91 インド


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インド

India


1 基本情報


1.1 地理・経済情勢

  • 人口:12億1,000万人(2011年国勢調査(暫定値))
 人口増加率17.64%(2001-2002年:2011年国勢調査(暫定値))※2)
 (世界の16%。一方,水資源は地球上の4%)※11
  • 首都:ニューデリー
  • GDP:1兆3,102億ドル(2009年:世銀資料)(一人当たり 1,031.7ドル(2009年度:IMF資料))※2)
(その他、基本情報は後日一覧表から一括で転記)

1.2 年表

年 代 出 来 事 備 考
1950年台    
(当該国の歴史的経緯と水に関連する主要なイベントの発生時期を記述)

1.3 政治

1993 年の憲法改正により,地方政府の法的基盤,地方レベルにおける参加のプロセスを強化。
  • 地方議会の3 分の1 は女性であること(義務)
  • 指定カーストおよび少数民族もその人口に比例して議席を占めること(義務)
結果,国政レベルでは、地域や特別の利害を代表する小数党の影響力が増大(※8)

1.4 経済

社会主義型の計画経済政策の不調による経済の長期停滞を経験したインドは、旧ソ連崩壊による輸出市場喪失や湾岸戦争による外貨危機(1991 年)等を契機に、外資の導入を含む経済自由化政策を本格化。その結果、インド経済は、1990 年代中盤3年連続で7 パーセントを超えるGDP 成長率を達成。このような経済の発展の中で、90 年代以降、インドのIT 産業が世界的な注目を集め、経済の発展に貢献(※8)。

1.5 社会

インドの停滞的社会の原因とされてきた古い社会構造は、自給的な村落共同体、大家族制度、およびカースト制度の三つで構成されていたが、農村の近代化、都市化、民法の改革等で、村落共同体や大家族制度は、崩れつつあり、残るカースト制度も、これまでのインドの政治の指導層による取り組みや、93 年の憲法改正による指定カースト等に対する権利の確保等を通じ、社会的にも変わりつつある(※8)。

2 水資源と水利用


2.1 水資源

1)ひとりあたりの水資源量は2464m3で豊富だが、地域的、季節的に偏在しており、また河川の水質は良くない。工業地域において地下水の汚染が確認され、都市部の死亡の60%が水系伝染病によるものと推定されている。大規模な浄水場は表流水を水源としているものが多い。

2.2 水利用

(農業用・工業用・家庭用の配分、廃水の再利用など、水の使われ方の特徴、等)
 インドは、全世界の16%の人口(11億人)を擁する一方、地球上の4%の水源しか持たない。上水の普及率は70%に対し、下水の普及率は28-30%となっている。高い経済成長率(8%)に牽引され、水ビジネス市場の成長も確実視されており、さらに、生産性の向上率(10.4%)に対応して、各分野において、水管理へのニーズが拡大すると見込まれる。分野別では生活用水分野の伸び(18%)の見通しが著しい。(産業用:8.5%、上水(市営):6.5%)※13

各国の取水量当たり生産性(実質ドル/m3)※12
国名  全産業  産業  工業  サービス業
英国  157.9 48.3 49.2 461.4
日本 53.0 1.5 89.9 182.4
ドイツ 40.9 2.2 15.9 208.5
フランス 34.2 8.8 9.4 144.6
韓国 30.6 2.4 66.7 42.2
米国 20.9 0.5 9.6 116.2
豪州 17.9 0.6 43.2 77.7
世界 8.6 0.4 11.4 54.8
中国 2.2 0.4 4.0 13.8
インド 0.8 0.2 3.4 4.7
日本/中国 23.6 3.5 22.2 13.2
日本/インド 68.2 8.9 26.1 39.0


2.3 家庭用水需要

(水道の一人一日使用水量やその範囲、都市村落給水の間での違い、等)
  • 水道管による給水は現在30%程度
  • 給水時間は,デリーで約6時間/日,バンガロール市で約6時間/日※15

2.4 公衆衛生

デリーにおける伝染病の21%(2002)は水系伝染病で,男子死亡率の9.3%および女子死亡率の9.7%が下痢性疾患による(下痢性疾患の5-7%はコレラ)※9。

2.5 水質

 調査(※16)の結果,デリー、ムンバイ、ダッカ、ホーチミン、シラチャ、重慶のミネラルウォーターは総硬度が10mg/l以下で、ほとんどカルシウム、マグネシウムを含んでいないことがわかった。飲用にこの水を利用している長期滞在者や、成長期の小児ではとくに、食べ物から十分にカルシウムを補給するように気を付けなければならない。インドでは内陸に位置するデリーやバンガロールは200mg/l前後の総硬度を示し、海岸部のムンバイは軟水であった。マドラスやカルカッタの海岸に近いところでは、海水が混入した井戸水が多く見られ、注意が必要である。

