ステイル「最大主教ゥゥーーーッ!!!」 > 土御門編 > 01

『必要悪の教会』寮 食堂


イン「まっだであっるか♪ まっだであっるか♪」

ステ「……その口調で軽快に跳ねないでください」

火織「お行儀が、悪いですよ、インデックス…………」ハァ



トントントン グツグツグツ ジュージュー



舞夏「さあ出来たぞ、召し上がれ―」

イン「ああ、天にまします我らが主よ、迷える我らはここにいっただきまーす!!」

ステ「祈るなら最後までやってください!」

火織「い、いただきます……」

舞夏「おう、どんどん食べろー」 

ステ「この量でこの質……相変らず絶品だね、ミセス土御門」

イン「ふふん、まいかは超!名門綾乱出のプロのメイドで
   あるのだからこれぐらいは朝飯前なのよな!」モキュゴクゴックン モグモグモグ

ステ「よくちゃんと喋れますね。というか何で貴女が自慢げなんですか」カチャカチャ

舞夏「そ、そんなに褒められるとさすがに照れるなー」ニヘヘ

イン「謙遜することねーかも!」ズズズズズ!

ステ「その通りだね。さすがはイギリスにもその名が轟くメイド学校。だがしかし……」スープハオトヲタテズニ!





火織「う、ううぅ……」シクモグシクモグ

ステ「そっちのしけた面はどちらかというと、冥土送り(エクスキューショナー)だね」モグモグ

舞夏「どうだー火織? それが洋食の基本、オムライスだぞー?」

火織「お、美味しいです。オムライスがこんな、こんなにも……」シクシク

ステ「まあ、この間君の作ったオムライスときたら対味覚兵器もかくや、という代物だったからね」ゴチソウサマ

イン「結局、私が平らげたって訳だにゃーん」ゴチソーサマ!

舞夏「oh…………」オソマツサマデシター

ステ(『宇宙胃袋』は健在だったな……)



火織「うっ、うぇぇぇえええええええんん!!」

ステ(三十路近くにそんな泣きかたされてもな)

火織「私だって頑張った! 頑張ったんですよ!! 
   慣れない洋食を! あの人に喜んでもらいたくて!!」ウェーン

舞夏「愛情は料理の一番のスパイス! 間違ってないぞー、火織ー!」

ステ(結果、塗炭の苦しみを味わっているようだったが……)

火織「うううううぅぅ。つ、つまりそれは愛情が足りないということでしょうか……」シクシク

舞夏「……追いうちになっちゃったなー」

イン「な、泣かねーで、かおりー」ナデナデ



五分後



火織「…………申し訳ありません。お見苦しいところを」カオマッカ

舞夏「だいたい、なんで洋食にこだわるんだー? 火織は和食はちゃんと作れるじゃないかー」

火織「……その、それは。あの人は根っからの洋食派なので……」

舞夏「自分の故郷の味を知ってもらうってのは、国際結婚の王道だと思うんだけどなー」

ステ「僕らもそう言ったんだけどね。この頑固者は聞かなくて」

イン「相手の好きなものを食べさせてあげたい、っていうのは超恋愛の王道なのよな!」

火織「あ……う…………」プシュー

舞夏「むむ、そうかそうか! それで私に洋食を教わりたい、ということなんだなー!」

ステ「まあ、今日はそのために彼女と神裂の予定を合わせたのさ」クルッ

イン(誰に説明してるのかな?)



舞夏「そういうことなら善は急げ! さっそく始めるぞー!」

火織「よ、よろしくお願いします! 先生!」

イン「味見はまかせてにゃーん」

ステ(一応、医務室の手配はしておくか……)ピッポッパッ



舞夏「さて、まずは私も火織のレベルを確かめさせて貰うぞー」

火織「うう……」ドキドキ

舞夏「そんなに緊張しなくても、ただのスクランブルエッグだー。作り方はこちら↓」



1.卵をボウルに割って、よくかき混ぜろー。この時、箸で黄身を切る様に混ぜると、よく混ざるぞー。

2.薄く油をひいたフライパンを熱するんだー。熱したときに出る白い煙が消えたらもっかい油をひけー。

3.フライパンを弱火にかけて、1で作った物を入れて熱しながら混ぜれば、



                ウルトラジョウズニデキマシター!



舞夏「なー? 簡単だろー?」

火織「りょ、了解です! 行きます!」

イン(どこに?)



