絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 > 1スレ目 > 01

第三次世界大戦集結から数ヶ月

戦争で傷ついた人々も、徐々にではあるがその傷を癒していった

季節は移ろい、ここ学園都市ではもうすぐ桜の咲く季節
柔らかな日差しが降り注ぐ空港、一人の少女が何かを待ち焦がれていた

 

 

 

 

~第23学区~

絹旗「むう……遅いですね。そろそろ時間の筈なのですが」

絹旗「目をつけてた映画を投げてまで駆けつけたというのに……まったく」ブツブツ

 :
 :
 :

絹旗「超おかしいです。いくらなんでも遅すぎでは」

絹旗「まさか私が時間を間違えた? いや、何かに巻き込まれたとか……」


 コツコツコツ...
 トテトテトテ...


??「あれ? そこのちっさい人影はもしや」

??「きぬはた?」


絹旗「Σ」クルッ
滝壺「やっぱりきぬはただ」

絹旗「滝壺さん!…………ついでに浜面」

浜面「ついで!? 俺ついでなの?! これでも命張ったんだよ?!」

絹旗「うっさいです! この私に待ちぼうけさせるとは、超偉くなりやがりましたね!」

浜面「しょうがねえじゃん! 飛行機の運航スケジュールなんてこんなもんだろ?!」

絹旗「責任転嫁とは超見苦しいですね。
    これから滝壺さんとの再会の感動に浸りたいので超黙っててください」

浜面「お前俺の扱い相変わらずなんだな?! 泣いてやるゥ!」

絹旗「泣いて気が済むなら超泣いててください。私の視界の外で」

浜面「ヴォォォォォ!」

<ヴオォォォォォ


絹旗「滝壺さんも元気そうで何よりです。最後に見たときは弱りきってましたし」

滝壺「ごめんね、心配かけちゃって。後遺症は少しあるけど、普通に生活する分には問題ないから」

絹旗「それを聞いて超安心です。これからは滝壺さんも普通の生活が出来ますね」

滝壺「うん、きぬはたも。それにしても、きぬはた」

絹旗「?」


ポスン


滝壺「ちょっと見ない間に背伸びたね」ナデナデ

絹旗「超! 成長期ですから!」フンス

滝壺「それに……」

絹旗「?」

滝壺「薄くだけど、化粧してるね。髪も伸びたし、大人っぽくみえるよ」

浜面「なぁにいぃぃぃぃ? 化粧だとぉ?! お父さん許しまへんでぇ!」

絹旗「ばっ……/// 超うっさいです! 超ウザいです! 超浜面は黙っててください!」

浜面「まったく、お前もしばらく見ねえ内に女らしくなったな。お父さんそっちの方が良いと思うぜ」

絹旗「はーーーまづらぁぁぁぁ!!」ウガー

浜面「ヒッ…!」ビクッ



浜面「……あれ?」

絹旗「//////」プシュー

浜面「え?! なにその反応?! そこはちっそパーンチとかブレーンバスターとかする場面だろ?!」

絹旗「むぅ……///」

浜面「ほら、こいよ! 自慢じゃないが、打たれ強さなら自信あるんだぜ?!」

絹旗「こんの超朴念仁!」メメタァ

浜面「ボルシチッ?!」


<ドゴォォォォォォォン
絹旗「はぁはぁ……このままじゃ滝壺さんが超苦労します! 浜面は乙女心を超学んできなさい!」

滝壺「大丈夫だよ、きぬはた。そんなはまづらも私は応援してる」

絹旗「滝壺さんは超優しすぎです!」

滝壺「そんなこと……あれ? はまづら?」

絹機「? あっ、あれは警備員?」




浜面「あたたたた……相変わらず容赦しねえのな、あいつ」

???「よーぅ、浜面。元気そうで安心したじゃん?」

浜面「あ?……げぇっ、巨乳警備員!?」

黄泉川「ロシアでは大活躍だったらしいじゃん? いやー、男をあげたじゃん♪」

浜面「な、なんだよ、何しにきたんだよ、アンタ」

黄泉川「……決まってるじゃん?」ニヤリ
絹旗「超待ってください! いくら警備員でもキモイだけで連行するなんて超無体です!」

滝壺「はまづらはまだ何もしてません」

浜面「キモイだけで?! まだ何も?! アンタ達相変わらず辛口だね!」

黄泉川「お? そっちのは確かあの時の……元気になったみたいでなによりじゃん」

滝壺「その節はお世話になりました。あの、はまづらが何かしたんですか?」

黄泉川「まー、あえていうなら貯金じゃん? 日本にいた時に重ねたショッボイ軽犯罪の」

絹旗「……浜面」ジトー

浜面「うっ、何も言い返せねえ」

黄泉川「そんなワケだから、ちょっとお勤めに出てもらうじゃん♪……おい、連れていけ」

警備員達「イエス、マム!」

浜面「滝壺、すまねぇ! こんなことになっちまって!」

滝壺「はまづら、私待ってるから。10年でも20年でも待ってるから」

黄泉川「あー、お前の態度次第では半年ぐらいで一回出てこれるじゃん」

浜面「何?! ホントだな?!」

黄泉川「昔と違って可愛い彼女がいるんだし、今度は本気で頑張ってみるじゃん?」

浜面「よぉぉし、やってやらぁ!」

絹旗「警備員さん、これ以上滝壺さんを困らせないように、超ビシビシやっちゃってください」

黄泉川「そういうことならお任せじゃん」

警備員「さ、歩いた歩いた」ゲシゲシ

浜面「ちょ、痛ぇっての! もっと優しくしてくれよ!」

黄泉川「じゃ、こいつはちょっとお預かりするじゃーん」ノシ



