銀時「とある科学の…やべ、読み方忘れたわ」2

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翌朝

美琴「気が付いたら布団に戻されてたんだけど」

銀時「良かったじゃねーか布団で、石の中とかだったらその瞬間ゲームオーバーだぞ」

美琴「何よそれ」

初春「あれ…昨日何かあったんですか?」

佐天「も、もしかして私みたいにビンタしちゃったとか…?」

美琴「違う違う、そんな大したことじゃないから」

銀時「ビンタっつーかもうビリビリだったけどね、若干黒こげになったけどね」

佐天「?」

 

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銀時「つーわけで、とりあえず今日もやってくぞ」

美琴「そうね、じゃあまた昨日みたいに三手に分かれて…」

銀時「あ、お前は留守番しとけ」

美琴「な、何でよ!」

銀時「客が来るかもしれねーのに誰もいなかったらアレだろ、テメーは留守番だ」

美琴「でも…何で私なのよ?」

銀時「俺とかぱっつぁんが残っちまったらこの町の土地柄を知ってる奴が少なくなんだろ」

銀時「で、テメーならもし何か厄介ごとが起こっても対処出来んだろ」

美琴「でも……」

銀時「いいからテメーは一回休みだ、ごちゃごちゃ言うんじゃねーよ」

美琴「………分かったわよ」

 

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銀時、佐天チーム

佐天「それで銀さん、今日はどうするの?」

銀時「まともにやっても当たりがねーから今日はちっと視点を変えてみようと思ってな」

佐天「ふーん……ところで銀さん、御坂さんを留守番させたのって……」

銀時「アイツはちょっとばっか休みが必要だからな、いざって時に困るかもしれねーし」

佐天「やっぱり…御坂さん、無理してたんだ……」

銀時「ま、ホントはそれだけが理由じゃねーんだけどよ」

佐天「?」

沖田「あれ、旦那じゃねーですか」

銀時「お前らか…また頼りになんのか微妙な連中が来やがったな」

沖田「いやーまさか旦那がこんな若ェ女を侍らせてるたァ驚きましたぜ」

銀時「いや、ちげーんだよ…まあ何つーか一応仕事でな」

沖田「仕事ってのは女とふらふら歩き回る仕事ですかィ?」

銀時「ま…それで別に間違っちゃいねーけどよ」

土方「仕事にかこつけて女を引っ掛けてたんじゃねーのか?」

銀時「いや、だから違うって言ってんだろ」

近藤「万事屋ァァ!貴様一体どんな悪い餌を使ってその娘達を落としたァァァ!」

銀時「だから違うって言ってんのが分かんねーのかこの糞ゴリラァァァァ!!」

近藤「いーや俺は騙されんぞ!その娘を捕まえた方法を吐け!いやむしろ教えてください!」

土方「局長のくせに何つーお願いしてんだアンタは!?」

佐天「……ねえ銀さん、これが警察?」

銀時「いや違うからね、コレは警察っぽいゴリラだから」

 

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沖田「なんだ、つまるところは迷子ですかィ?」

銀時「まあな」

佐天「そんな軽い感じで済むことじゃないと思うんだけど」

土方「ワープしてきたなんざ信じられるか、付き合ってられねーよ」

沖田「土方さん、俺もアンタが真撰組副長だなんて信じられねーよ」

土方「オメーはいちいち噛み付いてくんな!」

近藤「コラお前たち!すいませんね、何かこんなムサい馬鹿共で」

佐天「は、はは……」

銀時「オメーが一番ムサいから、オメーが一番馬鹿だからな」

銀時「まあ何だ、ワープしてきたとか猫バス見ました的な情報が入ったら知らせてくれよ」

近藤「分かった、そちらのお嬢さんもお困りのようだしな!」

近藤「何か分かったらすぐに!この近藤勲が!知らせてやろう!」

土方(近藤さん、必死になりすぎると引かれるって今までの経験で何で分からねーんだ)

佐天「ありがとう近藤さん!私、佐天涙子っていうんです!仲良くしてくださいね!」

近藤「」

土方(これが奇跡か)

 

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近藤「……なあ、トシ」

土方「……どうしたよ近藤さん」

近藤「さっき、あんな娘が俺を頼りにしたよな……?」

土方「ああ、したな」

近藤「俺をゴリラと呼ばずに…笑いながら親しみを込めて名前で呼んだよな?」

土方「ああ…『よろしくね』って言ってたな」

近藤「これが…これが奇跡か」グスッ

土方「近藤さん、俺はその思考に走るアンタの頭も奇跡だと思う」

 

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佐天「乱暴な人達かと思ったけどみんな良い人だったね!」

銀時「いやー良くやったわお前、多分アイツら死ぬ気でテメーらに協力するぞ」

佐天「な、何で?」

銀時「あのゴリラはそういうヤツだ、局中法度ねじ曲げてでも助けようとするぞきっと」

佐天「??」

銀時「と……着いた着いた」

佐天「お団子屋……?」

銀時「ここで待ち合わせをしててな、おうオヤジ!団子と茶ァ頼むわ」

オヤジ「ヘヘッ、旦那はデートかい?こんな若い子を引っ掛けるたァやるねぇ」

銀時「いやそれがな…」

グサッ

銀時「…………」バタッ

佐天「ぎ、銀さん!?」

月詠「…………」

 

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月詠「……すまん、てっきりぬしが年端もいかぬ娘を誑かしているかと思ってな」

銀時「お前さ、ホントさ、頼むからいい加減にしてくれよマジで」ドクドク

佐天「いや銀さん、全然血が止まってないけど」

月詠「それで…わっちに何をしろと?」

銀時「テメーら百華なら色々と情報が入ってくると思ってよ、何か知らねーか?」

月詠「……すまん、少なくともわっちは知らぬな」

銀時「……ここでも当たりナシか」

銀時「ま…何か分かったら知らせてくれや、テメーの部下にも言っといてくれよ」

月詠「ああ、そのように取りはからっておく……ところで、ぬし」

佐天「は、はい!」

月詠「ぬしは…その…そこの天然パーマとは本当に何もないんじゃな?」

銀時「しつけーなお前も、ないって言ってんだろうが」

佐天「あはは、全然そういうのはないですから」

月詠「そうか……ならいい」モグモグ

銀時「オイ待てや、何お前人の団子勝手に食ってんだ」

月詠「何じゃ、てっきりわっちのために用意しといたのかと思ったわ」モグモグ

 

