上条「なんだこのカード」 > Season2 > 01


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(…ま、とうま、当麻。おきてください)

光が強い。だがさっきまで自分の見ていたのとは異なる光が彼の周りにあるのを感じる

体勢は、あの椅子に座っていたのとほとんど変わらない。だが、手足の自由は利くようだ

恐る恐る目を開く

20~30代の制服を着た女性がこちらを覗いていた

CA 「御目覚めですか、おはようございます。御食事の時間ですよ?」

目の前に鶏肉と魚のメニューが提示されていた

上条「…っ、あう?」

状況が良く飲み込めない。おかしな声をあげてしまう

隣の男がクスリと笑った

上条「鶏肉でお願いします」

口が勝手に動いた。気を利かせてくれたらしい

Sure.という声と共に、料理を乗せたプレートが目の前に置かれた

上条(ありがとさん。助かったよ。でもってここは飛行機内、か)

(そのようですね。スイス行きの飛行機の様です。時間的には、私とあなたが会う前だったはずですが)

上条(強引に時間軸を変化可能にして来たんだろ?こういうことがあってもおかしくは無いんじゃ?)

(まぁ、私という存在の物理的な大本はとても軽微な物ですからね。誤差と言えば誤差の範囲なのかもしれませんし、無意識的に自己防衛が働いて、あなたを使って自分の存在が消えるのを防いだのかもしれません)

上条(どっちにしても助かるよ。俺だけじゃ、いろいろと不都合があるからな)

周囲を見回す。どうやら本当に行きのスイスのようだ。若干座っていた席が異なりビジネスシートに座って居るが、誤差なのだろうか

視線を感じた。些細なレベルだが、かなり自然な方法と頻度でこちらを窺っている奴がいる

(あれは、いわゆる監視ですね。都市側にはこの脱出は気付かれていないはずですから、CIAの者でしょう)

上条(断定はできないが、そうなんだろうな。前は全く気が付かなかったなぁ)

(あなた単体でも、ある程度はエージェントとして育てられているはずですが、気が付かなかったということはあちらが相当レベルの高い人なんでしょう)

上条(ほっほ。ちょっと、挨拶でもしようか)

席を立って、座席の後方にあるトイレへ入り、チャンスを待つ

程なく、機内が乱気流に突入したようで揺れ始めた

トイレから出て、寝ぼけて席を忘れましたという雰囲気を出しながら、その人物へと近づく

50cmのところでちょうど、強い揺れが機内を震わせた

上条「うおっと、スミマセー、ン?!」

あえてカタコトの英語を使って倒れこむ。だが、思いの外揺れが強く、狙いが大きくそれた

?「あら、積極的ね。大丈夫?えっと、あなたh」

空中を漂う普通の人間には、軌道を修正することなど出来ない。そのまま、豊満な胸を持つ女性に飛び込んでしまった

上条がどうみても白人には見えない為か、日本語で声をかけられた

上条「だ、大丈夫です。ごめんなさいぃ!」

と言って、ろくに顔を見ず、逃げるように去った

(こっちを見ていたのは隣の男性でしたよね?)

少し強い口調の言葉が脳内に響く

上条(…まぎれもない事故です。事故なんですったら!ああ、神はどうしてこう、いらん世話を焼いてくれるんだ?!)

(どうですかねー。狙ったようにも見えますがねー。まぁ、目的は果たせましたし、良しとしましょう)

先程には無かったふくらみが腰のポケットにあった。標的だった男の足元の鞄に挟まった手帳を抜いておいたのだ

上条(これが本当に使えるものなのかわからないけどな)

(いやむしろ、平時のあなたを監視している連中にとってすれば女性にダイブするくらいが自然に映るかもしれません)

上条(ああ、まだその話引っ張るのね。しかもなんだか変な尾ひれがついてるし)

(だって、それ、ここで読むわけにはいかないでしょう。機内に居る限り、動ける範囲はもうない訳ですから、あなたを弄るぐらいしかやることがありませんよ)

上条(ということは、今から残り7時間ずっとあなた様に弄られるづけるわけですね。ええ、わかりますとも)

(観念してください。だいたいあなたは唯でさえフラグ体質なのになんでこう偶然と女性に近づこうとするんですいつか言いましたが007だって作中は殆ど同じ女性しか見ていないのですよそれをあな)

永遠に続くようなクレームが上条の頭脳を駆け巡る。つまらない授業のように右から左へ聞き流すことも許されない状況に、久々のフレーズをつぶやいた

「…不幸だぁ」

 

 

 

 

暗い、暗い部屋

だが、完全な黒ではない。カーテンの隙間から、外の証明の光が時折入ってくる

寝なれたソファから身を起こし、室内を確認する

一方(今日はこっちに泊まったンだったかなァ…?)