絹旗「……行っちゃいましたね」

滝壺「……」

絹旗「これからどうしましょう」

滝壺「これ」チャリ

絹旗「? 鍵ですか?」

滝壺「むぎのが個人的に使ってた家の鍵。むぎのはロシアで暮らすから使っていいって」

絹旗「なんと、麦野が? 超気前のいいことですね」

滝壺「アイテム時代の隠れ家だと何が起こるか分からないから、って言ってたよ。
    だから、もし住むところが見つからなかったら使えって」

絹旗「確かにその通りですね……では、超お世話になりましょう」

滝壺「第7学区にあるから、行ってみよう」

 

 

~第7学区 某所~


滝壺「ここだね」

絹旗「なんですか、これ……映画のセットですか?」

滝壺「違うと思うよ?」

絹旗「ツタに覆われた洋館……魔女でも住んでるんですかね?」

滝壺「とりあえず入ろうよ」ガチャガチャ


ガチリ

ギィィィィィ


滝壺「おじゃまします」

絹旗「ち、超おじゃま、します……」

滝壺「きぬはた?」

絹旗「違います! 超誤解です!
    ホラー映画チックなドアの開閉音に超ビビったとかじゃないですから!」

滝壺「そうか、きぬはたは怖いんだね」

絹旗「い、いえ、ですから……!」

滝壺「大丈夫だよ。そんなきぬはたも、私は応援してる」ナデナデ

絹旗「っ///」

 :
 :
 :

絹旗「よ、よしっ。それじゃ超探検してみましょう!」

滝壺「おー」
~1階~

絹旗「超立派なキッチンですね。むしろ超厨房というべきでしょうか」

滝壺「レストランみたいだね」

絹旗「あまり使った形跡はないようですが」



絹旗「おおお! 風呂が超広いです!」

滝壺「きぬはたが好きな健康ランドみたい」

絹旗「いえ、さすがに超健康ランドには負けるかと」



絹旗「これは……食堂ですか?」

滝壺「(ツー)むっ、こんなにホコリが」

絹旗「麦野は使ってなかったのでしょう。ここで一人メシは超寂しいですから」

 

 

~2階~

滝壺「ドアがいっぱい」

絹旗「全部同じデザインの部屋でしたね。客用でしょうか」



絹旗「卓球台にビリヤード台に……」

滝壺「おお、きぬはた、ピアノがあるよ」

絹旗「遊戯室って言うんですか? アイテムが使ってた会員制サロンにもありましたね」

 

~所戻って1階~


絹旗「だいたい見終わりましたね」

滝壺「……」ウーン

絹旗(電波受信中でしょうか?)

滝壺(なんだろう、この違和感)

絹旗「滝壺さん?」

滝壺「……あっ、きぬはた。どうしたの?」

絹旗「時間も時間ですし、とりあえず超晩ご飯にしませんか?」

滝壺「うん、そうだね。私つくる」

絹旗「私食べる」

滝壺「手伝わなかったら、ご飯は冷蔵庫にあった消費期限切れの鮭弁だよ」

絹旗「さて、何からしましょうか? 超なんなりとお申し付けください」キリッ

絹旗「ほえにひても、ほほはふたひでふむには超おおひいでひゅね」モギュモギュ

滝壺「こら。行儀悪い」

絹旗「ゴクン 超失礼しました」

滝壺「もう一回」

絹旗「それにしても、ここは二人で住むには超大きいですね」

滝壺「そうだね……」ポク

絹旗「?」

滝壺「……」ポク

絹旗「……」

滝壺「…………」ポク

絹旗「」モギュモギュ

滝壺「!」チーン

滝壺「きぬはた、空き部屋がたくさんあるから、困ってる人に貸そう」

絹旗「はい? 確かに、2階には同じようなデザインの部屋がいくつもありましたが……」

滝壺「うん、それを使うの」

絹旗「でも、個室以外のスペースは超共有することになりますよ」

滝壺「なんか、そういう生活も楽しそうだな、って」

絹旗「むむ、確かに……アイテム時代のノリを思い出しますね」

滝壺「だからね、こういう感じで募集するといいと思う」カキカキ

 

 

 


┌───────────────────────────
│☆きぬはた荘☆                   
│                            
│入居者超募集中!              
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   
│家賃 4800円/月                   
│身分経歴一切超不問               
└───────────────────────────

 

絹旗「きぬはた荘、ですか?」

滝壺「うん」

絹旗「あの……なぜ私なんですか」

滝壺「きぬはたの方が私よりしっかりしてるから、管理人さん」

絹旗「……は、はぁ」

滝壺「ね、面白そうだし。やろうよ」キラキラ

絹旗(滝壺さんがたまに見せるこの超行動力はいったい……)

滝壺「きぬはた?」

絹旗「ま、まあ、人が住んでたほうが家は傷みませんし、
    空き部屋として超ほっとくよりはいいかもしれませんね」

滝壺「決まりだね」

絹旗「滝壺さんも共同管理人ということで超お願いします。流石に私一人は超不安ですので」
滝壺「じゃあ、この紙は明日にでも何枚か近所に貼ってくるよ」

絹旗(今気付いたけど、身分経歴超不問ですか?! 何が出てくるやら……)

