美琴「……Get Backers?」 > 4


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蛮「結標……って、さっきのさらしの姉ちゃんか」

銀次「ってことは……敵!?」

目の前にいる、アロハシャツにサングラスの男、爽やかな笑顔を浮かべる男、そして体も髪も真っ白ながらも瞳だけが兎のように赤い男を順番に眺めながら呟く。

海原「まぁ、そうなりますかね」

土御門「お前さん方も運がわるいにゃー。『スクール』と争って、その後に俺達とはな」

一方「どォでもいいが、さっさと片付けちまおうぜ? この後、クソの〈第二位〉も追わなきゃいけねェンだしよォ」カチッ

真っ白な男、一方通行(アクセラレータ)は面倒臭そうに首筋のチョーカーのスイッチを入れた。

蛮「……ったく、この街の人間は俺様をイラつかせるのだ大層お上手だなぁ……。ま、そこの白モヤシの意見には大いに賛成だ……こっちもテメェ等をサクッと片付けてホストもどきを追わなきゃいけねぇんでな」

一方「けっ、口だけは達者みてェだな。結標にも勝てねェ奴が、どうやって俺に勝つつもりなンだ?」

蛮「ヒョロっちいモヤシなんか楽勝だよ!!」ダッ

銀次「ちょ、蛮ちゃん!? いきなりそんな!!」

すぐに一方通行との距離を詰め、拳を振り上げる蛮。

しかし、一方通行は全く動こうとしない。殴られるのを、ただただ待っているようにも見える。

蛮(俺の動きに付いてこれてねぇのか? まぁいい、さっさと寝て――っ!?)ゾクリ

振り下ろすはずだった拳を咄嗟に引き、蛮は慌てて一方通行から距離をとった。

一方「なンだ? 来ねェのかよ?」

一方通行は、蛮の様子を悪党らしくニヤついた表情で見ていた。

蛮(なんだ……今のは……アイツ、なんなんだ!?)

蛮「銀次、あのモヤシはお前に任せる。あとの二人は俺がやる」

一方通行「あァ? なンですかなンですか!? あンなにやる気満々だったのが随分弱腰じゃねェか!!」

銀次「ば、蛮ちゃん!? どうしたの!?」

蛮「銀次……アイツには必要以上に近付くな。絶対に触れられるんじゃねぇぞ」

銀次「ど、どういうこと?」

蛮「わからねぇ……。ただ、アイツを殴る瞬間ありえねぇぐらいの殺気……というか、危機感みたいのを感じたんだ……。ぶっちゃけ、さっきのホストもどきよりもヤバイかもな……」

銀次「お、俺がそんなのを相手にするの!?」

蛮「俺はお前みたいに飛び道具がねぇんだからしょうがねぇだろ?」

銀次「……」

蛮「そんな不安そうな顔すんじゃねぇよ……」

土御門「そろそろ相談は終わったか?」チャキ

蛮「け、さすがに拳銃程度じゃ俺様には勝てねぇぜ? 銀次!!」

銀次「あぁ、もう! やけくそだぁぁ!!」バチバチ

土御門「おっと。危ないにゃー」ポイッ

海原「電撃使い(エレクトロマスター)ですか……。いや、正確には彼は超能力者ではありませんでしたか。どうしますか?」

土御門「金髪の方は、能力が厄介だ。あっちは一方通行に任せておこう」

海原「了解しました」チャキ

土御門の言葉に頷きながら、海原は黒曜石のナイフを手に持った。

蛮「……」

そのナイフを怪訝そうに見つめていた蛮は、なにかに気付いたかのように咄嗟に体をずらした。
すると、刃から飛び出した見えないレーザーのようなものが蛮の体の前の通過していった。
そのレーザーのようなものが、先ほど壊した自動販売機に当った。自動販売機が、一つ一つのパーツへと分解された。

蛮「……『トラウィスカルパンテクウトリの槍』……か」

海原「っ!?」

蛮「なに驚いてやがんだ? 色々と知っちまうのさ、ヤバイことに首突っ込んでるとな……。まぁ、こんなところで魔術師に会うなんて思ってもみなかったがな。たしか、アステカの魔術だったよな?」

