上条「なんだこのカード」 > Season2 > 08


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佐天「えっと、地上のビルがこうだから……」

答えに近づいたとて、相手は秘匿機関である。そう簡単には入口を提示してくれない

地下空間と言うのは、人の空間認識能力をかなり歪める。大阪梅田の地下街は、頻繁に工事などで経路が変更になることに加 え、その地上の街並みと相成って慣れているハズの人間ですら時折迷う程だ

当然、一般的に使用する人間が迷うようでは不便なので、地下駐車場の到る所に地図は掲載されている

毎日のルーチンとして使う人間はその様な地図を見ることは少なく、駐車して付近のエレベーターを使うので不便さを感じることは無い

こうしてこの地下に何かあるはず、と探す人間にだけ牙をむくのだ

もう何回目になるだろうか、壁にかかったこの地図を見るのは。ため息が出る

周りには車が多く停車されており、また入口 へ堂々巡りをしたという落胆が彼女を苦しめる

佐天(隠す目的があるならこの地図が正確に描かれているはず無いもんね)

佐天(しかし車多いな。深夜だってのに、みんな残業?お疲れ様すぎるなぁ)

広い上に無駄に区切りが多いこの空間は、幾度となく既視感を感じさせる。わざとそういう風に造っているのであろう

佐天(考えろ。この学園都市にはたくさんの能力者が居るんだ。私にはそれが無いんだから、考えて答えを見つけるしかない んだ)

佐天(でも御坂さんとかは自分の能力使って空間構造把握とかできるんだよね。やっぱり無能力者と違いがあり過ぎる)

佐天(はぁ、こんなところでコンプレックス出しても仕方が無いか。考えなきゃ。向うは能力者の襲来も考えてるはずなんだし)

佐天(そうだ、ここは学園都市なんだ。能力者の対策が無いわけないじゃん。構造を把握することが出来る能力者への対策装置があるハズ)

佐天(でも能力そのものをどうこうする装置じゃ、気付かれて偶然にここに何かが有るのが分かってしまう可能性もある)

佐天(てことは、無意識的に関係の無い方向へ誘導させるような仕組みが有るはず)

佐天(つまり、能力者への対策にもなって無能力者にも気付かれない)

佐天(そしてそれは、もし何かの影響を受けていると感じた能力者が居ても、簡単には気付かれない様に、あっても全く不思議の無いような隠れ蓑をしていると)

佐天(その上、仮にゴールが近くなると意識を強引に捻じ曲げるために、その効果を当然増やすように出来ている……)

自分の周りを見渡した。今自分が居る場所は車両が多く正確には分からないが、一見すれば、入口の付近だろう

どんな駐車場でもそうだが、利便性の高い場所に多くの車が集まっている。この場合は地上へのエレベーターが近かったり、地下駐車場の入り口付近がそれに当るだろう。これは少しでも親などと一緒に巨大総合小売店に行った経験があればおのずと身に付く常識だ

もう一度、地図を見る。付近には地上へ出る経路は近くにない。ということは、ここは出入り口の付近となる。地図上も、そのように描かれている

少女自身も、さっきまではそう思っており、また迷って同じところに出たのか、という感覚に陥ったのだ

思わず口がにやける。無能力者にとっては単純な罠だったのだ

佐天(わかっちゃいました分かっちゃいました分かっちゃいました!!もぉし能力者なら、きっとこの辺に設置されてる車に偽装した装置とかで干渉受けて見つけることが出来ない様になってたんだろうけど、)

停車している車両を膝で蹴る。普通の車両なら表面が凹むだろうが、へこみは見られず、足に伝わる感覚は重く固い感触だった

痛いが、嬉しい

佐天(アタシ、無能力者ですから!そんな物には引っ掛かからないのだ!!)

思わず出た笑みを何とか押さえて、道路にあるタイヤ跡を探す。もしここが本当に入り口付近ならば、タイヤ跡は目立たない だが、もしここが地下施設の出入り口の付近ならば、大型車のタイヤ跡が目立つハズだ

際立つ太く曲がりの無いゴムの跡が目に留まる

押さえられない笑みを浮かべて跡に沿って足を向けた

彼女にとって幸いだったのは、高度な電子機器を使用しなったこともある。相互情報共有装置を標準搭載している警備員以上の、つまり都市の部隊の大半は、防衛のシステムに完全に知らずの内に掌握され、彼女の様に手掛かりを発見することなく通り過ぎてしまうのだ

どうせ地下駐車場だしと、手元にある高性能機器、携帯なんて時計がわりにしか使わなかったため、その仕組みにも引っ掛からない

だが、彼女は見落としていることがあった。自らに付けられた、発信器の事を 

乗っ取り対策を施された機器ですら紛れさせる空間で、そのような単調なシステムはもちろん無効化されてしまう 

彼女を泳がせて探っていた側からすれば、これでは意味が無い。当然、人間を派遣して追いかけさせるという判断を下す

彼らからすれば、噂話程度しか考えていなかった地下施設の事実は、他の理事員を攻め立てる取引カードになり、噂どおりなら脅威である

そこがアメリカとつるんでいるならば、なおさら見過ごすことは出来ない

破壊兵装を整えた少数精鋭部隊として、ブロックと呼ばれる部隊が、彼女の足跡を辿るべく、招集を受けていた

 