滝壺「♪」



 ――こうして軽いノリではじまった「きぬはた荘」
    だが、このときの彼女たちは知る由もない
    集まる入居者たちが一癖も二癖もある上に、ある"共通点"を抱えていることを

 

 

~第7学区 某所~


白井「はあ……どうしてこうなったですの」トボトボ

婚后「そもそもの原因は、貴女にあるのではなくて?」

白井「わたくしは風紀委員としての勤めを全うしたまでですの!」ムキー

婚后「分からなくもないですが……」

 

 

――前日深夜 常盤台学生寮208号室


白井「迷子を保護したのはいいですが……困りましたわね。
    この時間では風紀委員支部も閉まってますし……」

打ち止め「Zzzzzz...」スピー

白井「……全く、こんな可愛らしい子をこんな真夜中に放り出すなんて。
   保護者が見つかったらとっちめてやりますの」

打ち止め「だめだよぉ…………-た……」スピー

白井「……よくよく見たら、この寝顔、お姉様に瓜二つですの。
    ……ちょっとだけ、ちょっとだけですの。ウヒヒヒヒ」

<ガガーーーン


白井「? 今のは?」


ガシャーーーーン


??「打ち止めァァァァァァァァ!」

白井「な、なんですの、貴方は?!」

??「……てめェかァ、うちのクソガキ誑かしやがったのはァ!」

白井「誑かすとは心外ですの! わたくしは風紀委員として迷子を保護しただけですの!」

??「迷子だァ?」ギロリ

白井「うちの、ということは貴方が保護者ですのね? こんな小さい子を
    真夜中に放り出すなんて、何を考えてますの!」

??「俺がコンビニ行ってる間に勝手に抜け出しやがったンだよォ!」

白井「言い訳なんて見苦しいですの! 挙句、女子寮の壁を破って侵入とは
    殿方失格ですの! 神妙にいたしなさい!」

??「うるせェェェ!」ウガー


??「俺はあの極寒の地で誓ったンだよ! 護りてェンだ! 失いたくねェンだ!!
    たった一つの幻想を守り抜くためなら、どんな現実とだって向きあってやる!!!」

白井(なんという覇気……これは本当に人間ですの?!)

??「クソガキを誑かす変態にはお仕置きが必要だなァ……」ドドドドドドド

寮監「白井! なんだ今の音h……な、これは何事だ?!」

白井「寮監! お逃げください!」

??「自転パーーーーーンチ!!」


 ドズズ...ン

 

 

 ――今に至る


白井「まさか拳一つで寮の一角を吹き飛ばすとは……お陰で、十数人の生徒が
    路頭に迷う羽目になりましたの……」

婚后「その殿方、いったい何者だったのでしょうね」

白井「とんでもない能力者だということは確かですの。あの惨事で、怪我人が出ていないのは奇跡ですの」
白井「ひとまず、部屋を失った寮生の仮住居は確保して、残りはわたくし達だけですわね」

婚后「まったく、翌日まで待たせるなんて何事ですか。このわたくしを常盤台の婚后光子とs」

白井「後輩を優先してたらそうなりましたの。常盤台の婚后光子サマなら、きっとご自身の
    後輩を優先するだろうと思っての配慮ですの」

婚后「とっ、当然ですわ! この婚后光子、いつでも可愛い後輩を第一に考えておりますのよ!」

白井(ちょろいですの)

婚后「そういえば御坂さんはどうされましたの? 貴女と同室だったのでは?」

白井「……お姉様は……行く宛があるからいい、と……あの類人猿の部屋に……」ブツブツ

婚后「し、白井さん?」

白井「嗚呼! お姉様ァァァ! 黒子は! 黒子はァァァァァァ!」ガンガンガンガンガン

婚后「白井さん! どうか落ち着きなさって! 人様のご住居の壁に頭突きはいけませんわ!」

白井「hjauお姉ahia様saljislw!」ガンガンガンガンガン

婚后「だっ、誰か! 風紀委員! 風紀委員を!」
 :
 :
 :