周りに起きているような気配は無い。皆寝静まっているのだろう

どうにも目が冴えていて、寝なおす気にもならない

どうせなら人目につかない暗いうちにこの部屋から出てしまおうと、立ち上がる

その時、大きく違和感を感じた。強引な何かの力によって記憶が押さえつけられているような、そんな感覚

言葉にしがたい感覚に、言いようの無い感情を持ちつつも玄関のほうへ歩む

?「もう帰っちゃうの?ってミサカはm…ハファ」

眠そうに目を擦りながら、少女が玄関付近に立つ男に話しかける

気づかれちまったか、と内心いつつ、振り返る

一方「なんだかんだでお尋ね者だからなァ、俺は。お前は、前みたいに寝小便垂れる前にとっととトイレで用足して寝ておけ」

謂れの無い言葉を聴き、すっと目が覚める

打ち止め「あれ?ミサカそんなことしたっけ?そんなに私子供じゃないよってミサカはミサカは憤慨してみたり」

一方「あァ?そうだったか。まァ、ンなことはどうでも良いからおこちゃまは寝ろ」

とにかく部屋を出ようとする一方通行に、少女が目覚めきらない足でフラフラと進む

打ち止め「…しばらく会えないかもしれないしね」

そういって少女が、一方通行のか弱い腰に抱
きついた

彼女のこの手のスキンシップは今に始まったことではない

だが、一方通行は、なにか生暖かいものが目に溜まっていくのを感じた

無意識に打ち止めを強く抱きしめる

普段とは異なった反応に驚き、一方通行の顔を覗き込むと、普段の彼は決して見せないような表情を浮かべていた

打ち止め「どうしたの?って聞いてみる」

話しかけられて、我に返って打ち止めを両手で引き離した

顔を見られた恥ずかしさと、何より自分自身への不明が彼の中に高まっていく

一方「…なンでもねェよ。じゃァな」

振り返って玄関を出た。跡に残された少女はしばらく唖然としていたが、尿意と睡魔に負けて玄関からトイレへと進む

男のほうは、玄関にもたれかかり、ひとまず高ぶった感情を抑えるに勤める

数秒たって落ち着いた

一方(畜生、何だってンだ。なンで涙が出てきやがった)

一方(何か重要なことを、消し去りたいことを、忘れてるような気がしやがる)

一方(あいつがお漏らしをしたなんて記憶は無ェ。じゃあなンであンな言葉が自然に出た?前って何時だ?)

一方(何も思い出せねェ。何かが邪魔を、妨害をしてやがンのか?)

必死に脳内を巡る

出てくる情報は無い。ただ、あの男に殴られた場所が何かを主張しているかのようだった


その場所に手を当てて、考える

一方(…三下か)

理由はわからないが、何かが、何かに抵抗しながらヒントを表している

彼を苛々させるものによって、彼には一つやるべきことが増えた

 

 

 

土御門「スースースー。まい、かー。スー…!?」

至福の夢タイムを、なにかの衝撃によって邪魔される

何かの術中にはまったような感覚が土御門の体を駆け抜けたのだ

上条の居場所を追う為に発動した術の代償はすでにある程度回復し、多少の痺れは残るものの、意識を取り戻してしまった土御門は立ち上がった

土御門(この感覚は、なんだ?自分の存在が、置き換えられたような)

何が起きたのか確認しなければ。

だが、回復しきってすらいないのに、すぐに術を使うのには抵抗があった。しかしながら最低限、自分の身は自分で守らなければならない

たとえ今のが自分へ向けた術でなくともそうであっても、それを怠るわけにはいかない

体が切り裂かれる中で、自分について解析をかける

結果は、白。少なくとも彼が知る限りの術や能力による影響では無いとわかる

だが、違和感は確かに感じた。探索するということが得意な術士であることで、鍛えられた勘ともいえる感覚によるものなのかもしれない

結果だけ見れば無駄骨だったのかもしれない。しかし上条に加え、考えなくてはならない要素が増えたのは確かだ

土御門(なんて絶妙なタイミングなんだ。まさかまた上条絡みか?)

時勢は確かに合っているが、それ以外に彼を指し示すことも無い

土御門(まだ断定は出来ないな。少なくとも、他の人間の意見を聞かない限りは。この手の、こと、に、詳し、いのh…)

そこで、彼の意識は途絶えた

本来ならば朝まで休み続ける必要があったのを圧してさらに術を使ったのだ。無理も無いことだった


 

 

スイスチューリッヒ空港

上条(二度目になるとなんだか懐かしさすら感じるな)

たった二週間前にも訪れたのだが、ずいぶん久しぶりのことのように彼には感じた

修学旅行先に大人になってから訪れるとこういう感覚になるのだろう

いやな面をした税関の顔すら彼にとっては心地よく感じ、とても愛想のいいドイツ語で応対をした

道は分かっている。監視を撒くため、人波へずかずかと入っていった

当然監視の男が離れないようについてくるが、外国人に比べ背の低い上条を見つけるのは難しい

しかも、彼の持つ情報では上条はここへ来るのは初めてということになっている

今の上条の行動はその情報からは全く考えられないものだった

結局、彼は完全に上条を見失ってしまう。現場にいる彼の仲間たちも同様だった

一方で上条はやたら背の高い男の集団に紛れて、手に入れたブツへ目を通す

それは、一般的なビジネスマンとしての手帳そのものであった

(ま、解放が分かってる数学の問題みたいなものですよ。何しろ身内ですからね。各月の予定の書いてあるページを順にめくってください)

