上条「なんだこのカード」 > Season1 > 11


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第17学区 操車場

 

人気の無いここに、少女を背に乗せた白髪の男が現れた

ずっと背に乗せてきたはずだが、額には汗一つ見えない

常に戦闘体勢にしている彼には女一人運ぶ分には苦労など無いだろう

コンテナを背に座るかのような体勢にして、気を失っている結標を背から下ろす

青髪「いやぁ、時間指定しておけば良かったわ。えっらいまたされたやんかー」

声の元へ振り返ると背の高い青髪の男が銃をこちらに構えて立っていた

白髪が声を出そうと口を開いた瞬間、銃口から何かが発射された

方向は自分では無い―ということを理解したときには、寝ている少女に当っていた

虚を突かれた中で、一瞬で音速域に達する銃弾に反応出来る人間はこの世にはいない

結標の胸元には、液体が入るような特殊な弾頭が刺さっていた

青髪「起きて逃げられても困るから、こうさせてもらった。君ならちょうど戦ってる最中に目を覚ますようにしてるかも知れ へんし」

一方「はン。こっちの考えなんて全部お見通しかよ」

青髪「彼女に打ち込んだのはその辺にある麻酔じゃない。解毒薬を投与しない限り、目は開かん」

一方「なんですかァ?脅迫のつもりかよ」

青髪「誰かさんなら分解できるかもしれへんけどな。でも、あのちっちゃい子だけで保険は十分やろ?」

もともと優しい目で見ていたわけでないが、その表情を険しくさせる

一方「あァそうだ。うちのヤツを泣かせた代償、払ってもらおうかァ!」

微妙に体を浮かせ、青髪に向かって突進した

前回同様、壁を作りその進路を阻む

青髪「それじゃ、前回の復習からやな」

空中の一点に、異常な重力が発生した

周りのコンテナが振動を始め、軽い物は既に中心へ飛ばされる

一方「二度もそれを食らう程俺も馬鹿じゃねェよ!」

引き寄せるエネルギーが無限となるブラックホールが完成するまでの時間ならば、ベクトルによって自分を動かすのは不可能ではない

その間でいつの間にか離れている青髪へ接近する

一方「致命的な弱点が有るからなァ!お前自身がコレに巻き込まれる訳が無いっていうよオオオオォォォォ!」

当然、ブラックホールができたままにしておけば、青髪も巻き込まれてしまう

つまり、敵が吸い込まれたところですぐに能力を止めなくてはならない

その消されるタイミングが位置的に決定されることを一方通行は見抜いていた

勢いを殺さず、加速しながら青髪へ迫る

当然、やすやすと攻撃を避けられるわけにも、加えられるわけにもいかない

見えない壁が現れる。だが、彼には対策済みだ

それが物質で有る限り、どんな重い物でも地球の重力の影響から逃れることはできない

常に下方向へ1G分の重量からなるベクトルがある

それを操作し、方向を変えさえすれば空中に物質が有るのと同様、その方向へ自由落下と同じように動く

その上、移動中に重い壁にぶつかったところで、反作用をあらかじめ反射しておけば、衝撃が一方通行に加わることは無い

青髪を守るべくして現れる壁を左右へ吹き飛ばしながら、青髪との距離を縮める

飛ばされた見えない壁が、かなりの速度で周りのコンテナに当って凹み、砕け、中身が飛び出した

ついに拳が届く範囲に青髪を捉えた

一方「さァァァ!くたばりやがれ!!」

音速移動からの渾身の左ストレート。人間の青髪には避ける術は無いハズだ

拳が完全に青髪の腹に当たった

一方(まァた何かしやがったか…!)