婚后「落ち着きまして?」

白井「は……お恥ずかしいところを……穴があったら入れたいですの……」ズーン

婚后「いいえ、わたくしもNGワードを発してしまったようですので……気を付けますわ」

白井「気を取り直して……寮の改修が済むまでの仮住居を探さないといけませんの」

婚后「学舎の園の寮はすでに満室……自力で探すしかないということですわね」ハァ

白井「では、不動産の仲介業者さんのところに参りましょう」
~monimoni 第7学区駅前店~


業者「こちらの物件などいかがでしょう?」ニコニコ

婚后「わたくし、ユニットバスは苦手ですわ」


 ――15分経過


業者「こちらの物件などいかがでしょう?」

婚后「窓が南向き? 暑くて駄目ですわ」


 ――さらに30分経過


業者「こちらの物件などいかがでしょう?」アセアセ

婚后「キッチンがIH? 論外ですわね」


 ――さらに2時間経過


業者「こちらの物件など……いか、が、でしょ……?」ゼーハー

婚后「インターネット回線がADSL? どこの遺跡ですの?」

白井「あの、ちょっとすみません。もう一度よーく話合ってから出直しますの」

業者「は、左様ですか……お力になれず、申し訳ございません(もう来んなバーカバーカ)」

白井「いえ、親身になって頂いて感謝しておりますの」ペコペコ
~第7学区 とある公園~


白井「婚后さん! あなた、仮住まいを決めるつもりがおありですの?! わがままばっかりで!」

婚后「わたくしとて譲歩してますわ! エカテリーナちゃんをペットホテルに預けて、
    ペット不可の部屋でも入れるように配慮しましたのよ!」

白井「あぁ、今日の婚后さんに何か足りないと思ったらあの蛇ですの」

婚后「蛇ではなくエカテリーナちゃんです! ああ、エカテリーナちゃん、今頃寂しい思いを……
   それもぜーんぶ不甲斐ない飼い主とそこの風紀委員が悪いのですわ……」

白井「蛇の面倒までみれませんの!」ウガー

婚后「先程から蛇、蛇と……わたくしのエカテリーナちゃんを愚弄するのは許しませんわよ?」キリッ

白井「もう付き合いきれませんの。公園でも橋の下でも、お好きなところでお休みになるといいですわ」

婚后「(ヒクッ)白井さん、貴女……このわたくしを常盤台の婚后光子と知っての狼藉でして?」

白井「わたくしとて風紀委員の端くれ、譲れないときもございますの!」シャキン

 ――15分後


警備員「……で、能力を行使してケンカしたと」

婚后「わたくしが全て悪いのですわ……つい不遜な態度を……悪い癖だと自覚しておりますのに……」グスッヒグッ

白井「あ、あの、もう泣き止んでくださいな。その、わたくしにも至らない点がございましたので……」

婚后「白井さん……なんとお優しい……」ウルウル

白井(誰ですのこれは)

警備員「あー……十分に反省しているようだし、今回はここまでとする。今後は気をつけるようにな」

白井「ご迷惑おかけしましたの」orz

婚后「申し訳ございませんでした」orz

 

~第7学区 某所~


白井「はあ……どっと疲れましたの」トテトテ

婚后「白井さん……先程は……」コツコツ

白井「もう気にしていませんの。それより日が暮れてますわ。早く仮住まいを……」

婚后「」スッ

白井「? 握手ですの?」

婚后「わたくしが涙を見せることができるのは、貴女ぐらいですわ。誇りに思って頂きたいですわね」

白井「……本当に口は達者ですのね」ガシィ

婚后「お互い様ですわ」クスッ

婚后「それにしても、どういたしましょう。今からだとホテルも取れないでしょうし……」

白井「学舎の園から遠いという理由でホテルを外したのは失敗でしたの」ショボーン

婚后「いっそ、わたくし達も御坂さんのところに……あら?」

白井「どうしましたの?」

婚后「いえ、学園都市にもこのような趣のある建物がございましたのね」シミジミ

白井(なんですの、これは。魔女の館?)

婚后「……あら?白井さん、こちらご覧になって」

白井「?」

 

 

┌───────────────────────────
│☆きぬはた荘☆                   
│                            
│入居者超募集中!              
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   
│家賃 4800円/月                   
│身分経歴一切超不問               
└───────────────────────────

 

 

白井「入居者超募集中……ですの」

婚后「白井さん、これは幸運かもしれませんわよ?」

白井「ですが……怪しさ爆発ですの」

婚后「こんなお洒落な洋館に住めるなんて、そうない機会でしてよ?」

白井(お洒落……?)

婚后「この共同というところも、普段から寮住まいのわたくし達には気になりませんし」

白井「それはそうなのですが……」

婚后「まあ、見学だけでもいたしましょうよ。ね」

白井「……しかたないですの。お供いたしますわ」
婚后「呼び鈴は……こちらかしら?」ポチットナ


<ジャーンジャーン


ギィィィィィ


絹旗「はい、どちらさんですかね?」

婚后「突然申し訳ございません。見学希望なのですけれど」

絹旗「(常盤台の生徒? いったいどうして……)まあ……どうぞ中へ」

婚后「お邪魔いたします」

白井「お邪魔いたしますの」



 ――その後、部屋の造りをお気に召した二人のお嬢様は長時間迷い、
    大声で罵り合い、議論をし尽くした上で入室を決めた

 

~???~

「そう、学園都市に帰るんだね」

「なンだ? "私も連れてって"とか言い出すつもりじゃねェだろォな?」

「こっちの研究所での調整があるし。そうでなくても、なんであなたなんかと一緒に?」

「ハッ! 俺も随分と嫌われたもンだぜェ」

「まっ、命を拾ってくれたことには一応感謝してあげてもいいけどね」クスッ

「あァ? なんだ、お前もそんなツラできンのか」

「えっ?」

「初めて会ったときは、腹ペコのカメレオンみたいなツラだったのによォ」ケラケラ

「うっわ、久々にムカついた」

「なにこれ? 名刺?」

「こっちの研究所でもなンとかなるンだろうけどな。
 どうしても、って状況になったらそいつに頼れ。なンとかすンだろ」

「ふーん……まあ、記憶の片隅には置いといてあげるよ。最終信号と仲良くしなよ?」

「分かってらァ……ンじゃもう行くわ。せいぜい達者でなァ」




(……一緒に行けるんなら行きたいよ。でも今は……まだダメだから。
 ……誰が腹ペコカメレオンだよ……人の気も知らないで、このモヤシ、朴念仁)