指示通りにページをめくる

(各月の一番最初の予定に注目してください。その最初の単語の先頭部分のアルファベッドまたは数字を並べれば何か言葉が浮き出るはずです)

浮かび上がったのは、何かの名詞と数字

(これは住所、みたいですね。行ってみない事には何があるか分かりませんが)

上条(そうだな。今回は、先にそっちへ行ってみるか)

 

 

少し朝早いが、電話をしている少女が合った

御坂「へぇ、スイスにね」

美鈴『そうよ~。たまにはこっちから会いに行ってあげようってことだったんだけどね。さっき電話で会えるのが一日遅れちゃうって言われちゃった』

あくまで自然に残念そうな声を出しているが、娘にとってはそれが逆に不自然なことを見抜いている

御坂「ふーん。そりゃ、残念ね。…それで、本題は何なのよ?」

美鈴『あら、分かっちゃった?』

御坂「いっつもそんなことで電話してこないでしょ?それにこんな朝早い時点でダウトよ」

美鈴『鋭すぎる女の子って、可愛げが無いわよ~』

御坂「親子で可愛げとかどうでもいいわ!で、何なのよ?」

美鈴『えっとね、行きの飛行機で当麻君に会ったわ』

予期せぬ母の発言に、言葉が詰まる

御坂「…え、見間違いじゃないの?」

美鈴『それは無いわね。私の胸に飛び込んできたんだから、間違いないわよ』

胸、に、飛び込んだ?私の母親の胸に?私とは似ても似つかないサイズの胸に?

御坂の頭の中で母の言葉が回る

御坂「ちょ、ちょっとどういうことよ?!なんでアイツが巨乳に?じゃなくてスイスなんかに?!」

娘のあわてた声が聞けて、電話の目標が達成できたと拳を上げる

美鈴『取り乱しちゃって、分かりやすいわね。勿論理由は分からないわ。その上、向こうは私に気づいてなかったみたいだったなぁ。直ぐに逃げられちゃったもの。やっぱりアイマスク代わりのサングラスが悪かったのかしら』

最早、返答など耳には入らなかった。彼女の頭にあるのは嫉妬から来る怒りである

御坂「ともかく、アイツがいたのは事実なのね?!胸へ飛びついたことも!」

若干言葉のニュアンスが悪化していることに少女の母親は気がついていたが、面白いので無視である

美鈴『そうよ。良かったじゃない話題が出来て。それにしても意外だったわ~。かなり流暢なドイツ語を使ってたし、見知った場所みたいだったもの。空港であっという間に見えなくなっちゃった』

御坂「ド、ドイツ語?アイツにそんな学があったかな」

美鈴『人は何かしら隠れた一面があるものよ。あ、電車来たから切るねー。学校がんばってねー、って今日は休みか。バイバーイ』

御坂「待ちなさい!待って!ちょっと!あーっ!」

切れた。なんともすっきりしないもやもやが残る

大声によって起こされた同室の少女が、ブツブツ言っている先輩を寝ぼけ眼で見つめているが、本人は気にしない

御坂(アイツにあったら事の詳細を聞き出してやる…!)

しばらく百面相をしていたが、こういう意思が彼女の中でまとまった

御坂「黒子!」

とりあえず顔でも洗ってこようとしていた少女を強く呼ぶ

白井「な、何ですの?」

御坂「今日初春さんを呼び出してくれる?」

白井「え、えらく急ですわね。多分何とかなるとは思いますけど…」

御坂「じゃあお願い!頼んだわよ!」アイツメナニヒトノハハオヤニ…

また勝手にブツブツタイムへ突入したようだ。少女にとってはいい迷惑である

白井(当麻さんのことになると、大変ですわね)

そう思いながら、ため息をついた

 

 

(ここですね)

目の前にある建物は、隣接するほかの建物となんら特徴的な変化は無い

上条(さって、どうやって入ろうか)

(正面からでいいのでは?今の状況なら、別に捕って食われるというわけでもないでしょうし)

うなずいて、扉を開いた

入って直ぐ左手に管理人の小部屋があり、入ってきた上条を睨む

これがCIAの関係者なのか、ただの建物の管理人なのかはわからない

管理人「…日本人か?」

短い言葉で質問される。黙ってうなずく

管理人「あいつは上の奥の部屋だ。何の用事か知らんが、厄介ごとと器物破損は簡便だぞ」

親指を立てて階段を指し示す

言われた部屋の扉を開くと、一人の中年の男が窓の外を見ながら立っていた

刀夜「まさか、お前が来るとはな、当麻」

上条「父さん…?!」

振り返ったその人は間違いなく、父、上条刀夜その人だった

刀夜「この場所を突き止めるとは、やるじゃないか」

上条に近づき、軽く肩を叩いた。その行為からは悪意を感じ取れない

(DNA情報、解析完了。間違いなく、あなたの父親です)

上条(なんでこんな場所に父さんが?CIAの人間だったのか?)

