233 ガーナ共和国


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ガーナ共和国

Republic of Ghana


1 基本情報


1.1 地理・経済情勢

  • 首都:アクラ
  • 国土面積:238,537km2(日本の約3分の2)
  • 人口:約2,390万人(2008年時点)
人口は増加傾向にあり、人口増加率は約2%。都市部人口と村落人口はほぼ50%ずつ。
  • 主要産業:農業(カカオ豆)、鉱業(貴金属、非鉄金属)※1
  • GNI:284億米ドル(世銀:2009年)※1
  • 一人当たりGNI:1,190米ドル(世銀:2009年)※1
  • 経済成長率(実質):7.7%(2010年暫定値:ガーナ財務・経済計画省)※1
ガーナ経済は農業・鉱業に依存する典型的な一次産品依存型経済であり、農業が国内総生産(GDP)の約40%、雇用の約60%を占めている。主要輸出品もカカオ、金及び木材が上位3位を占めており、国際市況及び天候に影響を受けやすい環境にある。
1957年に英国より独立した後、アコソンボ・ダム建設等の大規模インフラ案件の整備により開発への足がかりを築いていったが、1970年代後半から1980年代前半にかけて経済的困難に直面したため、世銀の支援により1983 年より構造調整を通じた経済再建に取り組んだ。この結果、1980年代後半から平均5%のGDP成長率を達成し、サブ・サハラ・アフリカにおける構造調整の優等生として評価された。しかし、1990年代の金やカカオの国際価格の低迷や主要輸入品である原油価格の高騰等により経済が悪化してきたため、 2001年3月、拡大HIPC(重債務貧困国)イニシアティブ適用による債務救済申請を行い、緊縮財政を基本とした経済の立て直しに着手した。2005年から始まった2期目においても健全な財政運営を基本政策としており、2007年には約6%の経済成長率を達成している。国際的な原油・食料価格の高騰もあり、2008年12月には18%のインフレ率を記録した。
現在直面している主要な課題としては、財政赤字の改善、電力不足の解消、地域格差の是正が挙げられる。また、沿岸の油田開発では、2010年以降には商業採掘が見込まれており、政府の歳入及びガーナ経済への影響が注目されている。

1.2 年表

年台 出来事 備考
1928 最初のパイプ給水システムがCape Coastにつくられた ※8
1965 ガーナ独立後、公共事業・住宅省(Ministry of Works and Housing)の公共事業局から水供給部門が分離され、ガーナ上下水道公社(Ghana Water and Sewerage Corporation (GWSC)が創設される ※8
1993以降 水セクターの問題に取り組むため、村落と都市のサービスの分離や独立した規制機関の導入、民間セクターの参入促進等、様々な改革が実施される ※8
1994 村落における水供給と衛生の改善のため、GWSCの半独立部門としてCommunity Water and Sanitation Divisionを設置。4年後にはCommunity Water and Sanitation Agency (CWSA)となり完全に独立。 ※8
1999 GWSCに代わり政府所有のガーナ水供給公社(Ghana Water Company Limited: GWCL)が設置される。同時に村落給水と衛生に関する権限は郡(District Assembly)に委譲される。 ※8
(当該国の歴史的経緯と水に関連する主要なイベントの発生時期を記述)

2 水資源と水利用


2.1 水資源

(水資源の豊富さ、雨期と乾期、どのような水源が使われているか、等)

2.2 水利用

(農業用・工業用・家庭用の配分、廃水の再利用など、水の使われ方の特徴、等)

2.3 家庭用水需要

(水道の一人一日使用水量やその範囲、都市村落給水の間での違い、等)

3 水に関する住民意識


3.1 徴収率

(水道料金の徴収率、あるいは水供給に対してお金を払う気持ちや文化があるかどうか、等)

3.2 料金体系

(平均的な水量あたり料金、料金の決め方、等)
1990-1997の都市における平均的な水道料金はUS$0.10-0.15/m3であった。当時の政府は水道料金の値上げには消極的であった。公共サービス料金に関する規制機関であるPURCが設置されたのを機に水道料金の値上げが行われ、2004年の平均的な水道料金はUS$0.50/m3まで値上げされた。2006年時点では、GWCLの料金は最初の20m3がUS$0.55/m3であり、20m3を超える分はUS$0.76/m3となっている。※8

3.3 水に対する不満・クレーム

(平均的な水ニーズ、特徴的な水に関する意識、等)

