続・上条「あの日、もしかしてお前は、俺以上に」


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『次のニュースです』

 

当麻が夕食を手に、居間にはいるとTVではニュースが流れていた
まことが見ていた子ども番組は終わって、娘は絵本を読んでいた

上条「よし! できたぞ」

まこと「はい! はこぶのてつだいます」

上条「いいから座ってなさい。危ないだろ」

まこと「へいきです。ままのこともてつだってました」

上条「そうか。じゃ、軽いのだけお願いします」

まこと「はい! お願いされます!」

『よって、十字教のイギリス清教から数名の来賓が学園都市を訪れます』

上条「ありがとうな。まこ……」

TVに映るのはかつて大切だった人
何度も死線をくぐり抜けた仲間たち

上条「インデックス……」

まこと「とうまくん?」

上条「いや、なんでもない。冷める前に食っちまおう」

まこと「はい」

でも今大切なのは目の前の家族なのだ
だから、TV画面から目を逸らす

まこと「とうまくん……」

娘の視線に気づかないまま

一方「インデックス?」

 

自分で保育園に迎えに行けない時、上条は友人の誰かにかわりを頼む
そして、それは高い確率で暇な一方通行となる

 

まこと「はい、いんでっくすです」

一方「懐かしィ名前だな」

まこと「しってますか?」

一方「昔、オマエの親父の家に居候してヤツだなァ」

まこと「いそうろう?」

一方「まァ、なんつうかなァ、家族みてーなもンかな」

まこと「かぞくだったんですか」

一方「だいたいそンなかんじだな」

まこと「かぞく……」

一方「昔の話だァ。オマエが気にする事ねェ」

まこと「とうまくんにとってたいせつですか」

一方「気にすンなよ」

まこと「おしえてください」

一方「……ああ。昔はなァ」

まこと「とうまくんにとって、たいせつ……」

一方「ほら、気にすンな。アレだァ。パフェくわせてやっから」

まこと「ありがとうございます!」

まことは一方通行に手をひかれなが、考える
父親の大切を

垣根「イギリス清教の護衛?」

黄泉川「資料は手元に配ったじゃん」

垣根「へえ、ホテルの中庭の警護か。これじゃあVIPは拝めそうにないな」

上条「おう。良かったな」

垣根「いや、良くねえよ。見たいだろ、シスターとか」

上条「いや、興味無いから」

垣根「いや、枯れてんなこの親バカちゃんは」

上条「親バカは関係いないだろ」

垣根「あ、否定しないんだ」

黄泉川「なお、垣根と上条は向こうの警護代表のステイル氏と打ち合わせがあるから残るじゃん」

垣根「ち、居残りかよ」

上条「すまん、垣根」

垣根「あ、何だよ」

上条「急に腹が痛くなった。おまえ一人で打ち合わせしてくれ」

垣根「あ、何言ってんの、この子」

上条「じゃあな! 頼んだぞ!」

垣根「おい! 逃げんな」

???「相変わらずだな。上条当麻……」

気がつくと、二人の前に赤髪の大男が立っていた

上条「げ」

ステイル「数年越しの挨拶がそれか」

垣根「え、何知り合い?」
まこと『しずりちゃん』

麦野『なんだ、御坂のヤツまだなのか』

まこと『はい。ごほんよんでください』

美琴と同じ研究所に勤めている麦野は、よくまことの世話をしてくれていた
まことにとって姉とも、もう一人の母とも言える
とても大切な存在だ

麦野『しょうがないな。ほらどれがいいんだよ』

まこと『これがいいです』

麦野『なんだ、七夕か』

まことは麦野の本を読みあげる声が好きだった
普段はてれやさんで、乱暴な言葉を使っている彼女の
飾らない声音に安らいだ。

まこと『どうして、おりひめとひこぼしはあっちゃだめですか』

麦野『おこらせたからな。でも。一年に一度だけでもあえりゃましだろ』

 