(どうでしょう。心苦しいですが、あなたを騙しているのかもしれません。あなたの記憶にあった刀夜氏の情報どおりの人間である可能性もまだ十分に有り得ますが)

上条「ある組織の一員の手帳を辿ったら、父さんがいた。一体何者なんだよ?たまたま、ここにいただけなのか?」

興奮した息子を見て、微笑を浮かべながら、息を吐いた

刀夜「過程がいろいろあったとはいえ、お前をそうさせたのは私が原因だ。だとすると、関りが無いはずもないだろ?」

刀夜「過ぎてしまったことだ。私には許してくれとしか言えない。でも、こうして無事に顔を合わせることが出来るんだ。それで許してはくれないか?」

父の言葉は伝わるが、どうも腑に落ちない。何かを隠しているのか、言わずにおきたいのか、自分を試しているのか。そんな印象が残る

上条「待て、話を摩り替えないで欲しい。今俺が聞きたいのはなんで父さんがここにいるのかってことだよ」

男は目をつぶり、間を置いた。口元は少し緩んでいる

刀夜「いいか当麻、一度しか言わないからよく聞けよ。”銀貨30枚”だ」

脈絡の無い言葉に返答が出来ない

刀夜「いつか意味が分かる時が来る。とりあえず今はここを去るんだ。本来私が会う予定だった人間が来るからな」

今一、どういう立場なのか判別が出来ない。しかし、ここにいては邪魔になるのだろう

上条「…わかった」

父親から背を向けて、部屋の扉へ向かう

チラと後ろへ一瞥すると、父は手を上げて一言喋った

刀夜「当麻。お前はお前の考えに従うんだ」

うん、と、うなずいて彼は部屋を後にした

 


土御門「せっかくの休日だけど、お仕事だにゃー」

海原「休日、とは言っても学生生活との両立をやってるのはあなただけですからね」

結標「なんかニートみたいな言い方ね。勘弁してほしいわ」

一方「ンなことはどうでもいいだろ。とっとと内容話せよ」

土御門「ノリが悪いぜ一方通行。まぁ、要約すると理事会のメンバーに裏切り者がいるんだとよ。そいつの削除だにゃー」

眼鏡を付けた紳士の写真を土御門が示した

一方「ケッ。湿気たオヤジ一人殺すぐらい、わざわざ俺たちが動く必要があンのかよ」

結標「まぁ、文句を言っても始まらないし。さっさと終わらせましょ」

土御門「その通りだな。標的は今日の14時から第3学区で外部の人間と会合があるんだが、その場を狙って行う予定ぜよ」

海原「というと、わざわざ外部の人間がいるところで殺せということですか?」

土御門「ああ。恐らく、その相手も裏切りに関与してるんだろう。一種の脅しだな。だが、他の無関係な人間には見つかるなとも言われてる」

一方「変な条件付けてきやがって。わざわざ俺等ンとこまで来るわけだ」

土御門「ある程度の護衛は予測される。だが障害になり得るほどじゃないはずだ」

言い切って、土御門がその場の人間を見渡す。これだけ話せば、大体の方法は全員共有できているであろう

その証拠に、特に何か喋りだす者もいない

一方「了解だ。だったら、時間まで一旦解散って事でいいか?」

海原「何か用事でも?」

一方「ああ、ちょっと調べ物をなァ」

土御門「了解。俺も少し休みたいところだったからにゃー」

結標「じゃあ、時間になるまでさよならね」

土御門はそのままソファで睡眠をはじめ、海原は写真を眺めている

結標と一方通行は部屋から出て行き、建物から出たところで別れた。

 

 

休日の大通りは人でごった返す。先に進み難いと思いながら、白髪の男は第一学区へ足を向ける

?「一方通行ではありませんか」

ふと、後ろから声が聞こえた

一方「妹達か。なンだ?迷子にでもなったかァ?」

10032「打ち止めなら分かりませんが、少なくとも私は自分の町で迷子になるようなことはありません。ただの挨拶です。とミサカは主張します」

一方「そうかよ。あァ、そういえば三下がどこにいるかとか分かるか?」

10032「今から調べ上げることは出来ますが、今のところどこにいるのかは知りません。あの人に何か用でも?もしやロリから男色へh」

一方「違ェ!ちょいと聞きたいことがあるだけだ」

信号が赤になった

10032「…残念ながら、ここにいる他の妹達も知らないようですね。ああ、そういえば」

口元へ指を置き、宙を見ている。随分と仕草が自然になったものだ

10032「昨日、あの人が21学区へ向かうのを見ていますね」

一方「21学区だァ?天文台で星を観察するような洒落た趣味でもあるのか?」

10032「いえ、午前中のことでしたから、それは無いでしょう。私達も理由は分かりません」

一方「そォかい。ンま、情報ありがとよ」

10032「助けになったのなら幸いです。では、私はこっちなので」

信号を渡りきり、逆方向へ歩みを進める

10032「あ、そういえば打ち止めが会いたがっていました。あなたがなんだか面白い顔をしていたそうで」

先日のことを思い出し、顔が染まる

一方「う、うるせェよ!そっちなんだろ早く行け!」

ニヤリと笑みを浮かべて、ではとミサカは(ry、と言って去っていった

一方(21学区。ダムにでも用があったってか?今から行ったら集合時間に間に合わねェな)