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新八「……そういうわけなんですけど何か知りませんか?」

九兵衛「すまない…僕はそういったことには疎いんだ」

新八「ですよね…あれ、東城さんはいないんですか?」

九兵衛「東城はカーテンの上のシャーってなるアレが外れたからロフトに行ったらしい」

新八「どんだけ外れてんですか、前もそんなこと言ってましたよね?」

黒子「…………」

九兵衛「……僕の顔に何か付いてるかい?」

黒子「いえ…少し気になりまして…お気を悪くされたら謝りますが、あなた……」

九兵衛「………何を言いたいかは分かった、だが僕のことは男として接してくれ」

九兵衛「色々とあって僕は…女としては生きにくくなってしまってね」

黒子「分かりますの…私もお姉さまと一緒になるために以前は何度それを考えたことか…」

新八「いや言っとくけど悩みのベクトルが同じでもその器の大きさが全然違うからね」

 

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初春「えーっと…今日はどこに行くんですか?」

神楽「ぶっちゃけあんまり行くあてがないネ、どこ行きゃいいアルか?」

初春「わ、私に聞かれても……」

神楽「よし、じゃーとりあえず酢昆布買いに行くアル」

初春「どこからその選択肢が生まれてきたんですか……」

神楽「無限大の宇宙が詰まってる私の頭からに決まってるネ」

初春「無限大の宇宙ってつまり頭の中がしっちゃかめっちゃかってことですよね」

神楽「とっとと行く……イテッ」

初春「だ、大丈夫ですか?急に走り出すから人とぶつかるんですよ!」

神楽「誰だか知らないけど私の前の道を塞ぐとは良い度胸アルな」

初春「か、神楽さん!……大丈夫ですか?すみません、友達がぶつかってしまって」

屁怒絽「いえいえ、こちらこそすみません」クワッ

初春「」

神楽「と、ととととなりのヘドロ閣下様ァァァ!」

屁怒絽「いやヘドロでいいですよ」

屁怒絽「そんなに慌ててどうしたんですか?」

神楽「い、いいいいや何でもないネ!ただちょっと迷子の保護をしてただけアル!」

屁怒絽「迷子ですって!あの!僕も一緒に付いていきましょうか!?」

初春「」

神楽(連れ去られる)

屁怒絽「ところで…そちらの子供……」

神楽「お、オイお前!ターミネータ屁怒絽様が呼んでるアル」

屁怒絽「いやヘドロでいいですよ」

初春「は、はい…なななな何か……」

屁怒絽「いえ、綺麗な花飾りを付けてるなと…ちょっと見せてもらっていいですか」クワッ

初春(むしり取られる)

 

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美琴「はあ…暇ね……でも、さすがに人の家を探索するわけにはいかないし……」

美琴「うーん…かといって一人で呑気にゴロゴロしてるのもなぁ……」

ピンポーン

美琴「っと、誰か来た…はーい!今出まーす」

ガララッ

桂「こんにちは、私メリーさん」(桂裏声)

美琴「すいません、お引き取りください」

桂「待たれよお嬢さん、つかぬことを伺うが銀時はいるだろうか?」

美琴「あーすいません…今はいないんです」

桂「あ、そうですか、すいません、じゃあまた来ますから」

美琴「それじゃあ……」

ピンポーン

美琴「……まだ何か?」

桂「あ、すいません、ちょっと気になることがあったので」

美琴「気になること?」

桂「誰だ貴様」

美琴「………あ」

桂「貴様…もしや……」

美琴「違う違う!私は別に泥棒とかそういうんじゃ……」

桂「フッ…残念だが俺にまやかしは通じんぞ、一緒にお巡りさんの所へ…」

桂「あ…ダメだ、お巡りさんはダメだった、俺もマズい、今のはナシだ」

美琴「な、何かよく分からないけど…私はここの留守番を頼まれて……」

桂「いや待て…そうか分かったらぞ…貴様の正体」

美琴「……?」

桂「その声…間違いなく…超能力者の……」

美琴「!?」

美琴(な、何で私が能力者だなんて……)

桂「絶対可憐チル○レン!」

美琴「……はい?」

桂「……の、ダブルフェイスの中の人だな?」

美琴「いや…え?何を言っているのかよく……」

桂「マガジンだけではなくサンデーの魔の手までがここまで伸びていたとは……くっ!」

美琴「『くっ!』って何に悔しがってるの!?全然意味が分からないんだけど!」

桂「だがしかァし!今は三社が潰し合いをしている場合ではない!」

桂「出版部数の低下、PTA、そして表現規制!我らの敵は数多い!!」

桂「今こそ同じ志の下で一致団結してアグ○スと戦う時が来たのではないだろうか!」

美琴「ねえ、誰か代わってよこのポジション」

 