アジア各地の硬度※16
水道水の硬度 ミネラルウォーターの硬度 家庭水の硬度
インド デリー
ムンバイ
バンガロール
チェンナイ
バングラディッシュ ダッカ
チッタゴン
ネパール カトマンズ
ベトナム ハノイ
ホーチミン
ミャンマー ヤンゴン
タイ シラチャ
チェンマイ
インドネシア ボンタン
バンドン
スラバヤ
中国 重慶
(註)  1:総硬度49mg/l以下
    2:総硬度50~99mg/l
    3:総硬度100~149mg/l
    4:総硬度150~249mg/l
    5:総硬度250~349mg/l
    6:総硬度350mg/l


3 水に関する住民意識


3.1 徴収率

(水道料金の徴収率、あるいは水供給に対してお金を払う気持ちや文化があるかどうか、等)

3.2 料金体系

(平均的な水量あたり料金、料金の決め方、等)

3.3 水に対する不満・クレーム

(平均的な水ニーズ、特徴的な水に関する意識、等)
節水を呼びかけるステッカー photo:Kondo

3.4 公衆衛生

野外脱糞などによる水汚染が水系疾患の原因となることを知らない人の割合は,デリーで64-98%,アグラで98-100% ※9。

4 水関連の政策・法規制・基準


4.1 政策と計画(policy and plan)

(国の開発計画、水セクターのマスタープラン、等)
1)National Water Policy (2002) ※6
国家の方針として,飲料水の確保を最優先課題に位置づけており,都市部,農村部の全ての人々に十分な量の安全な水を供給することを目標に掲げている。
2)第11次五カ年計画(2007-20121) ※7
都市部,農村部における灌漑施設,飲料水,公衆衛生の向上を掲げている。また,統合的な開発計画,都市の生産性・効率性を高めるよう都市部の上下水整備に重点が置かれている。自治体に対しては運転維持管理を賄う合理的な料金設定を行うことが要求されている。※7
 第11次計画における水道部門の資金ニーズ総額は522億5,000万米ドルと見積もられている。主要な資金供給は各州からもたらされ、全体の79%(410億3,000万米ドル)を負担する見込みである。また政府予算からの支援は約21%(112億2,000万米ドル)になる見込みだ。※13


4.2 法規制

(上水下水などの水関連の個別法、基準のうち環境基準や水質基準)

4.3 水行政機関

(法規制を執行する機関)

5 上下水道事業の実施状況


5.1 上下水道の普及状況

1)州政府では、公衆衛生技術局(PHED)が水道の計画・実施に対して責任を負っている。多くの州では水道衛生評議会(WSSB)にその権限を与えていて、水道経営の効率化と責任の確立がその責務である。また、大規模な州都では分離された評議会があり、一部の大都市では地方公営企業として水道サービスが行われている。
2)普及率は比較的高く、都市部79%、農村部73%である。国連の定義による安全な飲料水を入手できる人の比率は都市部85%、農村部79%。ただし、中央水委員会の水需要予測によると、2025年には現在の7千億m3から1兆1千億m3に需要が増加するとみられている。
(地方水道については、デリー、ムンバイのコメントあり)
3)水供給衛生設備の普及状況[人口比](2010)※3
(水供給全体)  88%
 都市部     96%
 農村部     84%
(衛生設備全体) 31%
 都市部     54%
 農村部     21%

上水道普及率 70%(給水時間は1日4時間程度)
下水道普及率 30%程度(しかし一般住民の下水管接続への動機付けがないため,接続率低)※10


5.2 その他パフォーマンス

(漏水率、24時間給水の実現度、その他水供給事業の水準を定量的に把握できる数字)
(1)サービス指標※17
(2)浄水・配水関係データ※17
(3)効率性指標※17


6 上下水道への援助・民営化


6.1 国内援助

1)水道事業運営は地方公共団体が行うが、通常設備投資に対する10%〜60%の補助を州政府から受けることができる。特別な場合に限り維持管理費にも収入の30%の補助がある。

6.2 その他の援助

(外国からの援助等)
1)諸外国の経済協力実績[100万ドル](2007)※4
 1位 英国   510.53
 2位 ドイツ  127.97
 3位 日本   99.89
 4位 米国   84.87
 5位 ノルウェー25.81

6.3 民営化

(民営化、公民連携の進行状況)
1)民間資金活用プロジェクトの実績件数[件](2010)※5
 コンセッション   3
 投資        0
 グリーンフィールド 4
 運転・リース    5
 合計        12

