一方通行「死んだ世界戦線だァ?」ゆり「ようこそ」2


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一方通行「よォ」

ゆり「っ!」

一方通行「目ェ覚めたか。ホントに死ンでも元通りになるンだな」

ゆり「ここは…保健室」

一方通行「オマエの仲間が運ンだンだよ」

ゆりが周りを見回す。
野田や椎名といったSSSメンバーが他のベッドで寝ていた。

ゆり「そう…ありがとう、情けないリーダーね」

一方通行「あ、おい起き上がンなよ」

ゆり「え?平気よもう……っ!?きゃっ!」

布団を取って起き上がったゆりは、下着姿だった。
制服はベッドの脇に、破れたところを綺麗に縫ったものが置かれている。

一方通行「ったく。だァから言ったンだよ」

ゆり「うぅ…へ、変なことしてないでしょうねっ!?」

一方通行「ああン?」

ゆり「ゴメンナサイ、ナンデモナイデス」

一方通行の眼光に、ゆりがビクつく。

一方通行「…ンなガキくせえことしてねえから、安心しろ」

ゆり「うん…わかった…」

 

 

 翌日

日向「おっす!」

一方通行「…ン」

日向「もう昼だぞ?随分と長く寝るんだな、ハハ」

寝起きの頭を回転させる。

一方通行「…なンでてめェが俺の部屋に居ンだよ」

日向「そりゃ起きて来ねえからだろ?」

一方通行「鍵かけたはずなンだがなァ」

日向「全ての鍵は、こいつで開けられるんだよ。オペレーションの時にも役立つしな」

そう言って二本の棒を見せる。

一方通行「(何なンだよコイツ…気持ち悪ィなァ)」

一方通行「…そォかい」

日向「それで?これからどうすんだ?」

一方通行「どォって…とりあえずメシだなァ」

日向「んじゃ、付き合うぜ」

一方通行「ン」

 

 

  廊下

ユイ「うおっ、と!」

一方通行「あン?」

ユイ「わわっ、すみません!お勤めご苦労様です!」ビクッ

一方通行「…俺ァ豚箱から出て来たわけじゃねェよ」

ユイ「は、はい!そうですね、先輩!」

一方通行「にしても変な格好したやつだなァ。SSSメンバーらしいが、その尻尾は本物かァ?」

ユイ「一応、アクセサリーです…先輩はまだSSSの制服貰わないのですか?」

一方通行「俺ァ入るつもりねェからなァ」

ユイ「そうなんですか。かなり強いと伺っていたので残念です。…あ、今入るとなんと!可愛い女の子の路上ライブにご招待しますよ!」

一方通行「誰だ、その女ってのはァ」

ユイ「あたしです!」

ユイ「ぎゃふっ!」ゴンッ

一方通行「これでちったァアホが治ったか」スタスタ

ユイ「うぅ…痛いです…日向先輩のヘッドロックの五倍は痛いです…いや、あれも痛いですけど…」

一方通行は、座り込んでブツブツ呟くユイを置いて行く。

日向「お?何やってんだユイ、座り込んでパンツ見えてぐぁっ!」ゴキッ

ユイ「うっさいわぁ!」

 

 

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上条「御坂美琴を知らないか?」

上条は、何度も何度も尋ねた。

上条「茶色い短髪でさ、スカートの下に短パンを履いているんだ」

死後の世界で、悪魔の証明のように。
どうか、この世界に来てませんようにと、願いながら。
どうか、生きていてくれてますように、と上条は毎日尋ね続ける。

上条「(俺は…美琴を守り切れなかった)」

戦争が終わった。
そう思った上条は、殺さずに倒した敵に背中を刺され、死んだ。
上条の隣には美琴がいた。

上条「あいつは…生き延びられたのだろうか…」

あれからどうなったのかは、分からない。
だが、それでも一方通行ですら死んでしまったのだ。

上条「美琴…俺、返事してなかったよな」

思い返す。

美琴『アンタのことが…!好きなの!』

顔を真っ赤にして、体を震わせて告白してきた美琴。
上条は結局、その返事をすることができなかった。
自然と、上条の瞳が鋭くなる。

上条「美琴…俺もお前のこと、好きだったんだぜ…?」

そして、拳を強く握り締めた。
ヒーローと呼ばれた顔を、彼はもうしていなかった。

 