音速を超えた勢いを乗せた拳を食らえば、粉微塵になる事は避けられない

攻撃が当たる瞬間にその部位の質量を限りなく0に近づけ、当たった直後に同部位のすぐ後ろの部位の質量をぐんと増加させたことで、作用による衝撃を受け流したのだ

腹に拳が刺さったまま、青髪の口が動く

青髪「前回の復習としては完璧や」

青髪「壁の対処、ブラックホール精製までの時間と僕が巻き込まれんようにしてるのに目を付けた」

青髪「流石学園都市の誇る第一位と言いたいところだが」

青髪「現に今、僕に致命傷を与えられる好機やったけど、残念やな」

青髪「結局は今までの対処だけしか出来てないってことだ」

一方「何が言いたいんだテメェは」

拳を突きだした姿勢でしばらく居た為、一方通行は腰が浮いていた

そこに強烈な右回し蹴りが放たれる

無論、運動作用を全て反作用に回したが、逆にそれが仇となる

相手が足の質量を増加させたらしく、反射した作用を混ぜた反作用が有る程度また反作用となって一方通行を襲う

体の軽い一方通行にとってこの衝撃は厳しい

一方(最大限体中に衝撃を広げて緩和させたんだが、畜生が)

弱い筋肉が痺れを起こす。強引に神経を整えて直したが、何度も貰うわけにはいかない

青髪「やっぱりこれでも駄目か」

一方「ァ?今度はこっちの番だ!」

痺れは回復し、すでに戦闘再開は可能となる

青髪「やはり、君自信を追い込むのは効率が悪いみたいやな。でも今回はちゃんと準備がある」

そう言って胸のポケットから携帯端末を取り出した

簡単な操作をし、また胸に戻す

その瞬間、一方通行がバランスを失い、その場で崩れた

一方(まさか、野郎…!)

彼への補助演算が途絶えた。この状況で、このことが意味することは

青髪「君が、いつまでもちんたらしてるから、こうなってしまったけど、これで見せてくれるよな」

冷静な顔をした髪の青い男が、少し離れて一方通行をじっと見下ろしていた

 

 

 

赤い非常灯の明りだけが通路をぼんやりと照らす。目の前の扉を潜ると、巨大な空間が広がっていた

部屋の明かりをともすと、巨大な翼を持った物体が有った

絹旗「風洞実験室、のようですね。ここの学区らしく飛行機の開発でもしてたんでしょう」

上条「そうだな。でも地下に飛行機ってなんだかな」

絹旗「研究のためでしょう。まさか持ち出したいとか?」

上条「流石にこんな物を持って帰れとは言わないさ」

絹旗「え、欲しかったんですか?えっと、超無理すれば出来ないことは無いでしょうけど」

上条「いやいや、冗談。でもこれが有るってことは、分析してる部屋が有るはずだ。そこで、ここの情報を集めよう」

絹旗「了解です。ただの航空機開発施設なら、あんな部屋あり得ないですしね」

広い部屋を後にし、解析室を探す。円形のフロアの中心にエレベーターらしき円柱と壁に二つの扉

地上が壊れている時点でエレベーターが使えることは無いと判断し、扉の中を調べる

巨大なモニターが壁一面に広がり、入力装置らしきものが散乱している

絹旗「あちゃー、こりゃあ超駄目ですね。壊されてます」

上条「うーん。絹旗ちゃん、コレをさっきの対能力者装置みたく、表面の板だけとったりできるか?」

絹旗「ちゃん、は恥ずかしいので辞めてください。…どうせなら、最愛と呼んでも構いませんよ?」

上条「じゃあ、最愛ちゃん、お願いします」

絹旗「呼び捨てで、お願いします」

上条「最愛、頼んだ」

眼鏡をしているため目元の表情は読み取れないが、口許が緩む

中の基盤があらわになった。上出来、と言い、上条が手を突っ込む

メインモニターに映像が写し出される

上条「生きてたか。ラッキーだな」

モニターに情報が表示される。が、操作があまりに速くて、視認する前に次の画面に移ってしまい、絹旗にはよくわからない

上条「眼鏡ちょっと貸してみ 」

と言われ、渡す。返ってきた眼鏡には施設情報が映し出されていた

上条「この施設は飛行機だけのためのものじゃない。この学区の最高頭脳部だ。あの飛行機はそれを使って研究してたんだろう」

上条「でもって、白井がいたあの部屋は、新兵器が能力者にとって効くかどうか対人実験していた部屋らしい。この都市で行方不明になった能力者の多くがここで実験に使われたようだ」