6.4 水市場

(1)概観※11
  • 歴史的に、インドにおける水ビジネス参入への最も大きいチャンスは、産業部門。(上水(市営)はルール変更が多い。)
  • 部品供給を行わない/独立しているEPCコントラクターはインド市場で成功している。
  • インドにおける水問題の深刻化に伴い、自治体水事業者、産業部門の水技術ニーズが高まっている。これに対応可能な技術を有する外国企業に
チャンスあり。
  • インド国内産業のグローバル化により、インド水ビジネスの需要も国際レベルとなり、外国企業のチャンスとなりうる。
  • 今後、インドの水道の運営管理についても民営化が進む可能性がある。

(2)マーケットの特徴※13
 インドは高い水ビジネス市場の成長率が期待される一方、市場の参入には高い障壁がある。
 市場は、非常に脆弱であり、わずかな为要プレーヤーと大部分は中小・零細により構成されている。また、産業部門での水事業の成功は、最終需要者の事業の成否の影響を強く受ける。
 インドでは、憲法により国又は州政府にそれぞれ水に関する法的権限が付与されているが、基本は州政府に属している。これらの規制に重複、役割分担の不明確さ、水資源の配分等に関する地域間の紛争等が関連し、市場の予見性を低くしている。

インドの水ビジネス市場の事業分野別成長見通し※13
(上段:2025年・・・合計1.1兆円、 下段:2007年・・・合計0.3兆円)
事業分野/業務分野 素材・部材供給 コンサル・建設・設計 管理・運営サービス 合計
上水  0.2兆円(0.05兆円)  0.7兆円(0.1兆円) 0.9兆円(0.2兆円)
工業用水・工業下水  0.1兆円(0.03兆円) 0.1兆円(0.04兆円) 0.2兆円(0.1兆円)
下水(処理) 0.02兆円(0.01兆円) 0.01兆円(0.01兆円) 0.03兆円(0.02兆円)
合計  0.3兆円(0.1兆円) 0.8兆円(0.2兆円) 1.1兆円(0.3兆円)
(出典)Global Water Market 2008、(注)1ドル=100円換算

6.5 水関連企業

水関連トップ10企業※11
1 IVRCL $504.0m Includes Irrigation projects
2 Ion Exchange $116.0m Industrial and municipal
3 Eureka Forbes $80.0m Residential
4 Wabag $62.6m Industrial and municipal
5 Thermax $56.5m Mainly industrial
6 Doshi $46.4m Industrial and municipal
7 Degremont India $44.1m Industrial and municipal
8 Hindustan Construction $38.79m Includes irrigation projects
9 Driplex $32.5m Industrial
10 Geo Miller $27.8m Industrial and municipal




7 水技術


1)国立環境衛生研究所が49箇所の浄水場を調査した結果では、47事業体でアルミ系凝集剤を使用した凝集沈殿、うち11箇所が凝集補助剤を使用。すべて重力式?急速ろ過で消毒は塩素による。
 ISOの飲料水水質基準に対して、23事業で濁度適合、36事業で細菌検査適合、両方適合は15箇所。

出典


※1)水道年鑑2006 世界の水事情
※2)外務省HP
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/india/data.html
※3)WHO/UNICEF2010年更新データ。「水供給」は水道以外による水供給も含む。
※4)国別データブック,外務省
※5)PPIデータベース,World Bankホームページ,2010年12月時点
※6)National Water Policy(2002), Ministry of Water Resources, Government of India, April 2002
※7)Eleventh Five Year Plan (2007-2012), Planning Commission, Government of India, First published 2008
※8) JICAホームページ:概評報告(国別レビュー)インド (2003)
http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/oda_loan/after/2003/pdf/sector_03_full.pdf
※9) JICAホームページ:インド,ヤナム川流域諸都市下水等整備事業(現地調査,2004)
http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/oda_loan/after/2005/pdf/theme_07_full.pdf
※10) 私信(2009)
※11) 経済産業省水ビジネス・国際インフラシステム推進室 (2010), http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100115c04j.pdf
※12) 経済産業省産業技術環境局産業技術政策課 (2008),
http://www.meti.go.jp/policy/economy/gijutsu_kakushin/innovation_policy/pdf/mizuhoukokusyo.pdf
※13) 水ビジネス国際展開研究会 (2010),
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g100426b01j.pdf
※14) JETRO, インドのインフラ開発にかかるファイナンス実態調査報告(概要) (2011),
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000815/report.pdf
※15) JICA,アセアン諸国・インド等における水事情(市場の状況)(2012)
http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/pdf_267/04_sp.pdf
※16) 月館,途上国の水事情 ,(財)海外法人医療基金HP (1998), http://www.jomf.or.jp/report/kaigai/22/2.htm
※17) JWRC水道ホットニュース,インドにおける水道事業ベンチマーキング(2005-2006年),(財)水道技術研究センター (2008), http://www.jwrc-net.or.jp/hotnews/pdf/HotNews97-2.pdf




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