絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 > 7スレ目 > 01


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~3月中旬 きぬはた荘 リビング~


 [[電話]]ジリリリリン ジリリリリン


絹旗 「? はい、もしもし?」

滝壺 「家の電話が鳴るなんて珍しいね」

浜面 「つうか、これ置物だと思ってたぜ……」


<はい?麦野?今はここには住んでませんが。


浜面 「麦野に用事か。そういやあいつ元々ここに住んでたんだっけな」

滝壺 「うん。ロシアで別れるときに鍵もらったんだよね」


<……えっ!?急に言われても超困りますって!!


浜面 「言われて思い出したけど、麦野って今どこで何してんだ?」

滝壺 「病院に住み着いてるよ。"職場徒歩ゼロ分で超便利"なんだって」

浜面 「ナースむぎのん……ありだな」

滝壺 「もしもし、むすじめ? みさわも混ぜて集合で」

浜面 「すいませんでしたぁぁぁぁ!!」


<いや、超初耳ですよ!?……郵便?なんのことですか?


浜面 「なあ、さっきから何騒いでるんだ?」

滝壺 「どうしたんだろうね」


<……分かりました。確認してみます。


浜面 「おい、なんだ今の電話」

滝壺 「知ってる人?」

絹旗 「……超知らない人です」

滝壺 「何の電話だったの?」

絹旗 「まだなんとも……麦野のところに行きましょう」

浜面 「なんでここで麦野が出てくるんだ?」

絹旗 「この家の本来の持ち主だからです」



~同日 第7学区 とある病院~


麦野 「……ちょっと待って。今の話、本当か?」

絹旗 「まあ、電話で聞いた限りでは」

浜面 「いくらなんでも竹やぶすぎるぞ」

滝壺 (やぶへびって言いたいのかな)

絹旗 「麦野も知らないんですか? 何か知ってるかと思って来たんですが」

麦野 「今初めて聞いたわよ」

絹旗 「郵便がどうとかって言ってたんですけど」

浜面 「そういや、お前宛に来た郵便物をいくつか渡してなかったか? その中にはないのか?」

麦野 「……待ってて、見てくる」


 カツ カツ カツ


滝壺 「今の話が本当だとしたら……」

浜面 「いろいろ大変なことになるぞ」

絹旗 (どうしてですか……どうして……)

 :
 :
 :

麦野 「内容証明があったんだけど、もしかしてコレ?」

浜面 「送り主は……都市整備開発局 第十三課……?」

絹旗 「超間違いなさそうですね」

滝壺 「むぎの、開けてみて」

麦野 「あ、ああ」ビリビリ

絹旗 「どうですか?」

浜面 「なんて書いてあるんだ?」

麦野 「……なんか、ゴメンね。こんな大事なもん見落としてたなんて」

滝壺 「じゃあ……」

麦野 「悪い予感が的中っていうのかしら?」




麦野 「あの家に住めるのも、今月一杯よ」



~同日 第7学区 とあるファミレス~


浜面 「どうすんだ……あと10日ちょいしかないぞ?」

滝壺 「……まず、みんなにもちゃんと伝えないとダメ」

絹旗 「そうですね……色々準備もあるでしょうし」

浜面 「なあ、全員いっぺんに移住とかできないのか?」

滝壺 「この人数だと難しいと思う。学園都市は一人暮らしか少人数向けの部屋ばっかだから」

絹旗 「……」チュー

浜面 「しかし、再開発か……言われてみりゃ、あの辺古臭い建物ばっかだったな」

滝壺 「住んでる人も年齢高い人が多いし、地区自体が昔から手付かずなのかも」

絹旗 「……」ボコボコボコボコ

滝壺 「きぬはた、行儀悪いよ」

絹旗 「あっ、ち、超失礼しました」

浜面 「どうしたんだ? なんかお前、様子がおかしいぞ」

絹旗 「あぁ、そのー……みなさんにどう話したものかと」

浜面 「まあ……ストレートに言う他ないだろ」ガシガシ

絹旗 「にしても、いきなり追い出されるとか超無情です」

浜面 「計画は前々からあって、俺らが気付いてなかっただけだろ? 文句言えねえよ」

滝壺 「むぎの宛の郵便物はまとめてむぎのに渡してたから、誰も気付けなかったんだね」

浜面 「それに単に追い出されるんじゃなく、立退料は出るぞ? 麦野に、だけどな」

絹旗 「一応、引越し代としてみんなに渡すとは言ってましたね」

滝壺 「引越し……そういえば、最近ご近所で引越し多かったよね」

浜面 「このせいだったんだろうな……やれやれだぜ」

絹旗 「……」

滝壺 「きぬはた、大丈夫?」

絹旗 「え、あっ、はい、超大丈夫ですよ」

浜面 「さっきからどうしたんだ?」

絹旗 「むっ、超浜面に心配されるとは……私はもうダメかもしれません」

浜面 「ひでぇ! お前やっぱいつも通りだ!」

滝壺 「」ジー

絹旗 「とりあえず、みなさんにも今日話したほうがいいですよね」

滝壺 「そうだね。もう時間もないし」

絹旗 「では、今夜の予定を空けておいてもらえるように連絡を」カチカチ

店員 (なんかいつもと空気が違ぇなあ)

絹旗 「超送信」ピッ

浜面 「どうすっかなぁ、俺らも……」

滝壺 「……まず、住むところから探さないとね」

絹旗 (その"俺ら"に私は入ってるんでしょうか……)