絹旗「超えぐい場所ですね。でも、ここが最高頭脳って言う割には、規模が小さくありませんか?」

上条「隣の扉の部屋に行けば、それが分かるさ」

そう言われて、隣の部屋に移動した

中にあったのは、たくさんの水槽と電極が刺さったたくさんの脳

絹旗「げぇ、何ですかこれは。悪趣味すぎます」

上条「これが、文字通り最高頭脳だ。実験に使われて、体が使い物にならなくなった被験者の脳を補完し、部分胚クローニン グで大量に生産して繋ぐ」

上条「複数人の脳を同様に増やすことで、互いを牽制し合わせて、造反を防いでいたようだ」

部屋の壁のパネルを開いて、何かしら作業をしながら、喋る

上条「牽制の疲弊によって、既に彼らの意思や意識ってものは壊れちまったらしく、今じゃ唯の演算装置さ」

絹旗「演算なら機械の大量配置でも代用できるでしょう」

上条「高レベルの能力者の頭脳をつなぎ合わせれば、機械に比べて場所はとらないからな。それに、複数人でやることで並列処理にも適してる。1学区の頭脳としては申し分ない使い勝手さ。電力もかからないしな」

絹旗「人の手によって能力を弄られた身としては、親近感と苛立ちを覚えさせてられますね」

小さな拳をきゅっと作ったのを、上条は横目で見ていた

(話を変えてあげましょう。少し可哀想です)

上条(ああ、まだ所詮中学生だもんな)

上条「よし、作業は終わった。これで―」

急に、何かの駆動音が鳴り始める

絹旗の眼鏡には部屋の出口すぐにあるエレベーターが駆動しているという表示が出た

絹旗「下から敵がきます! 」

上条「アララ…あのエレベーターは上から下りる為のじゃなかったのか」

エレベーターが開き、中から軽装兵が下りてくる音がした

二人は脳の水槽の陰に隠れる

どうやら隣の部屋に先に入ったようだ

敵は明らかに彼らを探している

隣の部屋の捜索をしているようで、クリア!という声が聞こえた

絹旗「どうするんです?いずれ見つかりますよ?

上条「危険だけど、囮になってくれ。最愛」

苦肉の策なのだろう。表情が明るくない

絹旗「…分かりました」

覚悟をして、返答した

そう言って、絹旗は部屋の扉から見てまっすぐな所に立ち、上条は部屋の入り口付近の死角で銃を構える

隣の部屋の捜索を終え、こちらの部屋へ向かってくる

扉が開き、3人ほど入ってきた。同時に正面奥に立つ絹旗を見つける

両手をあげて、立っている絹旗に一人がカービン銃を構えて近づき、他の二人がクリアリングを行い始めた

クリアリングをしていた兵の一人が上条の方を向く僅かな時間に、顔に銃弾をお見舞いする。マスクとメットの間を弾が突き抜けた

銃声が鳴った瞬間、両手を上げた絹旗が銃撃を覚悟して両手で頭部を守りながら突進

銃撃の衝撃に耐えながら手前の男を殴り、地面に伏せさせて頭部を潰した

残った一人にも上条が掃射を仕掛けて命を奪う。慌てながらも応射してきたので上条の太ももへ銃弾が貫通した

上条「よし、次が来るまでにとっとと逃げよう。もう少し調べたいけどリスクの方が大きそうだ」

絹旗「その傷は、いいんですか?」

上条「再生でなんとでもなる。今は応急処置の時間すら惜しい」

絹旗(再生できる人が応急処置、ですか。再生にも都合が有るのかもしれませんね)

足から血を垂らしながら、上条が走り出した

それに絹旗も続いて行った

 

 


