番外・お茶会


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御坂「ほら…さっさとしなさいよ」

上条「どうして俺が……いや、まあ良いけどさ。
…じゃ!これにて"うみねこのなく頃に EpisodeX・proof of the golden witch"は終了!みなさん、お疲れ様でした!」

垣根「おぅ!お疲れー」

絹旗「超おつでしたね!」

姫神「うん。お疲れ様」

打止「ほらほら、あなたも!ってミサカはミサカは場を盛り上げてみたり!」

一方「アァ!?大体なンでこンな所に俺が……」


純白のクロスが敷かれている丸いテーブルの上には、ふわりと湯気を立てているアッサムの紅茶に、バタークッキー。

彼を取り囲むかのように、辺りには色とりどりの薔薇が咲き誇っている。


招かれし客人は彼ら7人。

垣根「何はともあれ、これにて"EpisodeX・proof of the golden witch"は幕を降ろしたってわけだな」

一方「まァ…結果は俺達の惨敗ってトコロかァ?」

絹旗「うーん…まず私達は魔女と戦おうともしなかったわけですからね。その言い方で超正しいのかは判別しにくいところです」

打止「そうだねーってミサカはミサカは同意してみる。じゃあ……バッドエンドっていうのはどうかな?」

姫神「…それが多分。ぴったり」
御坂「うん。謎解きにほとんど挑んでいなかったしね…それが良いわね」

一方「一日目にクソガキが読み上げたベアトリーチェの手紙には、碑文の謎を解いてみろって予告してあったしなァ」

垣根「犯人探しやら何やらでそんな余裕なかったからな…」

絹旗「……もし碑文が解けていたなら、超違う結末もあったのかもしれませんね」

上条「……バッドエンド。不幸が日常の上条さんには、ぴったりの言葉ですよ…」

一方「……三下は不幸不幸っていつも煩ェンだよ」

御坂「ま、まあ…一方通行も、酷い目にあった者どおし、ここは仲良くしましょ!ねっ?」

打止「お姉様の言う通りだよ!喧嘩売るようなこと言わないのってミサカはミサカはあなたを怒ってみたり!」

一方「………チッ」

上条「ふ、不幸じゃないッ!?」

姫神「……酷い目と言えば。…やっぱり。あなたが一番だと思う」

絹旗「私ですか?まあ…顔面崩壊、膝に杭ですからね。……たしかに超そうかもです……ま、そういう運命だったって事ですよ」

垣根「あれは見るに悲惨ってヤツだよな。発見する身にもなれってモンだぜ?」

御坂「そんな言い方はないわよ…大体…垣根さん達だって、最期は壮絶に悲惨だったじゃない」

一方「…ほとんど身が残ってねェみてェだったしな。オジギソウでも骨と服は残ってやがったってのによォ」

垣根「でもよぉ、痛みってのがなかった気がするんだよな。…というか、そこら辺の記憶は曖昧で、ほとんどよく分からねぇんだけど」

姫神「それは。そうかも。私も痛かった覚えが無い」

上条「俺もだ。眉間に杭なのにな…」

打止「痛い記憶がないのはね、ベアトリーチェが魔法で殺害を行ったからだよってミサカはミサカは言ってみる」

一方「魔法に魔女ねェ…。……そんなオカルト信じる日が来るなンざ、一生ねェと思ってたわ」

御坂「うん、そうよね。…でも絹旗さんに土御門さん、雲川さんの死亡は、その事実の確固たる裏付けになったわ。この島にはいない20人目、すなわち魔女の存在を証明できたもの」