海原「とんだ修羅場をくぐっているみたいですね……」

蛮「こう見えても、魔女の血を引いてるんでな。狙われるのなんざ日常茶飯事だったぜ?」シュボ

蛮は煙草に火を点けた。

土御門「……なるほど、お前があの『ウィッチクイーン』の血を引くものか……」

蛮「け、最初っから気付いてたんだろ? そのために邪眼よけのサングラスかけてる、違うか?」

土御門「ふ、ご明察。さすが、噂に名高いGet Backersだな」

蛮「俺らもだいぶ人気者になったなぁ。ったく、嬉しくねぇっつーの」スパー
土御門「まぁ、外の人間が『レムナント』狙うのはしょうがない事だとは思うが……。それにしても、お前達はあまりにも危険すぎるな……」

蛮「……で? どうしたいんだ?」

土御門「これも仕事だ……。悪く思うなよ?」ダッ

土御門は蛮との距離を詰め、右ストレートを放つ。

蛮「ほう、けっこう速ぇじゃねぇか」スッ

蛮は、土御門の右側に回り込むようにしてそれをかわし、左フックを後頭部めがけて放つ。

それを、土御門はしゃがみ込んで回避。すぐさま右ひじを突き出し、地面を思いっきり蹴り、蛮の腹めがけてエルボーを繰り出す。

蛮はそれを読んでいたかのように、空を切った左腕を下ろし、ガードする。それと同時に右フックをかました。

土御門は後ろへ転がり回避をし、蛮と距離をとる。

土御門「いやぁ、さすがだにゃー。その辺のスキルアウトや暗部の人間なんかよりよっぽどいい動きだぜぃ」

蛮「お前も、無限城なんかじゃ十分通用するぜ?」スパー

土御門「……そんな余裕そうな態度で言われてもにゃー」

蛮「事実だよ。ただ、それでも俺様の相手すんのはキツイってことだよ。っと」スッ

蛮は、土御門と会話をしながらも『トラウィスカルパンテクウトリの槍』から放たれた光を、たった一歩移動するだけで避けてみせる。


土御門「ちっ、一気に片をつけるぜ!!」ダッ

再び土御門は蛮との距離を詰める。

蛮「本当にお前、動きはいいんだぜ?」

土御門が拳に力を込めた、その時点で蛮は土御門の背後に回り込んでいた。

蛮「それでも、俺様の半分ってとこだけどな」

海原「くっ!!」

その様子を見ていた海原は、慌てて『トラウィスカルパンテクウトリの槍』を天にかざす。

いや、かざそうとした所で、一瞬で距離を詰めた蛮に『トラウィスカルパンテクウトリの槍』の柄を蹴り上げられ、手中からすっぽ抜けてしまった。

海原「なっ!? うぐっ!!」バキッ

蛮「悪いが、お前は厄介なんでな。寝てろ」

土御門「くそったれが!! 聖人かお前は!?」

蛮「言ったろ? 魔女の血を引いてるだけだよ」



銀次「うわぁぁぁぁ!?」

蛮「銀次!?」バッ

銀次の雄たけびに振り返る蛮。
そこには、一方通行から必死に逃げ回る銀次の姿があった。

一方通行「ったく、いい加減逃げ回ってンじゃねェよ……。もっと向かってきやがれェ!!」

銀次「電撃が全く効かない人なんかと戦いたくないよ!! 全部返ってくるってなんだよー!!」

一方通行「ちっ、とンだ三下じゃねェか……」コン

一方通行は足元に転がっていた石ころを蹴り上げる。
たったそれだけで、石ころは尋常でないスピードで銀次へ迫る。

銀次「なんなんだよそれぇぇ!!」ダダン

銀次は必死の形相で横跳びする。
銀次の真横を通っていった石ころは街路樹へと当り、あろうことか街路樹をへし折った。

土御門「……まぁ、俺達がいなくとも一方通行だけでなんとかなるか」

蛮「アクセラ……レータ。……っ!? まさか、あのモヤシ〈第一位〉……か」

土御門「お? 気付いてなかったのか?」

蛮「くそっ!!」

土御門「おっと、そう簡単に通すわけにもいかないんだぜ」

蛮「黙って……そこをどけ……」

土御門「残念。こちらも仕事だと……」

