○コガの最後


○データ

L:コガの最後={
 t:名称=コガの最後(強制イベント)
 t:要点=倒れたコガ,泣く火焔,立ち尽くすPL
 t:周辺環境=厩舎
 t:評価=なし
 t:特殊={
  *コガの最後のイベントカテゴリ = 個人イベントとして扱う。
  *コガの最後を取得したPCは次回、コガの死亡判定遭遇する。
  *コガの最後に成功すればコガは長生きする。
 }
 t:→次のアイドレス = コガの墓(イベント),絶技死んだふり(絶技),火焔の嫁探し(イベント),新しいコガ(イベント)



○イラスト&設定文




最近、どうにも夢見が悪い。
火焔と最後にあってから暫くたった頃。そうそう、アイテム作成会を終えた頃からだ。
何かのめぐり合わせなのか、あの指輪を手に入れてからというものの、あまりよろしくない夢ばかり見る。


『コガ!ねぇ、コガ!?』

いつもの夢か……
恐らく、ここは厩舎だな。
この声は……?

『コガ!コガ!返事しなさいよ!』

火焔だ。火焔が泣いている。
コガが横たわっている。
そして俺は……

『コガ!コガ!』

あぁ、火焔が泣いている。俺はどうしたら良い。
出来ることといえば…なんだったか、俺は何かできたはずなのだが……

『コガッ!!』

火焔が泣き止まない。コガ、冗談はソレくらいにして起きないと、後で火焔が怖いぞ。
……コガ?おい、コガ!?


「コガッ!!」

そして、今日も目を覚ます。
相変わらず、バケツの水をひっくり返したかの様なベットの状態に悪態をつきながら、シーツを洗濯に出しつつ、水浴びをする。
既に4回目だ。1回目2回目では官舎の洗濯係も文句を言っていたが、前回はついに何かあったのかと心配してきた。

「やれやれ、何とか誤魔化すか・・・仮にも王がヘタっていたら示しがつかんしな」

まだまだ朝は肌寒いが、水浴びで気合を入れる。
今日も一日、やることは多いのだ。


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午前11時過ぎ。早めの昼休みを取っていた。
というのも、どうにも調子が悪いのを見抜かれたか、政庁から追い出されたのである。
摂政以下詰めていた奴らはゆっくり休むようにといっていたが、中途半端な時間なので休むに休めない。
そもそも朝の一件でベットが悲しいことに使用不可である。横になることも出来ないときた。
そういうわけで、夢の内容を取っ払うために、読書をして気を紛らわせることにした。

「さて、藩国書庫にきたは良いが・・・何を読むかな」

読書に没頭するのは久しぶりである。
元々本が好きなので、心なしか気が楽になった感じがする。

「文学・・・軍記・・・歴史・・・ん?この列は・・・」

ふと、医療関係の棚が眼に止まる。
藩国を挙げて医療を推進しているため、この手の書物は大量に納められている。
ふらふらと誘われるように、さらにその一角にある老衰について書かれている文献を手に取る。


老衰。
年老いて死ぬ事。死因が、外傷や病気などでなく、自然に亡くなった場合。所謂自然死の事をさす。
生物学・医学的には老化に伴って個体を形成する細胞や組織の機能が低下し、恒常性の維持が不可能になることが原因である。通常、病死とは異なるものとして扱われる。

【寿命】もしくは【寿命が尽きる】などの表現がある。


「寿命、ね。相手にするには些か強大すぎるが・・・」

こういう時、ゲームGPOを知っているのは悲しい。
青の章では、コガは死亡している。死因は老衰。つまり、寿命で亡くなったことになる。
但し、老化が進行するにつれて、生理機能の低下を原因とした死亡も起こりうる。
いわゆるエイズのように、抵抗力が低くなるためチョット風邪を拗らせただけで生命の危機となるわけだ。

「本当の寿命では無い限り、まだやれることはある。いや、寿命でも・・・」
「おお、玄霧さんじゃん。何してんの、こんなところで?」

と、考え込んでいたところに猫野和錆、通称ワサビームが声を掛けてきた。

「お前さんこそ。なにやってんのん?家買うために仕事詰め込んでるじゃろ?」
「やー、そのための資料を探しに。で、そっちは?」
「あぁ、まぁ、ちょっと老衰について気になってな」
「老衰?そりゃまたなんで?」

かいつまんで夢のこととコガのことを話す。
ゲームGPO等から見て、夢が正夢だったらコガは老衰で死ぬのではないだろうか、という説明をすると、ワサビームもやや神妙な顔になる。

「うーん、症状を決めて掛かるのはよくないんだけど、そうだねぇ。老衰なら傷は厳禁だね」
「ふむ、何ゆえかね」
「そっから病気になるからね。外皮ってのは物理的に菌が入らないようにしてるから、感染に強いんだよ」
「ふーむ・・・」
「あとは、体力が少ない状態だから、可能な限り観血的処置はやめたが良いね。観血的処置、わかる?」
「言葉の響きからして血を見るような処置だな。手術とかの」
「そうね。あとは抜歯とか。メス使わなくても血が出るでしょ?」
「なるほど。さっきの傷厳禁ってのと繋がるわけか」
「そだね。あと、失血による体力の消耗ね」

やはりこういうときは本物は役に立つ。
その他、補液や点滴についての質問をしておく。
そのあたりは流石に冗長になるため、此処ではカット。

「ま、ここまで傷はダメといってるけど、必要なら手術はしなきゃいけないだろうね」
「大きめの無菌テントは持ち歩くとするか・・・」
「ただ、失敗したら死ぬかもしれないけどね・・・」
「その辺は仕方なし。命あるものいずれは死ぬ。コレばっかりはな。最後はせめて俺が」
「・・・ま、最悪俺がやっても良いよ。家族殺しなんてことはするもんじゃない」
「スマンな、恩に着る」

和錆に礼を言いながら、片手を上げてその場を去る。
さっきの話で決心はついた。
自分で言うのも馬鹿らしいが、あの夢の半分は正夢になる気がする。
もう半分は、自力で何とかするだけだ。
煙草は呑まないが、こういう感覚が煙草を呑みたくなる感覚なんだろう。これは辛い。喫煙者を見かけたら優しくしてやろうと思った。


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そして、日が暮れる。
予備のシーツを張ったベットに一人、寝転がる。

「さて、明日は火焔に久々に会えるんだ。寝不足であうのはプライドに関わるな。何より俺が楽しくない。どちらかと言うと後者がメインだ!」

誰に言うわけでもないが、寝るための気合を入れる。
二日連続はぶっちゃけゴメンだ。ゆっくり眠って、万全の体調で火焔と会おう。
誘拐の連絡があったが、テロリストに譲歩はありえないのだ。実力で奪還すべし。
や、決して摂政に相談して「目を覚まして下さい」といわれた訳ではない。

『そうさ、マッドのマッドたる所以を見せてやるとも。マッドサイエンティストに不可能なんてものは、無い』

そんなことを考えつつ、まどろみに落ちる。
実際、やれることしか出来ないのである。なら、やれることを最大限にやるだけだ。
そして、マッドを名乗るなら限界くらいは超えて見せなければならない。
明日眠るときの俺の安眠を信じて、今日はゆっくり寝るとしよう。
コレで盛大なドッキリかなんかだったときは、一日中コガを追い回してやるとするか。
もちろん、火焔と一緒に。















































ドッキリの後。
藩王、本気で泣いたの図





その日の朝のコガの図




さらにその数日前の図


文章:玄霧弦耶  イラスト:イク