浜面 「絹旗はどうするんだ」

絹旗 「……そうですね。常盤台に復学したら半強制的に入寮でしょうし、超ちょうどいいかもしれません」

浜面 「あー、そっか。あそこは全寮制だったな」

滝壺 「いいの? 私たち3人なら住むところあるかもよ?」

絹旗 「いやいや、お二人の仲を邪魔するわけにもいかないじゃないですか」

浜面 「そ、そんな気を使ってもらわなくても、なあ?」

絹旗 (……どうせ)



~第7学区 セブンスミスト~


白井 「決まりましたか?」

婚后 「ええ。こちらにいたしますわ」

白井 「なんと色気のないデザインを……淑女たるもの、いつでも殿方に見せられるものを選ばないとダメですの!」

婚后 「あなたのいう淑女の定義が最近よく分からないのですが……」

白井 「大体、なんでこんな地味なデザインを」

婚后 「お言葉ですが、わたくしのサイズだとバリエーションに乏しいんですのよ」

白井 「」

婚后 「今日だって、今持っているものは最近窮屈だから買い足しに来てますのに」

白井 「ふ、不公平ですの……わたくしはいまだAAだというのに……」グスッ

婚后 「大きければ正義など幻想ですわ」ハァ

白井 「うう……うん? 誰ですの、こんな時に電話をならす不届き者は」カチカチ

婚后 「あら、メールが……」

白井婚后 「「絹旗さんから?」」



~第7学区 とある公園~


海原 「ホットドックなんて久しぶりですよ」

結標 「……」ジー

海原 「?」

結標 「一口ちょうだい」

海原 「ええ、どうぞ」

結標 「じゃあ、私のクレープも一口食べていいわよ」ズイ

海原 「いただきますね」ニコニコ

結標 「はい、あーん……あ、ゴメン。ちょっとメール」

結標 (もー、誰よ。邪魔するのは)

海原 「まったく同じタイミングでメールですか。気が合いますね」カチカチ

結標 「そっちも?……もしかして、絹旗さんから?」

海原 「? ということは、結標さんに来たメールも?」

結標 「ええ、絹旗さんから。……どうやら一斉送信したみたいね」



~第7学区 とある病院 更衣室~


19090 「番外個体、お疲れさまでした。今日の検査結果です、とミサカは紙切れを渡します」つ□

番外個体 「はいはい」

19090 「今日も異常なしでよかったです……とミサカは心より安堵します」ハゥ

番外個体 「ありがとねー、いつも心配してくれて」ナデナデ

19090 「」フニャー

番外個体 「次の検査予定日は4月の……もう4月になるのか」

19090 「早いですね……番外個体が学園都市に来てもうすぐ一年です、とミサカはこの一年を振り返ります」

番外個体 「なんかあっという間だったなー。そういえば、最初に話しかけてくれたのはあなただったね」

19090 「そ、それはより見聞を広めたいと思いまして……」

番外個体 「本音は?」

19090 「そのハイスレンダーボデーの秘密を探るため(ガシッ)痛いです痛いです!」

番外個体 「マジショックー、私あなたのこと信頼してたのにぃー」ギリギリ

19090 「こめかみ! こめかみに指が! あ、ほら、電話! 電話なってますよ!」

番外個体 「あ、ホントだ……絹旗さん……?」カチカチ




差出人:絹旗さん
     <notmoai@comodo.ne.jp>
件名:【超重要】
日付:20yy/m/d 15:12
───────────────
今日の夜、お話ししたいことがあ
りますので、家にいてくれると超
嬉しいです。




~同日夜 きぬはた荘 リビング~


海原 「そうそう。絹旗さん、昼間にメール頂きましたよね?」

絹旗 「」ドキリ

結標 「そういえば来てたわね。話ってなんなの?」

白井 「あら? もしや全員が受け取ってますの?」

番外個体 「そうみたいだね、この様子だと」ズズ...

