツは借りが出来たなァ!!アリガトゥ!!」ガチャ
バタン
フレンダ「ふふふ…面白い事になってきた訳よ」
一方(やべェ…麦野さンとデェト…麦野さンとデェト……カカカッ!!)
一方(こりゃァひょっとしたら…ひょっとすンじゃねェの?)
一方(上手く行けば…
『麦野さン…』
『名前で呼んで?』
『沈利…』
『ラビット…』
『沈利…刹那 in the世界!!』
『キャッ!お願いラビット、優しくして…』)
一方「クカカッ…キキキ…」ニヤニヤ
滝壺「あ、らびっと。もうすぐ夕方だけどごはんの支度とかどうするの?」
一方「ン?滝壺か。飯ねェ…そォだな、たまには中華風とか――」
滝壺「その券どうしたの?」
一方「あァ?金髪にもらったンだよ。コレでm」
滝壺「私と行こう?らびっと」
・
・・・
・・・・・・・
~そして現在~
麦野「ラビット、これって日本タンポポだよね?」
一方「ン…あァ、カントウタンポポだな。根っこが外来種より短ェからここでも生えてンだ」
麦野「へぇー」
滝壺「あ、あれがゲートかな?」
麦野「そうじゃない?それにしてもラビットよく『3枚』も持ってたわね」
滝壺「…?」
一方「あ、あァ。知り合いに不幸の避雷針が居てよ。福引で一発だったぜ」
麦野「何それ。あ、ここが最後尾ね」
滝壺「結構長い列だね。入るのにどれくらいかな?」
麦野「あ、最後尾1時間待ちだって…どうする?」
一方「そっちじゃねェよ。こっちだ」
受付「こんにちは!第六学区最大のアミューズメントパーク、イースターランドへようこそ!」
一方「大人三人」ピッ
受付「あ、フリーパスですね。〈ピッ〉こちらの券は今日限りとなりますのでどうぞごゆっくり!」
麦野「へぇ…あの券って代金タダだけじゃなくて六学区の遊園地の順番もパスなのね」
一方「流石に遊園地内の乗り物とかは順番待ちをするけどな」
滝壺「なんかいいものもらっちゃったね」
麦野「そうね…ありがとう、ラビット」
一方(…金髪にデカイ借りが出来たな)
一方「ン。そンじゃァまず最初は遊園地の定番からだよなァ?」
麦野「ん~…定番って言われても…」
滝壺「アイスクリームとか?」
一方「…フツー遊園地でアイスクリームって出るか?」
麦野「ラビット、滝壺に普通を求めちゃ駄目だって…」
一方「…とにかく、眠気覚ましには丁度いいジェットコースターだな」
麦野「へぇ」
滝壺「…」コクリ
一方(!!これも金髪のレクチャー通り!)
最終更新:2011年03月08日 18:16