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昼、万事屋

銀時「よう、留守番ご苦労さんよ」

美琴「アンタ…知ってたんでしょ、変なのが来るって」

銀時「最近はアイツも大人しかったからそろそろ出番増やしに絡んでくると思ってな」

銀時「あ、でも家政婦になって主役になったか」

美琴「訳分からないこと言わないで…ほら、さっきの人が置いていったおみやげ」

銀時「カップ麺にカップ焼きそば、どん兵衛…麺類ばっかだなオイ」

佐天「あれ、何か臭いませんか?カップラーメンの臭いが……

美琴「え、する?臭いなんか全然しないけど?気のせいじゃない?うん」

銀時「オイ、何でお前そんなに焦ってんだ」

美琴「あ、ああ焦ってなんかないわよ!」

佐天「何か寝室から臭ってるような…」

美琴「」ギクッ

銀時「何だってんだ…」

ガララッ

銀時「……オイ、俺がいつも使ってた布団に何かラーメンが寝てんだけど」

銀時「え?何これ、錯覚?コレって目の錯覚?」

佐天「ラーメンが布団で寝てるってどういう意味…って…わ、ラーメンで布団が……」

銀時「これ明らかに零したってレベルじゃねーぞ、明らかに全部ぶちまけた感があんぞオイ」

美琴「……ごめん、洗って干そうと思った時に二人が帰ってきちゃって」

銀時「つーか何をどうやったらこんな事態になんだ?コレ、珍百景に投稿してやろうか」

銀時「二十年以上生きてきたけどよ、ラーメンが布団で寝てるところなんて初めてみんぞ」

美琴「……ちょっとだけ言い訳させてもらえる?」

銀時「あん?」

美琴「私、さっきはすっごいお腹が減ってたわけ」

美琴「で、変な人が置いていったお土産にカップ麺があったから一つ拝借したの」

銀時「勝手に食ったことにはこの際目ェつぶってやる、続けろ」

美琴「で、お湯入れて出来た後に『あ、枕元に携帯置きっぱなしだ』ってなって……」

美琴「右手に出来たてのカップ麺を持ちながら寝室に部屋に入ったの」

銀時「それで?」

美琴「で…私っていつも学校から帰ったらまず右手に持ってる鞄をベッドに放り投げるのよね」

銀時「………」

美琴「何か…うん、まあそんな感じで……ねえ?」

銀時「ねえ?じゃねェェェ!それ完全にお前の不注意だろォォォォォ!?」

美琴「ごめん!これはホントにごめん!」

銀時「聞いたことねーよ、鞄とラーメン間違えて布団にぶん投げる奴なんざ!」

銀時「お前アレか!ヅラの持ってる見えねー何かに感染したんじゃねーだろうな!」

美琴「そ、それはない!それはないから大丈夫…多分……」

佐天(ヅラって誰のことだろう……)

 

 

新八「ただいま帰りましたー…って、あれ?ラーメンの臭い?」

黒子「な、何やらドタバタとしているようですわね…」

神楽「い…今、帰ったネ!」

新八「神楽ちゃん?どうしたのさそんなに慌てて……」

神楽「この花瓶が何かヤバいアル!死にかけてるアル!」

初春「屁怒絽さんが一人…屁怒絽さんが二人…」

神楽「起きろォォ!そんなの数えながら眠ったら永久に起きられなくなるアルゥゥゥ!」

黒子「何なんですの、この状況」

佐天「……さあ」

銀時「あーあー、どうすんだよこの布団、ラーメンの臭いに包まれて寝るとかどんな拷問だよ」

美琴「だからごめんってば……」

銀時「どこに向けりゃいいんだこの何とも言えねー感じ、何つーか虚無感がやべーよ」

銀時「お母さんが買ってきたサッカーボールがゴムで出来てた時の絶望感くらいヤバい」

美琴「いや意味分からないから、買ってくれたならいいじゃない」

銀時「ばっかオメー、あのゴムのボールって弾む時『テイン、テイン』って音がすんだぞ」

佐天(あ、何となく分かるかもしれない)

美琴「……ねえ、謝ったんだからもうそろそろ許してよ」

銀時「何もわかってないのねあなた、クリーニング代も馬鹿にならないのよ」(銀時裏声)

美琴「どこの姑だアンタはァァァァ!」

銀時「逆切れかテメー!カルシウム取れカルシウム!いちご牛乳飲めェェェ!」

銀時「つーか、それ何その短パン!私って運動大好きな活発少女ですってアピール!?」

美琴「あれ何その天パー?何それ、心がひねくれてるんだから髪の毛くらい真っ直ぐにすれば?」

銀時「表出ろやお前、テメーは言っちゃならねーことを言ったぞコルァ」

新八「いやアンタら何やってんですか!?」

佐天「でも、何だかんだで良いコンビですよね」

黒子「………そうですわね」

佐天「……白井さん、どうかしたんですか?」

黒子「いえ、別に……」

佐天「ところで…銀さんって人脈広いんだね」

黒子「ですわね、少々驚きましたの」

銀時「まあ…何つーか、ほとんど腐れ縁だけどな」

初春「…………」

神楽「銀ちゃん!初春が気絶したまま目を覚まさないアル!」

銀時「まー慌てるな、とりあえず頭の花に水でもやったらいいんじゃね?」

新八「いや何でですか」

銀時「アレだよ、西遊記の沙悟浄も皿を濡らしたら元気になるし?」

お登勢「何をばたばたとやってんだい?」

銀時「何だババア、家賃なら待つって言ってたろうが」

お登勢「分かってるさ…ほら、今日は夜に近くでちょいとした祭りがあっただろう?」

新八「あ、言われてみればそうですね」

お登勢「あんまり気を張ってても疲れちまうだろうから…行ってきたらどうだい?」

佐天「お祭りかー…学園都市のとは全然違うんだろうなぁ」

美琴「せっかくだし…ちょっと行ってみたいかも……」

黒子「そうですわね…少しなら……」

初春「……はっ!」

新八「あ、良かった…気が付いた?」

初春「さっき私、バンドのギターボーカルやってる夢を見ました」

美琴「ざ、斬新な夢ね……」

 

 

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某所

高杉「ほォ…あのバカ(銀時)がねェ……万斉、そいつは確かか?」

河上「確かでござる、何やら人に頼まれて何かを探し回っていると」

高杉「それで…その依頼主ってのは誰だ」

河上「見たものの話では若い娘だったらしいでござるが…」

高杉「………フン」

神威「困るなぁ…女に振り回されて強さを求めなくなると男は弱くなる」

高杉「…………」

 