婚后 「全員の耳に入れなければならないようなお話、ということですわね」

絹旗 「……あっ、あのですね」

滝壺 「……」

絹旗 「みなさんに、超重要な報告があるんです。詳細は浜面が説明します」

浜面 「ふぇ? なんで俺?」

絹旗 「お願いです……」

浜面 「……あー、分かったよ! いいか、よく聞け!」

海原 「そんな大きい声で言わなくても聞こえてますよ」

浜面 「単刀直輸入に言うからな」

結標 「直入ね」

浜面 「この家 (・ω・)オアーン」

浜面 「ユリコ! 今大事な話してるんです!」

ユリコ 「(・ω・ )三三三三」ポテテテ

絹旗 「浜面! 私のユリコに大声浴びせるとは何事ですか!」

浜面 「おい、俺はお前の代わりに喋ってやってんだぞ!?」

番外個体 「いいから進めてよ」ヒュッ ヒュッ

浜面 「危ないやめて釘投げないで!」

滝壺 「はまづら、遊んでないで早く」

浜面 「滝壺さんまで!? よし、言うぞ!」



浜面 「お前ら全員この家に住めなくなるからな!」ビシィ

全員 「……」

絹旗 「他に言い方ないんですかバカ面!」ムキー



~15分後~


白井 「再開発指定地域……そんなことが……」

婚后 「では、ここも立ち退きの対象に?」

滝壺 「そういうことになるね」

結標 「随分と急な話ね……」

絹旗 「……わ、私だって……」

浜面 「あー、すまん! 俺がみんなに伝え忘れてたんだ! こいつはうっかりだ!」

番外個体 「そっか。じゃ、浜面さんを殴ればいいんだね」

浜面 「応! 殴れ殴れ!」

番外個体 「……なんてね」ニヤニヤ

海原 「急な話で戸惑っていますが、誰も誰かを責めようなどとは考えていませんよ」

白井 「まず何からするべきか、全員で知恵を出し合いますの」

婚后 「そうですわ。この際ですから、とことん話しましょう」

絹旗 「……そ、そうですよね。今日は朝まで超生討論です!」

海原 「まず、ここに住めなくなるというのはもう覆せないんですよね?」

白井 「厳しいと思いますの。相手方からすれば、わたくしたちは通達を無視し続けた形になりますし」

番外個体 「なんだそりゃ……シビアだねぇ」

結標 「もういっそ全員まとめて移住しちゃえばいいんじゃないの?」

浜面 「それは俺も考えたんだがな」

婚后 「学園都市は、一人暮らしか多くても3~4人向けの物件ばかりですわ。
    今の水準を維持したまま移住するのは厳しいのでは」

絹旗 「水準っていいますと?」

結標 「一人一部屋、リビング、キッチン……8LDKでバストイレ別、ペットOK、庭付きの物件ね」

滝壺 「そんなの見たことない」

絹旗 「超相部屋にしても、最低4部屋……教職員や研究者向けの物件ならありそうですが」

白井 「そういった物件は教職員や研究者に優先的に割り当てられますの」

絹旗 「むう……」

浜面 「もういっそ家建てちまうか?」

海原 「今からでは色々足りませんよ。土地、資金、時間……色々と」

結標 「時間、か……そうね、何をするにも急がないと」

番外個体 「んじゃまず方針を決めないといけない訳だけど」

海原 「全員移住か可能か、否か。それで決まるのではないでしょうか」

婚后 「物件の資料を漁ってみましょう。ヒントがあるかもしれませんわ」

白井 「……あの、申し上げにくいのですが」

滝壺 「どうしたの?」

白井 「わたくしはもしかしたら……常盤台の寮に戻らなければならないかもしれませんの」

婚后 「あっ……」

浜面 「そういえば、絹旗もじゃないか?」

絹旗 「そ、それは……」

滝壺 「……」

絹旗 「……一緒にいれるなら、その方が超いいです……」

滝壺 (そっか、きぬはたの様子がおかしかったのは……)

滝壺 (だとしたら私、無神経なこと言っちゃったかも……)

ユリコ 「( -ω-)」ウトウト



~数時間後~


番外個体 「東の空が白じんできたね……コーヒー飲みたい人」

結標 「」ノ

海原 「」ノ

浜面 「」ノ

婚后 「」ノ

白井 「」ノ

番外個体 「あー、もういいや。全員分持ってくる」

海原 「そちらの首尾はどうですか?」

婚后 「難しいですわ……」

白井 「コンビニのフリーペーパーでは情報量も知れてますの……」ペラペラ...

浜面 「こっちも厳しいな」カチャカチャカチャ ッターン!

滝壺 「不動産情報サイトを見てるけど、なかなかないね」

絹旗 「時期が微妙なんですよね。超引越しシーズンですし」

結標 「希望は8LDKだもの……引越しシーズンじゃなくてもキツイわよ」

絹旗 「…………やっぱり、それぞれ住むところを探した方が超早そうですね」

海原 「……」

結標 「現実的に考えれば、そうなんだろうけどね……」

婚后 「力及ばず、でしたか……ですが、これ以上は時間も惜しいですわ」

絹旗 「ま、まあ、私は常盤台の寮に行きゃいいですから、超心配ないんですが」

白井 「ちょっと、絹旗さん……」

浜面 「そうだよな、お前はまだ最後の砦があるもんな」

滝壺 「ねえ。みんな疲れてるだろうし、一旦休もうよ」

結標 「そうね、そろそろ眠いし……」

海原 「結論としては、各々で動くということになりそうですね。少々寂しいですが」

浜面 「……おし、ちょっとでも寝るか! 疲れた頭じゃナイスアイデアも出ないぜ!」

絹旗 「そうですね。では一旦解散で」





番外個体 「ねー、砂糖」

番外個体 「……なんで誰もいないんだ?」




~同日午後 きぬはた荘 番外個体個室~


番外個体 「」スピー


<コンコン ガチャ


結標 「あら。まだ寝てたのね」

番外個体 「んぁ……?」

結標 「あ、起きた」

番外個体 「……何やってんの、こんなところで」ガシガシ

結標 「ヒマなんだもの。今家に私たちしかいないしさ」

番外個体 「あー、そうなの? 海原さんも?」

結標 「あいつなら妹さんにの所に言ってるわよ」

番外個体 「一緒に行けばよかったじゃん」モゾモゾ

結標 「何また寝ようとしてるのよ」バサッ

番外個体 「ひゃうっ」

番外個体 「私の寝起きの悪さは分かってるでしょぉ……」ガシガシ

結標 「じゃほら、缶コーヒーあげるから目覚ましなさい」ピト

番外個体 「冷たっ!」

結標 「背中に入れたらもっと目覚めるかしら」

番外個体 「やめてやめて! 起きるからやめて!」ジタバタ

 :
 :
 :

番外個体 「忘れがちだけど、海原さんの妹さんって入院してるんだったね」

結標 「忘れがちは余計よ。それに、もうすぐ退院できるらしいし」

番外個体 「……どうすんの?」

結標 「何が?」

番外個体 「ここに住めなくなった後、海原さんとの甘イチャラブ同棲計画が」

結標 「」ピコッ

番外個体 「いたっ」

結標 「どこから出てきたのよ、その怪しい計画は」

番外個体 「だってさー、この壁の薄い家じゃ海原さんとやれなかったこともあるでしょ?」

結標 「やれなかったことってなによ」

番外個体 「えっ……そりゃ、ほら……その……アレとか?」

結標 「突っ込まれてうろたえるなら最初から言わないの」ピコッピコッ

番外個体 「やめて叩かないで」

結標 「ったく……そういう貴女はどうするのよ。アイツのところにいくの?」

番外個体 「……いいって言われればね。それも聞きにいかないと」

結標 「ダメだったらどうするの?」

番外個体 「公園で寝ようかな」

結標 「なんでそうなるのよ!」

番外個体 「冗談冗談♪ ダメって言われても多分住みつくよ」

結標 「押しかけ女房ってヤツかしら。いいんじゃないの?」

番外個体 「にょ、女房って……」

結標 「あら? 違うの?」

番外個体 「」プシュー



~同日 第7学区 とある病院~


ショチトル 「」サクサク

海原 (チップスターを食べる時、両手で持つクセはなんでついたんでしょうか)

ショチトル 「? 何をジロジロ見ている」

海原 「いえ、なんでもないですよ」ニコニコ

ショチトル 「……相変わらず、胡散臭い男だ」

ショチトル (お兄ちゃんが! お兄ちゃんが素顔で笑顔!)