警備も設備も厳しい第1学区で活動するのは骨が折れるが、人気の少ないところであれば気にせず動くことが出来る。楽なところに可能性があるならそっちを優先したい

手ごろなデバイスで試してみたが、生徒個人の場所を特定するのは厳しい。例の高性能衛星が壊れていなければそんなことは無かっただろうが、今は無いのだ

時間という制約が鬱陶しく、また上条を探す理由もよく分かっていないので今から第一学区へおもむく気にはならない。中途半端に時間が余ってしまった

戻ろうかと思い始めていたとき、青い髪をした人が彼を抜かしていく

なぜか反射的に体に力が入り、自分を中心とする突風を起こしてしまった

周囲の人は急な突風でスカートを抑えたり、何が起きたのかと回りを見渡したりしている

当然、通り過ぎた青い髪の人間も振り返る

その人は女性だった。その顔を見たとき、強張っていた体から力が抜けるのを感じた

一方(俺は何でこンなことを…?)

考えていると、周囲から嫌に視線を感じる。その多くは女性のもので、スカートを履いていた

「アイツです!能力を使ってセクハラしたのは!」

声のそばには風紀委員という文字がプリントされた腕章を持つ人が立っていた

状況を理解して、彼は全力で逃げた

 

 

体験の中では一度来たことのある銀行へたどり着いた

時間は少し前と違うが、同じようにして扉をくぐる

受付で前回と同様の対応を受けて、ドイツ語を使ってスムーズに個室へ通される

用意されていたものも、見た目に変化は無い

上条「ちょっと、席をはずしてくれますか?」

「かしこまりました。用が済み次第、声をかけて下さい」

担当の人間が部屋を出たのを確認して、封筒を開ける

中に入っていた書類もそのままだった

(この辺の書類は全部記憶されていますし、焼却処分にでもしましょうか)

書類を一応一瞥し、封筒へ戻す

問題は、上条用にあてがわれた能力拡大装置である

上条(仕様書に変化は見られなかった。ということは、これの中には…)

(まず間違いなく、私が入っているでしょうね)

上条(どうするんだよ、コレ)

(捨てたりとかは、してあげないでくださいね。”私”はずっとあなたを待っていたわけですから)

上条(わかってるさ。でも、俺以外に使えるかどうかも分からない代物だ。持ってて失くしたり壊れたりしたらどうすんだ?)

(簡単ですよ。今ここで使えばいいんです。さあ)

左手が勝手に動き、万年筆を持ち上げる

上条(えっと、問題無いんだよな?)

(大丈夫ですよ。エラーが起きそうになれば私が抑えますし)

二重底から、フィルムが挟まった板を取り出した

一息置いて、使う。前回と同様に、舌の上で溶け広がっていく
(構築活動開始を確認。左脳部の対称にあたる右脳の部分へ向かうよう指示。基盤部の設置開始を確認、既存微小機械に補助指令。理論効率35%上昇、実測値31%上昇。構築完了時間上方修正、残り2分)

視界の片隅で数字と文字が次々とあわられ、スクロールしていく

上条(実際、頭の中で機械が動き回って何かを設置しているってのは、感覚は無いのに気持ちが悪いというか落ち着かないというか、奇妙だな)

(寄生虫に寄生されるようなものですからね。分からないでもないです)

上条(前は知らないうちに出来てたからなぁ。お、)

Finishedの文字が表示される

(設置完了。システムの起動を確認。おはよう、私)

(おはようございます。構築の手助け、感謝します。スタートアップの読み込みを開始します。読み込み完了。同期、開始)

左右で同じ声が喋りだした。これはもう混乱するしかない

上条(モノラルからステレオへ、時代が進化しましたなぁ。って、これじゃどっちがどっちかわかんねぇよ!)

((私達はもともと同じものです。既存のデータを読み込んだことで、差異はありません))

(しかし、やることが出来る幅が広がりました。演算速度・領域ともに平均して80%の向上です)

(ほとんどチートの領域と言って良いでしょう。安全率も広く取ってありますから、終極最大上限値は単独のときと比べて245%)

上条(こいつは大した進歩だな。ま、無事成功してよかったと言う事で、まずはこの後について考えようぜ)

ステレオで喋るが、話し方も同じなので、今までとの仕様の変化を感じない

(前回は宿へ行き、そこで接触がありましたね)

(状況から判断すると、そこで命令されることは変わらないと思われます)

上条(となると、接触を避け続ければ第二位の拉致命令を受けることはなくなるよな)

(でしょうね。しかし、あなたがしなくなるだけで他の人間が変わりに同じ事をするだけになる可能性もあります)
上条(第二位を倒して拉致することが出来る人間なんてそんなにいないだろ)

(一対一なら、あなた以外にいないとは思います。しかし高レベルの罠に嵌ってしまうと第二位といえど)

(恐らくあなたが禁書を捨ててでも拒否した、または敗れた場合にはそのような計画に移行するようになっていたと思います)

((つまり、結局第二位は間違いなく襲われる構図となっていると考えられます))

上条(ということは、それを隠す為に行われた可能性のあるスキルアウト蜂起がまた起きるかも知れないってことか!)