 

 

 

表面的には唯の睨みあいで終わったドーバー海峡での戦いの講和は、思った以上に早く終わった

イギリス側であったアメリカが関与国の思惑通りに、第三国としての立場で場を仕切ったことが一つの大きな要因である

イギリスもアメリカが味方に居なければ魔術師戦闘で押し切ることもできなかったし、フランスもそのアメリカが仲立ちして、イギリスに肩入れせず、無条件で終える事が出来るなら望ましいことである

表面的には事も無しで終わった戦いだが、イギリスとしては勝利国としてゴネたい所であるし、フランスとしても街が一つ焼かれた代償をどうにかしたい所ではあった

つまり、裏の事情を知っている人間からすれば、簡単には終わらないだろうという予測が立っていたのだ

しかし、それはことのほか早く終わった

そのことが病院の一室で身を休めていた騎士団長に伝えられた時、当然彼も驚いた。だが、その理由として伝えられた情報が更に彼を驚かせる

騎士団長「IRAのテロだと?」※IRA=アイルランド共和軍

「はい。規模から、現在武装の確認されているリアルIRA150名以外の活動も見られます。可能性としては、武装解除して時間の経ってない暫定派の関与もあるかと」

団長「魔術師系統の動きはどうなっている?」

「確認が取れている者から予測するに、およそ100名規模のバックアップよう魔術師が有るかと。現在は陸軍SASが対応しております」

団長「IRAと長年戦ってきたSASは対IRAの専門家とも言える。故に血生臭い過去を持つ為、相手を挑発させることにならなければいいのだが」

「我々が戦っている間は大人しかったのですが、向うにも魔術に精通する者も居ます。恐らく我々が傷ついて動けないと知っての事かと」

団長「それでも、女王陛下と議会の寛容対話政策で近年ようやく力を削ぐことに成功したばかりだ。有る程度の備蓄武装があるとはいえ、まともにぶつかり合っては今のSASにIRAは対抗できない。それを補うために人道的でない方法を取れば世論が付かず自滅するだけだというのに」

「それが、彼らは公共機関を占拠し主張を繰り返し発表してはいるものの、人質などは採っていない模様で」

団長「馬鹿な!?いくら魔術師の援護があるとはいえ、彼らの武装程度ではすぐにSASに押しつぶされるはずだ!SASは何をやっているのか?!」

腹部に力が入り、傷口から溢れた血が滲むが彼は気にしない

「……どういう経路で入手したのか判明しておりませんが、SASの突入を6回凌ぐ程度の装備を持っていることだけは事実です」

6回という数字を聞いて、驚きは更に大きくなった。なるほど、それだけの戦力があれば人質など必要ないだろう。そしてSAS側には結構な被害が出ていることになる。現場は及び腰になって慎重になり、能動さに欠けるようになってもおかしくない

「北アイルランドは騒然としています。突入6回失敗という情報はまだ押さえられていますが、メディアに漏れるのも時間の問題。これまでIRAのテロ行為はイングランドでも行われました。もしメディアにSASの苦戦が伝われば、少なからず本島の市民をも混乱させることは確実かと」

団長「女王陛下やリメエア様は講和に加え、早期にそれらにも対応せねばならぬというか。これでは申し訳が立たない。今すぐにでも現地へ向かう」

「お待ちを。騎士団長殿がその様におっしゃられるであろうとあらかじめ予測しておられた様で、陛下からお言葉が。”ともかく先に傷を癒せ。最前列に怪我人を加えるほどの余裕は、我が国には無いからな”とのことです」

彼の傷は、科学的に見れば十分に重傷だがそこまでのものでは無い。しかしフランス方の装備していた剣や槍・矢じりなどの直接傷を付ける部位に込められた魔術が、彼の傷の治りを妨げている

