上条「第六位が帰ってきた……」 > 06


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~上条宅 十一時頃~




上条(学生は自宅待機か)

テレビ《今、第六位に対して、警備員と風紀委員による厳戒な警備態勢がされており……》

上条(あそこに御坂はいるんだよな)

上条(……)

上条(あいつ……)

インデックス「わー、大変なことになってるんだよ。とーま、どうなってるの?」

上条「何でもすごい能力者が来たらしくて、学園都市がそいつの対応してるところさ」

インデックス「事件の予感がするんだよ」

上条「……」

テレビ《え? はい、わかりました!》

上条「ん?」

テレビ《今、入ってきた情報によりますと、第六位がこの学園都市に入ってきたようです》

テレビ《ざわざわざわざわ》

上条「第六位が帰ってきた……」

インデックス「現場も騒がしくなってきたんだよ」

上条(……)

上条(俺は……)

インデックス「あれ? 短髪がいる」

上条「!!!」

テレビ《警備員や風紀委員とともに上位能力者も今回は参加しているようです》

上条「……」

テレビ《あっ! なにやら動きがあったようです。あれはレベル五の能力者ですか?》

上条「……」

テレビ《はい、はい、今入ってきた情報によりますと、警備に参加した『削板 軍覇』さんがタンカで

運ばれたようです》

上条「……」

テレビ《現場ではさらに緊張が増し……》

上条(例え、俺が行っても何の役にもたてねぇ。現場は警備員に任せておくのが一番だ)

上条(だけど……)

上条(だけど、そうじゃないだろ! 警備員や第六位がどうとかじゃなくて)

上条(俺はあいつのことが心配なんだよ!)

上条(あいつの一番近くで守ってやりたいんだ!!)

上条「」スッ

インデックス「どうしたの? とーま」

上条「……わりぃ、ちょっと夕飯のおかず足りないからスーパーで買ってくる」

インデックス「……」

インデックス「わかったんだよ、気を付けて。
       とーまがいつも行くスーパーの通り道に、第六位がいるらしいから」

上条「ああ、すぐに戻ってくるから待っててくれ」


~街中 十一時半頃~




上条「勢いで出てきたはいいけど、あの厳重な警備の中に入り込むのは難しいな」タタタ

土御門「それなら俺に任せるにゃ~」

上条「土御門! いつの間に!?」

土御門「ふふふ、カミやんが部屋から出て行ったのを見て、もしやと思ったんだが、
    やっぱり第六位のところに行くんだにゃ~」

上条「ああ、そんなところだな」

土御門「超電磁砲か?」

上条「ああ」

土御門「やっと、自分の気持ちを理解したか」

上条「まあな」

土御門「これでやっとフラグの乱列は終わるにゃ~」

上条「ん、何の話だ?」

土御門「こっちの話にゃ~」

上条「お、見えてきたな」

土御門「カミやん、こっちだ」

上条「わかった」

土御門「こっちから中に侵入できる秘密のルートがあるにゃ~」


~第七学区 正午~




ザワザワ
ガヤガヤ


上条「今までに見たことのない数の警備員と風紀委員がいるな」

土御門「そりゃあ、相手が第六位だからな」

一方「三下ァ!」

上条「一方通行!」

一方「お前、ここで何してやがる」ズリズリ

上条「俺も参加しようと思ってな(相変わらず、ほふく前進か)」

一方「やっぱりか、だが残念だったな。第六位はこの俺が止める」

上条「別にそれならそれでいいんだが」

打ち止め「誰と話してるのって、ミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方「何でもねぇよ。それよりも俺はそろそろ行くぞ」

打ち止め「よし、ミサカも頑張るって、ミサカはミサカは気合を入れてみる」フン

一方「お前はここで待ってろ」

打ち止め「えー」フワッ

一方(何ィ! 風のいたづらでスカートの中が見えた!)ムクムク

上条「ん?」

打ち止め「どうしたの? ってミサカはミサカはあなたが急に黙ったのを不思議に思ったり」

一方「……何でもねェよ」モジモジ

上条(まさか、こいつ)

打ち止め「それよりも早く~ってミサカはミサカはあなたの手を引っ張る」

一方「お、おい! ちょっと待て! 今はやばい、息子が……」ズリズリ

打ち止め「???」グイグイ

一方「ぎゃああああぁぁぁぁ!」

打ち止め「え?」

一方「も、もげ……た」ガクッ

上条「……」

打ち止め「え、気絶してるの? ってミサカはミサカはあなたの体をさすってみる」

一方「」チーン

上条「……」

打ち止め「え? どうして!? ってミサカはミサカは意味がわからない」

上条「こいつは第六位にやられたんだよ」

打ち止め「え、そうなの? ってミサカはミサカはいつの間に攻撃されたのか不思議に思ってみたり」

上条(直接的には違うけど)