(私達の明日は丸々移動日で消え、明後日には蜂起が起きる算段です。すでに武器は入っていることでしょう)

(予想通りの動きをしていたとすると、実質、蜂起を防ぐ為の時間は私達にはありません)

上条「クソ!どうしようもないってのか!」

声が室内に響き、拳を机に叩きつける

(一日早く、帰る方法ならありますよ)

上条(なんだって?!)

(さっきまでは出来なかったことです。ですが、私が私達になったことで可能になりました)

方法を上条の視界に表示する

上条(オイオイ。こいつは随分無茶苦茶な方法だよな)

(時間が無いのでしょう?やるしかありませんよ)

苦々しい表情を浮かべたが、両手で顔を二・三度叩いて決意を固める。扉を開けて部屋を出た

そばで控えていた担当の女性が寄ってくる。そこへ声をかける

上条「ここの口座の金を300万ドル分、この口座へ移してください」

「分かりました」

挨拶をしようとした上条の口と手が、勝手に動いた

上条(ちょ、一体何をしてるんだ?)

(私達は少し先の未来を知っているんです。多少の変化があるようですが、コレを利用しない手はありません)

上条(さいですか。何をするつもりか知らないけど、禁書の食費は残しておいてくれよ?)

上条「それでは、また」

そういって銀行から出た

 

 

 

 

純和風の料亭前に、リムジンが止まる。

中から一人の理事が姿を現した。秘書を連れて、建物内に入っていく

海原『標的と外部の人間が接触。そのままエレベーターへ向かっています』

土御門「了解ぜよ。あわきん、奴らの部屋は」

結標『特定済みでカメラもセットしたわ。なぜか落ち込んでるモヤシも側にいるから、いつでもいけるわよ』

土御門「よし。万事順調にゃー。海原はそのまま気づかれないように尾行を頼むぜぃ」

海原『了解です』

一部の狂いも無く、作戦は進行していく

結標「あの時間に何してきたのよ?」

一方「テメェには関係ねえ事だ。気にするな」

結標「だったら、あからさまに機嫌が悪いのが分かるテンションをやめてよね」

ハイハイ、と何度目か分からないやり取りをもう一度繰り返した

結標「ハァ。…あ、そういえば、ちょうど解散してた時間に小学生レベルの変態が現れたんだって」

一方通行の体がピクリと反応したのだが、彼女は気づかないで喋り続ける

結標「そいつ、天下の往来のど真ん中で能力使ってさ、周りにいた女の子のスカートを片っ端から巻き上げたんだって。どんな少年の仕業かと思ったら、どうやら結構な年齢みたいでね」

一方通行の顔がますます曇るのは見えていないようだ

結標「いやー、変態ってのはいるもんなのね。犯人はそこから直ぐに逃げたみたいだけど、ばっちりいろんな人に姿を見られたみたいでさー」

結標「色白で、白と黒のストライプを上に着てたらしいけど。…ってあれ?あなたも白黒ね」

そこで一方通行の非常に苦しそうな表情に気がついた

視線をそらす。好ましくない沈黙が流れた

海原『そちらの部屋に標的が入りました。あとは任せましたよ』

天の助けのような無線が入る

結標「了解!」

返答して、モニターを熱心に見つめる。否、一方通行のほうを見たくなかったのだ

両者が席に着き、秘書が下がる

しばらく挨拶のような会話をし、中庭の風情をひとしきり堪能した後、窓を閉めた

これで外からは完全に見えない。非常に防音性の高い部屋であることはすでに確認している

土御門『よし、話が終わって芸者が来る前に片を付ける。一方通行、頼んだにゃー』

結標がゆっくりと首と目を動かして一方通行のほうを見た

逆にこっちを殺さんとばかりに睨んでいる

何か言おうと口を動かそうとするのを見て、あわてて空間転移させた

広くはない個室の中央の机の上に、口を開いた状態で急に現れたモヤシを見て、標的の理事は一瞬で状況を把握してしまった

 

情けない様で悲鳴を上げつつ、出入り口へ振り向いて一歩を踏み出した

その瞬間、標的の腹を何かが貫通する

手を引き抜き、倒れた標的がピクピクと震えながら血飛沫をあげているのを確認して、振り返る

机の対面にはまだ接触をしていた外部の人間がじっと座っている

一方(なンだこいつまさか座ったまま失神してるのか?)

