ステイル「最大主教ゥゥーーーッ!!!」 > 第二部 > プロローグ > 01


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注意事項更新
※だいたい魔術サイド
    ↓
※やや科学サイド ←New!

※人を選ぶネタ(今回限り?)←CAUTION!



学園都市。



それは日本の首都東京の西部に位置する巨大な教育研究機関の総称であり、


同時に世界の一方を占める勢力、『科学』の総本山である。




三次大戦の主役となった十年前と較べ技術進歩の速度が緩やかになっているとはいえ、


今なお世界最高の科学技術を擁して、勢力を拡大し続ける事実上の独立国家。




数多の学生が超能力を有し、『魔術』に対抗しうる力を秘めるこの世のパワーバランスの一極点。










――――そして、彼女の人生が始まった場所。



それが、学園都市だった。

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ロンドン・ヒースロー空港の特別通路を、一組の男女が暗い面持ちで歩いていた。


十字教をなめたようなスタイルの神父――ステイル=マグヌスは、いつも通りの憂鬱な面である。

彼にとっては悲しいことだが、別段周りから見て珍しい表情、というわけでもない。


そのステイル以上に凄絶な表情でスーツケースを引いているのが、

国内外に多数のファン(お前らまず入信しろよ)を当人も知らぬ間に獲得している、

イギリス清教最大主教――インデックス=ライブロラム=プロヒビットラムであった。


「ねえ、ステイル…………やっぱり帰らない?」


「…………そういうわけにはいかないね。大体、あなたが是非にと言ったんだ」


「そ、それはそうなんだけど!」


ステイルとて、気乗りしないのは山々である。

あれよあれよという間に清教派内で決定していた今回の『仕事』は、

その始まり――は別として、終わりまでほぼ全てあの曲者が仕組んだことだ。

ましてや行き先があの街ともなれば、いよいよ彼のテンションはストップ安である。


しかしインデックスは、彼よりはるかに陰鬱な表情でSAN値の最安値を更新し続けている。

彼女がこのフライトを渋っているのには、ステイルとは全く別の理由があった。


「す、ステイルは『アレ』に乗ったことがないからそんな風に構えてられるんだよ!
 一度でもあの地獄を体験したら、私みたいな敬虔な子羊が震えるのはしょうがないかも!」


イギリス清教のファイナンス部門は相当に切ないことになっていたらしい。

なんと最大主教が乗る便だというのにファーストクラスはおろか

ビジネスクラスのシートさえ押さえてないのだと言う。



…………というか、そもそもクラスがどうとかいう問題ですらなかった。



「僕も噂には聞いてるが……そんなになのかい、『アレ』は?」

「…………カエル先生いわく、『十分も経たない内に思考する余裕が消える』代物なんだよ」

(……それは、旅客機と呼んでいいのか?)



二人がみっともなくあーだこーだ言っているうちに、とうとう通路が終わってしまう。

到着したのは滑走路を見渡せる開放的なロビー……ではなく、

油と鉄の芳ばしい香りが漂う巨大ガレージであった。

カッチリとした、しかし高級なスーツに身を包む美女が二人を出迎える。



「ようこそ、今回のテストフライトにご搭乗くださる方々ですわね?」



そう、『テストフライト』だ。

何をトチ狂ったのか、シスコン軍曹が己の上司のために手配したのは

未だ一般客を乗せて飛行した経験のない試作機であった。

先立つものがどうこう以前に、面白がっているのが明け透けな事この上ない。



ゴルゴダに向かう救世主のような心もちで此処まで歩んできた二人は、

案内役に言葉を返す気力もなく顔を上げて――














――『処刑の十字架』を目の当たりにした。












         _         _      r―- 、
        f   ',    〃ヾ    /    l
        |   / ̄マ'ム OイT ̄¨ー 、   .|
        |  /     ヽ トイノ     ヽ  |
        |  ト--―  ≧、,≦  ―-イ´   |
        ヽ-ノ      ><     Tヾイ
        ノ |  ,--、 .__≧≦__ ,ィ'^ヽ |  ヽ
      /  / /   / /`´', ',   ヽヽ  \
      fム / /   0l l   l l0    ', \ /ソ
      マ〉'   ヽ    ,==、__t -、   ./  ヾイ
            |  l´   .∨   ヽ  |
            | .l         l  |
            | l         l |
           _| レ,       、.ム .|、
           ヾイ/        ヾメ少