一方「…テメェ、打ち止めを殺したのか。%、;,<」

黒い翼を持った細い白男が立ちあがり、青髪を睨む

青髪「へぇ、ちゃんとした意識を保てるもんなんやな」

一方「いいから、答えやがれ! <!『。;」

目を細めて一呼吸おいて、青髪の口が開いた

青髪「今の君なら分かるんやないの?ベクトル、向かってきてないやろ」

目を見開き、顔の表情が深まる

一方「打ち止めを殺した、あいつが、死んだ…_)!。%」

顔を伏せて言葉を二三呟くと、強く青髪を睨んで叫びをあげる

一方「やァってくれやがったなァァァアアァアァア!jog[] 」

声が青髪に届くころには、既に青髪が居たところには拳があった

青髪「ほっほ、それや。僕が見たかったのは」

声の源は既に200mは離れているだろう距離にある

一方通行が青髪を視認した瞬間、体はまっすぐに一方通行へ向けて引きずられる

その途中で無数の黒い羽根が青髪の体を襲う

が、その羽は青髪の体に当る瞬間、黒点によって吸い込まれ全て消える

そして距離が残り4分の1といったところで青髪が止まった

無論、一方通行が能力を解いたわけではない

引き寄せている力の向きを、一方通行と青髪の間にブラックホールを発生させることで撹乱させたのだ

青髪「少しは本気を出さないと殺らるなぁ、これは」

目を細め、腰の位置を下げ、手を一方通行の方へ向けた

知覚できるほんの一瞬の時間に、一方通行から青髪が居た空間までの半径の全てが消失する

位置と消滅する半径を一瞬で割り出し上空へ回避した一方通行が、同じく空に移動した青髪の方向へ強烈に引き寄せられる

その1km程の経路上には多くのブラックホールの出来かけがあるのが把握できる

一方「食らうかよォォ!%,、」

叫びながら、逆に引き寄せられる力に自分の推力を加えて青髪に急速接近する

速度は既に極音速とかいったレベルでは無い。お互い10km/sの速度で行動している

一方通行が通過した空間にブラックホールが連続して瞬間的に発生して消えた。大きくすることで吸引範囲を増して逃れる一方通行を捉えようと試みた為、地面に3つのクレーターが出来る

青髪「コレ!この力を見たかったんや!さぁもっと観察させてな!」

光速の4分の1の速度で飛行する一方通行が発生させるソニックブームと青髪が空中に作るブラックホールによって、地面はズタズタになり、ブラックホールに舞上げられた建造物やコンテナなどが地球の引力に引かれ自由落下を始める

気流も無茶苦茶で電波や磁場は完全に混沌としていて、あらゆる特異物理現象が発生していた。光も瞬間的に消え失せたりす る。

だが、そんなものは彼らにとって僅かな誤差でしかない

接近した一方通行の近接攻撃を、自身を超引力によって移動させて避ける。これもまたとんでもない速度となり、轟音が辺りに響いた

移動しながら、一方通行がいる座標に合わせてブラックホールの瞬間発生を連続して行う

それを水平方向への高速移動で回避しながら、青髪に再度接近を図る

先ほどと同じように青髪は回避するが、それが一方通行の狙いだった

青髪を引き寄せているBH(ブラックホール)の方向へ、さらに彼を引き寄せるように力を加えた

人間の感覚では理解できない速度でお互い移動している為、流れる景色などでは速度の変化には気が付かない

青髪「ぬぁっ」

彼の声など当然一瞬で消え失せた

超重力の原因が消えたので辺りは落ち着きを取り戻す。地上へ向けて一気に吹き下ろしの風と大量の落下物が落ちた

一方「やったか…?!」

不意に、空中の一方通行の首を掴む腕が現れた

焦りの反応も兼ねて、翼でその腕の切断を図り、同時に先ほどの速度で距離をとる

移動前に居た場所を確認すると、僅かながらBHが生まれた瞬間があったようだ

一方(ッ、どういうことだ)

辺りを注視する

またも、真後ろに反応が有った

最大速度で距離をとる。すると今度は進路上に質量の反応が現れ、青髪が姿を現して一方通行に蹴りを加える

尋常ではない質量に蹴られて弾き飛ばされる力が生まれるが、更に増した重力により引き寄せられ、また強烈な蹴りが炸裂した

真下に向かって蹴りだされ、地面に押しつけられそうになるも、何とか反対方向へ向かわせ、体勢を整える

青髪の姿はさっきまでの所には無い

首だけが空間を割って現れ、声を出す

青髪「君のその翼は所詮暴走の一種やな」

消え、また後ろに首だけが現れ、話を続ける

青髪「単に本能が暴走を、仮の姿を用いて抽象的に理解していることにして、押し留めてるに過ぎない」

青髪「君と闘って、理解したわ」

青髪「人工的にこんな力を持って制御してる僕らにはできんけど」

消えたり現れたりを繰り返す青髪の顔を追うのを諦め、まっすぐに前だけを見て答える

一方「だったらなんだってんだ?》:;:」

青髪「今の君じゃまだ僕には届かんってことや」

青髪「君はまだ翼に、能力に動かされている。もっと理解するんだ。もう一度言おう、結局、君のそれは所詮暴走だ」

青髪「それを、君は理解できる可能性が有る。意識もしっかりしている上に、抽象的だが形をなしている。すでに本能が制御の方法をある程度把握している証拠だと思う。後は、理性によってその溢れをまとめてやるんだ」