「…………死んじゃえ、バカっ……」グスッ

~数ヵ月後 第7学区 とある病院~


冥土返し「うん、バイタルチェックは正常、脳波も異常なし。問題なしだね?」

????「……うん」

冥土反し「メンタル面はどうかな?」

????「気分はどうかってこと?フツー」

冥土返し「問題なし、と。キミが学園都市に来たいと、僕に接触してきたときはどうなるかと思ったけど」

????「……」

冥土返し「まぁ、色々な意味で落ち着いたみたいで、僕としても一安心だね?」

????「ゴメンね。先生にはお世話になりっぱなしだね」

冥土返し「まぁ、僕の患者となった以上はできる限りのことはさせてもらうからね?」

????「患者に必要なものを揃えるのが仕事、だっけ?
       ……ところで、先生。最後のワガママを聞いてもらっていいかな」

冥土返し「最後?なにかな?」

????「この病院を出ようと思う。いつまでも先生の優しさに縋ってられないしね」

冥土返し「詰まらないことを気にするんだね。キミは僕の患者だ、患者に優しくするのは当然だろう?」

????「そうじゃないよ。ミサカは他の姉妹と境遇や立場が違う。
       ここに置いてもらえてるのだって、無償のボランティアなんでしょ?」

冥土返し「……」

????「だからここにいつまでも留まる訳にはいかない。
       それで最後のワガママ。病院の外で生活するために、ID発行できないかな?」

冥土返し「やれやれ……どうして僕の患者は問題児ばかりなんだろうね?
       とはいえ、キミも今のままでは暮らしづらいだろうね?」

????「……」

冥土返し「番外個体、ではなくより人間らしい名前があった方がベターということだね?」

番外個体「あくまで外見せ用の偽名だよ。この名前にも少なからずの愛着はあるんだからね?」

~数日後~


番外個体「へー、これがIDカードってヤツかー」ナデナデペシペシ

冥土返し「三澤真琴、17歳、能力はレベル4の発電能力ってことになってるからね」

番外個体「ミサカワースト、でミサワか。……写真もっとマシなのなかったの?」

冥土返し「僕の手元にはそれしかなかったものでね?」

番外個体「……ま、贅沢をいえる立場でもないよね」

冥土返し「キミの体調も安定しているし、いつでも出発していいからね?
      但し、週に1回は必ず診せにくること。これは約束してくれ」

番外個体「うん、分かった。……それじゃ、もう行くよ。迷いが出ない内に、ね」

冥土返し「気をつけるんだよ……それと、キミは僕の患者だ。これは忘れないでくれ。
       何かあれば、いつでも頼るんだよ?」

番外個体「うん、ありがとうね。先生」


 コツコツコツコツ...
 ゴロゴロゴロゴロ...


????「あっ、番外個体じゃないですか、とミサカは怯えつつ声をかけます」ゴニョゴニョ

番外個体「? あ、19090号。……あなた、なんでいつもミサカのこと怖がるのさ」

19090「え、えーと、そのケモノ目が、怖いです、とミサカは目を逸らしつつ回答します」ゴニョゴニョ

番外個体「ひっどいなぁ。これも個性だと思ってよ、ねー?」ズイッ

19090「ぴゃうっ?! 至近距離から顔を覗き込まないでください! とミサカは既に涙目です」

番外個体「フヒヒ、ごめんごめん。あなたってばいじりがいがあるよねー」ケタケタ

19090「番外個体はイジワルですね、とミサカは怒りと恥ずかしさにプルプルしながら指摘します」プルプル

番外個体「ゴメンって。また今度、病院の食堂でケーキ食べさせてあげるから」

19090「ケーキよりも低カロリーな甘いものを、とミサk……なんでもないです」ゴニョゴニョ

19090「時に番外個体、今日はやけに大荷物ですね、とミサカはキャリーバックを眺めつつ尋ねます」ゴニョゴニョ

番外個体「あ、うん。今日で退院だから」

19090「えっ」

番外個体「あなた達にもお世話になったよね。これでも感謝してるんだよ?」

19090「いえ、そんな、ミサカはなにも……」ゴニョゴニョ

番外個体「ここに来てすぐの頃。右も左も分からないミサカに、色々と教えてくれたよね?」

19090「ま、まぁ、売店や食堂や喫煙所の場所ぐらいなら……」ゴニョゴニョ

番外個体「それに、一番最初に話しかけてくれたのもあなただよね」

19090「え、ええっ?そうだったのですか?とミサカは驚愕を露にします」

番外個体「ミサカの目が怖い怖い言ってるクセにさ、顔合わせば何か話してきたし」

19090「ミ、ミサカは色々な人と話して見聞を広めたい、とミサカは……」ゴニョゴニョ

番外個体「ともかく、さ。感謝してるんだよ、"お姉様"?」

19090「確かに製造されたのはミサカの方が先ですが、番外個体の方が肉体年齢は上ですので、
     この場合、ミサカから見て番外個体の方が姉にあたるのでは、とミサカはゴニョゴニョ」

番外個体「あはっ、細かいことは気にしないの。……それじゃ、もう行くね」

19090「えっ、あのっ、あっ……」

番外個体「他の姉妹にもよろしくね」ノシ

19090「あ……み、番外個体!」

番外個体「ん?」クルッ

19090「あの……また会えますよね?と、ミサカは恐る恐る確認をとります」ゴニョゴニョ

番外個体「週イチで診察があるから、そのときに会えるんじゃない?」クスッ

19090「よ、よかったです。あの、ケーキ楽しみにしてます、とミサカは別れを惜しみつつ手を振ります」ノシ

番外個体「またね」ノシ


 コツコツコツコツ...
 ゴロゴロゴロゴロ...