4 水関連の政策・法規制・基準


4.1 政策と計画(policy and plan)

○国家水政策(National Water Policy)※3)

ガーナにおける水政策の根幹となる国家水政策(National Water Policy)が2007年6月に策定された。
国家水政策は「現在および将来の世代に対して、最大限の社会・経済的利益を確保するために、水資源の持続可能な発展と効率的、効果的な管理・運営システムを達成する」ことを目標としている。
具体的な内容は、「水資源管理」、「都市への水供給」、「村落への水供給及び衛生」の3分野についてそれぞれ10余りの重点項目を設け「方針及び挑戦」「政策の目的」「政策措置・実施」の基本的理念を明記している。

都市域の給水に関する主な課題や問題点は以下のとおり。
  • 急速な都市域の人口増大に給水能力が追い付いていない
  • 都市域の水源の水質劣化
  • 給水事業の維持管理に関する管理能力
  • 低いサービスの質。料金とサービスのレベルがリンクしていない
  • 無収水率が高く(50%以上)、コスト回収可能な料金を設定することが困難
  • 施設の老朽化

○国家村落給水衛生政策

(National Community Water Supply and Sanitation Policy: NCWSP)※3
ミレニアム開発目標を達成し、貧困削減戦略に基づく持続的な社会経済的開発を遂げるため、策定された。NCWSPでは、水供給および衛生施設へのアクセス率を2015年までに85%、2020年までに100%にすることを目標として掲げている。また、そのためのインフラ整備、コミュニティ開発、能力開発および研修、プロジェクト管理および技術支援等を実施していくこととしている。

4.2 法規制

都市給水事業は、PURCやGSB、GWCLにより規定される基準やガイドラインに基づいて実施される。都市給水事業に関する規制等は以下のとおり。
  • Certificates of Incorporation and Commencement of Business of GWCL
  • Regulations of GWCL
  • GWCL Performance Contracts
  • GWCL Quarterly and Annual Reports
  • GWCL Annual Corporate Budget
  • GWCL Annual Operations and Maintenance Budget
  • Strategic Investment Plan
  • Private Sector Participation Contract Framework
  • Urban Water Tariff Policy
  • Tariff Schedules
  • Specifications (for construction of boreholes and hand-dug wells, standards for small towns, designs for household and institutional latrines, and Terms of References for supply of goods, services and works pertaining to projects)
  • Manuals and Guidelines on Operationalising and Implementing Projects

飲料水水質基準はガーナ基準委員会(Ghana Standards Boards:GSB)が開発・設定することとしている。※3)

4.3 水行政機関

ガーナ中央政府の行政組織には24省あり、そのうち水に関する主な省は水資源・公共事業・住宅省である。

○水資源・公共事業・住宅省(Ministry of Water Resources, Works and Housing)

水資源・公共事業・住宅省は水供給及び住宅に関する政策立案・実行に責任を持ち、水総局、住宅総局と複数の部局がある。
水総局(Water Directorate)は2004年2月、本省内に設立された。国内の水に関わる政策の立案や内部および関連機関の調整は水総局が実施している。
水総局の政策は村落水供給・衛生局(Community Water and Sanitation Agency:CWSA)、ガーナ水供給公社(Ghana Water Company Limited:GWCL)、及び水資源委員会(Water Resources Commission:WRC)を通じて実行される。
水総局の主な役割は以下の通り。
  • 国内の水に関わる政策の立案
  • 内部及び関連機関の調整
  • 国家レベルでの援助機関及びNGOの調整
  • 資金調達及び予算の調整
  • 投資計画の調整
  • 関連機関との協議を踏まえた適切な法律の議会への提出等

○公益会社規制委員会(Public Utilities Regulatory Commission:PURC)

公益会社規制委員会は1997年公益会社規制委員会法(Act538)により設立され、電力・水を供給するために必要な規制・監督を実施している。委員会の職務としては以下の点が挙げられる。
  • 課金される料金のためのガイドラインを作成すること。
  • 水道及び電気料金の審査・認可
  • 供給サービスに関する実施基準の監督と強化
  • 苦情の受付、調査、消費者及び公益企業間の調停等
委員会は議長、事務局長をはじめ、産業協会(Association of Ghana Industries)、労働組合会議(Ghana Trades Union Congress)、消費者の代表者、及び4名の専門家の合計9名から構成される。

