~街中 十八時半~
ワイワイ
ガヤガヤ
御坂「しまったわね」
上条「ああ、忘れてたな」
御坂「外で食べるのはいいけど、空気椅子で食べなきゃいけないのよね」
上条「どうする?」
御坂「どうするって、学食なら部屋に持って行って、座って食べれるけど。
学食は嫌なんでしょ?」
上条「ああ」
御坂「……」
上条「……」
御坂「そうだ。お座敷で食べれるところにしようか!」
上条「ああ、そうか! それなら座って食べれるな」
御坂「どこがいいかな?」
上条「あそこはどうだ?」
『お好み焼き』
御坂「うん、いいわよ」
上条「よし、じゃあ行くか」タタタ
~店 十八時半~
ワイワイ
ガヤガヤ
ワイワイ
ガヤガヤ
上条「……」
御坂「……」
上条「みんな考えることは一緒か」
御坂「すっごい繁盛してるわね」
店員「すいません。今、混雑しておりまして、相席でよければすぐに通せますが」
上条「どうする?」
御坂「私は別にいいけど」
上条「じゃあ、相席で」
店員「ありがとうございます。二名様通します!」
~席 通した後~
店員「この席になります」
黒子「お姉様!」
御坂「黒子」
佐天&初春「「 御坂さん! 」」
御坂「佐天さんに初春さんまで」
佐天「御坂さんもお好み焼きですか?」
御坂「ええ、座れる場所がよかったから」
初春「考えることはみんな一緒ですね」
黒子「ささ、お姉様。そんなところに立っておらずにお座りになって下さいな」
御坂「ええ。ほら、あんたも座りなさい」
上条「ああ」
佐天「……」
初春「……」
佐天&初春
黒子「やはり、その方と一緒ですのね」
御坂「しょうがないでしょ」
黒子「しょうがないのですが、なぜか納得できませんの」
御坂「それより、あんたはそれ以上近づいちゃ駄目よ」
黒子「く~~~、なんたることですの。忌々しい第六位の能力がぁぁ!」
初春「そういえば、御坂さんたちは注文まだですね。メニュー表です」サッ
御坂「ありがとう。何にしようかな~」
上条「どれどれ」
御坂「あんたは何が食べたい? 好きなものとかあるの?」
上条「そうだな……」
佐天「……」
初春「……」
黒子(何で仲良く一緒に見てますの)イライラ
佐天「……あの、御坂さんに質問があるんですが」
御坂「何?」
佐天「隣の男性の方は誰でしょうか?」
御坂「あ、そういえば、まだ紹介してなかったわね。ほら、自己紹介」
上条「上条当麻です。よろしく」
佐天「あ、はい」
初春「よろしくお願いします」
御坂「こっちが佐天さん。そっちが初春さんね」
上条「ああ」
初春「あの~」
御坂「何?」
初春「ちなみにどういったご関係なのでしょうか?」
御坂「え?」
初春「いえ、なんか親しそうだったので」
御坂「え? 親しいって……こいつと?」
初春「ええ。ですので、ただの知り合いには見えないのですが」
御坂「え?」
初春「表現が難しいんですが、こうなんて言うか」
御坂「いや、別に。こいつとは何も……」
佐天「ていうか、ぶっちゃけてしまえば"彼氏"なんですか?」
初春(さすが、佐天さん。直球ですね)
御坂「ちょ、な、何言ってるの、佐天さん! 全然違うわよ!」アセアセ
初春&佐天
黒子「」イライラ
御坂「ほら! あんたも何か言いなさいよ」ガタガタ
上条「おいおい、体を揺するな」ガタガタ
御坂「あ、ごめん」
上条「……」
上条「あ~、俺たちはこうして腕を組んではいるが、それは第六位の能力のせいなんだ。
この後も風呂に入ったり、寝たりと、ずっと一緒なわけだが、
それはまったくの勘違いで特別な関係ではないんだ。オーケー?」
全員「「 …… 」」
上条「ん?」
初春「ずっと一緒……」
佐天「ちょっと、これって!」
御坂「あ、あんた! 何言ってるのよ!」
上条「は? どういうこと?」
御坂「そんなこと言ったら、余計怪しいでしょうが!」
上条「でも、真実だし」
御坂「あほか!」
佐天「初春、私なんか今日興奮して眠れないかも」プププ
初春「何言ってるんですか、佐天さん」プププ
黒子「」イライラ
上条「でも、それならどうやって言えばよかったんだ?」
御坂「別に、特別な関係じゃないって言えばいいだけでしょうが!」
佐天「そうですよ。"まだ"特別な関係じゃないって言えばよかったんですよ」
御坂「ちょっと、なにその"まだ"って。将来的には特別な関係なるような日本語」
初春「え? そうですよね?」
御坂「ち、違うって!」
上条「将来的に御坂とね~」ハァー
御坂「あんたにそう言われるとなんかムカツクわ」
黒子「だああああ!」
全員「「」」ビクッ
黒子「そんな話ばっかりしてないで、さっさと注文をしてくださいまし!」
御坂「……」
上条「……」
御坂「そ、そうね」
上条「じゃあ、俺は豚玉で」
御坂「私はデラックス」
佐天(白井さん完全にやつあたりですね)
~店 注文来た~
黒子「それでは焼きますわ」ジュ~
御坂「私も」ジュ~
佐天「じゃあ、私も」ジュジュ~
初春「あ! 佐天さん場所とりすぎですよ」
佐天「そう?」
初春「これじゃあ、私が焼けませんよ」
佐天「え、でもあるじゃん。そこ」
初春「狭いですよ」
佐天「大丈夫よ。初春なら」
初春「何ですか、その根拠のない大丈夫」
佐天「ふんふん♪ はやく焼けないかな~」
初春「……」
初春「それ」ジュ~
佐天「ちょっと初春! 私のと合体してるじゃない」
初春「しょうがないじゃないですか。場所が狭いんですし」
上条「……」
御坂「どうしたの?」
上条「いや、別に」
御坂「言いなさいよ」
上条「上条さんの焼くところが全然ないなと思いまして」
御坂「あんた焼かなくてもいいでしょ」
上条「ん? 何言ってるんだ?」
御坂「え、だってあんたの場合、あの力のせいで焼かずに食べなきゃいけないでしょ」
上条「……え?」
御坂「知らなかったの?」
上条「……そ、そういえばそうだった! ははは!」
御坂「しっかりしてよ」
上条「ははは……」
上条「……」
上条(マジかよ。何たる不幸)ハァ~
上条(まさか、お好み焼きを焼かずにそのまま食べる日が来るとは)
上条(いや、この場合は飲むと言ったほうが正しいのか?)