サングラスを付けた顔からは、目元の表情が見取れない

脅しをかねて、こんな派手な殺し方をするように言われていたのだが、効果があったのか分からなかった

じっと睨んでいると、両手で机を押さえ、男が立ち上がった

スーツの中から銃を取り出して一方通行へ向ける

一方(フン、俺にそンなものは利かねェっての)

脅しである以上、殺すことは出来ない。逆に殺される可能性も無い以上、そのままスーツの男を睨むだけだった

男が引き金を引いた

銃のスライド部分が吹き飛び、強烈な閃光が放たれる

一方通行自身の反射に加え白を基調とした部屋の中では光が乱反射し、さらに普通の銃だと思っていた為、不意をとられた一方通行はまともに正面が見えない

見えない期間は一瞬だったが、強引に周りを調整して前を向いた時には、すでに目の前の男は消えていた

窓は開いていない。後ろの扉にも鍵がかかっている。いわゆる密室である

一方(クソが、どうやって逃げやがったッ!)

男の血によって半分赤く染まった部屋で、一方通行は一人残された

結標『あのさ、カメラが全然映らないけど、もう回収してもいいかな?』

彼の耳に暢気な声が響き渡った

 

 

 

 

 

上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!」

ロシア上空、1万メートル。-50℃の極寒の空中を、黒い何かが超音速で駆け抜けていく

彼はすでに一時間はこの体勢のままである

原理は熱核ジェットに近い。

ただのパイプに、パイプサイズに穴を開けたゴミ箱をつなげ、それに男上条はまたがっているだけだ

上条が触れている空気中の物質へ反物質を作り出し、対消滅。そのとき得られる莫大な熱エネルギーをパイプの中で解放する

パイプの口からは先に進む際に常に空気が吸入され、パイプ中の熱により膨張

それがゴミ箱側へ高圧で抜けていく。何分機構が単純な為、損失するエネルギーが多いが彼一人を輸送させる手段としては十分だ

通常この移動速度時に生じる摩擦熱はおよそ300℃。周囲の温度が-50℃である為、本来なら差し引いて250℃の熱が上条を焼くことになる

だが、摩擦を生じさせる空気中の物質を分解しつつ進むので空気圧力は下降し、上条らが実際に受けているのは大体40℃程度で、速度による被加衝撃も許容範囲である

40℃という温度も、正面から受ける弱められた風によって体感温度はそこまで高くない

魔法の箒ならぬ科学のゴミ箱と化したゴミ箱とパイプにかかる熱、特に内部で爆発させているエネルギーは上条の異能の力によって発生したものであり、幻想殺しを持ってしてパイプとポリバケツが壊れないように守ってやれば問題はない

本来は物質の対消滅反応だけで演算能力を超えるはずだったが、マルチコアになったCPUがシングルコアのCPUよりもはるかにレベルの高い処理が出来るのと同様に、限りなく同じ意識体による並列処理が可能になったことで、出来る荒業である

上条(この体勢をワタクシは何時まで保てばいいんでしょうか?)

(あと二時間ですね。モンゴルに入れば残りは1時間です)

上条(そうかモンゴルね、モンゴル。って、どっからモンゴルでどこまでロシアかなんてわからねーですよ!?)

(高高度から見れば、国境なんて見えませんからね。なんて感動的な現実なんでしょう)

上条(下には雲が広がってるんだけど?!)

(小さいことは気にしたら負けです。器が知れますよ?)

(あと、空気が薄いんですから、無駄に酸素を消耗するようなマネはしない方がいいかと)

上条(落ち着こうとしたら逆に意識が途切れそうなんですけど)

(いざとなったら、痛覚に直接刺激を与えてでも起こしますから安心してください。それでは快適な空の旅を)

上条(同じフレーズを出発する前にも聞きましたから!その上今まで快適さなんて1㍉も感じられなかったんだぜ!)

 

 

 

 

神裂「上条当麻が欧州へきている可能性がある、ですか」

ステイル「ああ。土御門からの情報だ。どうやったのか分からないけど、独力であの都市を抜けたみたいだよ」

神裂「何の目的で、なのかも分からないのですよね?」

ステ「ああ。君はどう思う?」

神裂「というと?」

ステ「関連性、さ。大陸との海峡上に現れたと謎の図形と飛行物体のね」

神裂「…分かりません。ただ、無関係ということは無いと思います。先の件の判明もまだですから何とも言えませんが」

ステ「まさかせっかくイギリスに呼んだ禁書を持ってかれるとは思わなかったよ」

悔しそうに天井を見上げる。悪魔に引かれる天使の像があった

神裂「未だ結果が出ないということは、彼女の記憶にも、博物館の資料にも該当するものが無いと予測されますが」

ステ「大陸側の魔術だとか言って、騎士の連中が躍起になってるからな。早く解明して欲しかったんだが、君の言うとおりだとすると…厄介だ」

神裂「要因はいくらでもありますからね。本当に大陸の、もしかすると仏国によるものかもしれません。最悪の場合は、何かが原因で起きた大魔術の片鱗の可能性も」

ステ「それじゃ今の僕らに出来るのは、それこそ祈るだけだ。こんな状態じゃ、彼のことは当面捨て置くしかないか」

神裂「最大主教へ報告するか悩むところですね」

ステ「どうせ今頃騎士団長殿を黙らせる方法でも考えてるんだろう。コレに比べたら彼のことなんて比較的些細なことだし、何よりあの女は気に食わない」

そういって、タバコを口に咥えた

神裂「残念ながら禁煙です」

火をつけようとした腕を押さえられた

やれやれと咥えながら言って、逆の手で出した炎で焼き去ってしまう

神裂「もったいないですね。何も焼き捨てる必要ないでしょうに」

ステ「悪い癖だよ。でもこれは日本で買ったやつの残りだから安い。英国のものに比べて半額以下だ。味は好みだし、あの胸糞悪い肺の写真も印刷されてないから、気兼ねなくてね」