ステ「……」

イン「…………」

ステ「………………」

イン「………………え、『コレ』で行くの?」


穴三「その為のフ○ジールです」ハイ




ステ「旅客機が喋るなぁぁぁあああああっっ!!!!!」




イン「…………私達、新型の『超音速旅客機』に乗るって聞いてたんだけど……」

ステ「なのにあれはなんだあぁぁぁぁっ! せめて飛行機の形状を保てえええ!!」

案内役「まあ、学園都市製のガラクタなどと一緒くたにして欲しくはありませんわ!
    それに『飛行機』などと無骨、そして無粋な呼び名! 
    我が婚后航空の先端技術を駆使した次世代型制空システム! 
    その名も『ネクスト』! と呼んでいただきたく」

ステ「技術もフォルムも設計思想も何もかもが尖り過ぎなんだよおおーーーっ!!!」



案内「それではお時間ですので、シートにお座りくださいませ」

イン「……あれはシートって言うより、コックピットって言うんじゃないのかな」

ステ「…………おい待て。パイロットはいったいどこに乗るんだ……」ンゼェハァ

案内「その点はご心配なく。超高性能AIが目的地まで完全自動でお送りいたします♪」

穴三「単騎でも墜落率はほとんどありません」ハイ

ステ「1%でも有ったら大問題だろうがああぁぁっ!!!」

イン(出発前からステイルが絶好調なんだよ)


ステ「もういい。無理にでも別の便を取ろう、最大主教」

イン「え、いいのかな……? 『仕事』に影響するんじゃ」

ステ「そのツケはヤツが払わされて然るべきだ。付き合ってられるかこんな…………」



案内「まあ、困りますわお二方!」

ステ「困ってるのは僕らだ!!!」



案内「実はお二人にお手紙を預かっているのですが……
   このような事態になったらお渡しするように、と」

イン「………………誰から?」

案内「今回のクライアント、土御門元春様でございます」

ステ「やっぱりかああぁぁぁ!!」



ステ「見たくねぇ……」

イン「でも、無視したらそれはそれで後がこわいかも……」

ステ「そうなんだよな…………しょうがない」ピラッ



元春『いぇーい、元気にいちゃついてるかNYAー、二人ともぉー?』



ステ「焼き捨てたい」シュボッ

イン「お、落ち着いてステイル! まだまだ先は長いんだよ!」



元春『これを読んでるってことは案の定グダグダ言ってんだな?
   まったく恋愛だけじゃなくこんな事にもチキン野郎ってわけだ』



ステ(いつかコイツを『コレ』に乗せてやる。必ずだ)

イン(気温がジワジワ上がってきたんだよ……)



元春『まあぶっちゃけ、他の選択肢も用意できないことは無いんだけどにゃー。
   ただ速くて安い、っていうかテスト料が入ってくるとなりゃあ乗らない手はないぜよ。

   …………そういうわけで、保険を掛けさせて貰った』



ステ「目眩がしてきた……」

イン「だ、だいじょぶ? 膝枕しよっか?」

ステ「べ、別にいいよ」


案内「」イラッ

穴三「」イラッ



元春『わかってるとは思うがお前たちの命の担保くらいはちゃんとしてるぞ?
   ……もちろんこれからするのはお二人さんが渋った時の為の
   人質……いや物質(ものじち)の話だぜい』



イン「い、命は保証してくれるって!」

ステ「『保証』か、それとも『補償』なのかは議論の余地があるがね……はぁぁ」プカー



元春『いやーそれにしてもご両人、誕生会では良い画を撮らせてもらったにゃー』



ステイン「「!!」」アッ



元春『ロンドンタイムズにタレこむ、と言ったな…………あれはウソだ。





   日本のニュース番組のトップを、確保する準備が万端整ってるぜーい!!』



ステイン「「!!??」」

案内(息の合った二人ですわね……)