上条「あれ、っていうか。豚入ってるじゃん」
御坂「え、豚玉でしょ?」
上条「あ、そうなんだけど、これも生でいくの?」
御坂「あ、そうか。これは無理ね」
上条「こんなの生でいったら腹壊すぞ」
御坂「じゃあ、もらうわ」ヒョイ
上条「げっ」
御坂「ほら、みんなもこいつの豚あげるわ」ヒョイヒョイヒョイ
初春「え、いいんですか!」
佐天「ありがとうございます」
黒子「たまには役に立ちますわね」
上条「……不幸だ」
~店 焼けた~
御坂「そういえば、初春さんたちは風紀委員の仕事じゃないの?」パクパク
初春「はい。ですけど、今は休憩中です」パクパク
御坂「そうなんだ」
佐天「今日は第六位の件で支部に泊まりがけなんだよね」パクパク
上条「そうなのか。大変だな」ゴクゴク
御坂「え、じゃあ、黒子も?」
黒子「そうですの」パクパク
佐天&初春「「」」ピクッ
全員「「 …… 」」
御坂「……何よ、この沈黙」
全員「「 …… 」」
御坂「何? 何か言いたいわけ?」
全員「「 …… 」」
初春「あ……佐天さん。そろそろひっくり返したほうがよくないですか?」
佐天「そ、そうだね。そろそろかな」ゴソゴソ
佐天「せーの……」
黒子「お姉様は今夜、その殿方と特別な夜をお過ごしになりますの?」
御坂「なっ!?」
佐天「ぶっ!」フラ
お好み焼き「」バチャッ
御坂「な、何言ってるの! そんなわけないでしょ!」
黒子「そうですの。それを聞いて安心しましたわ」
佐天「ぷぷぷ」
初春「あー! 佐天さん何やってるんですか! 私のお好み焼きにダイブしてますよ」
佐天「ごめん、初春」
初春「も~、苦手なら言ってくれればよかったんですよ。私が代わりにやってあげたのに」
佐天「だって、白井さんが意表をついてきたんだもん」
黒子「え? 私ですの?」
佐天「そうですよ、ちょうどタイミングよくあんなこと言うんだもん」
黒子「そうでしたの。それは失礼しましたの」
初春「けど、見事に重なってますね」
佐天「ごめんごめん、うまくずらすから」
佐天「」ズイ
佐天「ほら、きれいにできたでしょ」
初春「本当ですね。じゃあ、次は私がひっくり返します。へらを貸して下さい」
佐天「はい」スッ
初春「ありがとうございます」
佐天「失敗しないでよ」
初春「大丈夫ですよ。私得意なんです」
佐天「ふーん」
初春「」ゴソゴソ
佐天「ところで初春」
初春「何ですか?」カチャカチャ
佐天「さっきの重なったお好み焼きさ。初春のが御坂さんだとしたら、私のは上条さんだよね?」
初春「ぶっ!」ヒョイ
お好み焼き「」バチャッ
佐天「ちょっと、初春も駄目じゃん」ハハハ
初春「い、今のは佐天さんが笑わせるからですよ!」
佐天「当たり前じゃない。同じ状況じゃないとフェアじゃないもん」
初春「何で勝負になってるんですか!」
黒子「あなた方はさっきから何をやってますの」
佐天「ははは、別に遊んでたわけじゃないんだけど」
初春「もうこのお好み焼き、いろんなのが混ざってて何焼きかわかりませんよ」
佐天「たくさん混ざってるからね。デラックスの上のスーパーデラックスってことで」
御坂「そのカテゴライズは正しいの?」
初春「まったく、ずらしますよ」
佐天「私がやってあげようか?」
初春「いいです」
上条「……」ジー
初春「どうしたんですか、上条さん。いくら見ても、上条さんは食べれませんよ」
上条「いや、そうじゃなくて」
初春「???」
上条「御坂が俺を襲ってる……」
佐天&初春「「 ぶっ! 」」
最終更新:2011年05月04日 01:47