青髪「君の頭脳ならそれが出来る。出来ない内じゃ、僕には触われん。分かるまで、実戦で追い込まさせてもらう」

肩を回し、腰を落として跳躍、空間へ飛び立とうとする

青髪「ああ、最後に大ヒントだ。翼の持つ意味は、大体『逃避願望』な 」

言葉が一方通行に伝わったときには、高度300m直線距離1000mに青髪はあった

一方通行も飛び上がる。落ちてきたビルやコンテナの残骸が邪魔で、地上での高速移動には支障が出る為だ

一方(何言ってやがんだ。アイツは俺の翼を観察したかったんじゃないのか)

青髪の方を睨み続ける

一方(打ち止めを殺してまで黒い翼を見たかったのは結果からの推測だと至極妥当だ。…だがまさか敵を強化しろなんていう任務もないだろう)

後ろにBH形成の超重力反応。そして前方の青髪は自己をBHに吸い込ませて、消えたように見えた

反射的に前に逃げると、駄目出しのように背後左右上下計5つのBH形成反応が起きる

一方(クソが! )

当然更に前に逃げるしかない

その逃げた先にBH形成のタイムラグを逆手にして、一方通行が逃れられないタイミングでBHが誕生しそうになる

不可避

咄嗟に両腕を顔の前でクロスさせ、守る

何も意味をなさない行為のハズだが、なぜか死の瞬間は訪れない

目を開けると、黒い翼がBHを覆うかのようにして広がっていた

一方(何が起きた?俺は何をしたンだ?)

一方通行が何かの理由でBHを消し去ったが、青髪の方は関係なく攻撃を続ける

青髪(きっかけは出来た。それなら)

正面背後左右上、下以外の空間にBHの反応

一方(またかよッ!)

不確定要素に自分の守りを任せるわけにはいかない

素直に下方向へ逃げる。逃げた先の地面には先ほどのような罠は無かった

大量の瓦礫によって少々視界が悪いが、すでに見えない青髪相手に今更視界など気にはならない

背後に巨大な引力反応。当然、逃げる

しかしBHになる程度の強さでは無い。後の視界も光が飲み込まれたりすることなく、中心に向かって物が集まっているのが見える

BHでなければ引き寄せられる力を逆向きまたは0にすることが出来るので、しかし、罠だった場合を予想して、下手には動かない

当然、一方通行の後ろに向かって塵芥や瓦礫が音速域で集まる

一方(これは何を狙って…ハ?!)

一方通行めがけて集まる瓦礫の中にBHの形成反応が紛れていた

当然、かなりの速度でそれらは動いている。早い話、BHが一方通行めがけて飛来したのだ

回避の為に上へ逃げた。地面に有った巨大な引力反応は立ち消え、代わりに一方通行が逃げた先に現れ、大量の矮小なBHが一 方通行を追跡する

ますます移動を絶やすわけには行かない

固定式の大BH瞬間形成と追跡式の小型BHによる集団追跡に対応する必要が出てきた

巨大な見えない壁が誕生。行く手を阻む

一方「今更こんな物が出てきた所で!〇 ?、」

移動しながら壁を吹き飛ばそうと腕を振り払うが、当った感触が無い

振り向くと先ほどの壁が複数に壊れて更に小型のBHが増える

否、これまで追跡していたBHが大きく成長してしまった為に小さいものに替えたのだ

一方(わざと見せてきやがった。舐めてるのか、仕込んでるのか )

しばらく回避を続けると、また正面に巨大な壁が現れる

ブラフの可能性もあるので、薙ぎ払うという動作は含める

分裂、BH再配備、追跡再開 先程と変わりが無い

ある程度青髪の攻撃パターンが割り出され、回避にも少ないながら余裕が出る

一方(ずっと逃げ続けるってわけにもいかねえ。奴はどこだ? )

少なくとも自分の動きをずっと見続けることが出来る位置にいることになる

地面は大小様々な瓦礫が有って監視には向いてない

一方通行(居るなら上か)

BHをひきつれて上空へ舞い上がる

そこへ水平に巨大な壁が現れ、自由落下

薙ぎ払おうと近づいた時、それは巨大なBHの核となった

一方通行(この規模だと!ふざけるなよ?!この都市ごと消滅させる気か?)