レポーター「今、入ってきた情報によりますと、学園都市第一位の『一方通行』さんもやられたようで

す」


ザワザワ
ザワザワ


上条「……」

土御門「カミやん、どうする?」

上条「ここにいても埒があかない。前進あるのみだな」

土御門「よし、じゃあ行くか」

上条「ん、土御門も行くのか?」

土御門「まあな、カミやんの救出シーンを間近で見たくなったにゃ~」

上条「なんだそりゃ、結構余裕だな」


~現場 正午~




土御門「カミやん、目的は超電磁砲の救出と第六位を止めることでいいか?」

上条「ああ、特に第六位を止めることだな。そうすれば、流れで御坂も救出したことになるしな」

土御門「わかったにゃ~。じゃあ、作戦はシンプルだにゃ~」

上条「というと?」

土御門「カミやんが右手で第六位に触れればいいだけの話だ。
    そうすれば、この学園都市で起こっていることは全部消える」

上条「右手か」

土御門「お、見えてきたにゃ~」

上条「あれが第六位……」

土御門「それに、一緒にいるのは超電磁砲にゃ~」

御坂「くそ~」ビリビリ

上条「御坂!」

御坂「え? あんた、ここで何してるの?」

土御門「助けに来たにゃ~、カミやんが」

御坂「助けにって……それ以上近づいちゃ駄目よ!」

上条「え? どこまでだ?」タタタ

御坂「馬鹿ッ!」バッ


ドシーン


上条「いてて、御坂?」

御坂「ううっ」

上条「……おい」

土御門「これはまずいぜよ、カミやん。超電磁砲にあの力が働いてるにゃ~」

上条「何だって!」

土御門「たぶん、さっきのタックルで条件を満たしてしまったにゃ~」

上条「くそ、御坂!」ユサユサ

御坂「あんた……逃げなさい……」

上条「そうだ! 右手で触れば!」

土御門「無駄だ、カミやん。触っている間は効果があるかもしれないが、手を離せばまた能力が発動す

るだけだ」

上条「ちっくしょぉぉ」

土御門「道は一つだけにゃ~。カミやんが直接、第六位を叩くしかないにゃ~」

上条「……」

土御門「力が完全に発動するまで一分かかるらしい」

上条「一分か……」

土御門「今の状態だと、幻想殺しで超電磁砲がかかった能力を一旦止めて、
    作戦を練った上で、相手に仕掛けるのがベストだと思うが……」

上条「土御門」スッ

土御門「ど、どうした、カミやん?」

上条「発動までには一分かかるんだよな。じゃあ、能力が完全に発動するその一分以内であいつをぶん

殴ってくる」

土御門「待て、カミやん! それはあまりにも無謀だ!」

御坂「だ、駄目よ……逃げて……」

上条「いや、もう覚悟は決まってるよ」

上条「御坂、くたばるんじゃねぇぞ! 俺はまだお前に好きだって言ってねぇぇぇ!!」

御坂「!!!」

土御門「なっ! 何言ってるんだ!」

上条「いいんだ、土御門。これが俺の覚悟だ」

土御門「カミやん……」

上条「これで俺もロリコンの仲間入りってわけだ。
   だが、ほふく前進でちんたら行くなんてことはしないぜ」

御坂「あんた……」

土御門「カミやん……そっちもだが、この場はあらゆるメディアを使って学園都市に放送されてるにゃ

~」

上条「……」

土御門「……」

上条「マジで?」

土御門「実況生中継にゃ~」

上条「……」

土御門「……」

上条「黒歴史最高!!」ダダダー

土御門「あ、カミやんが壊れた」


~第六位 戦闘中~




上条「第六位ぃぃ!」ダダダー

上条「」ガクッ

上条(何だと、急に力が抜けた!? これが能力か?)

上条(だが、まだだ!)

上条「」ガクン

上条(両足に力が入らない!)

上条(くそ、立っているのがやっとだ! あと少しで届くのに)

土御門「カミやん!」

上条「土御門……か」

土御門「」ガシッ

上条(俺の体を持ち上げた?)

土御門「行ってこーい」ポイッ

上条「うわぁ」ピュー


ドシーン


上条「土御門の奴。第六位のところまで投げやがった」

土御門「」バタリ

上条「土御門!」

土御門「カミやん、後は任せたにゃ……」

上条(あいつ、能力が発動するのを承知で俺を投げやがった!)