元春『まあオレだって鬼じゃあない。やることやりゃあ無かったことにするぜい。
   んじゃ、久々の日本をしっかり楽しんで来いよ(笑)』



ステ「」

イン「…………不幸なんだよ」



イン「うう……せめて、最後の祈りの時間が欲しいかも……」

ステ「最後というか、最期になりそうな…………っ、いや!
   僕がいる以上、貴女を決して死なせは、いや傷つけさせはしない…………!」キリッ

イン「す、すている…………」キュン

案内「あーさっさと乗りやがってくださいますか? 後がつかえてますので」イラッ

ステ「『後』なんて誰もいないだろうが!」



イン「じゃ、じゃあ。覚悟を決めて……」シートベルトガシャ

ステ「おい、最後だ。もう安全性については聞かない。聞くだけ無駄だ。
   どれぐらいスピードが出るのか、それだけ教えろ」オナジクガシャ



グイングイングイン ドドドドドドドドドドド



ステ「ってなに勝手にエンジン掛けてるんだおい!!」

穴三「テストの汎用性は高くなりました。いい傾向です」ワクワク

ステ「お前かあ!! なんだこのポンコツAI!?」



ジー ガチャン アー マイクテス マイクテスデスワ


案内『機体性能から算出される瞬間最大速度は時速五千キロほどになります』

ステ「!?」

イン(意外と大したことない、そう思える自分が悲しいかも)トオイメ



案内『ただし、今回のテストはこの機体の為のものではありませんわ』

イン「へ?」

案内『モニタをご覧くださいませ。PVをお流しいたします』

ステ「なんでこのタイミングで!?」


ピッ 




案内『これが、今回我が社が自信を持ってお送りする新型追加ブースターです!』




          .,__  ., \
          ‐-;-.,_ "''=;- .,_\ \\
       ↓コレ  "‐ニ‐-> "`"'-' \
__________二)           ヽ
――     ̄"'''─-          /^l    ヽ
              ,-‐-y'"゙"''゙゙"´  |    ヽ
  ――=  ――   ヽ、,;'   ・ ω ・ ミ    
-――            ミ====[==]=l==ミ     | ←?
        ――   ∠         ;;     |
――= ――      ';,        ミ      
    _____   ;;,,      ,;;゙      /
 ̄ ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ヾ、 _( /"゙'''"゙( /     /
              ヾ./_       _ //
               、-、ヾ、、, 、, /i/
              // ./// /
                /



ステ「」

イン「わーかわいいですわー」ボウヨミ



案内『これにより、夢の時速一万キロ台を大きく突破!!
   学園都市までおよそ三十分の快適な空の旅を』

ステ「もういい早く出せっ!!! やるならさっさとやってくれえーーーーーっっ!!!!」



そして、二人は風になった。


「」

「」


見慣れた倫敦の街並みが後ろへ後ろへとかき消えていくが、

もちろんステイルとインデックスにそんな瑣末事はインプットされない。

意識が光の彼方へ飛翔するなか、ステイルが認識できたのはただ一つ。





「オイルタンクから、燃料が逆流」


「するなああああああああぁぁぁぁあぁぁーーーーーーっっっっっ!!!!!!!」


無機質なポンコツ声の提供する『ツッコミどころ』だけであった。






かような変態企業がひしめく極東の科学の坩堝で、二人を待ちうけるモノとは――――!?



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IN


トンデモ発射場レディー ←New!



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『…………本当に来るなんて驚きだ。心中お察しするけど』


『まあ、ウチのトップはお人好しなんでな』


『我らのヒーローと一緒、で?』


『…………アイツの影響力は本当に計り知れないな』


『まったく。あのお人好しどもなら何も言わなくても首を突っ込むだろうし』


『己が身ぐらいは自分で守れる。だからこそ、こっちのうるさいのも最後には黙ったんだ』


『それはこちらにとっても好都合。……こういう釣りはお互い得意のようだけど』




『釣り人二人に魚が一匹。こうなると漁夫同士の駆け引きだな』


『おいおい、お互い手の内は見せ合って、カード交換までしただろう?』


『はは、どうだろうなぁそれは?』


『魚の方も相当の大物だという疑いが濃い。限られた脳細胞は有効に使おうじゃないか』


『違いない。……さて、悪いがそろそろ切るぜ』


『そうかい。また楽しいおしゃべりを期待するけど』


『そいつは光栄だな。そんじゃあ――』










『あばよ、どこの誰ともわからない先輩さん?』









『じゃあな、世話した覚えもない後輩君?』










続きますわ



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