1.卵をボウルに割って、よくかき混ぜろー。この時、箸で黄身を切る様に混ぜると、よく混ざるぞー。

コンッ パカ シャカシャカシャカ

舞夏「なんだ、上手じゃないかー」

火織「そ、そうでしょうか?」

ステ(力の入れすぎとかは起こらないんだよな、なぜか)



2.薄く油をひいたフライパンを熱するんだぞー。熱したときに出る白い煙が消えたらもっかい油をひけー。

シューシュー ツツツ シュー

舞夏「……普通に考えて、問題の起こり得ない工程だなー」

火織「プレッシャーをかけないでください!」

イン「ふぁいと! かおり!」



3.フライパンを弱火にかけて、1で作った物を入れて熱しながら混ぜれば

キシャーン キシャーン ダダッダー 

ダッシュ! ダッシュ! ダンダン ダ ダン 



舞夏「!?」

ステ「!?」

イン「!?」





ドンッ!

火織「……………………」





オーレーハー グレートー 






舞夏「……………………それは、スクランブルダッシュだー」








ステ&イン「「………………いくらなんでも、これはない」」



火織「うわぁぁぁぁぁぁんんんんんん!!!!!」



イン「ごちそーさまなのよ」ケフッ

舞夏(人体って不思議だなー)

ステ「だいたい、卵焼きはちゃんと作れるのにどうして横文字が入るとこうなるんだ?」

火織「お、おのれ魔術師ッ…………!」

イン「現実逃避はいけねーかも」

火織「インデックスまで!?」



舞夏「まあ、私にもプロとして意地があるからなー。このままじゃ終われないんだぞー」

火織「! じゃ、じゃあこれからも」

舞夏「どん! と任せておけー! 必ずや旦那の大好物をマスターさせてやるぞー」

火織「ああ、ありがとうございます!! ……あ、いやしかし、貴女にも時間の都合というものが」

舞夏「いいんだー。…………馬鹿兄貴がいないと、毎日にハリがないからなー」ボソッ

イン(まいか…………)

ステ(…………。ん?)


prrrrrrr


ステ「失礼。…………ああわかった。すぐ行く」ピッ

イン「誰からだにゃーん?」

ステ「なに、大したことではありません。……僕は少し出ますので、最大主教はここでお待ちを」

イン「むー。連れてかないと私も超長電話してやるのよな」ピポパ

ステ「我儘言わないでください。おい、神裂……」



神裂「ああ、師匠! 貴女に一生ついていきます!」

舞夏「ふふー。あがめろーたてまつれー!」



ステ「(だめだこりゃ)…………ん、あれは」




レイチェル「~~♪」




ステ「ちょうどいいところに、シスター・レイチェル」

イン「!!」ビクッ

レイ「あら、神父(ファーザー)ステイルではありませんか。皆さんも」コンニチワ

ステ「実は緊急の用件が入ってしまって。少し彼女を見ていてもらえませんか?」

イン「むー! 私は良いとはいってな」

レイ「まあまあ! じゃあ行きましょうか最大主教! ご飯を山でご用意しますよ?」

イン「山のような、と言って欲しいのよな!? っ、ていうか、たった超今お腹たっぷり食べて……」

レイ「はいはい行きましょうねー ほっぺたにしまっちゃおうねー」

イン「すっ、ステイル!! 結局、助けてほしいってわk」



ステ「アーメン」

イン「」



ステイルゥゥゥゥゥ!!!???

ニヒャクニンマエホドアリマスヨー



ステ(…………恐ろしい人だ)プカー



ロンドン 路地裏



ステ(……このあたりか)



スッ……スッ……



ステ「……来たか」

??「面と向かっては久しぶりぜよ」

ステ「やあやあ、よく帰ったね。……土御門」



元春「いやーステイルくん、素晴らしいプレゼントをありがとにゃー」ピクピク

ステ「君の置土産に較べればなんてことのない代物さ」ピクピク

元春「おかげで舞夏の元に戻ってくるのが一月ばかり伸びちまったぜい」ギロッ

ステ「……御夫人には申し訳なかったがね、あれは自業自得と言うんだ」マケジトギロッ

元春「なんのことかにゃー。そうそうこないだフィアンマから新店舗の招待券が届いて」

ステ「それのことだそれのっ!! くそっ、ただでさえ問題は山積みだっていうのに!」

元春「あ、お前の分も同封されてたぜい。今度一緒に中国nアチョーーーーーッ!!!!!」ボボボボボッ!!