海原 「ところで、今日は大事な話がいくつかあります」キリッ

ショチトル 「?」

海原 「まず、貴女の退院の見通しが立ちました」

ショチトル 「ほ、本当に!?」

海原 「まあ、リハビリ等必要ですが、一区切りといったところですね」

ショチトル 「そうか……やっとか」

海原 「それでですね」

ショチトル 「うん?」

海原 「どうしますか? 学園都市に留まりますか? それとも故郷に……」

ショチトル 「……お前はどうするんだ?」

海原 「……どうしましょうか。僕も、もうすぐ今住んでいるところから追い出されてしまうんですよ」

ショチトル 「! じ、じゃぁ一緒に……!」

海原 「学園都市に留まると?」

ショチトル 「……今更故郷に戻ったところで、帰る家はない」

海原 「……」

ショチトル 「だったら、お兄ちゃんと一緒がいい……」ゴニョゴニョ

海原 「? 今なにか」

ショチトル 「何も言っていない!!」

海原 「?」

ショチトル 「そ、それより義姉さんはどうするんだ? 同じところに間借りしているんだろう?」

海原 「結標さんですか? まだ結論は出ていないようですね」

ショチトル 「……3人じゃダメなのか?」

海原 「は、はい?」

ショチトル 「も、もちろん向こうの意見を聞いてからだけど、その……」

海原 「そうか、それでもいいですね」

ショチトル 「そ、そうだろう?」

海原 「持ち帰って、聞いてみますよ」

ショチトル 「ああ」

海原 「では、早速」

ショチトル 「え? もういっちゃうの?」

海原 「すみませんね、今回ばかりは時間がないんですよ」

ショチトル 「そうだよな、うん、早いほうがいい」

海原 「では、また来ますね」

ショチトル 「」ノシ


<バタン


ショチトル 「3人、3人か……なんか楽しみだな」



~同日 常盤台中学 事務局~


事務 「はい、では手続きは超完了しましたので、いつでも入寮可能です」

白井 「お手数お掛けいたしますの」ペコリ

絹旗 「……」

事務 「あの、大丈夫ですか?」

白井 「いーえー、慣れ親しんだ家と離れるショックを引きずっているだけですので」

事務 「あー、多いんですよ、そういう子は。でも超大丈夫ですよ、誰でも最初はそうなんです」

絹旗 「はあ……」

事務 「あっ、あのっ、もう認証通るようになってるので、よかったら下見していったらどうですか?」

白井 「そ、そうですわ、絹旗さん! 是非下見していきますの」

絹旗 「はあ……」

白井 (今日起きてからずっとこんな調子ですの……どうすれば……)

絹旗 「んじゃ、いきますかー……」トテトテ

白井 (起きてから超を一回も言っておられませんし……)



~第7学区 常盤台中学 新寮~


白井 「あ、そ、そういえば、わたくしたち相部屋になりましたわね!」

絹旗 「……え? そうだったんですか?」

白井 「ええ、トラブル防止の観点から友人や知り合いは優先的にくっつけられますの」

絹旗 「そりゃ、よろしくお願いします」ペコリ

白井 「いえいえ、こちらこそ」ペコリ

絹旗 「ええと、ここにあてれば開くんでしたね」ゴチン

白井 「……絹旗さん? なにを?」

絹旗 「あれ? 開かないじゃないですか」

白井 「絹旗さん、静脈認証ですの。顔ではなく掌を当ててくださいまし」

絹旗 「」ペタシ


  ピンポーン


絹旗 「おお、開きました」

白井 (一体どうしろと……)

絹旗 「」ポケー

白井 「あの……絹旗さん」

絹旗 「はい?」

白井 「やはり……離れたくないという思いも分かりますが……」

絹旗 「いや、そうじゃないんですよ……それもありますけど……」

白井 「?」

絹旗 「結局……こうなっちゃうのかな、と思うと……」

白井 「と、言いますと?」

絹旗 「……」

白井 「……」

絹旗 「……私、前にも共同生活みたいなことしてたんです」

白井 「前というのは、あの家で?」

絹旗 「いえ、あの家に移ってくる前です」

白井 「そうでしたの」

絹旗 「ただ……ある日、何の前触れもなくバラバラになっちゃいまして」

白井 「……」

絹旗 「気が付いたら、私の周りから誰もいなくなってました」

白井 「……それは」

絹旗 「その時のメンバーとは再会はできました。でも……」

白井 「でも?」

絹旗 「今回もまた……バラバラに、なっちゃいそうですね……」

白井 (元気がなかったのはそのせいでしたか……)

白井 「絹旗さん」

絹旗 「はい?」

白井 「わたくしは、ここにおりますの」

絹旗 「白井さん……」

白井 「わたくしだけではございませんの。他の皆さんだって、ちょっと住むところが変わるだけですの」

絹旗 「……そうですよね」

白井 (……悔しいですが、わたくしの力だけでは超復活とはいきませんの……)