垣根「だな。まあ今となっちゃおかしい事は一つもなかったって事が、よく分かる話だ」

打止「お姉様達が最初、ベアトリーチェを信じる事が出来なかったのは、見えなかったからだよね?ってミサカはミサカはクッキーに手を伸ばしながら尋ねてみる」

一方「まァな。……目に見えないモンはそりゃ信じられないだろォがよ」

打止「うん。あなたは特に反魔法力が強かったからね。見る事が出来なかったのも、ミサカは理解できるけど」

絹旗「遺産に孤島。超古めかしい屋敷まで揃っていたので、てっきり超王道ミステリーだと思い込んでいました」

姫神「…本格ミステリーだと。私も思っていた」

垣根「が、実際はファンタジーでしたってな」

打止「むっ!ファンタジーっていうのは頂けないかもってミサカはミサカは反論する!ベアトリーチェは"い"るんだから!」

御坂「…人間には不可能な事を幾つもやってのけた。劇中の私達は、それを否定したくてあれこれと考えたけど。…ちゃんと今なら言えるわね」

一方「犯人は魔女だった。…もう、その一点においては何の疑いもねェな。黄金の魔女ってのは存在するンだよ」

打止「あなたまで!ミサカはミサカは感激で涙がこぼれるくらい嬉しいかも!」

絹旗「…神も魔女も、超恐れを抱く人間にはその通りの恐ろしい存在かもしれませんが、信じ、敬う人にとっては、きっと超慈しみのある存在であるという事ですね」

垣根「絹旗ちゃんの言う通りだ。それこそ宗教信仰の基本らしいぜ」

御坂「じゃあ、綺麗にみんなで意見も纏まったことだしさ。探偵ごっこは終わりにして、ベアトリーチェの碑文の謎解きをしましょうよ!私達がみんなで考えれば、きっと解けるはずだわ」

打止「賛成!ってミサカはミサカは手を挙げてみたり!きっと、ベアトリーチェも喜ぶよ」

一方「……劇中じゃ、ほとんど誰も手紙なンざ無視してたからなァ。良いンじゃねェの?」

姫神「……せっかく。わざわざ手紙まで送って出題したのに。ほとんど無視されて。少し可哀想に思う」

打止「こんな所に碑文のメモが!まあミサカのなんだけど☆ってミサカはミサカは一人でツッコミを入れてみたり!お姉様、お姉様ー!」

垣根「………物語は、この時点からすでに間違ってたんだろうな」

一方「………かもな。俺達は、指示にすら従わなかったンだからよ。……最初から碑文の謎に挑むべきだったのかもなァ」

絹旗「すっかり遅くなってしまいましたが、今からでも再挑戦するのは超オッケーでしょう。…それで魔女様には許していただくということで。……えっと、最初は…"懐かしき、故郷を貫く鮎の川"……」



打ち止めは、ノートをぱらぱらとめくると、碑文を記したページが全員に見えるようにテーブルの真ん中に置く。

皆はそれを覗き込みながら、持ち前の頭脳を活かし、楽しげに碑文の謎をあれこれ推測している。
 
やさしい紅茶の香りと、クッキーのバニラの香りが、それに彩を加え、ゆったりとした時間が7人の間に流れる。

上条「…………なあ、ちょっと待てよ、お前ら…」



何か唖然としている様な、動揺している様な声色で、発言したのは上条当麻であった。
表情は苦虫を噛んだかのように…不愉快そうにしかめている。



上条「…お前ら、さっきから聞いてりゃ、何でそんな結論に至るんだ…?何で…魔女の仕業って事にして終わらせてんだよ。……たしかに世界中には魔術師だっている。だけどこれは違う!これは人間の犯行だろ!?」



先程までの雰囲気は一瞬で消え去ってしまい、もう誰の話し声も聞こえてこない。

……上条当麻はどうしていきなり変な事を言い出すんだろうかと、不思議に思っている。

その雰囲気を感じとったのか、上条当麻も一度口を噤んだ。

御坂「……だって、明らかに人間には無理な事件だったじゃない。……例を上げるなら、第二の晩。私とアンタが殺された時よ。部屋には鍵だけでなく、チェーンまで掛かっていたらしいじゃない」

絹旗「全くもって超その通りです。どの事件だって、人間には超不可能なことばかりですが?」

姫神「そう。人間じゃ。説明がつかないことばかり」

垣根「今更何言い出すんだ?上条」

上条「ちょ、ちょっと待てよ…!レベル5のお前まで、どうしてそんな結論になるんだよ!?こんなの……何かのトリックでも使って、人間が起こした事件に決まってるじゃねぇか!"魔女"っていう幻想に罪をなすり付けてるだけだろ!?」

絹旗「……では、私が客間で殺されてた時、顔面を超全壊されていましたが、……あれは人間が犯人なら、どう超再現する

 

のですか?」

上条「そりゃ、残酷だろうけど……庭園の鍬でも使えば、できない事はない…だろ?」

絹旗「……まあ…そうですね」

御坂「………じゃあさ、さっきも言ったけど、私とアンタが殺された第二の晩の密室は?扉にはしっかりと鍵もチェーンも掛かってた。無論、窓もね。……まさか、"私がアンタを殺してその後にチェーンを掛けた"なんて言わないでしょうね?」

上条「…まぁ、そのトリックは劇中でも保留になったままだったっけな。……それはさ、とにかく、犯人は鍵だけは持ってる可能性が高い。扉の僅かな隙間からでも何かできるだろ…?」