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夜、祭り会場

佐天「わー、何かホントのお祭りって感じですごく良いですね!」

銀時「いや一応ホントの祭りだからな」

美琴「こういう屋台が並んだりするのって学園都市じゃあんまりないわよね…」

黒子「和、とでも言いましょうか…人が多いのに何故か居心地がいいですわね」

神楽「銀ちゃん!私も遊んできていいアルか!?」

銀時「怪我しねーようにしろよ、あと他人様に迷惑掛けんなよ」

神楽「キャッホオォォォイ!久々に暴れられるアル!」

銀時「暴れていいとは言ってねーよ馬鹿」

佐天「私たちも行きましょうよ!」

銀時「あ、テメーら先に行っとけや、俺ァちょっと野暮用を済ませてくるからよ」

美琴「野暮用?」

銀時「大したことじゃねーよ、気にすんな」

美琴「そう…じゃあ私たち、先に行ってるわね」

銀時「頼むぜぱっつぁん、多分神楽は使いもんにならねーからよ」

新八「あ、分かりました」

 

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銀時「どうだよ、何か分かったか?」

沖田「すいやせん、まだ何も……」

銀時「ま、そんな簡単に手掛かりが掴めりゃ苦労はしねーか……」

沖田「近藤さんも色々と手回しして探らせてるんですがねィ、当たりなしでさァ」

銀時「そーかい…悪かったな、急に呼びつけちまって」

沖田「いえ、俺もかったりー祭りの警護をしなきゃならねーんで…じゃ、旦那」

 

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黒子「あの野暮用とは一体何だったのやら……」

新八「さあね、まあ銀さんがフラフラしてるのはいつものことだから」

黒子「いつもあのような感じなので?」

新八「うん、普段はダメな大人だけど…やる時は本当に凄いよ」

黒子「そうなんですの……」

初春「あ、私なにか飲み物買ってきます」

佐天「あ、ごめん初春、私のもお願いしていい?」

初春「いいですよ、御坂さんと白井さんは?」

美琴「あ、私は大丈夫」

黒子「私は初春にお任せしますわ」

初春「分かりました!じゃあちょっと行って来ますね」

佐天「気をつけなよー!」

 

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銀時「………」

銀時(アイツらが来てまだ何日も経ってねーが…これ以上何も掴めなきゃジリ貧だな……)

銀時(真撰組に百華、名門の柳生家…次は結野アナの実家辺りを当たってみるか…)

銀時「つーか…アイツらどこまで行ったんだ?人が多くて分かりゃしねー……」

高杉「全くだな、世界の苦しみなんぞ露ほども知らねー連中で溢れかえってらァ」

銀時「!」

高杉「久しぶりじゃねーか、銀時よ」

銀時「高杉……!」

高杉「おっと動くな、やり合いに来たわけじゃねーよ…『今』はな」

銀時「……何でテメーがここにいやがる?」

高杉「なに、祭りの前に顔合わせでもしておこうと思ってな……」

銀時「何言ってやがる…祭りならもう始まってるじゃねーか」

高杉「こんな小さなモンじゃねェ…世界が沸き立つような祭りよ」

銀時「……テメー、何か仕掛ける気か…?」

高杉「期待を裏切って悪いが…もう仕掛けさせてもらってるぜ、銀時よ」

銀時「………?」

高杉「銀時…お前、最近はどうも妙なガキの世話をしてるらしいじゃねーか?」

銀時「……テメー、まさか…!」

高杉「祭りの時は気をつけなきゃならねーよなァ…どんな人攫いがいるやも知れねー……」

銀時「………!」

高杉「若ェ女なら妙な連中が狙ってても不思議じゃねーってわけだ」

銀時「高杉ィィ!!」

キィン!

高杉「やり合うのは一向に構わねーが…良いのか?お連れさんはよ」

銀時「……くそっ!」

 

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銀時「テメーらァァ!」

新八「そ、そんなに慌ててどうしたんですか?」

銀時「説明してる時間はねェ!テメーら全員揃ってるか!?」

佐天「う、初春が今飲み物を買いに行ってるけど……」

銀時「探せ!テメーら絶対散り散りになるな!」

新八「銀さん!神楽ちゃんもいません!」

銀時「しまった…アイツも探さなきゃなら」

「あんだコルァァァ!!何でお前がこんな所にいるアルかァァァァ!」

「テメーみたいな馬鹿をとっちめるためでィ、ゴチャゴチャ言うんじゃねーや」

銀時「探さなくていいわ、もう見つかったから」

 

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美琴「ダメ…初春さん、どこにもいないわ!」

銀時「………!」

黒子「こちらでは…携帯は繋がりませんの」

佐天「ぎ、銀さん…一体何があったのさ?」

銀時「…………」

新八「もしかして…ヤバい感じですか?」

銀時「……高杉の馬鹿が動いて来やがった」

沖田「!」

新八「なっ……!」

神楽「…………」

神楽(アレ、誰だっけそれ?)

美琴「高杉って……?」

銀時「詳しく話すのもアレだ、掻い摘んで説明するぞ…」

 

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美琴「め、めちゃくちゃヤバい奴らじゃない!そんなのに初春さんは捕まったの!?」

佐天「そんな…そんなのって!」

沖田「旦那、そいつァ確かですかィ?高杉が絡んでるなら大事ですぜ」

銀時「ついさっき…その本人と一悶着あったところだ」

黒子「ですが…そのような危険人物が何故初春を……?」

銀時「………」

新八「一旦万事屋に戻りましょう!ここじゃ危険です!」

美琴「ダメよ!初春さんがいなくなっちゃったのに逃げるわけには行かないわ!」

銀時「仮に…ここで斬り合いになったらどんだけ怪我人が出るか分からねーぞ」

美琴「!」

銀時「まあ…白井がここにいる一般人を全員瞬間移動させられんなら別だけどよ」

黒子「……残念ながら、これだけの人数はとても無理ですの」

銀時「初春の奴が狙われたならテメーらも危ねーんだ…御坂」

美琴「……ごめん」

 