逃げ場など無い。

先程のように消し去ることができない限り

巨大な為か、形成にかかる時間が長い

一方(この翼がどうだとかぬかしてやがったが)

一方(確かに、一般的な暴走は抑えが効かないし、能力が固定的な形を成して思い通りに動いたりなどしない)

一方(奴の言うように本能が暴走を食い止めるために理解しているならば)

一方(翼は本能が動かしている?だが生物の本能なんてのはたかが知れている。そんな高度な事は出来ない)

一方(だから翼という形にして理性によって制御可能な形にしているとすると、俺の理性は既に理解を始めてる訳か。つまり、さっきBH化を止めることが出来たのは俺の能力の応用なのか?)

一方(翼の意味が逃避解放とするならば、俺は何から逃げたい?何から解放されたい?なぜ色が黒い? )

一方(今俺がこいつと闘っている理由は? そもそもベクトルという概念とは?)

頭の中で思考を高速で回す

ほんの数秒の事だったが、思考のベクトルさえ操って高速な思考を可能にした

黒い翼が拡散しながら消えてゆく。否、拡がっていった

同時に、追いかけていた小BHも形成中のBHも消える

任意の座標地点への思考や意識のベクトルすらも拡散させた翼によって変性させたのだ

青髪の能力自体はBHそのものを作る能力ではない。対象へ異常質量を常にかけ続けることでBHを管理している以上、一瞬でも撹乱させれると維持はできない

引力によって巻きあがっていた、最早もともと何だったのか分からない瓦礫も、地面へ落ちる

青髪も、その姿を現にされる

予想とは違い、地面で少女を腕に抱え、一方通行を見ていた

青髪「理解できたみたいやな。ハァ、この状況じゃ、僕やったら君に触れることもできへんよ」

腕に抱えた少女を下ろし、良心的な速度で近づいてきた一方通行へ顔を向ける

青髪「見てみ」

青髪が指をさした先には、さっきまで戦っていた傷跡が有り有りと示されていた

この学区はもちろん、他学区の多くのビルは、第一学区のメインタワーを始めとして大半が崩れ落ちており、空は舞い上がった塵は視界を遮る

これらは全てさっきのBHと高速移動による衝撃波がもたらしたものだ

当然被害者も多く出たであろう

青髪「僕らが戦っただけで、この惨状。この子もそうや」

少女は、頭には大きなHMDを装備し、弾倉がポケットからはみ出している

服の腹部に赤黒い染みが広がり、足は有らん方向に曲がって、こと切れていた

一方「妹達…」

青髪「大方、ネットワークが消えたから、管理者を助けに行こうとしたところを僕らの戦いに巻き込まれたんやろうな」

亡骸の方を向いて、開きっぱなしの瞼を閉じさせる

青髪「せっかく復興が始まってたのに、これじゃいつまでかかるやら」

立ち上がり、遠い目をしながら深く息を吸う

青髪「嫌になるわ。何しても死体のでる仕事なんてな。だから僕を殺してくれるか」

無言でうなずき、肺の内部で一酸化炭素を生成した

青髪「…ありがとさん」

青髪が崩れ落ちる。死体となった彼は、最早他の亡骸と変わりない

一方(手こずらせるだけしやがって、クソが)

ほとんどが廃墟と化したこの都市を見渡して、ため息をつく

一方(これからどうする?守るべきものも、なくなっちまったしな)

額に手を当てて、目を伏せた。

しばらくそうした後、死体となった青髪の装備をあさる

上条当麻の写真が出てきた

一方(いやこれは、流石にそういう趣味じゃないよな。となるとこれは…三下の所へ行くか。生きているかはわからねェが)

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