団長「……そこまで仰られていては、動けんな。だが、軍事を統べる者としてただ休むわけにもいかない。今ある限りの情報をここへ。頼めるか?」

「了解。参謀官と共に用意いたします。しばらくお待ちを」

頼んだ、という言葉を背に広い病室から部下の騎士が出てゆく。彼もまた傷ついていた

皆疲弊しているのだ、騎士として頂点に配列する者がこの様でどうする、などと考えていたところへ、ノックの音。準備にしても早過ぎる

どうぞ、と定型文を述べると、男が入ってきた

団長「確か、天草式の」

建宮「教皇代理、建宮斎字です。少々熱心にお話していたようですが、今、お時間は?」

団長「先程の者はしばらく戻ってこない。その間程度なら大丈夫だ。要件を聞こう」

建宮「それでは。この度は、内の女教皇を守りぬいて頂き、ありがとうございました。参ったのは、その礼です」

団長「そう固くならなくていい。それに、淑女を守るのは騎士の役割でもある」

建宮「いえ、我々も参戦していたんですが、他に手を取られていたので」

団長「天草式の奮戦は聞いている。感謝の言葉を言うのはこちらの方だ。私を含め、後方のアックア率いる相手に生き残っただけでも十分な戦果だろう」

自らが述べた後方のアックア、という言葉が頭のなかで反響する。あいつは一体何をしているのだろうか。まさか停戦と同時に帰った訳でもないだろう。イギリスに目的があるようだったが

団長「そう言えば、彼女、神裂火織の様子はどうなっている?意識は回復したのか?」

尋ねた騎士団長の言葉に、建宮斎字の表情が変わる

建宮「そのことで、少し。というよりそれが今日来た本当の目的でして」

団長「どうした?……まさか」

建宮「いえ、騎士団長殿が恐らく考えている様な状態では無いでしょうな」

団長「ならば、どうしたというのだ?」

建宮「……ひとつ、質問をば。我らの女教皇は 一 体 誰 の 手 で 前線から後退しました?」

団長「誰の手、と言われてもな。あの場に駆け付けた、恐らく米国の駆動鎧兵の一人としか言えん」

建宮「やはり、ですか」

考えるように視線を僅かに動かして、数秒の後彼は言葉をつづけた

建宮「実はですね、全英どの病院や教会にも帰還していないのです、我らの女教皇は」

 

 

 

 

タイヤの跡を辿った先に有った大きなシャッターの側の非常口の扉を潜ると、短い廊下があった

持っていたライトを点けて照らすと先にまた扉がある

その扉には取っ手のようなものは存在していない。横に何かのパネルがあるだけだ。おおよそ、非常口にあるべきではないロック機構と言えるだろう

佐天(映画とかだったら、こう、銃弾で壊したら大概開くんだけど、ありえないよなー)

試しに銃を向けたが、これで壊れて二度と開かなかった場合が恐ろしく、諦める

さりとて、持ってきてもいない爆薬などで吹き飛ばすことも出来ず、少女は立ちつくし、なんだかよくわからないパネルを操作する

佐天(こんなとき御坂さんが居ればちゃっちゃと開けてくれるんだろうけど。いや、どう考えてもそういうのは対策されてるよね。電気系統能力者は結構数が居るんだし)

佐天(初春なら、あー、いやあのこはコンピュータには強いけど機械に直接触れるのは向いてないよね)

佐天(ふむ、これ、指紋認証?いや、違う。指の血管で判別するタイプとの複合型?全然わっかんないけど、本人以外駄目なやつだよねぇ)

音ともに唐突に電子パネルに浮かんだ"Matched and just opening please wait"の文字

お、お、あぇ?とだらしのない気の抜けた声を挙げ、彼女の目の前で扉が動きだした

恐らくは廊下の一つなのだろうが、両側の壁で光の線がリズミカルに踊っている。聞こえる重い機械駆動音

明らかに異質な空間であるが、彼女はそれを不思議にも違和感なく受け入れる。まるで経験したことがあるかのように。まるで知っている場所であるかのように

少し複数に道が分かれる場面もあったが、迷わず廊下を抜けて次に有ったのは少し広い空間。そこは薄暗く何かの支柱が多く突き出ている

持ってきた懐中電灯でその中の一つを照らし上げる。無機質な金属の円柱

佐天(なんだろう、これ。知らないはずなのに 中 身 を あんまり見たくないような)

彼女自身、なぜ中身が有るということを知っていたのか分からなかったが、そこまで頭が回らなかった

小さなモニターに浮かぶ幾らかの英語の中から適当に選択・操作し、円柱が動き出した

金属で覆われていた部分が上がり、現れたのは何かの培養液に浸かった複数の脳。各脳には電極と線が刺さり、それが上下に走っている

佐天(あ、あ、あ、やっぱり見たいものじゃなかった。この部屋に有る奴、きっと全部こうなんだろうな)

視線を円柱から避けて、他の部屋に繋がる扉のようなものが無いか見まわす。有った

その扉をくぐって有った先は同じように広い空間

所々に同じような円柱形のものが見えるが、大きさは所々違っていたりする

複数のモニターと一つの大きなデスクに向かって、白衣を着た何者かが座っていた

少女にはその見た目に覚えが有る

その人物へ向けて、左脇から取り出した拳銃をまっすぐに向ける

銃なんて扱うのは初めてのはずだが、右腕を少し伸ばし目にして左手を右手に添えるその持ち方は、命中率と即応性を備えた持ち方であり、少なくとも中学生の1少女が知るべきものではない