白井 (ここは一つ……)



~同日夜 きぬはた荘 絹旗個室~


絹旗 「」ゴソゴソ

絹旗 「ワンピはもう売っちゃいましょうか。何回も読みましたし」

絹旗 「」ゴソゴソ

絹旗 「これは……みんなで旅行に行ったときの写真ですね」

絹旗 「そうそう、この時はまだ浜面は塀の中でしたっけ」

絹旗 「…………」

絹旗 「また……行けるといいですね……」


<コンコン


絹旗 「はい?」


<ガチャ


滝壺 「起きてる?」ヒョコッ

絹旗 「ええ、ご覧の通りです」

滝壺 「ご覧の通り……荷物の整理中だった?」

絹旗 「……ええ、まあ」

滝壺 「今日はね、きぬはたと話したいなと思って」

絹旗 「私と、ですか?」

滝壺 「うん」

絹旗 「うーん、でも改まって話すことも」

滝壺 「……きぬはた、最近元気なかったし」

絹旗 「そ、そうですかね?」

滝壺 「うん。今日も超って言ってない」

絹旗 「それが目安なんですか……」

滝壺 「今日は一緒に、寝ながらお話しようよ」

絹旗 「まあ、私は問題ありませんが……このひっくり返った部屋でよければ」

滝壺 「超問題ない」フンス



滝壺 「きぬはたは、ここでの生活は楽しかった?」

絹旗 「この際だから、白状しちゃいますとね……すごく楽しかったです」

滝壺 「うん、私も楽しかった」

絹旗 「私言ったことありましたっけ?」

滝壺 「? 何を?」

絹旗 「こういう風に共同生活みたいなことするの、アイテム時代を思い出すって」

滝壺 「言ったような、言ってないような」ウーン

絹旗 「ま、まあ、ともかくそうなんですよ」

滝壺 「そうなんだ」

絹旗 「自分でもよく分かりませんが、こういうのに一種の憧れを持ってたのかもしれません」

滝壺 「……」

絹旗 「実際、皆さんのことを単なる知り合いとか同居人以上に思えてますし」

滝壺 「それはみんなそうだと思うよ」

絹旗 「……なのに」

滝壺 「なのに?」

絹旗 「また、自分たち以外の都合で、こんな……」

滝壺 「……」

絹旗 「アイテムのときもそうでした」

滝壺 「それは……」

絹旗 「内部抗争も世界大戦も全部終わったのに、どうしてまたバラバラにされなきゃいけないんですか?」

滝壺 「……きぬはた」

絹旗 「結局、私はぼっちがお似合いってことなんですか? 暗部に関わったから!? 置き去りだから!?」

滝壺 「っ、きぬはた!」

絹旗 「」ビクッ

滝壺 「それは違う」

絹旗 「滝壺さん……でも……」グス

滝壺 「……そっか。きっときぬはたはみんなのことを家族だと思ってたんだね」

絹旗 「……」グスグス

滝壺 「でも、大丈夫だよ。家族であれば、離れてても家族なんだと思う」

絹旗 「離れてても……」

滝壺 「きぬはた、これ覚えてる?」チャリ

絹旗 「ストラップ、ですか……? たしか、沖縄で買ったヤツですよね」

滝壺 「うん。みんなお揃いの。きぬはたは今も使ってる?」

絹旗 「もちろんですよ。ええと、携帯携帯……あ、ホラ!」ジャーン

滝壺 「きぬはたのは水色だったね」

絹旗 「……なんか、これ見ただけであの暑い土地での日々を思い出しちゃいますね」

滝壺 「うん、他にも色々思い出せる」

絹旗 「……そうですね、不思議なものです」

滝壺 「もし寂しくなったら、これ見ればいいよ」

絹旗 「……そうします。そうならなくても大丈夫なようにしないといけないのかもしれませんが」

滝壺 「焦る必要はないよ」

絹旗 「でも、皆さんに心配かけてばかりじゃないですか?」

滝壺 「気にしなくていいのに」

絹旗 「そうは超いかんざきです」

滝壺 「じゃあ、もう寝ようか。明日からも忙しいし」

絹旗 「……滝壺さん、わざわざありがとうございました」

滝壺 「いいんだよ、私はいつだってきぬはたもみんなも応援してるから」



~数日後 きぬはた荘 玄関~


配達員 「おるかー」

絹旗 「はいはい」

配達員 「これで全部やな?」

絹旗 「はい、お願いしますね」

配達員 「まいどー」


<バタン


白井 「荷物を送られたのですか?」

絹旗 「ええ、寮の部屋に。旅行バッグ一つ分の荷物は残してますけど」

白井 「バッグ一つ分?」

絹旗 「超ギリギリまでここに居座るためです」フンス

白井 「……ふふ、考えることはみな同じですの」

絹旗 「てことは白井さんも?」

白井 「わたくしだけではなく、みなさん最低限必要なものは残すらしいですの」

絹旗 「やっぱり、ここに超愛着があるんですよ」

海原 「そういうことです。やはり、離れるとなると寂しいですからね」

白井 「あら、海原さん」

絹旗 「海原さんも荷物超整理中ですか」

海原 「いえ、大体落ち着きました。もともと大して物も持ってませんでしたし」


<海原ー


海原 「はい?」

結標 「ねー、ダンボール余ってない?」

海原 「ダンボールですか? 新聞紙じゃダメですか?」

結標 「は?」

海原 「新聞紙でも、重ねてかぶれば十分に温かいですよ」

結標 「違うわよ。荷造りに使うの」ピコッ

絹旗 「ダンボールなら、スーパーでもらってきたのがあると思いますが」

白井 「たしか……浴室のドアの横に積んでおいた筈ですの」

結標 「あ、そうなの? ちょっともらっていい?」

絹旗 「ええ、どうぞ」

結標 「じゃあ、ちょっと頂くわね」

海原 「……結標さんは、荷物が多いようで。何があんなにかさんでいるのでしょうか」

白井 「あら。今の発言は頂けないですの」

絹旗 「結標さん、私服多そうですし。それじゃないですかね」