御坂「…ちゃんと説明できやしないのに、人間に可能だと断言するのはどうかと思うわよ?」

上条「でも…おかしいだろ!?魔女なんかがいるなら、みんなが揃ってる時に出てきて、殺しを行わなかったんだよ!?…それをしなかったって事は、それは出来なかった。つまり魔女なんかいないって事だ!何でこんな所で、思考停止してんだ!?いい加減始めようぜ!!」

一方「……ハァ。その密室で殺された人間がよく言えンな。…犯行が人間に可能ってンなら、説明してみろよ。……………できねェよなァ?三下の頭じゃ、何一つ思い付きすらしねェだろ?クカカッ!」

上条「…ッ!…できなきゃすぐに犯人は魔女ってことになるのかよ!」

打止「……上条当麻は問題を取り違えてるよってミサカはミサカは冷静に言ってみる。…ミサカ達は、"人間には不可能→よって人間じゃない存在が犯人→犯人は魔女"。そう、三段論法で説明しているのに。あなたは、説明できないけど魔女はいないとか、一方的な決め付けばかり」

上条「…じゃあ説明さえ出来れば、……お前達はその魔女幻想やめるのか?」

御坂「さあ?まあ、アンタの説明次第じゃないの?………でもアンタ、分かってるのよね?……………その説明とやらは全て私達の中に犯人はいるって事を疑うことになるのよ?」

絹旗「あるいは、私達の中の人間を犯人にでっちあげたいか、でしょうか?」

上条「そ…そんな事は言ってねぇだろ!?……ただ、勝手に19人目を作りあげてるのは簡単に賛同出来ねぇし、もし居たとしても…人間だ!……それを全部を否定しきった最後の最後に出てくるのが"魔女"っていう幻想だっていう話をしてるんだ…!考えてみろよ!魔女なんているわけないだろ!?何でさっきからテメェらは、魔女が犯人ってので結論付けてんだよ…そりゃ、俺だってあの中に犯人がいると思いたくない……だからって、それで誤魔化すのは間違いだ!仲間を、自分を殺した犯人を。見つけ出したいとは思わねぇのか!?」

垣根「…だから言ってるだろーが。犯人は魔女だってな。ちなみに………そこに"い"るぜ?」



一匹の黄金の蝶が側を横切る。

打止「ベアトリーチェ!」

上条「…ッ!?」

一方「……悪ィな。三下は低脳だからよォ…」


「良い良い…。魔女である妾は、この程度の事で怒りを現にしたりせぬ」


姫神「……上条くん。魔女であるベアトリーチェが姿を現してくれるのは。とても珍しい」

上条「この人がベアトリーチェ………魔女だっていうのか…!?」


「……招かれた茶会のホストくらい、知っておいた方が良いと思うぞ?上条当麻」


御坂「こいつは…その、何も分かってなくて……」

上条「そ…そこまでして、俺に魔女が存在すると……19人目が犯人だと、思い込ませてぇのかよ。何が目的だよ…!」

絹旗「…誰か一人でも信じなければ奇跡は起きないんですよ。奇跡が、……"魔法"が完成しないんです。これで分かっていただけましたか?」

上条「まずそれが間違ってるだろ!?奇跡なんてのは、本人さえ信じれば起こせるんだ…!てめぇが魔女だっていうなら、俺が信じようが信じまいが、"魔法"ってのは完成するだろ!」


「…………」


上条「……だからこれは幻想だ。打ち止め達が創り上げた"魔女ベアトリーチェ"の幻影だ!………だから、全員がその存在を信じるなければ存在が許されない!………そうだろ!?」


「………成程。やはりラムダデルタ卿の言う通りであるな。…似ている。……ヒトの分際にしては、悪くない。"幻想殺し"………その右手を持っているのは些か厄介であるものよ…クククッ!」

上条「……似てる?…何の事か分からねぇけど、…俺はお前の事は認められない。信じることもできない!」

垣根「はぁ。…まだ言うかよ」

上条「垣根!……確かに、この2日間、おかしな事は何度も起こった。だけどそれは人間の仕業だ!……説明できないから、魔女の仕業だなんて論法には絶対ならない!生憎俺は学園都市の人間なんだ…火が欲しければ発火能力者を。電気が欲しければ電撃使いを。他人の心が読みたいならば念話能力を。っていう街なんだよ。そんな密室程度じゃ何も疑問にすらならなねぇ!」