蛮「どォけぇぇぇッ!!」ダッ

一方通行の手が、銀次に触れそうになるのを視界に捉えた時、蛮はすでに動き出していた。

土御門「なぁ!? ぐぁぁ!!」バキザシュ

蛮が横を通り過ぎた瞬間、土御門は口の中に血の味が広がっていくのを感じ、その後身を裂かれるような激しい痛みが全身に走った。

土御門(い、今の一瞬で何発もらった!? 初めの一発すら見えなかったぞ!? どれだけの力を秘めてるんだ……美堂 蛮!!)ガフッ

倒れていく土御門をチラリとも見ずに、蛮は銀次と一方通行の元へ駆け寄る。

銀次「ば、蛮ちゃん」バチバチ

一方通行「あァ?」チュイン

蛮「〈第一位〉一方通行(アクセラレータ)か……」

一方通行「はン、あいつら……使えねェなァ。で、尻尾を巻いて逃げた三下が、何の用なンですかァ!?」

蛮「その能力は『ベクトル変換』……だったか」

一方通行「……ち、何で外に俺の情報が出回ってやがンだよ……。まァ、それを理解してンなら、俺と対等に戦うなンて無理だってこともわかンだろ? なンで向かって来るンだァ」

蛮「力の差なんざ関係ねぇよ……。ただ、いますぐお前をぶん殴りたくなっただけだよ……」

一方通行「仲間が殺されそうになったからかァ? はン、泣かせるねェ……。その仲間に俺を任せたくせによォ」

下らない、と言いたげな表情の一方通行。その問いに蛮は答える。

蛮「まさか、〈第一位〉とは思わなくてよ。それに、Get Backersの『s』は一人じゃねぇって意味なんでな。こんなところで銀次を死なせるかよ」

それを聞き、一方通行は鼻で笑った。

一方通行「安心しなァ……二人まとめてあの世に送ってやるからよォ!!」ダンッ

一方通行は一歩踏み出すと同時に、足の裏にかかるベクトルを操作する。
それにより、一方通行は弾丸のような速度で蛮へと向かっていく。

蛮「……いくら速かろうが、一直線に進んでんだ、楽勝で避けれるぜ?」スッ

蛮はそれを、たった一歩動くだけで避けてみせる。

だが、一方通行は先ほどまで蛮のいた地点で足を着き、動きを止める。

一方「バカか? お前に当りにいったわけじゃねェンだよ。お前なンか、指が軽く触れるだけで殺せるンだぜェ!?」バッ

一方通行の指が、蛮に触れそうになる。その距離は、ほんの数センチといったところだ。

〈第一位〉である彼の能力は『ベクトル変換』。ありとあらゆるベクトルを触れただけで操作するのだ。

それは、運動量・熱量・光・電気量までも操作できる。もちろん、人に触れれば血流を操作することも、体を爆散させることもできる。

彼一人で軍隊を壊滅させることも容易く、核兵器を使われても生き延びられるといわれる。

さらに、現在は能力の使用に制限があるとはいえ、能力使用時はあらゆる攻撃から身を守るために『反射』を適応している。

拳だろうが、弾丸であろうが、彼はそれらを用いた者にその力が返っていくようにしているのだ。

弾丸を放てばその弾は使用者を貫き、拳を振るえば振るった人間の拳を破壊する。

それは超能力を使用しても同様である。

ゆえに、彼はここ学園都市で「最強」を名乗る。

その「最強」が、たった今地面へと倒れ伏した。

外の人間に拳を振るわれただけで。

一方「なっ!? はァァァァ!?」ドサッ

一方通行は理解ができなかった。拳を振るい、彼を倒すことなど、とあるヒーローか、彼の能力を知り尽くしたいかれた科学者だけのはずであった。

それを、たったいま会ったばかりの男がやってみせた。

一方「なンだ、なンだよ、なンなンですかァァァ!?」

蛮「銀次とのやり取りを見てて思ったのさ、お前は自身からの僅かな距離で、反射を適用してるんじゃねぇのか? ってな。だから、その境い目で放った拳を返してみたんだよ」スパー