白井 「淑女たるもの、身だしなみにはいつも気を使うものですの」

海原 「はあ……そんなものですかね」

婚后 「あ、みなさん。ちょっと出てまいりますわね」

絹旗 「どっか行くんですか」

婚后 「ええ。今日新しい部屋に大きい荷物が届く手筈になっているので、受け取りに」

白井 「大きい荷物、ですの?」

婚后 「新しい寝床、とでも申しましょうか。夕方までには戻りますわ」


<バタン


絹旗 「着々と進んでる感じがしますね……超ちょっと寂しいです」


<いやぁぁぁぁぁ!!


白井 「!?」

絹旗 「今の声は……結標さん?」

海原 「」ダッ

絹旗 「あ、早っ」

浜面 「おい、今のすごい声はなんだ?」

白井 「なんでしょうか……」


<うっ、海原!アレ!アレ!
<こ、これは……!


絹旗 「……?」

浜面 「何が起こってんだ?」

白井 「とにかく、わたくし達も参りましょう」


<やだ!飛んだ!飛んでる!!
<結標さんに手は出させません!


絹旗 「二人ともどうし……っぎゃぁぁぁぁ!!」

浜面 「おい、絹旗! 大丈夫か!」

白井 「あ、れは……イニシャルG」ガクブル

結標 「し、白井さん! 貴女の能力で外に飛ばしちゃってよ!」

白井 「イヤですの! わたくしですと、触らないと転移できませんの!!」

海原 「これは強敵ですね……!」

絹旗 「結標さんだったら触らなくてもテレポできるじゃないですか! 超さっさとやっちゃってくださいよ!」

結標 「無理無理無理! アレが視界に入ってるせいで座標計算できないもん!!」

浜面 「そぉい!!」スパーン


  コテン


浜面 「お前ら騒ぎすぎ。こんなの丸めた新聞紙で一発だろ」

絹旗 「……浜面、今だけは超カッコイイです」

浜面 「俺はいつだってカッコイイぜ!」フンス

結標 「はぁぁ……」ヘナヘナ

海原 「大丈夫ですか?」

結標 「ダンボール動かしたら出てきたんだもん……びっくりしたぁ……」

絹旗 「超イヤですね……アレが動き出す季節なんですか」

白井 「人類の敵ですの……」

浜面 「そんな大袈裟なもんかよ」

結標 「いいから早く片付けてよぉ……」

浜面 「ああ、はいよ」

滝壺 「みんなどうしたの? 2階にまで声聞こえてきたよ?」ヒョコッ

浜面 「ああ、コレだよ、コレ」

絹旗 「見ちゃダメですっ!」

滝壺 「」

白井 「た、滝壺さん?」

滝壺 「」

浜面 「おい、滝壺? どうした?」

海原 「これは……立ったまま気絶しておられるようですね」

絹旗 「浜面! なんでそんなもんを見せてるんですか!」

白井 「最低ですの! 見損ないましたの!」

浜面 「そこまでか!?」

海原 「とりあえず浜面さんはソレの処分と、滝壺さんの介抱を」

浜面 「お、おう、任せとけ」

海原 「いや、とんだ騒ぎになりましたね」

結標 「……海原」クイクイ

海原 「どうしました?」

結標 「……立てない……手貸して」

海原 「相当なショックだったんですね……よっと」

結標 「ちょ、ちょっと! そこまでは求めてないわよ!」ポカポカ

白井 「最強の空間移動能力者が、お姫様抱っこで運ばれてますの」

絹旗 「これはある種、貴重ですね」

結標 「……もう殺して」グス



~同日 第18学区 とあるマンション~


<ガチャガチャ バタン


婚后 「ふう」

婚后 (時期が時期だけに、長点上機管轄の学生寮への申し込みは締め切ってましたが)

婚后 (こちらのほうが自由度が高い分、楽かもしれませんわね)

婚后 「さて、業者さんが来るまで荷物の整理でもしておきましょう」ゴソゴソ

 :
 :
 :

婚后 「はあ……肩こりが……」


<ピンポーン


婚后 「あら……来ましたわね」

婚后 「はいはーい」

配達員 「ご注文の品をお届けにあがりました!」

婚后 「はい、ご苦労様。こちらにお願い致しますわね」

配達員 「はい、ただいま!」ゴトゴト

婚后 (ネット通販で買いましたが……ここまで大きいとは)

配達員 (大きい水槽だなぁ。熱帯魚何匹分だろ)

配達員 「こんな感じでよろしいですか?」

婚后 「ええ。ありがとうございます」

配達員 「では、こちらにサインをお願いします」

婚后 「」カキカキ

配達員 「ありがとうございました!」ペコリ

婚后 「いえいえ」


<バタン


婚后 「……ふふ、ふふふっ」スリスリ

婚后 「エカテリーナちゃんを迎える準備は完璧ですわね♪」



~その頃 第7学区 一方通行邸~


<ガチャ バタン


番外個体 「やっほう、生きてるー?」

一方通行 「お生憎となァ」

打ち止め 「あ、ワーストの荷物届いてるよ! ってミサカはミサカは出迎えつつ報告してみたり!」

一方通行 「使ってねェ部屋があったからそこに入れといた。これからはそこの部屋使え」

番外個体 「え? 個室もらえるの? ありがたくって涙がでちゃう」

一方通行 「つっても物置同然だったからな。家具の類は買ってこないとねェぞ?」

番外個体 「それはその内ね。とりあえず、ちょっとだけでも整理しようかな」

一方通行 「あまり散らかすなよ。俺はちっとコンビニ行ってくる」

打ち止め 「プリン買ってきてねプリン! ってミサカはミサカはしがみついて頼み込んでみたり!」



~一方通行邸 番外個体個室~


番外個体 「あ、これ冬物か」ゴソゴソ

番外個体 「冬物衣類、と」カキカキ

番外個体 「荷物の整理も大変だね。日本に来たときの何倍あるんだ、これ」

番外個体 「お? これって……」

 :
 :
 :