給水および衛生施設の事業者は、都市部と農村部で異なる。

○村落および小規模都市部

水資源・公共事業・住宅省の管轄にある「村落水供給・衛生局」が促進・支援しており、実際の事業は郡(District Assembly)が実施することになっている。
  • 村落水供給・衛生局(Community Water and Sanitation Agency:CWSA)
水資源・公共事業・住宅省(Ministry of Water Resources, Works and Housing) の管轄にあり、村落および小規模都市部の水資源開発、供給、管理の促進を目的とする機関。
村落水供給・衛生局は1965年に設立された水供給・下水公社(Ghana water and sewerage corporation:GWSC)の1部局であったが、1998年の村落や小都市における安全な水の供給と衛生サービスの推進を目的としたAct of Parliament(Act 564)により、水供給・下水公社は村落・小都市部を担当する村落水供給・衛生局と都市部を担当する水供給公社(Ghana Water Company Limited:GWCL)に分割された。
その後、地方分権化の流れを受け村落・小都市部の水供給は郡(District Assembly)が実施主体となり村落水供給・衛生局は推進役として郡を支援する組織となっている。
  • 郡(District Assembly)
1998年のAct of Parliament(Act 564)により、それまで村落水供給・衛生局(Community Water and Sanitation Agency:CWSA)が担当していた村落・小都市への水供給事業を郡が実施することとなった。
具体的には水供給計画の策定、実施TORの作成、入札、施行管理、維持管理の指導を行うが、人材が不足していることから、村落水供給・衛生局がこれらの業務を支援している。

○大都市部

人口5万人以上の都市部では、「水供給公社」が給水事業を実施している。
  • 水供給公社(Ghana Water Company Limited: GWCL)
人口5万人以上の都市部の水開発、供給、管理を実施する機関。
水供給公社は1994年水供給・下水公社(Ghana water and sewerage corporation:GWSC)から村落水供給・衛生局(Community Water and Sanitation Agency:CWSA)分離後の後継機関であり、都市部の水供給を担当する機関となった。現在、世界銀行の支援を受けて都市部貧困層への水供給強化、給水網の拡充等を目的に施設整備が進められている。
水供給公社の主な役割は以下の通り。
  • 都市コミュニティにおける水供給システムの計画・開発
  • 供給される水質・水量に関する適切なサービスレベルの提供とその維持
  • 他機関との適切な調整を踏まえた長期計画の準備
  • 水関連分野における研究の実施
  • 公益会社規制委員会(Public Utility Regulatory Commission:PURC)への水道料金の申請


5 上下水道事業の実施状況


5.1 上下水道の普及状況

改善された飲料水へアクセス可能な人口は都市部では90%、農村部では71%となっている。
ただし、水道の普及率は低く、家屋もしくは敷地内まで水道管が敷設されている人口の割合は都市部においても未だ37%、農村部においては5%未満となっている(2006年時点) 。その他の人々は公共水栓や井戸を用いたり、Water Vendor(水行商)から購入したりして飲料水を確保している。
ガーナ政府によると、飲料水へのアクセス人口は1990年以降急速に増加しており、安全な飲料水にアクセスできない人口を2015年までに半減するというミレニアム開発目標は達成できる見込みとなっている 。※2)
衛生施設については、普及率が極めて低く、衛生施設にアクセスできる人口の割合は都市部においても15%、農村部においては6%である(2006年時点)※2)

上水道への接続人口は未だ限られており、水道事業による給水人口は約700万人、ガーナ人口の約32%と推定されている。※3
ガーナ政府は現在水供給公社が行っている都市部の水供給について、民間セクターの参入を促進しており、5年契約による管理の委託を検討しているが、水道料金の設定や貧困層への配慮等の問題もあり、水供給サービスの拡大と低所得層の人々の社会福祉確保とのバランスをいかに確保すべきかが課題となっている。※4)
なお、208の水道システム(配管ネットワークシステム)のうち110のシステムについては郡(District Assembly)に管理を委譲し、コミュニティによる管理が実施されている 。※3
ガーナでは急速な都市化が進んでおり、都市人口の増加率は水供給の普及率を上回っている。また、都市域の上水道施設のほとんどは30年以上前に建設されたものであり、急速な人口増加に伴い増大する水需要を賄うことができていない。また、70年代から80年代初頭にかけての深刻な経済危機により、ほとんどのインフラで整備遅延や維持管理不足が生じたため、機能の劣化等が問題となっている。※3
水供給公社(GWCL)が現在運営している82の都市域システムの給水能力は572,012m3/日であるのに対し、都市域における水需要は1,049,306m3/日と給水量の約2倍となっている。24時間給水を受けているのはわずかな人口のみであり、都市郊外や貧困地域においては週に1回程度しか給水されないところもある。※3)