蛮のやったことは後者であった。

しかし、ほんの数回一方通行の能力を見ただけで、このようなことが行えたのだ。これが、『バトルの天才』と呼ばれる彼の実力。

一方「……ククク、面白ェなァお前。最高だぜ!! あのクソ野郎と同じことをやってのけるとはなァ!! あの世で見てるかよ木ィィ原ァァァ!! お前が苦労して獲得したもンを一瞬で手に入れやがったぞコイツは!」

立ち上がり、蛮を睨む一方通行。彼は、蛮の姿を誰かと重ねているようだった。

蛮(ちっ、誰だよ木原ってのは……面倒臭ぇ、あいつのなんかヤバイもんに火ぃ点けちまったか!?)

ゆらりと向かってくる一方通行に、蛮は表情を変えはしないものの、内心焦っていた。

辛うじて一方通行にダメージを与えたものの、付け焼刃で使った技だ、無論完璧ではなかった。

使った手の甲は裂けていて、もう一度同じことは出来そうもない。

蛮(今の一瞬で逃げちまいてぇとこだったんだがな……。第一、反射じゃなくベクトルの向きを変えてるってなったら、そんなもんに合わせる自信ねぇよ!!)

一方「第二ラウンド開始ってなァ! 次も簡単にいくと思うンじゃねェぞぉ!!」ダンッ

蛮(クソったれ!! どうすりゃ……っ!?)

――ベルトライン 中枢

???「何を見ているのですか? 来栖様」

来栖「漆黒(レイヴン)か。『観察者』から送られてきたのさ」

???「雷帝……ですか?」

来栖「そうだ深紅(クリムゾン)」

漆黒「今更あの男のことなど……!!」

来栖「そう言うな、アイツが無限城を離れたのにも理由はあるんだ」

深紅「この男は……確か、一方通行〈アクセラレータ〉でしたか?」

来栖「よく知っているな。あの学園都市の〈第一位〉だ。銀次はヤツと戦っている」

漆黒「勝てますかね……」

来栖「さぁな。あの男はあらゆるベクトルを操作する。それが雷であろうがな」

深紅「来栖様は……あの男に、勝てますよね」

来栖「俺か? そうだな……俺の操る”光の精霊(エレメント)„はそもそも向きをもたん。それが、『閃光の支配者〈フラッシュマスター〉』であるこの俺、来栖 柾の力だ」

来栖(銀次、あの学園都市でお前がどのような選択をするのか、見せてもらうぞ)




――ベルトライン 居城

???「さきほどの動き、どう思われますかな? デル・カイザー」

カイザー「あぁ、中々のものだな紫紋」

紫紋「私には、到底出来そうにない芸当に見えましたが」

カイザー「そんな風に謙遜する必要はないさ。アイツはセンスはあるが、他のものが追いついていないからな、あのように負傷する」

紫紋「いやはや、厳しいですな」

カイザー「まぁ、あの怪物と戦って生きているだけでも褒めてやろう」

紫紋「貴方の目から見ても、あの〈第一位〉はそのように映りますか」

カイザー「正真正銘の怪物さ。あのような力を持つんだ」

紫紋「ご子息はどのように……」

カイザー「まだまだだな。あのような方法を見出したとしてもあのレベルではな……。私ならば、一撃で粉砕していたさ」

紫紋「流石ですな」

カイザー「ただ、できれば戦いたくないものだ」

カイザー(蛮よ、お前が今回どのような道を進むのか、見せてもらうぞ)