一方通行 「戻ったぞ」

打ち止め 『おかえりー! ってミサカはミサカは満面の笑顔で出迎えてみたり!』トテテテ

一方通行 「……いや、おい……満面の笑顔って、見えないじゃねェか」

打ち止め 『?』←ワースト仮面装備

一方通行 「どォしたンだよ、それ」

打ち止め 『ワーストのお部屋に遊びにいったら見つけたんだよー、ってミサカはミサカは報告してみる』

番外個体 「あ、帰ってたんだ」←バトルスーツ装備

一方通行 「」

番外個体 「……な、なに? ジロジロ見ないでよ……」

一方通行 「ンでそンな格好してンの?」

番外個体 「荷物整理してたら見つけたんだよね。んで、まだ着れるかなーと思って」

一方通行 「ふーン……」

番外個体 「いや……だから、ジロジロ見るなって……なんなの?」

一方通行 「それ、キツいンじゃね?」

番外個体 「」

一方通行 「そもそもフィットする素材なンだろォけどよ、模様がなーンか横に伸びて「どりゃぁぁ!」バキッ

一方通行 「」

番外個体 「~~っ、着替えてくる」

打ち止め 『はーい、ってミサカはミサカは見送ってみる』

番外個体 (美容とかダイエットとか気にしてなかったけど……気にしないとマズイのかなぁ……)グスッ

番外個体 (でも胸がちょっとキツくなったのは喜ぶべきことなのかな……)

番外個体 (あの人が触ってくれればもっと、って……いやいやいや、そんな……)ブンブン

打ち止め (なんか今日のワーストは見てて面白い、ってミサカはミサカはひっそり観察してみたり)