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万事屋

銀時「ひょっとしたらとは思ったけどよ…こっちにも帰ってきてねーか」

佐天「う、初春……!」

新八「沖田さんの呼びかけであの場にいた真撰組の人が総出で探してくれてますけど…」

銀時「見つかりゃ儲けモンだけどよ…あの人混みじゃ厳しいだろうな」

佐天「何で…何でこんなことに……!」

銀時「……ワリーな、今回ばっかは俺の責任だ」

美琴「馬鹿…アンタのせいじゃないわよ」

 

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祭り場

沖田「まだ見つからねーか!」

真撰組A「すみません、まだ見つかりません!」

沖田「攘夷浪士が紛れ込んでる可能性もある!臭ェ奴は全員拘束しろ!」

真撰組A「了解しました!」

山崎「伝令です沖田さん!」

沖田「今忙しいからあとにしな、攘夷浪士が…」

山崎「こっちも大変な状況なんですよ!」

沖田「……?」

 

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prrrr

佐天「電話……!」

黒子「まさか…初春が見つかったのでは……」

銀時「…はい、万事」

沖田『緊急事態ですぜ旦那ァ!』

銀時「緊急事態……?」

沖田『江戸のターミナルが天人に占拠されたらしいでさァ!』

銀時「なっ…テメーら!テレビつけろ!」

新八「は、はい!」

テレビ『繰り返し速報です、江戸の中核であるターミナルが天人に占拠されました!』

新八「た、ターミナルが占拠!?」

テレビ『占拠した天人は宇宙海賊春雨であるとの情報が………』

銀時「……オイオイ沖田くん、コイツァどんなドッキリだ?」

沖田『残念ながらマジですぜ…旦那ァ、こりゃ一体どうなってんですかィ?』

銀時「……そいつァ俺が聞きてーよ」

沖田『とにかく…聞きてーこともあるんで俺ァ一旦そっちに向かいますぜ』

銀時「お前、召集命令とか出てねーのか?」

沖田『大丈夫でさァ、ばっちり副長責任に副長責任になるよう手配してるんで』

 

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銀時「…出来過ぎだな」

沖田「高杉のヤローが動きを見せた途端に春雨の強襲ですからねィ…」

沖田「手を組んだと噂にゃ聞いてましたが…とんでもねーことになりましたぜ」

銀時「テメーらの上は今どうなってやがんだ?」

沖田「そりゃもうやべーなんてモンじゃねーですよ、幕府も対応に困ってまさァ」

沖田「幸いなのは…敵はターミナルを占拠しただけで動いてねェってことですかね」

銀時「………」

美琴「アンタたちは…警察は何をしてるの?」

沖田「とりあえず一般人がターミナルに入らねーよう周りを固めてるだろうよ」

美琴「どういうこと?敵が攻めてきたんでしょ?何で戦わないのよ!?」

沖田「お上に奴らと戦う度胸なんざありゃしねーんだよ…そんで俺たちは上に逆らえねェ」

佐天「つまり…敵と戦う気はほとんどないってことですか?」

美琴「そんなの…そんなのって絶対おかしいじゃない!」

銀時「…………」

沖田「っと…いけねェ、長居し過ぎちまった…じゃあ旦那、俺ァもう行きますぜ」

銀時「ああ…わざわざ悪かったな……」

沖田「あと…近藤さんからの伝言で『万事屋、お前らは動くな』だそうでさァ」

銀時「……何でわざわざ釘刺すんだオイ」

沖田「旦那なら単騎でも奴らに仕掛けかねねーと近藤さんは思ってますからね」

銀時「へー、ゴリラでも知恵が付くんだなオイ」

新八「やっぱり…行く気だったんですね?」

銀時「初春のやつも多分ターミナルに捕まってんだろ…どっちみち行かなきゃならねーよ」

銀時「真撰組が動かなかろうと構いやしねーよ、俺ァ一人でも行くつもりだからな」

神楽「しっかり仕事はこなすのが万事屋アル!初春を助けるのも仕事のうちネ!」

沖田「……旦那、ワリーが今回は俺も止めさせてもらいますぜ」

新八「沖田さん…?」

沖田「旦那がつえーことは分かってまさァ、ただ今回が相手が悪ィ」

沖田「こんなこと言いたかねーが…死にますぜ、間違いなく」

黒子「!」

佐天「そ…そんな……」

銀時「………」

銀時「……そーだな、じゃあ止めとくとするか」

沖田「……?」

神楽「な、何言ってるアルか!いつもの銀ちゃんらしくないネ!」

銀時「よくよく考えりゃ確かに死にに行くようなモンだ…俺ァ危ない橋は渡らねー」

沖田「………」

沖田「……まぁ分かってくれたならそれでいいんですがね、じゃあ旦那…」

 

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美琴「……本当に行かないの?初春さんが捕まってるのに…」