19090「……"お姉様"って呼ばれた……」ホワーン

 

 

~第7学区 某所~


番外個体「勢いで飛び出してきたけど……住む所見つけてからでも良かったかも」

番外個体「まあ、2~3日ぐらいなら野宿でも問題ないか」

番外個体(あの人に遭えるといいな……先生も居場所は知らないらしいけど)

番外個体(MNWに繋げば分かりそうだけど、また負の感情を拾い集めてあの頃のミサカに戻るのもヤだし)

番外個体(……あの人もそれは望んでないよね、きっと)

番外個体(…………)

番外個体(って、19090に聞いてもよかったんじゃ)ハッ

 :
 :
 :

番外個体「サングラスを買った。これでケモノ目が怖いなんて言わせない」スチャ


<キャンペーンチューデース


番外個体「あ……携帯電話か。そういえば持ってないなぁ」
番外個体「…………」

番外個体(IDカードあれば……か、買える、んだよね?)ドキドキ

番外個体(口座もあるし……うん、大丈夫なハズ!)

番外個体「あの、すいません!」ドキドキ



~30分後~


番外個体「買えた……///」

番外個体「誰か番号交換……って相手がいないや」

番外個体(あの人はロシアに来るときに壊れちゃったって言ってたし)

番外個体「……ま、その内、ね」




番外個体「はー、もう夕方か……今夜はどこの公園で寝ようかな」トボトボ

番外個体「……ん、んん?なんだこれ」

 

 

 

┌───────────────────────────
│☆きぬはた荘☆                   
│                            
│入居者超募集中!              
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   
│家賃 4800円/月                   
│身分経歴一切超不問               
└───────────────────────────

 

 

 

番外個体「身分経歴一切超不問、か……」

番外個体「ここかな……なにこれ、お化け屋敷?」

番外個体「この際なんでもいいや。ごめんくださーい」


 ギィィィィィ


絹旗「はいはい、どちらさんですか?」

番外個体「入居者募集のチラシを見てきたんだけど」

絹旗「ああ、そういうことなら、どうぞ。中で超詳しい話をしますので」



 ――その後、大荷物を抱えた自称帰国子女は
    大して説明も受けずにさっさと入室を決めた

 

 

~某日夜 学園都市某所~


土御門「……今日の仕事は完了だ。みんな、お疲れさん」

海原「久しぶりの仕事だというのに、全く、簡単なお掃除でしたね」

土御門「海原、慢心と油断はいい結果に繋がらんぞ?せいぜい気を付けることだな」

海原「ご忠告痛みいります」

結標「一方通行はどうしたの? とうとう行き倒れたかしら?」

土御門「一方通行なら直帰だ。ま、やることやったんだから問題あるまい」

結標「よほど若奥様が恋しいのかしらね」クスクス

土御門「あいつのロリコンっぷりはもはや尊敬の域だにゃー」

 :
 :
 :

一方通行「おォ?」ツー

打ち止め「あれ? あなたが鼻血なんて、またミサカでいけない妄想してたのね。ってミサカはミサカは頬を赤らめてみたり///」

一方通行「違ェよバカ! どォせ誰かが噂でもしてンだろォよ」ゴシゴシ

打ち止め「それはくしゃみだよってミサカはミサカは(ズビシッ)っていったーーい!」

土御門「さーて、俺も愛する妹の料理が待ってるから失礼するぜい」ノシ

海原「お疲れ様でした」

結標「お疲れ様」

海原「僕らはどうしましょう。朝までボウリングでもします?」

結標「能力使用アリなら受けてたつけど?」

海原「はは、勝てるわけないじゃないですか」

結標「ダーツなんてどう? 能力使用アリで」

海原「なんですか、いじめですか。まるで僕がウザい人間みたいですね」

結標「ようやく分かってもらえたみたいで嬉しいわ」

海原「ふふふ、これは手厳しい」

結標「貴方こそ、愛する妹の顔でも見に行ってくればいいじゃない」

海原「そう思ってましたが、病院の面会時間も終わってましてね」

結標「あら、残念ね。じゃあ、どうせ暇なのでしょう。夕食ぐらい付き合いなさい」

海原「同居人と一緒なのでは?」

結標「小萌は飲み会よ。ああなったら朝まで帰ってこないわ」

海原「そういうことならご同伴させて頂きましょうか」

 

 

~第5学区 とある飲食店~


海原「年頃の男女が、ディナーにファーストフードとはね」

結標「あら、奢ってもらう側の発言とは思えないわね」

海原「おっと、失言でした」

結標「私だって、ちゃんとした相手ならちゃんとした店を選ぶわよ」

海原「そもそも、その格好ではドレスコードにひっかかるのでは?」

結標「うっ、うるさい///」

海原「あ、ナゲットもらいますね」ヒョイパク

結標「ちょっと、それ最後の1個じゃないってあああ!」

 :
 :
 :