下水道の普及率はさらに低く、下水道接続人口は約200万人、人口の約10%とされる 。国内に整備されている下水道システムはAccra、TemaおよびAkosomboの3つのみである。その他の地域においては、郡(District Assembly)や各世帯により管理される浄化槽や汲み取り式トイレがつかわれているが、これら衛生設備は設計や維持管理が不適切である場合がほとんどである。特に都市域の貧困地域では、劣悪な衛生環境による健康被害が多発しており、その経済コストは大きい。※4

5.2 その他パフォーマンス

(漏水率、24時間給水の実現度、その他水供給事業の水準を定量的に把握できる数字)

6 上下水道への援助・民営化


6.1 国内援助

(中央政府から地方事業への援助等)

6.2 その他の援助

○日本の援助実績

(億円)(2008年まで)※1
(1)円借款(交換公文ベース)1,250.91
(2)無償資金協力(交換公文ベース)805.10
(3)技術協力(JICA経費実績ベース)403.34

○主要国の援助実績

(2006年、百万ドル)※1)
1 英国 167.17
2 オランダ 96.96
3 米国 68.42
4 デンマーク 64.34
5 ドイツ 59.83
* 日本 43.66

○上下水道事業への援助実績 ※5)

ガーナにおける水分野の援助は近年増加傾向にあり、2007年の拠出額ベースの年間援助額は約83百万ドル。
主なドナーはオランダ、ドイツ、デンマークであり、オランダおよびドイツは主に村落給水等の基本的な水供給・衛生施設、デンマークは都市給水等の大規模水供給・衛生施設への援助を行っている。

対ガーナ援助額の経年変化(ディスバースメントベース)

主要援助国別対ガーナ援助額(2002~2007年の合計、ディスバースメントベース)

6.3 民営化

2006年にGWCLの上下水道事業運営について民間企業と5年間のマネージメント契約を締結している。事業の規模は32万世帯。契約は2011年までで、オランダのVitens(51%)と南アフリカのRand Water(49%)による合弁会社(Aqua Vitens Rand Ltd. :AVRL)が受託している。※6

2006年のマネジメント契約以降のAVRLの実績は以下のとおり。※7
  • 2006年当時は5時間未満だった年間研修時間が2007年には3.5日、2008年は2日間に増大した。
  • Labour productivityは2006年には20百万GhCであったが、2007年には24百万GhC、2008年には33百万GhCとなり、約65%増大した。
  • 水道収益は2005年は54百万GhCであったが、2006年は56百万GhC、2007年は69百万GhC、2008年は100.7GhCに増加した。(水道料金は2007年に60%値上げしたが、同時期に電気代は90%値上げしており、増大分は費用増大によるもの)
  • 料金回収率は2005年は76%であったが、2006年は95%、2007年は89%、2008年は93%に改善。
  • 処理水量1m3あたりの薬品費を2006年から50%削減。
  • 処理水量1m3あたりの電力量を2006年の0.98kwhから2008年の0.91kwhに削減。
  • 2006年の売上水量は100百万m3であったが、2007年は104百万m3、2008年は107百万m3に増大。
  • 2005年の営業余剰金は5.6百万GhCであった。2006年は9.0百万GhC、2007年は13.4百万GhC、2008年は14.3百万GhCに増大。


7 水技術


(どんな技術が使われているか、現場の技術レベルはどうか、技術基準は、その国発祥の技術は、その他おもしろネタ等)

出典


※1) 外務省ホームページhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ghana/data.html
※2) WHO/UNICEF Joint Monitoring Programme (JMP) for Water Supply and Sanitation
※3) National Water Policy, 2007
※4) National Water Policy - Draft for Discussion, 2005
※5) OECD DAC データベース
※6) 世界銀行 Private Participation in Infrastructure Database
※7) AVRLホームページ(http://avrl-ghana.com/pages/our-performance.php
※8) Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Water_supply_and_sanitation_in_Ghana
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