銀時「行かないわけねーだろ、俺ァ人に言われたことを守らねーことにゃ自信があんだよ」

新八「いや、ものすっごいダメな自信ですよそれ」

黒子「では…戦うつもりですのね……」

美琴「アンタが行くなら、当然私たちも行くわよ」

銀時「………」

銀時「ダメだ、テメーらは来るな」

美琴「な……?」

新八「銀さん…まさか一人で行くなんて言いませんよね?」

銀時「コイツァ俺の問題だ、テメーらが関わることじゃねェ」

美琴「何言ってんのよアンタ!今更そんなこと…」

銀時「死にてーのか?」

美琴「………?」

銀時「春雨の連中を敵に回すなんざ喧嘩のレベルじゃねェ…コイツはもう戦争だ」

銀時「奴らがマジで暴れりゃこの国は簡単に潰される…そんな奴らを敵に回してんだ」

銀時「テメーらはワケも分からねーまま吹っ飛ばされてきたこの世界で死ぬ覚悟があんのか?」

美琴「!」

新八「だから来るなってことですか…僕らを傷付けたくないから来るなって言ってんですか?」

新八「お登勢さんが斬られた時に言ったじゃないですか!僕らは……」

銀時「ちげーよ、勘違いすんな馬鹿」

神楽「銀ちゃん……?」

銀時「戦争ってのは言いかえりゃ殺し合いだ…何人斬ることになるか分からねェ」

銀時「テメーらは手ェ汚すな…この汚れは一度ついちまったら落ちるモンじゃねェ…」

美琴「あ、アンタ……」

黒子「…………」

黒子「……それでも、私は行きますの」

銀時「?」

黒子「初春は私の大切な友達です…見捨てるわけにはいきませんの」

銀時「心配すんな…アイツなら俺が助けといて…」

黒子「残念ながら…あなたもですのよ?」

銀時「………?」

黒子「あなたも私にとっては…大切な人に変わりありませんの」

銀時「………」

黒子「私は…もしもあなたに二度と会えなくなれば…きっと泣きますわ」

佐天「私も…白井さんと同じ気持ちです、だから銀さん…一人で行くなんて言わないでよ」

銀時「………」

美琴「つまり…アンタが戦いに行くのに黙ってられるほど大人じゃないってこと」

美琴「知ってるでしょ?アンタが私を『ガキだ』って言ってたんだから」

銀時「……テメーもよく覚えてんな」

美琴「散々馬鹿にされてたんだからそりゃ覚えてるわよ」

新八「銀さんとみんなの間にどんな繋がりがあったのかは知りませんけど……」

新八「……銀さんは一人じゃないです、僕も含めてこんなに仲間がいるじゃないですか」

神楽「私を外すなヨ新八ィ!私だって銀ちゃんの仲間アル!」

定春「ワン!ワン!」

銀時「テメーら……」

新八「……行きましょう、みんなで…初春ちゃんを助けに!」

銀時「……馬鹿につける薬がねーとはよく言ったモンだな」

銀時「ま…俺も人のこたァ言えねーけどよ」

神楽「春雨だろうが何だろうが関係ないネ!今すぐ乗り込むアル!」

銀時「いや…仕掛けるなら明日の明け方だ、夜明けと同時に行く」

佐天「え、それなら暗い内に忍び込んだほうがいいんじゃ……」

銀時「いや…日の出と同時に突入って何かかっこいくね?」

バチバチッ!!

銀時「…………」チーン

美琴「こんな時くらいその適当な性格を何とかしなさいよ!」

銀時「まままま…あの、アレだ…今すぐじゃ色々あれだし?一旦体力回復的な?」

新八「ああァァァ銀さん!今の電撃で家電がやられました!」

神楽「何するアルかこのビリビリ娘がァァァ!冷蔵庫の食料が痛むぞコルァ!」

佐天「心配するのそっちなんですか!?」

神楽「銀ちゃんなら天パーがもっとヒドくなるくらいネ、問題ないアル」

黒子「あの…大丈夫ですの?」

銀時「いい加減慣れたわこれ、慣れって怖いなマジで」

 

---

某所、廊下

沖田「すいやせーん、遅れやした」

土方「遅ェぞ総悟、何やってやがった」

沖田「どこぞの副長の出した指示に不手際がありやして、全く使えねー上司だな土方は」

土方「攘夷浪士の前にお前から斬ってやろうか」

沖田「あれ、近藤さんはいねーんですかィ?」

土方「中の部屋で長官と話してるが…どうにも良い方向には進んでねーようだ」

土方「人質にされたガキをどうするかで意見が割れてるらしい」

沖田「……なるほど」

 

 

某所、室内

松平「繰り返すがよ、ターミナルを占拠してから奴らの動きがねェ」

松平「上が戦うにしろ逃げるにしろ今が態勢を立て直すチャンスだ」

近藤「だがとっつぁん!子供が人質に取られてるとの情報も入ってる!早く動かねーと…」

松平「お前、まだその甘ったれた考えが抜けてねェのか」

松平「江戸とガキの命…どっちが重いかなんざ明白だ」

松平「江戸より重いのは俺の娘の命だけよ、栗子が人質ならオッサンも突撃したけどな」

                                                           

 

---

 

 

土方「どうやらダメだったらしいな」

沖田「今回はずいぶんと言われちまったようですね、近藤さん」

近藤「……子供一人のために下手な動きは出来ない、最後までそう押し切られた」

近藤「今ならまだ平和的に和解が出来るかもしれん…上はそう考えているらしい」

沖田「和解?不法にターミナル乗っ取った奴らが和解する気なんざあるわけねーでしょう」

近藤「それでも…今すぐに春雨と全面対決になることは避けたいらしい」

近藤「情けない話だ、人質の娘一人助けることが出来ないとは……」

近藤「俺たち真撰組は…刀狩りのご時世に唯一真剣を持つことを許されている集団だ」

近藤「この刀に己の魂を預け、江戸を守るべく命がけで戦い抜く…それが俺たちだ」

近藤「それが…その俺たちが…何も罪もない若い娘を見殺しにしろと?」

近藤「高杉や春雨たちから時間を稼ぐ…それだけのために切って捨てろと…?」

近藤「なあトシよ…これが正義か?お前は本当にこれが正義だと思うか?」

土方「……さあな」

沖田「……近藤さん、俺たちがこうしてチンタラしてる間にも旦那は動いてますぜ」

沖田「下手すりゃもう敵地に乗り込んでるかもしれやせん」

近藤「よ、万事屋が!?総悟、俺の忠告は伝えなかったのか!?」

沖田「あの旦那が大人しく言うこと聞いて引き下がるわけねーでしょう、今までの経験的に」

沖田「それに、旦那からは『俺ァ一人でも戦うつもりだ』と言われましてねィ」

沖田「まあ…間違いなく『戦る』気でしょうね」

近藤「くそっ、万事屋の馬鹿め!死ぬ気つもりか!?」



土方「…………」

 

 