一方通行 「」



~同日夜 きぬはた荘 リビング~


浜面 「もうあと1週間切っちまったんだなぁ」シミジミ

番外個体 「あのさー……ちょっと思ったんだけど」

結標 「どうしたのよ」

番外個体 「絹旗さんってさ、常盤台の寮に行くんだよね」

絹旗 「ええ、その予定ですが」

番外個体 「ユリコどうすんの?」

絹旗 「あ」

ユリコ 「(・ω・三・ω・)」

白井 「言うまでもなく……と言ったらおかしいですが、寮則では原則ペット禁止ですの」

絹旗 「その頭はあったんですが、バタバタしてて超すっかり忘れてました……」

結標 「最悪、私たちの誰かで卒業まで預かることは出来るでしょうけど」

海原 「ユリコさんに決めてもらえばいいじゃないですか」

婚后 「そうですわ、ユリコの身の振り方なのですからユリコ自身に決めて頂けば公平ですわね」

滝壺 「ゆりこ、ちょっときぬはたの頭から降りてくれる?」

ユリコ 「ミ( ・ω・)」

絹旗 「では、ユリコに決めて頂きましょう」

結標 「ユリコは誰と一緒に行きたい?」

ユリコ 「……」


  ポテポテ


ユリコ 「ノ・ω・)ノ」

絹旗 「ユリコー!」ピャー

滝壺 「やっぱりきぬはたがいいんだね」

絹旗 「……決めました。私、ユリコのために超戦います」

番外個体 「お、さすが。お相手は?」

白井 「……! 絹旗さん、まさか!」

絹旗 「寮監です!」

白井 「……絹旗さん」

絹旗 「白井さん、止めないでください! 止めるというならこの液体窒素を頭から」ヒエヒエ

結標 「やめなさい。シャレにならないから」フッ

絹旗 「あっ、返してくださいよ!」

白井 「誤解しないでくださいまし。止めるつもりは毛頭ございませんの」

絹旗 「じゃあ……」

白井 「友人のためとあらば、わたくしも参りますの」ドン

婚后 「お二人とも、わたくしも参ります」

絹旗 「婚后さんまで……」

婚后 「説得するなら人数は多いほうがよろしいでしょう?」

絹旗 「…………」

ユリコ 「(・ω・)?」

絹旗 「よかったですね、ユリコ。みんなあなたの味方ですよ」

海原 「なぜ浜面さんがウルウルしてるんですか」

浜面 「俺、こういうのに弱いんだ」グス

滝壺 「」ヨシヨシ



~同日深夜 きぬはた荘 結標個室~


<コンコン


結標 「はーい?」


<ガチャ


番外個体 「」ヒョコッ

滝壺 「」ヒョコッ

結標 「どうしたの? 二人して」

滝壺 「明日ね、新しい部屋で使う家具とか買いに行こうと思って」

番外個体 「良かったら淡希も一緒にどうかなーと」

結標 「うん、いいんじゃない? 私も最低限必要なものは揃えようと思ってたし」

滝壺 「じゃ3人で行こう」wktk

結標 「あれ? 浜面くんはいいの?」

滝壺 「はまづらには別な頼みごとしてあるから」

番外個体 「淡希こそ、海原さんはいいの?」

結標 「詳しくないから適当に選んでおいて、って言われてるのよ」

番外個体 「お、奇遇だね。私も適当に選んで持ってこいって言われた」

滝壺 「じゃ決まりだね」

淡希 「ちなみに、何を買うの?」

番外個体 「次使う部屋に収納はあったから、ベッドとテーブルかなぁ」

滝壺 「私はベッド」

結標 「やっぱ寝具優先なのね。私もそうだけど」

番外個体 「二人とも、当然ダブルベッド?」

結標 「なっ、なんでそうなるのよ。別にそうって決まったわけじゃ」

滝壺 「当然」フンス

結標 「」

番外個体 「私はなー、転がり込む形だからそういう選択肢ないんだよね」

結標 「ダブル……ダブル……そうよね……買っちゃえばこっちのもの……ふふふ……」ブツブツ

滝壺 「むすじめが壊れた」

番外個体 「じゃ、明日午前中から行くってことで」

滝壺 「うん、早いほうがいいね」

結標 「午前中ね、オッケー」

番外個体 「にしても淡希が来てくれると助かるよー。家具って重いし」

結標 「……へ?」

滝壺 「助かるよね、配送してもらうにも時間とお金かかるし」

結標 「ちょ、ちょっと?」

番外個体 「じゃ、明日寝坊しないでね」ノシ

滝壺 「私もお寝坊しないようにもう寝るから」ノシ

結標 「いや、貴女達」


<バタン


結標 「……」

結標 「ハメられたわ……」ガックシ



~翌日 第7学区 常盤台中学新寮~


 ピカッ ゴロゴロゴロゴロ...


絹旗 「」ザッ

白井 「」コツ...

婚后 「」カツッ

ユリコ 「(・ω・)」ポテ

絹旗 「気分は魔王の城に攻め込む勇者ご一行ですね」

白井 「まあ、相手は魔王と言っても差し支えないかもしれませんが」

婚后 「絹旗さん。無策でカチ込むには無謀すぎる相手ですわよ」

白井 (カチ込むって……)

絹旗 「大丈夫です。超それなりに考えはあります」

婚后 「そうですか……では、参りましょう」

白井 「この時間なら、建物のどこかにおられる筈ですの」


 ピンポーン ガチャ


絹旗 「さて、どこにいるんでしょうか……」

白井 「! 絹旗さん! 真正面ですの!」

絹旗 「!?」


 コツッ コツッ


寮監 「おかえり、絹旗、白井」

白井 「寮監、ご無沙汰しておりますの」

寮監 「うむ……ところで、絹旗」

婚后 (……気配が変わりましたわね)

寮監 「動物の持ち込みは禁止されている筈だが?」ドドドドド

絹旗 「今日は、そのことで相談があって伺いました」

寮監 「駄目だ」

絹旗 「いや、まだ本題に入ってませんよ!?」

寮監 「その猫を飼いたいとでも言うつもりだろう」

絹旗 「超その通りです」

寮監 「駄目だ」

絹旗 「お願いします、この通りです!」o┐ガバッ

白井 (あの絹旗さんが……)

婚后 (90度のお辞儀を……!?)

絹旗 (なんか超失礼な感想を持たれた気がしましたが……)o┐

寮監 「なんと言おうと認められない。簡単に曲げることは許されないからこその規則だ」

婚后 「……寮監! わたくしからもお願い致します!」

寮監 「……」

婚后 「わたくしも、動物を家族と思って過ごしております。だからこそ、絹旗さんの気持ちも痛いほど……」

白井 「寮監、何卒ご再考を……」

寮監 「ならぬ」

絹旗 「…………どうしても、ですか」

寮監 「どうしても、だ」

絹旗 「……ならば」


 ダンッ


絹旗 「超実力行使です!」

寮監 「……」

絹旗 「もらいました!」

寮監 「遅いな」ヒュッ


 ゴシャッ


絹旗 「がっ……!」ゴロゴロ

白井 「絹旗さん!」

絹旗 「ゲホッ……ま、まだまだぁ!」

絹旗 (窒素装甲の上からでもこれだけダメージを通すなんて……超化物ですね……)

寮監 「絹旗、お前の気持ちも分からなくはない。だがな」


  チョンチョン


寮監 「?」

ユリコ 「(・ω・)」ジー

寮監 「」キュンッ

婚后 (今、なにやら変な音が……)

寮監 「…………じ、条件が二つある」

絹旗 「二つ? なんですか!?」

寮監 「他の生徒、或いは寮関係者に迷惑が掛からぬようちゃんと躾けること」

絹旗 「超了解です!」

白井 「もう一つは?」

寮監 「お前達が学校に行っている間……つまり、不在である日中は私が身柄を預かる」

絹旗 「……」

白井 「……寮監……それはもしや……」

寮監 「異論があるのならば」

絹旗白井婚后 「「「ありません!」」」



~同日 第7学区 とあるカフェ~


絹旗 「いたたた……」

白井 「しかし、驚きましたの」

婚后 「ユリコの魅力の前には、海千山千百戦錬磨の寮監もあっさりと陥落ですわね」

ユリコ 「(*・ω・)」

絹旗 「私は何のために蹴り飛ばされたんですか……」

絹旗 (しかも、まだ超痛いです……こりゃ麦野の制裁キック以上ですね)ズキッ

婚后 「でも、これで心配事はすべて片付きましたわね」

白井 「あとは粛々と準備を進めるだけですの」

絹旗 「そうですね……なんだか、実感が超湧いてきちゃいました」

婚后 「残りの日、せめて悔いなきよう過ごしましょう」

白井 「この一年を最高の思い出で締めくくれるようにしたいものですの」

絹旗 「超大丈夫ですよ、私たちなら。いつも通りにやってりゃいいんですから」

婚后 「ふふ、それもそうですわね」

白井 (絹旗さんもいつもの調子を取り戻したようで一安心ですの)

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