 

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一方通行「すンませン」ガラッ

教師「なんだね?」

一方通行「俺のクラスってェどこですかァ?」

教師「ん……ああはい、君のクラスはねーー」

一方通行「(今、一瞬ロボットみたいに停止したなァ…これがNPCの特徴か)」

一方通行「ありがとございましたァー」ガラッ

一方通行「あのクラスか。オ?ちょォど授業が始まるところかァ」ガラッ

教師「で、あるからして~この公式を~」

一方通行「ふぁぁ…ン?あの席の女は天使、じゃなくてェ生徒会長だったかァ」

キンコーンカーンコーン

教師「ではここまで」

NPC生徒「ふあ、やっと終わったぁ」ガヤガヤ

 

一方通行「ン…だりィ…コーヒー買おう…」ガタン、スタスタ

ガコン

一方通行「ぷはァ…眠みィな…残りの授業は寝て過ごすかァ」

一方通行「なァんか段々ダルくなってきたなァ。これが授業に出て消えるってことなンかなァ…寝みィ」スタスタ

岩沢「無限に生きたい~♪無限に生きられたら~♪全て叶う~♪」ジャンジャン

一方通行「……」

岩沢「歩いて来た道振り返ると~♪嫌なことばかりでうんざりだねえ~♪」ジャンジャン

一方通行「……」

岩沢「触れる物を輝かせていく~♪そんな道を生きて見たかったよ~♪」ジャンジャン

ジャジャジャーン

岩沢「ふぅ…ん?」

一方通行「よォ」

岩沢「聴いてたのかい?」

一方通行「まァな。意外と歌唱力あンだな」

岩沢「それは褒めてるのか?」

一方通行「一応ォ」

岩沢「そっか、ありがと」

岩沢「…なぁ、少し歩かないか?どうせ暇してるんだろ?」

一方通行「ご明察」

ーー校庭の花壇ーー

一方通行「花はずっと咲いてるもンなのか?」

岩沢「いや違うよ、一応この世界にも四季はあるらしい」

一方通行「ふゥん」

岩沢「……」

岩沢「昨日……あれから考えてみたんだ、あたしは何が欲しいのか、どうしたいのか、をさ」
岩沢「少し…長話になるけど」

一方通行「生憎と時間だけはたっぷりあンだよなァ」

岩沢「そうだね…」

岩沢「あたしは、歌手になりたかった」

岩沢「そう思ったきっかけは、一つの曲と出会ったことだった」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

岩沢「そうして、あたしは死んだ」

一方通行「……」

岩沢「夢を叶えることも、歌うこともできなくなって…」

一方通行「それで、神に抗おうと思ったのかァ?」

岩沢「この世界では、何だってできる。現実みたいに終わりはないし、歌だって歌える。いつまでも夢を追いかけられる」

一方通行「……」

岩沢「そう、思ってた」

岩沢「でも、違うんだね。あんたと話して、それから考えてたら気付いてしまった」

岩沢「この世界がこんなにも何でも思い通りになるのは、理不尽な人生だった人にせめて楽しい学園生活を送らせてあげるためだったんだって。自己満足をさせてくれる世界でしかないんだって」