消し炭すら残らずに消えたタバコがあった位置を見つめながら、各々で考え事をしていた。

 

 

 

 

 

初春「それで、この人について調べればいいんですよね?」

御坂「お願い。こいつ人の母親にまd、じゃなかった、えと、きゅ、急に連絡が取れなくなったから心配でさ~」

白井の方をチラリと見る。いつものことですわ、本当に隠すつもりがあるのでしょうかね、という顔をしていた

確かに今の御坂からは感情むき出しで、それに動かされているという感じが、ありありと感じとれる

初春「分かりました。じゃあちょっと待っててくださいね」

と言って、カタカタと持ってきた端末を操作していく

白井「そういえば、今日は佐天さんはいらっしゃらないので?」

初春「うーん。なんか第3学区の学校で補修とか言ってましたねー」

モニターを見ながら答えた

初春「えっと、出ました。今ちょうど、すぐ近くの銀行の自動預払機を使ったところですね」

御坂「え、ホントに?!アイツこの都市にまだいるの?!」

まだ、というフレーズが彼女らの頭を掠める

初春「そうですね。特別外出届け等は発行されてませんし。なんなら、映像を出しましょうか?」

先輩の方は強く何度も頷き、その後輩は眉間にシワを寄せて考えていた

了承と見て、映像を探す

しばらく沈黙が場を支配した。御坂はずっと初春の操作を伺い、白井は取り出した携帯端末に目を通している

白井「大事件がおきたみたいですわ。”統括理事の一人、変死体で発見”ですって」

どうやら少し壁にぶつかった様で、初春の手の動きが悪かった。それは御坂にも見て取れる

御坂「物騒ね。変死体ってどんなのよ」

白井「密室となった第3学区の日本料亭の一部屋で腹部に大穴を開けた状態で見つかったとのこと。勿論すでに亡くなっていたそうですわ」

初春「密室ですかー。白井さんみたいに空間移動できる人が普通に存在してたら意味無い現場状況ですよねー」

スムーズに少女の手が滑り出した

御坂「でも空間移動能力者って人数もいないし、この都市じゃ監視体制厳しいんだから、こんな状況だとすでに黒子みたいな能力の人はアリバイ捜査勝手にやってるんでしょうね」

初春「そうみたいですねー。白井さんの個人行動履歴を覗かれた痕跡があります」

白井「個人の行動まで管理してるのは気持ちのいいことではありませんね。嫌悪感を感じますの。私のことはともかく、カメラの映像は?」

初春「大丈夫ですよ。今保存してるところです」

保存が終わったのか、モニターを御坂の方向へ向け、自分も身を乗り出してモニターが見える位置へ動く

初春「えっと、この時間に出金してるんですから、このモニターのこの時間あたりに…」

再生された動画には、上条には似ても似つかない、ヒャッハー!汚物は消毒だァー!という風体の男が映っているだけだった

御坂「え、まさかアイツイメチェンしたの?」

白井「最高に悪趣味ですわね…」

初春「いえ、この人は違いますから。でもおかしいですね。この映像に映っていないはずは無いんですが…」

首をかしげて、もう一度上条の情報を洗い出す

結果は同じだった

逆に、コンビ二で買い物をした記録とカメラ映像が噛合っていないところなど、不可解な点が次々と見つかっていく

白井「右手の事といい、不思議な方だとは思っていたんですが、実は幽霊だったということでしょうか」

御坂「いや、さすがにそれは無いでしょ」

初春「あれぇ?上条さんの情報が閲覧不可になりました」

白井「さすが幽霊ですわね…これは新たな都市伝説になるやもしれません」

御坂「黒子は幽霊ネタから離れなさい。初春さん、見れなくなった原因とか分かるかしら?」

初春「かなり上の権限からのアクセスが記録されてますから、恐らくこれかと思います」

御坂「かなり上って?」

初春「ピングからして、第一学区かなぁってところですね」

白井「お姉さま、そろそろこの辺で止めてはどうでしょう。踏み込みすぎの予感がします」

第一学区と聞いて、半ばふざけていた後輩が静止をかけてきた。確かに危険水域かもしれない

御坂「そうね。ありがとう初春さん。約束通り、好きなもの頼んでいいわよ」

少女の目が輝いた。ここは学舎の園の中にある、高級洋菓子店である

日ごろは味わえない領域の味覚を堪能できると、少女は喜びの色を浮かべてまず一つ目の洋菓子を注文した

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