土方「総悟…テメー、そこまで分かってて何で奴らを止めなかった?」

沖田「……俺は土方さんみてーに面の皮がマガジンみてーに厚くはねーんでさァ」

土方「あァ?」

沖田「腹くくって動こうとしてる旦那を止める権利が俺たちにあると思ってんですかィ?」

沖田「少なくとも『今の』俺たちにはそんなモンありませんぜ…」

土方「………」

土方「フン…違ェねェ……」

近藤「…戦う気があるなら二人とも刀を取れ、万事屋と共に奴らの元へ乗り込むぞ」

沖田「……近藤さん、上に逆らって勝手なことをすればどうなるか…」

近藤「……不思議だな、俺ァ万事屋なんて最初はほとんど気にも掛けちゃいなかった」

近藤「なのに…もう今となっちゃ……」

近藤「万事屋みたいなああいう馬鹿がいてくれなきゃ、俺は寂しくてしかたねーのさ」

沖田「近藤さん……」

土方「…………」

土方「アンタがいくなら俺も行かないわけにはいかねーな、近藤さん」

近藤「トシ…!」

土方「俺はこうやってぐだぐだしてんのはどうも性に合わねェ…」

土方「それに万事屋の馬鹿に借り作るのも気が引けるしな」

沖田「ベジータ気取りでさり気なく仲間になる気ですかィ、全く土方さんのやり方は汚ねーや」

土方「ホントに斬っていいかお前、ほんのちょっとだけでいいから」

沖田「嫌でィ」

 

 

 

---

 

銀時「………」

桂「……持って行くのか、その刀を」

銀時「ヅラ、お前どっから湧いた?」

桂「ヅラじゃない桂だ……その刀、昔からお前は常に肌身離さず持っていたな」

銀時「二度とコイツは使わねーと決めてたけどよ、そうもいかなくなっちまってた」

桂「行く気か…銀時」

銀時「馬鹿を止めんのは馬鹿の仕事よ、助けなきゃならねー奴もいるしな」

桂「いずれは奴らとぶつかる日が来るとは思っていたが…まさかこれほど早いとはな」

桂「銀時、お前に高杉を止める責任があるというなら俺にもある…」

桂「馬鹿な友を一人で行かせるわけにはいかんからな」

銀時「…テメーにだけは馬鹿って言われたくねーよ」

 

 

 

美琴「みんな、準備は出来た?」

黒子「私はいつでも…」

神楽「こっちも酢昆布で充電完了したアル!」

新八「安上がりでスゴいエコだよね、それ」

銀時「テメーら便所は行ったか?これからしばらく行けないから今のうちしとけ」

佐天「いや銀さん、ピクニックじゃないんだから」

銀時「そういうこと言ってる奴が途中でしたくなってバスを止めることになんだよ」

美琴「………」

銀時「ああ…一つ言い忘れてたわ」

黒子「?」

銀時「ありがとよテメーら、こんな馬鹿に手ェ貸してくれてよ」

新八「何言ってんですか今更…これくらいいつものことですよ」

銀時「いいかテメーら、コイツだけは守れよ…テメーらは絶対に死ぬな」

美琴「……アンタもね」

銀時「ああ……」

 

 

---
 

ターミナル近辺

山崎「…………」

山崎(あー…ヤバいヤバい!帰りたい、スゴい帰りたい!)

山崎(何で宇宙海賊が攻めてきたのに警護なんかしなきゃならないんだよ!)

山崎(誰もこんな所にわざわざ来るわけないって!もう逃げていい?逃げていい?)

花野アナ「こちら、ターミナル近辺では依然として緊迫した状況が続いて……」

山崎(逃げたいのに…テレビがあるんじゃ悪いカッコは出来ないよなァ……)

 

 

ブロロロロ

 

山崎「何かが近づいてくる?占拠されたターミナルに来るなんてどこの野次馬……」

桂「乗せてよねえ!戦う前に体力無くなるから!バイクに合わせて走んの大変だから!」

銀時「ダメだって、無理やり四人乗ってんだからこれ以上は乗れねーよ」

佐天「な、何かすみません……」

桂「あ、どうも初めまして桂です」

銀時「つーわけでお前はもっと走れ、な?」

桂「じゃあ定春くんの方でもいいから!背中に乗っけてくれればいいから!」

 

山崎「だ、旦那!?」

美琴「ちょ、ちょっと!人がいるんだからもう少しスピード落とさないとぶつかるわよ!」

銀時「どけェェェ!ぶつかったら俺が免停になっちまうぞコルァァァ!」

山崎「いや気にするのそっちィィィ!?」

神楽「このまま行くネ定春!最悪踏み潰しても何の問題もないアル」

山崎「いやあるからね!どこから見ても問題しかないからね!?」

桂「お互いに大変だな!」ダダダダッ

山崎「何で桂までェェェェ!?」

 

 

 

花野アナ「あ、待ってください!真撰組の警護を突破して何かがターミナルに…」

花野アナ「カメラさん見えますか!アレは…犬?…眼鏡を掛けた少年?」

花野アナ「いえ…何人かの少女の姿も見えます!あのうざったいロン毛もどこかで…」

花野アナ「それに加えて…ぎ、銀髪の侍!?彼らは一体何者なんでしょうか!」

 

 

 

 