結標「食べ終わったし帰ろうかしら」

海原「おや、腹ごしらえも済ませて熱いオールナイトでは?」

結標「ごめんなさい、理解できない」

海原「つれないですね」

結標「……貴方、さっきからやけに食い下がるじゃない。なに、寂しいの?」

海原「いえいえ、今日の寝床を確保したいだけですよ」

結標「おうちに帰りなさいよ」

海原「ないですよ?」

結標「は?」

海原「普段は公園とか漫画喫茶とかで睡眠をとってますね」

結標「いや……グループの隠れ家を使ってもいいのよ?」

海原「いやー、土御門さんや一方通行に遭遇する恐れがあると思うと」

結標「いい気分はしないだろうけど、問題なの?」

海原「逆に聞きますが、いつ猛獣が侵入してくるか分からない部屋で休めます?」

結標「……まあ、無理よね」

結標「じゃあ、現状は宿なしのその日暮らしってこと?」

海原「そうなりますね」

結標「貴方、それは問題よ。部屋を探したほうがいいわ」

海原「しかし、現状でもあまり不満はありませんが」

結標「屋根とドアがあるだけでも大分違うんだから、経験談的に考えて」

海原「そういうものなんですかね」

結標「……そうね、ちょうどいいわ。明日にでも部屋を探しにいきましょう」

海原「ちょうどいい?」

結標「私も部屋を探そうとしてたのよ。いつまでも小萌のところにいるわけにもいかないしね」

海原「ははぁ、それでちょうどいい、と」

結標「そういうこと。第7学区なら手頃な物件もあるでしょ」

海原「世にも珍しいあなたからのお誘いですし、乗っておきましょう」

結標「馬鹿にしてるの?……まあ、いいわ。今日は遅いから、また明日ね」

 

 

~翌日 第7学区~


海原「あの、結標さん」

結標「なにかしら」

海原「成程、勉強になりますね」

結標「……」ジッ

海原「結標さん? 立ち止まって何を凝視しているんです?」

結標「これ」


海原「なぜこんな住宅街のど真ん中に? 仲介屋さんなら駅前にありましたよ?」

結標「はぁ、わかってないわね。個人経営の不動産屋の方が地域に密着してる分、
    お得物件を知ってたりするのよ。もちろん、当たり外れもあるけどね」

 

 

┌───────────────────────────
│☆きぬはた荘☆                   
│                            
│入居者超募集中!              
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   
│家賃 4800円/月                   
│身分経歴一切超不問               
└───────────────────────────

 

 

海原「……これはこれは……」

結標「ねえ、もうこれでよくない?」

海原「いや、しかしですね……」


   風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同


海原「これ、マンションとかじゃなくてどこかの家の一室ってことですよね?」

結標「? 何か問題なの?」

海原(ああ、そうだ。この人は居候ライフが長くて逞しくなったんだ)

結標「それより私たち……というか貴方の場合はここに着目すべきよ」


   身分経歴一切超不問


海原「むむ……」

結標「貴方、これまでは良かったかもしれないけど、調べたら即ダウトなんじゃないの?」

海原「まあ、皮剥かれたらバレますよね」

結標「そうじゃなくても、そもそもが学園都市の人間じゃないんだし。
    こういうところのほうが都合がいいんじゃない?」

海原「……まぁ、見るだけならタダですし」

結標「決まりね。行ってみましょう」

 :
 :
 :

結標「あら、お洒落なお屋敷じゃない」

海原「そうですか? 僕には呪いの館に見えますが」

結標「ま、見方は人それぞれよね。インターホンはこれかしら?」ポチットナ


<ジャーンジャーン

ギィィィィィ


絹旗「はい、どちら様でしょうか」

結標「入居者募集の張り紙を見てきたのだけれど」

絹旗「……ご夫婦ですか? ウチは独り身向けですが、大丈夫ですかね」

海原「夫婦なんてとんでもない! ただの同僚ですよ」

結標「全力で否定しなくてもいいじゃない」

絹旗「まぁ、とりあえず中へどうぞ。まだ空き部屋はありますので」



 ――その後、奇妙な二人組は女性側の意見が押し切られる形で採用され、入室を決めた

 

 


絹旗「超思いのほか、早く埋まりましたね」ベリベリ

滝壺「みんなどんな人なんだろうね」

絹旗「そうですね。個室以外は超共有スペースなんですし、
    どうせですからみんな集めて自己紹介でもしてもらいましょうか」

 

~同日夜 自宅1階 食堂~


絹旗「という訳で超集まってもらいました。じゃ、そっちの方からどうぞ」

滝壺「きぬはた、急ぎすぎ。それに、まずは私たちから始めるべきじゃない?」

結標(なんであのツインテールが……!)

白井(なんであのピンクサラシが……!)

婚后(みなさまと自然に接するようになれれば良いのですけれど)

番外個体(ねっみィ)

海原(驚きました、これだけいて男は僕だけですか)

絹旗「んじゃ、私から。絹旗最愛っていいます。モアイって言ったヤツは超殴る。
    能力はレベル4の窒素装甲です。超よろしく」

結標「え? 能力まで言っちゃうの?」

番外個体「別にいいんじゃなーい? ここにいる人間同士で闘う訳でもないしさ」

結標「……え、えぇ、そうね(彼女の言う通りね……ここは従っておきましょ)」

滝壺「じゃ、私ね。滝壺理后。能力はレベル4の能力追跡……だったけど、
    身体壊しちゃったから今はあんまり使えない。よろしくお願いします」ペコリ

白井「お二人とも高位の能力者でしたのね……」

絹旗「大したことじゃないです。じゃ、そっちの席から時計周りでどうぞ」
結標「あら、私ね。この中には面識がある人もいるようだけど……
    結標淡希、能力はレベル4の座標移動よ。よろしくね」

白井(レベル4? あの反則能力でわたくしと同じ強度?! ウソですの!)