土御門「さっさと終わらせるにゃ……」フーフー

上条(土御門、サンキュー)

上条「」クルリ

上条「さてと、第六位さんよ。そろそろお祭り騒ぎは終わりにしようか」

上条「てめえが能力で好き勝手するっていうなら!」

上条「その、幻想を、ぶち殺すっっっっ!!!!」バシッ


パリィィィィィィィン!




――――――




小萌「……条ちゃん! 上条ちゃん!」

上条「え?」

小萌「どうしたんですか?」

上条「あ、いえ」

小萌「ちゃんと先生の話を聞いていないと駄目ですよ」


小萌先生はそういうとまた、帰りのHRの続きを始めた。


俺の右手によって、学園都市にまた日常が訪れた。
それから一日経った今、第六位はまたどこかに姿を消したらしく、次にいつ現れるのかわからない。
それは研究者の間でもそれは予測不可能らしい。

結局、第六位の能力が何だったのか、俺には最後までわからなかった。
だが、あの能力は間違いなくこの学園都市に非日常をもたらし、
その新しいルールによって世界を作り変えていた。

しかし、俺はなぜかあの出来事をあんまり不快には思ってなかった。

なぜだろうか?
不快というよりもむしろ新鮮さを感じてテンションが上がっていたような、
そんな感じだ。

あれ、ということは。
俺は結構あの状況を楽しんでいたのかな?

外を見ると、桜が満開だった。

授業は土曜日だったので、午前中に終わった。

俺は鞄を持って教室を出ると、靴を履いて校門まで行く。
すると、とある制服姿の女の子が目に入った。


御坂「おそーい」

上条「わりぃわりぃ」


俺は急いで御坂に駆け寄る。
御坂は言葉こそ怒っていたが、内心ではあまり怒っていないようだった。
その証拠にすぐ笑顔になり、ごく自然に俺の腕へ自分の腕をからませた。

あの事件をきっかけに御坂とは付き合うことになった。
ていうか、俺のセリフが学園都市中に広まったらしく、
公認のカップルとされてしまった。


御坂「どこ行く?」

上条「そうだな。まずは飯を食いたい」

御坂「あ、それならさ。何か買って公園で食べようよ」

上条「公園で?」

御坂「ほら、桜見ながら食べてみたいじゃない?」

上条「ああ、そういうことか」


俺は学校の桜を見る。
桜は相変わらず、ピンク色できれいな花を咲かせていた。

風が吹く度に舞い散る花びらが温かく、俺の横を通りぬけていく。


上条「いいんじゃないか。花見しながらってのも」

御坂「でしょ! 決定ね!」


御坂が俺の腕引っ張る。
俺はそれにつられて、歩き出した。


上条「あれ? でもお前って白井たちと明日お花見するって言ってなかったか?」

御坂「うん。言ったよ」

上条「今日もするのか?」

御坂「いいじゃない、何回やっても。桜の咲いてる時しかできないんだし」

上条「ま、そうだけどな」

御坂「それにあんたとお花見するの初めてだし……」


御坂が照れながら言った。
その表情がなんとも可愛くて、
俺は思わず組まれている腕とは逆の手で御坂の頭を撫でてやる。

御坂はびっくりして、体を震わせたが、そのあとは顔を赤くして
されるがままに委ねていた。

土曜日は大体、他の学校も午前中だけの授業だ。
今は下校する生徒の数がピークなのか、周りには学生がたくさんいた。
その学生たちは俺が御坂の頭を撫でているのを振り返りながら見ている。
御坂もその視線に気づき、途端に我に返った表情をした。


御坂「ちょ、ちょっと! こんなところで、そんなことしないでよね」


恥ずかしがる御坂を俺は見ていた。
その時、第六位がいた時と同じ感覚が蘇った。

なぜ?
今俺は御坂と一緒にいる。
御坂に何か関係しているのだろうか?
それとも、御坂どうこうではなく、もっと他のところに理由があるのか?
少し考えたが、答えは出なかった。


俺は再び御坂を見た。
御坂は恥ずかしがっているせいか、俺と視線を合わせずに前を見ていた。

やっぱりかわいいな。
すると、御坂が急に立ち止まり笑顔になる。
俺も御坂に合わせて止まる。


御坂「ここよ! 到着~」


御坂の言葉に俺は前を向く。
そこには満開の桜が咲き誇る公園があった。
すでに、花見をしている人たちもちらほらいて、
青空からの陽射しがその人たちを陽気にしていた。

新社会人たち、サークルやバイト仲間の歓迎会、クラス会…………


その時、俺はわかった。
さっきからある感覚は、第六位でも、御坂でもなく、春のせいだと。






   上条「第六位が帰ってきた……」  完




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