岩沢「あたしは、結局は歌い続けたいだけだった。夢を叶えたいだけ…でももう夢は叶わない…」

一方通行「生きているからこそ、夢は叶う。人生や命に限りがあるからこそ、夢を人は追いかけるンだよなァ」

岩沢「そうだね…こんな世界であたしがやってることは、神への反逆なんかじゃなかった。ただ、現実を認めたくなくて、駄々をこねてただけなんだね」

岩沢「あたしは、それに気付いてしまった」

岩沢「でもさ…じゃあどうしたらいいの?あたしは…これからどうするべきなの…?」

一方通行「ンなもン俺にわかるかよ。第一、そこで俺が出した結論に納得できンのかァ?」

岩沢「でき、ないね…」

一方通行「歌いたかったンだろ?歌い続けたかったンだろォ?なら今までどォだった?結局は、どこで自分を納得させられるかなンだよ」

岩沢「あたしは…」

岩沢「歌い、たかった……」

岩沢「多くの人に、あたしが元気付けられたように……」

岩沢「あたしの歌を、聴かせたかった……」

岩沢「そうして生きて……」

岩沢「生き続けて、あたしは…」

岩沢「ああ……そっか」

右手で顔を押さえる。
自然と、指の間を涙が流れ落ちた。

岩沢「あたしはもう、満足してたんだ…」


岩沢「これがあたしの人生だったんだ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

岩沢「最後に一曲、聴いてもらえるかい?」

一方通行「オマエのラストソングを独占できるたァ観客冥利に尽きるねェ」

一方通行「…聴かせてくれよ、岩沢ァ。オマエの人生の全てを」

岩沢「…ああ…あぁ…」

岩沢「ごめん…涙が止まらなくて…」

岩沢「嬉しくて…!あたし…」

岩沢「…………すぅ…はぁ」

岩沢「聴いてください。My Song」

岩沢は歌った。
泣きながら、微笑みながら、歌った。
そうして、無事、この世界から卒業した。

 

ガコン

一方通行「ぷはァ」

一方通行「あァ、甘ェなァ…」

一方通行「よォ岩沢ァ…俺にはkeyコーヒー、甘すぎるぜェ」

一方通行「…………」ゴクゴク

ピッ、ピッ

ガコン

一方通行「……」ゴクゴク

一方通行「ぷはァ…ホント、甘ェなァこのコーヒーは…」

一方通行「俺には合わねェなァ…」

一方通行「でも、しばらくは飲んでやるよ」

一方通行「keyコーヒー」

 

 

 

 