だが、そんなことは当然彼女の脳内で疑問としても浮かばない

?「予測より随分と早いが、やはり来たのだな」

白衣の老人がゆっくりと呟き、佐天の方を向く。その顔はやはりあの老人だった。恐らく、木原幻生と呼ばれる老人

幻生「その動作まで予想通り。だが時間は早過ぎる。内積した疑問も少ないのだろうなぁ。なぜ、私に銃を向ける?」

佐天「とぼけないで欲しいですね。私のクローン使って研究したり、戦いの道具にしてるのは一体誰ですか?」

幻生「……それが君をここまで連れてきた理由かい。ふむ、時間的には相応だ、仕方ない。それでも予想を破ったのは興味深いといえるか」

佐天「とにかく、今すぐに研究と製造を止めなさい!!既に生まれた子は解き放って!!」

幻生「こんな狭い空間じゃ、怒鳴らずとも聞こえている。もっと賢くなるべきだ」

何かの飲み物をすすり、マイペースに老人は口を開く

幻生「今の君では程度が低すぎる。ふふ、外はもう朝方か。鈍った思考ではなおさら気付きもしないだろうさ」

振り返って、老人は簡単にキーを叩く。同時に、佐天の意識は急速に睡眠状態へ移行した

 

 

 

 

太陽が昇り始める時間帯。文字通り頭がお花畑の少女は目を覚ます

どうやら随分と長い時間寝ていたようで、記憶があやふやだ。自分は一体いくら寝ていたのだろうか

初春(えっと、昨日は非番で佐天さんと一緒に……?)

初春(あれ、そこからの記憶が無いや)

起きた状態が机の上のパソコンを前にしてうつ伏せだったので、いわゆる寝落ちしたのだろう

しかし不自然だ。寝落ちならば、なぜ目の前のパソコンは落ちているのだろうか

少し汗臭い自分の体も気になったが、まずは目の前の端末に電源を入れる

数秒で立ち上がったそれを操作して、異変に気が付く

初春(おかしいなぁ。昨日このPC立ち上げてないことになってますね)

基本的に毎日立ち上げているので、学校から帰っての数時間にログが残っていないことなどまず無いのだが、そうなっていた

違和感を感じて、パソコンの履歴では無く、ネットワークの履歴を調べる

同じように昨日の使用履歴は無かった。だが、それでも違和感は拭いきれない

初春(なら、使用ログの編集履歴は……)

当り。本来の彼女なら、完全に使っていないことにするならば、ここも分からない様に手を加えて有るはずだ

手抜きとも考えられるそれは、自分らしくない。というより命取りだ

こんなことをする場合と言うのは確実に学園都市の機密内容に踏み込んだときということになる

だが余程眠かったのか、全く記憶が残っていない。何を調べたのか。どうして調べたのか。なぜ中途半端な工作をしたのか。なぜ 起きたときPCが落ちていたのか

記憶が無いにしては不自然すぎる。せめて昨日何を調べたのか分かればコレは解決するだろうか

とりあえず書庫にアクセスしてみる。今まで対ハッカーの手法として確立させた方法で自分の動きを洗い出す

書庫で佐天涙子についての情報に触れ、そこから全く権限の違う場所へとんだようだ

初春(なんでわざわざ書庫まで開いて佐天さんの情報なんかを調べたんでしょう?)

調べた先に現れた組織名には見覚えがある。異様に権限が厳しく、というよりこのサーバー管理者しかアクセスできない様に設定されているデータベースに辿り着いた

こんな所へアクセスした記憶は、やはりなかった。どうして佐天涙子などというどこにでもいる無能力者から、こんな堅牢に辿り着くのか

昨日行ったことをもう一度繰り返し、それでも思い出されない記憶

こうなってくると残す手掛かりは佐天涙子本人だ。学園都市の機密に手を付けた証拠を片っ端から消し去り、可能性的には起きているかもしれないので、友人に電話をかける。だが

『おかけになった番号は、現在電波が……』

 

 

 

「せっかく俺様が手をかけた術式を援護に出したというのに、使えんな」

言葉に怒気を孕んで、右方と呼ばれる男はなじる

傾国「使えないのはどちらでしょうか。指揮をとっていた側にも問題があるのでは?」

負けじとその前にたたずむ女も言葉を突きつける

フィアンマ「自国戦力の不甲斐なさを押し付けるな。だが、確かに俺様の予想に反してメリケン野郎が強力だったのは事実だ。それは認める」

傾国「……わざわざ貴方がこんな戦いに参加したのは、ローマ正教の援護という形式だけでない理由が有ると見受けていましたが」

フィ「あぁ、それな。どこかの不甲斐ない部隊が原因で潰れた、と言えるかな」

目の前の女が、腰にかかる剣に手をかけた

フィ「そんなどこの国にでもあるナマクラなんぞ俺様には脅しになんねぇよ。抜いてはそこが知れるぞ、フランスの切り札さんよ」

瞳に怒りを浮かべるも、その可能性は否定できない。フランスの聖剣がこの物には通じないという可能性は

傾国「バチカンの動きはこちらも把握しております。が、二度目の戦火は期待できぬかと。外圧に対処していたら、内政が疎かになったようで」

フィ「面倒だな、移民の国も。例え7割がカソリックでも、2割のイスラムに乱されるようでは」

講和が早期にまとまったのは、英国同様仏国も国内で問題が起きたからだ。旧仏領からきたイスラム系アフリカ移民の不満の爆発したというのが原因だが、どうも背後に大きな影を窺う事が出来る