結標「ほら、次、貴女よ?」ツンツン

番外個体「……っあ、起きてる起きてる。ええと、ミサk……あ」

滝壺「?」

番外個体「(一人称ミサカはよしたほうがいいか)
       ええと、三澤真琴だよ。適当にミサワとでも呼んでくれていいから。
       能力はレベル4の発電能力、よろしく」

海原(発電能力ということは御坂さんと同じですね……心なしか、似ているような)

白井(……気のせいでしょうか。最高に不機嫌なときのお姉様のお顔に似てますの)

婚后「次はわたくしですのね。コホン……常盤台の婚后光子とは私のことですわ!
    能力はレベル4の空力使い。皆さま、よろしくお願い致しますわね」

結標(根っからのお嬢様なのね、育ちの良さが表れてるわ)

婚后(あぁぁぁ! またやってしまいましたわ……高圧的な態度はやめたいと思っていますのに……)

白井「真っ白に燃え尽きた婚后さんはほっといて。同じく、常盤台中学の白井黒子ですの。
    能力はレベル4の空間移動ですの」

海原「驚きましたね。なんとレベル4の空間移動系能力者が二人もいるなんて」

白井「いえいえ、わたくしの能力などそちらの結標さんに比べると大したことありませんの」ジトー

結標(な、なによう……まさか、まだ根に持ってるの……頭上に4520kg転送しただけじゃない……)

番外個体「」スピー

婚后「こら、起きなさいな」チョンチョン

番外個体「ふぇ?」

海原「おっと、僕で最後ですか(ここは海原として振舞っておきましょう)
    海原光貴と申します。能力はレベル4の念動力です。よろしくお願いします」

結標(あ、海原のプロフ借りるんだ)

婚后(なんと整った顔立ちですの……///)



絹旗「……あ、次は私ですか?私は絹旗最愛っていいます。モアイtt」

結標「ちょっと、何周させるつもりなのよ」

滝壺「きぬはた、1周で十分だよ」

絹旗「じゃ、これで超全員ということですので。改めてこれからよろしく」

「「「「「「超よろしく」」」」」」」

絹旗「……」

滝壺「夕飯を用意してあるから。みんな食べてって」

 :
 :
 :

絹旗「超おーなーかーすーきーまーしーたー」チンチンチン⌒☆

白井「絹旗さんでしたかしら? 少しは手伝ってくださいな」

滝壺「いいの。今日はきぬはたが作ってくれたから」

番外個体「」スピー

結標「この子も?」

滝壺「叩き起こして」

婚后「ほら、起きなさいな」ガンガン

 

 

 

~夕食~


海原「おお、これは結構な塩梅ですね」

絹旗「この絹旗サマの手料理を食べれることに超感謝することです」フンス

結標(な、なんてこと……こんな小さい子にまで完敗だなんて……)

滝壺「あのさ、みんなに提案があるんだけど」

白井「なんですの?」

滝壺「この家、見ての通り個室以外は全部共有スペースなの……今日までは適当にやってたけど。
    これからはお風呂の順番とか食事の当番とかで揉めないように決めたほうがいいと思う」

婚后「それは入居時に受けた説明の通りですし、みなさまも問題はないのではなくて?」

番外個体「集合住宅ってよりは下宿って感じだよね。絹旗さんが寮母さん(笑)」

絹旗「なんか超引っかかる言い方ですね……」

番外個体「( ゚3゚)~♪」

白井「食事係は、ちょうど7名おりますし、曜日毎に交代でいかがですの?」

海原「ですが、突発的な用事とかもあるでしょう」

白井「その場合は次の日の方と交代とか、回避策はございますの」

結標「白井さんに婚后さんだったかしら? 貴女達は学校があるでしょう。
    土日は貴女達に任せて、平日は私達でまわす。どうかしら?」

婚后(むしろ、学校に通ってるのが私と白井さんだけというのが不思議ですわ……)

白井「私は問題ありませんの」

滝壺「あ、あと3食全部は大変だから、夜だけ。朝と昼はみんな好きなようにする形で」

絹旗「とりあえずそれでやってみましょう。やらなきゃ超見えない問題点もあるでしょうし」

~夕食当番表~     

            ○月○週

月きぬはた

火たきつぼ

水みさわ

木むすめじ

金うなばら

土しらい

日こんごう

 

 

滝壺「できた」フンス

番外個体「じゃ、壁にでも貼っておこうか」ペタペタ

絹旗「今日が私だったので、明日は滝壺さんですね」

滝壺「夕食の時間に帰ってこれないときは絶対に連絡すること、みんな約束ね」

一同「らじゃ」



 ――その他、食材の調達など、共同生活に必要なルールが順次決められた
    こうして、奇妙な偶然から集った大能力者たちの共同生活は始まるのであった

 

 

 

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最終更新:2011年03月08日 23:07
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