ゆり「それで、岩沢さんは…」

一方通行「消えた」

ゆり「そう…」

ユイ「っ……」

藤巻「おいゆりっぺ!それで納得すんのか?」

野田「どう見てもコイツが怪しいじゃねえか!…おい貴様、何をした?」ギラッ

一方通行「あァ?なンもしてねーよ」

日向「まぁまぁ!ゆりっぺがああ言ってるんだしさ。岩沢が消えたのは残念だが、事実だろ?」

高松「しかし、これは消える要因として脅威ですね。今後、気を付けなければなりません」

ゆり「安心して。そんな簡単に満足なんかしないから」

一方通行「……」

ゆり「みんなだってそうでしょう?あたし達の神に対する反逆の決意は、そう簡単には揺るがないはず。残酷な運命を受け入れて満足なんて、できないわ」

日向「……」

ユイ「……」

一方通行「そォかい。そンじゃァな」スタスタ

ゆり「またいつでも来ていいからね」

一方通行「ン。悪ィな、トラップぶっ壊しちまって」スタスタ、ガチャ

野田「全くだ!」

ゆり「さてと。新しいボーカルは決まったし、食券の備蓄と昨日の襲撃者について考えましょうか」

ゆり「それで?新しい戦線の名前はどうする?」

大山「もうこのままでいいんじゃ…」

松下「今の名前は何だったか?」

高松「確か、死んだ世界戦線ですね」

藤巻「確かにシンプルすぎるな。こう、迫力に欠けるというか」

日向「んじゃあ、死んだけど死ぬ気ないです戦線!ってのはどうだ?」

ゆり「意味わかんないわ、却下」

椎名「…にゃんこ大好きクラブ…」ボソッ

ゆり「き、聞こえない聞こえない…他に意見ないからしらー?誰か」

椎名「……」ショボーン

野田「ならばゆりっぺ!死んでたまるか戦線!はどうだ!?」

ゆり「……とりあえず、それでいっか」

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夜ー校庭ー

音無「…はっ」

垣根「お?起きたか?」

音無「ここは…?」

垣根「死後の世界だ」

音無「はぁ?あんた何言って」

垣根「お前、死んだんだよ。覚えてないのか?」

音無「俺が…死んだ?」

垣根「チッ、おいおいマジでわかんねえのか?」

垣根「おい!原子崩し!」

麦野「何よ、うるさいわね」スタスタ

垣根「こいつ死んだことに気付いてねえんだが?」

麦野「あ?あぁ、大丈夫よ。記憶がないパターンでしょ、頭とか打って死ぬとそうなるのよ」

垣根「へぇ」

麦野「ていうか大声出さないでよ。SSSの奴らにバレるじゃない」

垣根「目撃者は殺す…つってもこの世界じゃ意味ないよな」

麦野「とりあえず、あんた名前は?」

音無「…名前…音、無」

麦野「下は?」

音無「わかんねえ…」

麦野「そ。じゃあ私たちに付いて来なさい」グイッ

音無「うわっ…あ、あんた達は何なんだ!?」

垣根「俺たちか?そうだな、強いて言えば女の子を武器で蜂の巣にする連中の敵、だな」ニヤリ

音無「っ…」ゾクッ

垣根「さってと、リーダーんとこに帰るぞ、原子崩し」スタスタ

麦野「私に命令してんじゃないわよ」スタスタ

音無「何なんだよ…一体…」

 

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一方通行「ふァァ…眠みィ、寝るか…」

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ゆり「さて、みんな気を引き締めて!」

遊佐『皆さん、配置に付いてください。今回は2チームに分かれます。藤巻チームは天使を食い止めてください。なお、こちらには大多数の人数を割きます』

藤巻「任せとけ!」

SSS「おう!」

遊佐『それでも足りないため、ギルドからの助っ人も天使側に来てもらいました」

チャー「お前ら気合い入れろよ!」

ギルド連中「はい!」

遊佐『そして、日向チームは昨夜の侵入者が現れた際に対応。場合によっては増援を要請してください』

日向「ま、来たらの話だけどな」

ゆり「あたしがこっちにいるんだから、来てもらわなきゃ困るわよ」

ゆり「それじゃ、オペレーションスタートね!」

 

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上条「さて、そろそろ行くか」

上条は仮面を取ると、装着する。

上条「準備はできたか?ーーお前ら」

 

 

  

 

 

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 ーとある墓場ー

ステイル「上条当麻、今でも僕は君が死んだことが信じられないよ」

ずらりと、白い墓石が並んでいる。
緑の広い一面は、戦争で死んだ者たちの墓が見渡せる。
時折吹く風さえ、まるで彼らが起こしているかのように思えてしまう。

ステイル「君は、紛れもなく英雄だ。だからなのかな?君が呆気なく死んだのは、今まで歴史を変えすぎたせいなのか…」

ステイルの目の前には、上条当麻の墓石がある。

ステイル「僕はね、初め君のことが大嫌いだったんだよ。初めはね。そして、それ以上に君の力と意志を認めてる」

ステイル「知ってるかい上条当麻?最近、インデックスが料理を始めたんだよ?僕と神裂はいつも味見役さ。ははっ、この前なんか紫色のスープを飲まされたもんだよ。あの時ほど聖人の胃袋が羨ましく思えたことはないね」

ステイル「上条当麻、土御門の具合が気になるか?あいつなら心配いらないよ。この前病室を訪ねたらいかがわしい本を読んでいてね、彼の妹に本は没収されるわ、顔を赤くした神裂に殴られるわ。ははっ、それでもあいつは変わらずにゃーにゃー言ってるんだから。…もう二度と、魔術どころか立って歩くこともできないらしい。でもあいつは、笑ってた」

ステイル「さて、次は何の話をしようか?ネタはたくさんあってね。ははっ、毎日大忙しさ。…そうだね、君の気になっているであろう学園都市のーー」

スタスタ

インデックス「また来てたんだね、ステイル」

ステイル「やぁ」

インデックス「ステイル…よく笑うようになったね。当麻が死んだ時は、私と一緒に何日も泣いてたのに」

ステイル「いつまでもクヨクヨしてられないさ。前を向いてやらなきゃいけないことがたくさんある。上条当麻なら、どんなことがあっても…明るく前を向いているだろうしね」

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