――無限城 裏風鳥院邸

???「遊利、夜半、なにしてるの?」

遊利「あん? なんだ舞矢かよ。なんだか知らねぇが送られて来たんだよ」

舞矢「ふ~ん。あ、この子可愛い!!」

遊利「ハァ!? このヒョロいモヤシがかよ……」

舞矢「可愛いじゃん! ねぇ夜半?」

夜半「……」スクッ

遊利「夜半、どうした?」

夜半「興味がなくなった。それを見ていても、どうにかなるわけでもない」

遊利「……アイツもいるらしいぜ?」

夜半「……それも興味ないね」スタスタ

舞矢「それで? なにが起きてるの!?」

遊利「なんか、戦っててな。このモヤシがなかなか……」

夜半(学園都市に、〈第一位〉か……。呪術王(ブードゥーキング)と話しておくか……)



――とある一室

垣根「よう、いま戻ったぜ」

絹旗「あ、垣根! フレンダは!?」

垣根「安心しろ、ちょっと眠らされただけだよ」

それを聞いて絹旗はホッと胸を撫で下ろした。

絹旗「べ、別に心配なんか超してませんけどね! フレンダがドジするのなんかしょっちゅうですし」

垣根「はいはい。で、あいつらは集まってなにしてんだ?」

たったいま戻ってきた垣根達と、絹旗以外はテーブルを囲んでいる。

絹旗「あぁ、さっきの二人の動きを見てるらしいですよ?」

垣根「見てる? カメラでもハッキングしたのか?」

絹旗「いえ、なんだかよくわかりませんが能力らしいですよ? 今は、〈第一位〉と戦ってるとか」

心理定規「へぇ、中々興味あるわね。私もいい?」

奥の部屋のベットまでフレンダを運んでいた心理定規もテーブルに着いた。

同時に、爆発音と共に、部屋の扉が吹き飛んだ。

もっとも扉に近かった垣根が未元物質を発現させていたため、室内への被害は全くなかった。

壊れた扉の向こう側から、奇妙な格好をした男達が立っていた。

???「不葉母破!! 我ら、学園都市の技術を用いた科学卍参上! 死にたくなければれむなんとかってのを渡……ゴバァ」

口から血を吹き出し、倒れこむ男達。

垣根「なんだ? このカス共は」

???「卍一族とかいう連中だよ。横取り屋だったかな?」クスッ

垣根「はぁん。ところで、今のはお前だよな? この細かいのはなんだよ」

???「ふふ、それは悪魔の欠片さ。吸い込まないようにね」

垣根「けっ、気味の悪い野郎だな。その見てんのもお前の能力なんだって?」

???「そうだよ。これは仕事みたいなものだからね。Get Backersも君らも見ていて面白いけど、この〈第一位〉も観察しがいがあるよ」クスッ

垣根「……お前は、バビロンシティってとこから来たんだってな」

???「よく知ってるね。不動から聞いたのかい? まぁ、上の出身だろうが関係ないよ、彼も上の出身だしね」

垣根「……コイツが、お前……鏡と同じバビロンシティの住人なのか? 変わった風貌だな」

鏡「これは、観察しがいがあるね。よく見ておくよ、赤屍 蔵人」

蛮へと近付く一方通行へと高速で飛来するものがあった。

???「赤い射手矢〈ブラッディ・サジタリアス〉」

蛮「なっ!?」

一方「あァ?」キュイン

一方通行は自らの反射したものを眺めた。

一方「メスだァ?」

???「なるほど、これが反射ですか。なかなか面白いですね」クスッ

蛮「……テメェがなんでこんなとこにいるんだよ……」

銀次「な……なんで赤屍さんが!?」

赤屍「お久しぶりですね二人共」

蛮「テメェも『レムナント』が狙いか……」

赤屍「仕事ですよ。ただ、あなた方の敵というわけではありません」クスッ

銀次(赤屍さんは敵味方あんまし関係ないような……)