まこと『そうなんですか』

美琴『ごめん! お待たせ!』

まこと『まま!』

麦野『おせえぞ! 第三位!』

美琴『ごめん、ごめん。なにしずりおばちゃんにご本読んでもらっての?』

まこと『はい! 七夕のお話です!』

美琴『よかったわね』

麦野『おい、だれがおばちゃんだコラ』

美琴『へえ、どうだったの』

まこと『はい! おりひめとひこぼしはいちねんにいっかいだけあうんです』

美琴『そう。良かったね』

麦野『お前は会いに行かないのかよ』

美琴『え?』

麦野『太平洋なんて、天の川にくらべになんねえくらいなんでもないだろ』

美琴『ちょっと……』

麦野『会おうと思えば、会いに行けるだけマシなんだよ』

美琴『どういう意味?』

麦野『アタシが土下座しなくちゃなんねえヤツは、天の川より遠くにいるんだよ』

美琴『……ごめん』

麦野『ま、後悔のないようにな』
この時の麦野の言葉は、まことにはまだよくわからなかった
ただ、まことたちのために言っているということだけは、
わかってはいた

「……こと」

「……まこと」

そこで目を覚ます

「……おねえちゃん?」

御坂妹「お目覚めですかと、ミサカは確認します」

まこと「はい、こんにちは……」

御坂妹「あの人が今日は警備員の仕事でおそくなるので、ミサカがかわりに夕食の準備をします」

まこと「はい。ありがとうございます」

御坂妹「いえ、ミサカもあなたといると嬉しいのでかまいません」

まこと「……あの、おねがいがあります」

御坂妹「はい、なんでしょうか。ミサカはどのようなおねだりにも応対する構えです」

まこと「……あの」

たいせつなひとにまだあえるのなら

御坂妹「垣根先生と、ミサカは同僚を事務的に呼びとめます」

垣根「ん、どうした」

イギリス清教のVIPが休息するホテルの中庭で、御坂妹は垣根を呼びとめる

御坂妹「いえ、明日の小テストの問題にミスがあるとミサカは指摘します」

垣根「ええーうそだぁー。ミスなんてねえよ」

御坂妹「ざーとらしい演技の共犯者に、ミサカはひそかにため息をつきます」

垣根「つーか、それ校正前のヤツだろー。決定稿は冷蔵庫の中ですー」

視界の隅で小さな侵入者が潜入するのを確認しつつ、もう少しだけ
猿芝居につきあう

御坂妹「冷蔵庫に入れんなよと、ミサカはしごく常識的な意見を述べます」

垣根「俺にー常識はーつうようしねー」

御坂妹(幸運を、まこと)

 

インデックスはホテルの一室で、TVを見ていた。
何年振りだろうか、日本の番組をみるのは
ゴト

インデックス「……誰」

物音に対し誰何の声をあげる

まこと「はじめまして、いんでっくすさんですか」

インデックス「はじめまして。そう、私がインデックスだよ。あなたは? 可愛らしい侵入者さん」

まこと「かみじょうまことです」

インデックス「上条?」

とても懐かしい名前。今のインデックスを救ってくれたひと。
少女の顔を見る。かつて出会った科学の少女の面影がみえる。

インデックス「そう。まことちゃんっていうんだね。どんなご用事かな」

まこと「あの」

インデックスは柔らかく微笑み、少女の言葉を待つ

まこと「とうまくんにあってください」

インデックス「どうして?」

まこと「いんでっくすさんが、とうまくんのたいせつだからです」

まこと「たいせつなひとに、あえなくなってかなしいのはいやです」

インデックス「そう」

インデックスはまことに近づき、優しく頭を撫でる
まこと「いんでっくすさん?」

インデックス「やさしいんだね。まことは」

まこと「やさしい?」

インデックス「とうまの気持ちが悲しくなるのが辛いんだね。もう泣いてほしくないんだよね」

インデックス「……ステイル。聞いてるんでしょ。とーまを呼んできて」

インデックス「こんな子を心配させるなんて、丸齧り確定かも」

そう言って、インデックスは少女のように笑った

 

『迷子のお知らせをします。第7学区からお越しの上条麻琴ちゃんのお連れ様、603号室でお子様がお待ちです。とっと来るんだよ』

上条「は?」

垣根「わりぃ、まことの後学のため俺が連れてきた」

上条「はぁ! 何してんの! アンタ!」

垣根「おい、早く行けよ。待ってるぞ」

上条「てめえ! 覚悟しとけよ!」

駆け出してゆく上条

垣根「全く、なんで603号室なのか考えもしねえんだな」

 

インデックス「ひさぶりだね、とーま」

603号室に入ると、まことに膝枕をしているインデックスがいた

上条(はめられた!)

インデックス「アレ? とーまはお父さんなのに挨拶もできないんのかな? まことはできたのに」

上条「……ひさしぶりだな」

インデックス「はい、よくできたんだよ」

上条「何だよ、それ」

苦笑しながら、上条は答える
どことなく、なつかしい感覚が胸に広がる
インデックス「ま、積もる話も無いわけじゃけど、本題に入るんだよ」

上条「な、なんだよ本題って」

インデックス「この子、とーまにあって欲しいってここに来たんだよ」

上条「まことが?」

インデックス「とうまが落ち込んでるって思ったみたい」

上条「俺が……」

インデックス「それにね、たいせつひとに会えなくなって悲しいのは嫌だからって」

上条「そうなのか」

インデックス「この子は自分も悲しいのに、とーまのことを思ってここに来たんだよ」

上条「俺のため」

インデックス「だから、とーまはこの子を心配させたことをまず、反省しなさい」

上条「ああ」

インデックス「よくできました」

上条「ガキ扱いすんなよ」

インデックス「子どもに心配を掛けるのはガキなんだよ」

上条「そうだな」

インデックス「素直でよろしい、まことを悲しませちゃだめだよ」

上条「ああ」

インデックス「まことを悲しませたら、飛んでって丸齧りにしてやるかも」

上条「そいつは怖いな」

インデックス「おかげさまで歯は丈夫なんだよ」

上条「なんだよ、それ」

インデックス「さあ、まことを早く連れ帰ってお布団に入れる。風邪ひいたら大変なんだよ」

上条「わかったよ」

立ち上がってまことを背負う

上条「インデックス!」

最後に振り向きながら

インデックス「なにかな」

上条「会えて嬉しかった」

インデックス「口説いても無駄なんだよ」

上条「わかってる」

そのまま振り向かずに、扉をあける

会えてよかった。大切だった人
でも、今はもうこの背中のぬくもりしか考えられないから

だから次は

友達としてまた会おう
まこと「……ん」

上条「お、起きたか」

まこと「いんでっくすさんは?」

上条「あったよ。おまえに風邪ひくなってさ」

まこと「とうまくんは、あえてうれしかったですか」

上条「ああ、嬉しかったよ。でも、もうこんなことすんなよ」

上条「俺が、一番会えなくて悲しいのはお前なんだからな」

まこと「はい!」

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