傾国「それら不満の方向性を変えるための戦いでも有りましたから、一都市を焼かれたままで賠償も無しでは、悪化もおかしくは無いかと」

フィ「まぁ、馬鹿馬鹿しい両者無条件なんてものの原因のアメリカも欧州での海軍戦力を同じ攻撃で焼かれたようだがな。関与しなければ被害などなかったろうに」

傾国「あら、ご存じないので?撃沈とみられた第6艦隊の旗艦、同型艦が大西洋を本国へ向けての航行途中を確認されていますよ」

無論、無傷で。一体どこ所属の船なんでしょうねと付け加える

フィ「……やってくれやがった。いや、乗せられたのは俺様じゃないが、間接的には含まれるか。思い通りにされるというのも気に食わないな」

フン、と息を吐いて頭脳を回転させる

フィ「どうやら時代遅れの大国って評価は改める必要が有るようだな。姑息とも言えるがこの時勢だ、評価を改めた以上、回りくどい方法はかえって危険か」

女の前から身を離す。それを止めるかのように女が声をかけた。最大の疑問の真意を問いたかったのだ

傾国「……この戦いの事といい、バチカンが躍起になっているようですが、やはりあれは事実と?」

フィ「馬鹿か?フランスの聖女様が聞いてあきれるぞ。そうでなければ俺様が慌てて出てくるような羽目にはならないだろう。どこぞの教皇は必死になってまとめを図ろうとしているが、急過ぎる。イギリスとの戦いもこの様だ。間に合わないだろうな。せいぜい巻き込まれない様に、いや、結果は同じか。ま、頑張ることだ。じゃあな」

 

 

 

蛙医師「やぁ、おはよう。10時半、うん、予測より少し早いくらいかな」

医師の問いかけに、だが、彼の目の前の上条当麻は答えない

もう一度体を見回し、脈や内臓の有るべき場所を擦る。元通りだ。恐ろしいほどに

頭をひねって原因を考えていると、目の前の男はようやく意識が有るような仕草をする

上条「あー、すんません。ちょっと集中してて」

蛙「ふぅん。まぁ、意識がはっきりしてるんなら良いんだけど……大丈夫かい?」

上条「まだ万全、って訳じゃないけど、こうやって会話する程度は」

蛙「予定より早いんだ、当然かな。ん、その様子なら大丈夫そうだ。面会謝絶も解除しておこう。表向き、君は階段から落ちて検査入院しているということになっているから、それで対応してくれるかい」

言って、ふと、上条の横にある総合的に人間の生命反応を示す機器にもう一度視線を移した

蛙「……質問していいかい?」

上条「っ、はい」

蛙「君はまだ、だね?」

上条「………………、はい」

蛙「そうか。ま、ここは君の部屋みたいなものだから好きなだけ居ると良いよ。何か協力できることとか、欲しい物とか有るかい? 」

上条「いや、そんな長居する訳でもないんで」

蛙「うーん。君からは偉く良い物を貰ったんだし、その対価だと思ってくれていいんだがね」

上条「えっと、んじゃあ、付近の無線ネットワークに接続できるような端末とか、そんなやつを。有ったらでいいです」

蛙「君のスペックじゃあ、既製品はついていけないだろうからね。そうだ、彼に作った物の予備があったから、それを調整したものを譲ろう」

上条「じゃあ、それで」

蛙「今日中には調整を終えるから、待ってくれるね?動きたいのは分かるけど、この数字じゃあ退院は認められない。君の驚異的な回復幅を見積もっても、とりあえず完成するまではここで休んでで欲しい。なに、退屈はしないだろうさ」

言い残し、部屋を出る蛙面の医師

残された上条は、さりとてやることも無く、ただ視線をうろつかせるだけ

部屋にノックの音が響く。看護師だと思ってどうぞと述べる

「お、お邪魔します。気分は良いでしょうか?とミサカは具合を窺います」「ちょっと、抜け駆けは許しませんよ、とミサカ は単独行動に目を光らせます」「ち、考えることは同じですか、とミサカは」「あの、私も居ますからねと(ry」

 

 

 