銀時「いやー入れたはいれた、やってみるモンだなオイ」

美琴「アンタ馬鹿じゃないの!?もし本当に人を轢いたらどうするのよ!」

銀時「大丈夫だって、山崎ぐらいのヤツならちょっとはねても翌週には治ってるから」

美琴「いや翌週には治ってるってなに?魔法でも使えるの?」

佐天「白井さんのテレポートを使えばもっと上手く入れたんじゃ……」

銀時「まままま、最初はこのくらい景気が良いほうがやりやすいから、なぁヅラ」

桂「ヅラじゃ…ぜぇぜぇ……ない、かつ…げほっえほっ……」

美琴「ねえ、この人戦う前から疲れて死にそうだけど大丈夫なの?」

黒子「……馬鹿をやってる場合ではございませんわよお姉さま」

美琴「?」

春雨兵士A「へっへっへ、まさか本当に乗り込んで来る奴がいるとは驚きだァ」

春雨兵士B「桂に銀髪の侍…欲しい首が二つとも並んでるな」

美琴「……私たちが来るってことは最初から読まれてたみたいね」

銀時「おーおー、派手な歓迎パーチーじゃねーか」

佐天「こ、これが天人…ホントに人じゃないんだ……!」

黒子「怖がっている場合ではありませんわ…ここからは本当の戦いですの」

美琴「一度に出てきてくれるならかえって都合がいいわ…コイツらは私がやる」

佐天「み、御坂さん!?」

美琴「先に行ってて、すぐに追いつくから」

銀時「……一人でやれんのか?」

美琴「これでも学園都市の第三位よ、心配要らないわ」

美琴「数が多いなら話は簡単よ…全員、まとめて吹き飛ばす!」

銀時「……さすがネギ先生、長年マガジンを支えてるだけのことはあるなオイ」

桂「馬鹿か貴様は、彼女はサンデーを支える絶対可憐チル○レンのダブルフェイスだろう!」

美琴「どっちも違うから」

神楽「オイ待てヨ、これじゃお前だけが格好良くて何かずっけーアル」

美琴「え?」

神楽「私も残るネ、銀ちゃん達は先に行くヨロシ」

美琴「あの…ホントに私一人で大丈夫だから」

神楽「何だコルァ、私にも良いカッコさせろヨォォ!ヒロインは私アル!」

神楽「お前たちは基本、ヒロインにはなれないという枷が有ることを忘れるなヨ」

新八「神楽ちゃん、そこまで露骨に他人を蹴落とすヒロインなんて聞いたことないんだけど」

美琴「…………」

銀時「ま、そういうわけだな」

美琴「どういうわけよ…はぁ、何だか気が抜けちゃったじゃない」

佐天「気をつけてくださいね…御坂さん」

美琴「……うん、初春さんをよろしくね」

新八「神楽ちゃんも…」

神楽「お前もメガネだけは守り抜けヨ新八、でなきゃダメガネがただのダメになるネ」

銀時「……必ず追い付いて来いよテメーら」

 

 

 

---

 

 

新八「神楽ちゃん…あんな言い方してたけど……」

佐天「きっと…御坂さんのことが心配だったんですよね…」

銀時「いーやどうだかな、アイツなら本気でヒロインの座とか気にしててもおかしかねーぞ」

桂「…………」

銀時「どうしたよヅラ、ヅラがずれたか?」

桂「ヅラじゃない桂だ、いや…少し気になることがあってな」

佐天「気になること?」

桂「出て来るときにコタツを消し忘れたかもしれん」

銀時「もうお前の頭の電源を切ってやろうか」

 

ドドンッ!

 

銀時「!」

キキィン!

新八「い、今の銃撃は……!」

また子「今の早撃ちを防ぐとは…さすがは白夜叉っスね」

黒子「また新手が…!」

佐天「待ってください、一人じゃありませんよ!」

武市「私はこんな戦いより本当はアグネスと戦わなきゃいけないんですけどねェ」

また子「何時までフェミニストやってんスか!」

武市「フェミニストじゃありません、ロリコンで…あ、間違った、フェミニストでいいんだ」

桂「………」

桂(小手先の戦いではなく遥か先に目を向けているとは…敵ながらあっぱれだ)

新八「この二人は僕が止めます…銀さんたちは先に行ってください」

銀時「馬鹿言うなぱっつぁん、お前一人でこの二人相手にすんのは流石に無理だ」

新八「時間がありません…僕なら大丈夫です、必ず勝ちますから」

銀時「………」

銀時(剣なら勝負になるかもしれねーが…飛び道具使うアイツにゃ分が悪いか)

銀時(ただ…この後のことも考えりゃここで足止めを喰らっちまうのも……)

また子「ゴチャゴチャ考えてる暇はないっスよ!」

ドンッ!

銀時「くっ!」キィン

また子「まだまだ…あたしの早撃ちは簡単に防ぎきれるモンじゃ…」

ヒュン!

また子「うあっ!?」

また子(な、何かが飛んで……!)

また子「これは…クナイ??」

月詠「……ここはわっちが引き受けた」

新八「つ、月詠さん!」

佐天(お団子屋さんで会った人だ……!)

銀時「……何でテメーがこんな所にいやがるんですか?」

月詠「何のことはない、テレビに見慣れた焼け野原が映っていたのでな」

銀時「焼け野原って俺の頭のこと言ってんじゃねーだろうな」

月詠「ああすまん、ひじきの間違いじゃったか」

銀時「焼け野原からほとんど変わってねーじゃねーかァァ!どっちかと言えばワカメが良い!」

また子「………」

また子(何なんスかこの夫婦漫才)

 

月詠「ほれ、馬鹿をやってないでさっさと行きなんし」

月詠「事情はよく分からぬがぬしらのことじゃ…何か護りたいものがあるのじゃろう?」

銀時「お前……」

月詠「心配はいらん、わっちとて百華の頭じゃ、足を引っ張りはせん」

新八「……行ってください銀さん、この二人は僕たちで止めます」

佐天「ぎ、銀さん…!」

銀時「……行くぞ、テメーら」

月詠「銀時…ちょっとだけ待ちなんし」

銀時「?」

月詠「最近、なかなかに上等な酒が手に入ってな…後でぬしに酌でもしてやるわ」

銀時「ふざけんな馬鹿、テメーに酒なんざ持たせたらどうなるか分かったもんじゃねーよ」

月詠「わっちは主が来るのを待つ、必ず戻って飲みに来なんし…約束じゃ、銀時」

銀時「……テメーにゃオロナミンCしか飲ませねェからな」

桂「銀時、良かったのか?」

銀時「あん?」

桂「リーダーや新八くんが気掛かりで剣に迷いが出るのではないか?」

銀時「心配なんざしちゃいねーよ、神楽はもとより新八も一人前だ、ツッコミは」

桂「なるほど…ならば問題ないな」

佐天「御坂さん……」

黒子「お姉さまでしたら心配無用ですの…心配には及びませんわ」

銀時「何にしても…今の俺たちはアイツら信じて前に進むことだけよ」

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最終更新:2010年12月15日 21:27
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