上条「誰を助けりゃいいんだよ……」 > 14


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「ショチトル、か」

上条と固い約束を交わした、とある少年の知り合いらしい。

何故彼を戦闘機へ連れ込んだのかと問うと、少女は少しためらった後、こう答えた。

「貴様……いや、あなたを一日観察していた。
 いつもエツァリが語っている『あの男』がどんな人物なのか」

なんと、いつも語られていたとは。

上条の方は私生活で色々ありすぎて彼の事をあまり思い出さないので、少し申し訳なくなった。

「あなたは信頼できる人間だとエツァリは言っていた。
 私は学園都市には不法侵入している身で、エツァリのほかに味方がいない。だから……」

「頼れる人が俺以外に思いつかなかったのか。ってことは、何か困ってるのか?」

こくり、とショチトルは肯いた。

「頼む。お兄ちゃんを……エツァリを助けてほしい」


ショチトルは語った。


私とエツァリはあの日、『学舎の園』の中にいた。
常盤台中学を含むお嬢様学校の集合地帯だ。

エツァリは常盤台の生徒である御坂美琴を陰ながら見守るため。
そして私は、そのエツァリの行為を咎めるためだ。

エツァリは暇ができるとすぐ御坂美琴を見守りに行こうとする。
その日もそうだった。

奴は優れた魔術師だ。
いつも瞬く間にターゲット……御坂美琴を見つけて、じっと眺める作業に移る。

……そんな顔をするな。
エツァリはエツァリなりに彼女と彼女を取りまく世界を守ろうとしているんだ。
それに、間違った方向へ進もうとしたら私が責任を持って止める。


そういうわけだから、御坂美琴に何かあった事にはすぐに気が付いた。

彼女は「妹達と連絡が付かない」というような事を言って、慌てて走り回っていた。
情報収集のためだろう。

それなら是非役に立とう。陰ながら。
エツァリはそう考えた。

そして、彼女の妹の行方について調べようとした所で、事件は起きた。


御坂美琴が、魔術師の集団に誘拐されたのだ。

やつらはみんなゴム製っぽい全身タイツに身を包んでいた。
電気対策のつもりかもしれない。
そこを考えると、超電磁砲の能力については調べがついていたようだ。

何しろ全員全身白タイツだったから、服装からはどこの魔術師なのか判断が付かなかった。
だが、使っている魔術の傾向を見た限りでは、ロシア成教の手の者らしい。

御坂美琴は学園都市第三位の超能力者だと聞いた。
私にはよく分からないが、相当強いのだろう?

しかし、彼女は魔術師との戦闘経験は豊富ではなかったのだろう、
慣れない魔術に翻弄されてあっさり捕まってしまった。

エツァリも陰ながら手助けして全身タイツを二、三人バラバラにしたのだが、相手は数が多かった。

我々の存在に気が付いた全身タイツが数人、こちらへやって来て攻撃を仕掛けて来た。
その相手をしている内に、御坂美琴は魔術的に拘束されて、
移動用の霊装の中へ引きずられて行ってしまったんだ。


移動霊装はすぐには発動しなかった。

準備に時間がかかるのかと思ったが、別の目的があったようだ。
御坂美琴が連れ去られてからしばらくして、別の女子中学生が三人、同じ霊装へ詰め込まれて行った。
他にも攫わなければいけない人間がいたから、発動を待ったのだろう。

攫われて来た女子中学生達には見覚えがあった。
というより、エツァリ情報で知っていた。

白井黒子、初春飾利、佐天涙子。
皆御坂美琴の友人だ。
御坂美琴を助けようとして逆に捕まったらしい。

攻撃してきた魔術師をやっと退けたエツァリは、咄嗟にその霊装に自分から飛び乗った。
発動前に彼女たちを助け出すつもりだったようだが、一歩遅かった。

全身タイツたちにより術式が発動、エツァリ達はまとめてどこかへ飛ばされてしまったんだ。

後に残されたのは私だけ。

一度だけ、エツァリから『ロシアに行くらしい』と通信霊装で連絡があったが、それきりだった。

この時ほど自分の無力さを悔やんだ事はない。

全身タイツに襲われた時だって、私はエツァリの足手まといになっていた。
私を守りながらでなければ御坂美琴を助け出す事が出来たかもしれないのに。

そして、今も無力なままだ。

私も魔術師のはしくれだが、戦闘は得意ではない。
一人でロシアへ行っても邪魔になるだけかもしれない。

でも、じっとはしていられない。

それで……エツァリが唯一学園都市で信頼できる人間だと言っていた、あなたを頼る事を思いついた。


だが、エツァリの言葉をそのまま信じるわけにもいかない。

だから飼い猫に化けさせてもらって、一日あなたを見ていた。
そして、思った。
この人なら大丈夫だと。
エツァリの評価は間違ってはいないと。

関係ない人間を巻き込むのは申し訳ないと思っている。

だが、私には他にどうしようもできない。

頼む。エツァリを助けたい。

協力してほしい。



そこまで話し終え、ショチトルは口を閉じた。



では上条さんから感想を一言。


「何かシュール!」




上条としては断る理由はない。


役に立てるかどうかは分からないけど、と前置きした上で承諾すると、
ショチトルは安心したように小さく微笑んだ。


戦闘機は順調にロシアへ向かっている。


■■■■救助リスト(抜粋)■■■■

===学園都市===

御坂勢力
   御坂美琴         【誘拐:全身タイツ(ロシア成教?)】
   妹達(学園都市組)     【解決済】
   妹達(10033-14600)    【解決済:一方通行】
   妹達(14601-20000)    【委託:一方通行】
   白井黒子         【誘拐:全身タイツ】
   初春飾利         【誘拐:全身タイツ】
   佐天涙子         【誘拐:全身タイツ】
   エツァリ         【誘拐:全身タイツ】
    ショチトル       【解決済】


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