一方「ほォう。そいつはめでてェなァ」

打止「それで私もわざわざ病院で定期健診する回数が減らせるの、ってミサカはミサカは大喜び! 」

彼にとっては久々の休日だった

どこかへ消えた第二位の削除が当面不可能となり打ち切られた為に休みとなったのだ

一方「他にも患者ばっかりなハズなンだが、片手間でそンな微小機械を開発しちまうたァ、流石としか言いようがねェな。先端機械開発者としてもトップクラスだ」

打止「でも開発に専念されると私達の調整してくれる人が減っちゃう事になるし、貴方のそれが壊れたとき、捕まらなくてどうしようもなくなっちゃうかもね、ってミサカはミサカは真面目に考えてみたり」

首にかかるチョーカーを指差しながら、幼い少女は応えた

一方「こいつの調整、ねェ。そう言えば、昨晩瞬断が頻発してたが、なンか有ったのか?」

打止「え、ホントに?!ってミサカはミサカは新事実に驚きを隠せない!」

頭に指を当てて、軽く左右に振る。どうやら少し考えているようだ

打止「ホントだ。学園都市の妹達だけネットワークから切り離されてる瞬間が所々に有ったみたい。でもなんでだろうってミサカはミサカは原因不明って顔に表してみる 」

一方「管理者のお前が理由分かンねェなら、どうしようもねェな。まァ、微笑機械を打たれる時についでに頭、見てもらうことにしろよォ」

打止「あれ、心配してくれてるの?ってミサカはミサカはあなたのちょっとした気配りに喜んでみたり」

一方「ハァ?お前が不調だとMNWに影響出て俺の行動に支障が出るかもしらねェからに決まってんだろ」

明らかに視線を逸らして言った一方通行を見て、打ち止めは頬を緩める

打止「素直じゃないなぁ。そんな悪い子にはお仕置き、ってミサカはミサカはネットワーク管理者権限を乱用してみる」

一方「天下の往来で死んだ魚のモノマネさせようってか?止めろ馬鹿、止めてください」

打止「それじゃ、今日一日は私の言うこと聞いてね、ってミサカはミサカは脅してみたり」

一方「ハァ、仕方ねえな。付き合ってやらァよ」

打止「わぁい。見たい映画があったんだよーってミサカはミサカははしゃいでみる」

一方「あーあー、でもまずは病院に行きましょーねェ」

元気な子供の後ろ姿を見守るように、彼はすごすごとその子供の後ろをついて歩いた



上条「おお、妹達か。ちょうどいいや、暇なんで話し相手になってくれるか?」

部屋の入り口で留まる賑やかな妹達を、上条当麻は招き入れた

 

 

 

土御門「この都市自体の破壊を狙う連中?冗談にしても、もっと捻ってほしいぜよ 」

アレイスター「残念ながら冗談のつもりは無いのだよ」

土御門「そんなことが可能なら今頃バチカン連中が大挙して押し寄せてる。冗談でなければ何だ」

アレ「君たちも心当たりは有るだろう?」

土御門「クローンみたいな連中を言ってるなら筋違いだ。あのレベルの兵隊をそろえるのが都市外で無理なのは一番お前が知っているはずだろう」

アレ「……ふむ。では少し外堀から説明しようか。私は統括理事長という肩書きで彼らを管理している。彼らのパワーバランスを操作する事で維持している保守構造は君も理解している通りだろう」

アレ「しかし、そのバランスを保って来れたのは、私という権限に肩を並べる存在が無かったから、という限定下だったからでね」

土御門「つまり、比類する者が現れると、統括理事達を抑え込めないとでも言いたいのか」

アレ「その通りだ。察しが良いな」

土御門「それこそ冗談だろう。この地球上、どこにそんな奴がいる。造反が増えているのは事実だろうが、だからと言ってこの都市自体の破壊をもたらすような戦力が背景であるとは言えないだろう」

アレ「そう言えるのは、学園都市がこの世界中で最も科学が発展し、巨大魔術組織に狙われても押し返すことが出来る程の戦力と経済力を保持している、という前提を君が持っているからだな」