一方「なンだァ? お前も自殺志願ですかァ!?」

赤屍「おや? 私の相手をして頂けるのですか? それは楽しみですね」クスッ

一方「……ウザってェ……お望み通りお前から殺してやろうか? 細目野郎」

蛮「逃げんぞ銀次!!」ダッ

銀次「えぇ!? 蛮ちゃん、赤屍さんは!?」ダッ

蛮「そいつはほっといても問題ねぇだろ!! 巻き込まれる!!」

銀次「で、でも!!」

赤屍「おやおや、行ってしまいましたか」

一方「チッ、おい土御門ォ」

土御門「無理に決まってるにゃー。こちとらアバラが軽く折られてるんだぜぃ?」

一方「ホント使えねェな……」

赤屍「追われないのですか?」

一方「なンだか知らねェが、お前に隙を見せちゃならねェ気がすンだよ……。だから、お前を殺してからゆっくりと追い詰めることにするわ」

赤屍「そう簡単にいきますかね? もっとも、あなたなら私の底というのも見せて頂けそうですね」クスッ

一方「悪ィが今日はあンまり時間がねェンだ。すぐに終わらせてもらうぜ!!」ダッ

赤屍「赤い剣〈ブラッディ・ソード〉」ズオッ

一方「ハッ、手から剣出すなんて、随分変わった体してるじゃねぇか!!」

赤屍「そうですかね?」ズンッ

一方「ただ、そンなもンで俺が殺せると思ったのかよォ!!」キュイン

赤屍「なるほど、振ったさいに掛かった力の反射ですか。ふふ、実に面白いですね」クスッ

一方「けっ、腕が折れて笑ってられるとは、ホントにいかれてるンじゃねェか? お前」

赤屍「今までに、見た事のない戦い方ですね。今回の依頼は受けて正解でしたね」クスッ

一方「気味悪ィぜ……」

赤屍「さて、これなら如何ですか?」

――赤い闇〈ブラッディ・ダークネス〉

一方「血で出来た影だァ? その程度で勝てると……ッ!?」

赤屍から伸びた影に気を取られた一方通行は、目の前から赤屍の姿が消えているのに気付くのが遅れた。

そして、自らの影から赤屍が現れたことにも。

赤屍「赤い十字架〈ブラッディ・クロス〉」

赤屍の掌が十字に煌いた。

しかし、一方通行の体に傷が付く事はなく、赤屍の体に十字の傷が現れた。

一方「……後ろなら反射されないとでも思ったのかよ」

赤屍「これでも駄目でしたか。ならば……」

赤屍が次の動作を行う前に一方通行は彼の手を掴んだ。

赤屍「なんのおつもりですか?」クスッ

一方「別に、ただ、俺の能力を見せてやろうかと」

赤屍「すでに、拝見させて頂いていますが?」

一方「なンか勘違いしてるみてェだがよ、俺の能力は反射じゃなくてベクトル操作なんだ。お前の手を掴んだら何のベクトルを操作すると思う?」

赤屍「っ!?」

赤屍が、一方通行の手を振り払おうとしたその瞬間彼の体のあらゆる箇所から、血が噴出した。

一方「ま、こういうことだよ、三下がァ」

体内の血流を操作されたことにより、赤屍の血管は破裂した。
一瞬で大量の血を失い、彼は地面に倒れ込んだ。

一方「じゃあな」カチッ

首筋のチョーカーのスイッチを切り、背を向け、一方通行は歩き出した。

――第七学区 セブンスミスト前

蛮「だぁぁ! ここまで来れば! ゼェゼェ」

銀次「あ、赤屍さん……大丈夫かなぁ」

蛮「あの野郎がそう簡単にくたばるかよ」

銀次「そうだね。それにしても、この辺りは人が多いねぇ」

蛮「さっきの場所が極端にいなかっただけだろ。下校時刻とも重なってるみたいだしな」

蛮(もっとも、さっきは意図的に人を近付けさえない様にしてる感じだったがな……)

銀次「本当に学生さんばっかだねぇ」

蛮「説明しただろうが……」

銀次「う~ん……それにしてもなんか俺らってちょっと浮いちゃってるね」

蛮「しゃーねぇだろうが。それよりも、さっさと仕事終わらせるぞ」

???「そこのお二方。よろしいですか?」

蛮「あん?」

後ろから声を掛けられ、振り向く蛮。

そこには、半袖のブラウスにサマーセーター、灰色のプリーツスカート姿の茶髪ツインテール少女が腕章を見せ付けるように立っていた。

???「風紀委員(ジャッジメント)ですの。お話よろしいでしょうか?」
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