「………そうであったな。全く…骨が折れそうだ。しかし、気に入ったぞ。上条当麻!お前は屈服させ甲斐がある…。……そなたには必ず、我が名を讃えさせてみせたようぞ!」


上条「…やってみろ…ッ!俺は絶対に屈服したりしない!」


「では、この魔法は解けてしまうぞぉ………?」


その瞬間、
呻き声が6人から漏れる。



上条「…垣根?」

隣に居たのは垣根帝督だったはず、なのに。



上条「一方通行…!打ち止め!?」



そして一方通行、打ち止め。

彼らはもうヒトとして存在していない。
そこに在るのは肉塊。骨と血と肉のみ。




御坂「アンタが…!信じないから……」

絹旗「でも…………きっと………超…大丈夫です。……何度だって…魔法がある限り…………」

姫神「…蘇ることが………………できる……」

 

御坂美琴は眉間に杭が、絹旗最愛に姫神秋沙は顔面崩壊。

鈍い音と共に3人は血塗れになって床に倒れ込んだ。



上条「…ふ、ふざけんな!!人の命を良いように弄びやがって…!」


「何をほざく。……そなたが信じぬからであると言ったであろう?魔法は壊れた、と」


上条「何が魔女だ…何が魔法だ……!…いいぜ…………、てめぇが好き勝手やるってならそのふざけた幻想をぶち殺すッ!!!」


「……良いぞ!それでこそ我が千年の退屈も紛れるというもの!さぁ、妾に説明してみろ。"人間"の犯行である事を証明してみせるが良い!……そして人間の身の程を知れ!愚かなる者よ!!
聞こう、上条当麻!
打ち止めの手紙は?6人の殺し方は?シャッターは?チェーンの密室は?ボイラー室の嘉音は?土御門達3人の客間は?麦野と滝壺の自殺は?
そして、碑文の謎は?隠された黄金の在り処は?
安心するが良いぞ!妾はもう一つのゲームで忙しいが、そなたに考える時間は無限にある。精々思考して妾の期待を裏切るような真似はしてくれるなよ?」



くくくっ、はははははははははははははははははははは!




……笑い声だけが、鼓膜をいつまでも振るわせ続けた。

終わり


result

結標 淡希
第一の晩に、死亡。
黄金郷の鍵によって選ばれ、生贄に捧げられました。

海原 光貴
第一の晩に、死亡。
黄金郷の鍵によって選ばれ、生贄に捧げられました。

初春 飾利
第一の晩に、死亡。
黄金郷の鍵によって選ばれ、生贄に捧げられました。

姫神 秋沙
第一の晩に、死亡。
黄金郷の鍵によって選ばれ、生贄に捧げられました。

使用人 紗音
第一の晩に、死亡。
黄金郷の鍵によって選ばれ、生贄に捧げられました。

熊沢 チヨ
第一の晩に、死亡。
黄金郷の鍵によって選ばれ、生贄に捧げられました。

御坂 美琴
第二の晩に、死亡。
眉間を、"レヴィアタンの杭"にて貫かれました。

上条 当麻
第二の晩に、死亡。
眉間を、"ルシファーの杭"にて貫かれました。

右代宮 縁寿
第四の晩に、死亡。
眉間を、"マモンの杭"にて抉られました。

使用人 嘉音
第五の晩に、死亡。
胸を、"サタンの杭"にて抉られました。

土御門 元春
第六の晩に、死亡。
腹を、"ベルゼブブの杭"にて抉られました。

絹旗 最愛
第七の晩に、死亡。
膝を、"アスモデウスの杭"にて抉られました。

雲川 芹亜
第八の晩に、死亡。
足を、"ベルフェゴールの杭"にて抉られました。

魔女 ベアトリーチェ
第九の晩に、復活。
彼女はついに黄金郷の扉を開きます。

麦野 沈利
第九の晩に、死亡。
魔女は高潔さを讃え、決闘の誉れを賜れました。

滝壺 理后
第九の晩に、死亡。
魔女は純潔さを讃え、決闘の誉れを賜れました。

最終信号
第十の晩に、行方不明。
魔女は、存在を認めて平伏した彼女を黄金郷へ招かれました。

垣根 帝督
第十の晩に、行方不明。
魔女は、存在を認めて平伏した彼を黄金郷へ招かれました。

使用人 源次
第十の晩に、行方不明。
魔女は、存在を認めて平伏した彼を黄金郷へ招かれました。

一方通行
第十の晩に、行方不明。
魔女は、存在を認めて平伏した彼を黄金郷へ招かれました。



そして、魔女は再び眠りにつくだろう。



勝者は、黄金の魔女、ベアトリーチェ。
19人の誰も、黄金の謎を解けず時間切れ。
19人は全員死亡。
うみねこのなく頃に、生き残れた者はなし。

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