土御門「なにが言いたい? 」

アレ「君の想像を超える存在がこの学園都市に干渉している、と言えば話が早いか」

アレ「その存在は最近科学に飽き足らず、魔術にも食指を伸ばしている。土御門元春、君は先のイギリスとフランスでのいざこざについて詳しく知っているかな?」

土御門「お前の言う存在が原因の仕事がせわしなくあったおかげで、その辺の学生と変わらない程度だ」

アレ「ではまず、君の本国と連絡を取ることだな。そうすれば、君にも見えてくる現実があるだろう」

土御門「じゃあ、そうさせてもらう。呼び出しておいて、核心を隠した言い方。全く持っていちいち気に障る」

アレ「すまない。だが、君はあまりにも情報不足のようだ。少々この場所に染まり過ぎたか」

ビーカーの中に浮かぶ人間が視界から消えた。というよりむしろ、土御門の方が彼の目の前から消えたのだ

結標「今日は結構長かったんじゃない?」

土御門「ここの住人と話をすると気疲れするのが難点だにゃー」

結標「私も話してる間中待たなきゃならないし、面倒ったらありゃしないわ。こっちもこっちの用事があるっての」

土御門「本当にアイツは他人に迷惑をかけるのが得意ぜよ。ま、俺も話終わったし、あわきんもよーじとやらに行けばいいんじゃないかにゃー」

結標「そうさせてもらうわ。これでまた急に呼び出し食らったら、私が乗り込んで奴の心臓に杭を埋め込んでやる」

土御門「物騒だにゃー。だが女の子を急に呼び出すなんてアイツも良い御身分ぜよ。ま、俺も俺でやることできたっし、駅まで飛ばしてくれ ると助かるんだがにゃー」

結標「人をタクシー代わりに利用しようとするあんたも十分良い身分だと思い知りなさい。ま、特別に許したげるわ」

 

 

 

海原「人払い、ですか」
某女子中学生の登校を見送って、やることも無くなった海原(仮)は消費しかねた生活雑貨を捨て、買い換えようと街を歩い ていた

そして、あからさまに周りの人間がいなくなった空間に突入した

海原「わざわざ自分を狙うなんて。さて、誰でしょうか。出てきたらどうです」

彼の後ろに有った建物の自動ドアが開く

ドアの駆動音が聞こえるとすぐに懐に隠し持つナイフ形の霊装に手を伸ばした

正確に標的だけを絞らなければならない彼の装備は、性質上一発の攻撃を外すわけにはいかない

ドアから距離を取るように前へ跳びつつ体を反転させて自動ドアの有る建物の方へ体を向ける

?「簡単に背中を取らせすぎだ。貴様を頼るのはやはり無駄なようだな、裏切り者」

海原「その声は、ショチトルでしたか。良かった。もう少しでバラバラにしてしまうところでしたよ」

言葉を聞いて少女は彼の左脇の辺りを見る。なるほど、黒曜石のナイフの先端が少しだけ上着を切り裂き、その切っ先は彼女に向いていた

ショチトル「なるほど、組織を裏切るだけの技量は有るということだな」

海原「眼鏡にかなってうれしいところですね。それで、あなた今頼る、と言いましたか?」

ショ「そうだ。組織を裏切り、学園都市で安穏と暮らしているだけの貴様にな」

海原「寝首を掻くにしても、もっといいやり方があるでしょうに」

ショ「その通りだ。だが、頼る、と言ったのは間違いではない」

海原「自分は組織の裏切り者なんでしょう?なぜ頼ることに?」

ショ「……組織の連中が前にアメリカの学芸都市を襲撃したのだ。それは成功したが、報復が先日あって…… 」

ショ「国境沿いの前線基地はもちろん、本部まで一気に制圧された」

ショ「場所は完全に秘匿のハズだったのだが、資金源の麻薬取引から手が伸びてきて」

ショ「奴らの開発した駆動鎧で一気に、だそうだ。そして私と同様に学園都市に潜入していたテクパトルとトチトリからも、本部陥落の連絡の後からずっと音信不通になった」

ショ「彼らがやられたとすると、持っていた原典が奪われた可能性もある」

海原「原典?!なんでそんな代物を持って前線に繰り出したりしだんです?なにが起きたらそんなことに」

ショ「老人は死んでテクパトルが実権を握ってしまったからな。本拠地を失い、迷走していたとはいえ指導者を失い、翼ある 者の帰還は事実上完全崩壊だ」

ショ「身分自体は貴様も私も同じものとなった。……だが、私はこれを持っている」

少女が褐色の肌をグイッと押し付ける

皮膚に覆われている肉が有るであろう部分が怪しく光を発し、皮膚の内側に書かれた文字が海原の衣服に照らし写される

何気なく、その文字を読もうと脳が行動を起こした瞬間、彼の頭脳に途方も無い衝撃が走る

「ぐ、う、ァァあああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

耐えられず、彼は叫び、文字から視線をそらす

海原「ッ、な、なぜあなたがこれを、こんなものを!?」

ショ「全て貴様を粛清する為だ。だが、皮肉にもこれを貴様に使わずに済んだことで、安心しているんだ、私は」

海原「こんな物の力を借りれば、自己崩壊します。あなたは私を殺す為に自分をも殺すつもりだったんですか?! 」

ショ「そんなこと、決まってるじゃない……。貴様が、お兄ちゃんが裏切ったから、こうなった!!私はどうしようもなかった!!」

海原「……テクパトルですか?いや、もう誰が原典に体を取り込ませるなんてことをやったかなどは関係ないですが」

ショ「……貴様を殺す為に、学園都市に入ったテクパトル達をわざわざ追って殺したとすれば、アメリカの連中は原典に目を付けて ることになる」

ショ「裏切り者を粛正する為ならともかく、私達に益無く奴らにただ奪われるだけなんて許されない、許したくない」

ショ「だから貴様を頼ったんだ。もう、私には貴様しか居ない。……だから助けて、お兄ちゃん……」

少女の最後の呟きのような声は、だが確かに、男には伝わった

 

 

 

土御門を移動させて別れた後、結標は連絡のあった所へ向かっていた

連絡の主は不明。しかしその内容が、彼女の心を揺らす

【仲間を解放したくは無いか】

たった一言のその内容が、彼女は無視できない

彼女の事を調べれば、それなりの力のある組織ならば、彼女がなぜ暗部などに居るのかわかる。それは不思議でない

だが、少し考えればわかることだが、学園都市内の組織が彼女にこのように言ってくること自体が危険なのだ

彼らは彼女にとって最高の人質であり、学園都市最高クラスの空間移動能力者を好き勝手できるツールとして、学園都市は失いたくない

故に、彼女にそんな連絡をとってくる組織は学園都市にはない。仮に現れても、その組織は一瞬で潰れてきた

彼女の能力に目を付けた連中はたくさんいたが、故に目を付けられ、暗部の手によってこの世から消されてきた。彼女自身、暗部の仕事で自分を引き抜こうとしてきた組織を潰したこともある

そういうことがいくらかあり、最近では彼女にそういった手を出してくる組織などいなくなった。同時にそれは彼女に学園都市の管理下でしか彼らを救う事が出来ないという確固たる事実を知らしめる働きをももたらした

結標(ほんと久しぶりだわ。またどうせくだらない結果に終わりそうだけど)

結標(手紙、なんて古典的な方法を取ってきたのはあなた達が初めてよ。ご丁寧にサラシの中に捻りこんでくるなんて、一体 どうやったのかしら)

つまり、彼女が気になったのはそこだった

自分が女性であるということを圧倒的に他人へ知らしめるその部位へ、メモのような紙が入っていた事である

彼女自身、そんなところを触れられたことなどここしばらく無い

手品のようななんらかの方法で無いならば、それはかなりの精度を持った空間移動能力者が勧誘側にいるということだ

そんな存在が居るとすれば、もちろん結標という存在は改めて必要でないということになる

つまりその組織の目的がグループの結標淡希を、つまるところ学園都市を牛耳る者たちの結標淡希を奪い、その戦力を低下させようとたくらんでいるということになる

自分を戦力に取り入れることが目的では無く、敵の戦力を削ぐためという目的は今までにない

そこまで胸元に挟まっていたメモから考えて、そこに同時に記されていた場所へ、彼女は向かった

結標(もしかしたら、今回は本当にうまくいったりなんて、期待するだけ無駄よね)

その程度に彼女は考えを留めていた

 

 

 

昼。昼食が終わったころに後輩は現れた

「御坂ー。またあの子来てるわよー」

そう言われて教室の入り口を見ると、後輩がうれしそうな表情で手招きしていた

御坂「はいよー、何の用?」

白井「いえちょっと。こんなところで立ち話もなんですので、すこし歩きませんか?」

御坂「うーん。まーいいわよ。次の授業移動教室じゃないしね」

白井「それでは」

白井に連れられ、しばらく他愛のない会話を続ける

すこし人が少なくなったところで、白井が話題を変えた

白井「お姉さま、当麻さんの面会謝絶が、今朝解除されたようですわ」

御坂「え、ホントに?! 」

白井「はい。表向きは階段から落ちたので頭脳検査の為に入院したということになっていますが」

御坂「その方がアイツらしいけど、それなら逆に今朝まで面会謝絶だった理由にならないわね」

白井「ええ。あの現場で大怪我をして入院、の方がよっぽどしっくりきますわ」

御坂「だと今度は、大怪我ってのが噛み合わないのよね。こんなに早く面会謝絶が解かれる訳ないし」

白井「まぁ、それは実際に会って見て、判断をしたらいいではありませんか」

御坂「そうね。放課後にでも会いに行きましょ。黒子、今日は非番だったわよね」

白井「私の予定を覚えていて下さるなんて感激ですの。放課後は校門でお待ちしておりますわ」

御坂「わかったわ。で、それで、こんな人気のないところに連れてきた理由は何?」

白井「佐天さんが、今日登校していないそうです 」

御坂「そう。それで?」

白井「初春の調べでは、昨日、第一学区で男性と共に路地裏から出てくるのをカメラがとらえております。ちなみに佐天さんは私服で」

御坂「……状況だけで考えたら、買春して帰れなくなってのが妥当ね」

白井「性格を考えたらそんなことは無いと思うんですがね。でもそれだけじゃありませんの」

白井「昨日学校から佐天さんと共に帰った初春が、今朝までの記憶を無くしており、その間に初春自身と思われる者の手で第一学区について調べていたそうです」

御坂「……それも聞いたら、まるで三流の推理小説じゃない。最悪なのは、佐天さんが何かに巻き込まれたことが現実ってことね」

                                                          つづく

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