ステ「あの野郎ッッ……!!! なにを全世界展開なんてしてるんだ!!!」

元春「……そう言ってやるな。これが今奴の目に映ってる世界の在りようなんだ」プスプス

ステ「君が掛けさせた色眼鏡に映ってる世界だろうがッ!! どんだけピンク色のレンズなんだ!!」



元春「いやー相変わらずよくキレるツッコミで安心したぜい」ハハハ

ステ「ああ確かによくキレてるよ僕は!! ……もう、正直疲れた」ゼェハァ

元春「インデックスの護衛にか?」

ステ「…………そういう聞き方はないだろう」

元春「はっはっはっ、冗談ですたい」

ステ「……ちっ」シュボッ

元春「おっ、オレにも火ィくれよ」スッ



ハー プカー



ステ「……」

元春「その分なら、インデックスを守る気持ちに揺らぎはないんだろう?」

ステ「当然だろう。愚問の極みだね」

元春「……たとえあいつの心に、いまだに『だれか』が棲んでいても、か?」

ステ「繰り返す。愚問だ」







「それが、僕の生き方だ。遠い昔に誓った、ね」





元春「……死んでも、いや『死ぬまで』変わらぬ頑固者だな」

ステ「何とでも言え」

元春「もう言うことはないにゃー。さ、愛しの愛しの舞夏とご対面だぜい」ウキウキ

ステ「おい待て、土御門。僕の方にはまだ聞くことが残ってるぞ」

元春「なんですたい?」

ステ「とぼけるな、君の『仕事』のことだ。もう終わったんだろう? 僕ぐらいには教えても……」



元春「終わったから、戻ってきた。そんなことを言った覚えはないな」

ステ「なに? だが君は」

元春「オレの今回の仕事は、土壌づくりだ。本番はこれから『やってくる』」

ステ「……前に言ったな? 今回の件は、めずらしく私情を絡めていると」



元春「…………ああ、そうだ」

ステ「……めずらしい、ということは御夫人ではない?」

元春「……そうなるな」

ステ「ではいったい何のために、いや誰のために動いた、土御門元春?」

元春「そうだな……間違っても、ダチ、ではない。仲間というのも少し違う」


ステ「……じゃあ、なんだ?」




「『共犯者』……そう呼ぶのがしっくりくる、変態野郎さ」




ステ「結局、明確な答えになってない気がするな」

元春「んーそれじゃあそうだな……こいつはサービスだ」スッ

ステ「……この封筒はなんだい?」

元春「今回の仕事の報告書だぜい。一応お前はオレの上司だからにゃー」

ステ「君に上司扱いされたことなど前世まで遡っても記憶にないんだが……というか、初めに出せ」

元春「それじゃあお話があっさり終わっちまうぜい」

ステ「早く終わってなんの不都合があるっていうんだ……?」※作者にあります

元春「さてと、それじゃあ今度こそ」



イン「あーーーーっ!!!! こんなところに居たかもー!」



ステ「最大主教!?」

元春「おう、久しぶりだぜい、インデックス」

イン「もとはる! いつ帰ってきたのよな?」

元春「つい今朝の便でにゃー。……舞夏は、元気か?」

イン「それは超本人に聞くべきかも! ほらこんなところに居ないで! 舞夏を待たせちまうんだよ!」

元春「わかったわかった、すぐ行きますたい。お前はステイルに用があったんじゃないか?」

ステ「! なにかあったのですか!? ……いやそもそも、何を一人でこんなところまで!!」

イン「レイチェルから逃げ……い、いつまでも帰ってこねーから捜しに来たんだにゃーん」

元春(アイデンティティーの危機を感じるにゃー)

ステ「護衛を捜していて危険な目に遭ったら本末転倒でしょう!」

イン「むー! 結局、ステイルは過保護すぎるって訳よ! 
   だいたい私には『歩く教会』があるから超安全なのよな!」

ステ「突然空から幻想殺しでも降ってきたらどうするつもりです!」

イン「なにそれこわい。それなんてベツレヘムの星なのである?」



元春「(……頃合いかにゃ)夫婦漫才してるところ悪いけど、オレはお先に行くぜい?」

イン「漫才じゃないかも!」

ステ「夫婦でもないよ!」

元春「(息ぴったりですたい)ああそうそう、インデックス、ちょっとお耳を」ゴニョゴニョ

イン「?」フムフム

ステ「……おい、何をしている?」

元春「おいおい、これぐらいでステーキにされちゃあたまらんぜよ。じゃ、あばよ」ダッ



ステ「……なんだったんだ?」チッ

イン「…………」ヒョコヒョコ

ステ「どうかしましたか? というか、今いったい何を……」

イン「その封筒、見せて欲しいかも」



ステ「な……!?(しまった! 彼女に『裏側』など見せるわけには……!)」

イン「あ・や・し・いのであるー!」グイッ

ステ「ま、待てそれは!!」クッ!

イン「いいから見せるのよな!」ムキー!



バサッ バラバラバラ



ステ(ああっ! やむを得ん、こうなったら消し、炭、に…………?)








『新装開店!! ベツレヘムロンドン店VIP席御招待券!! これであなたも神の右席!?』




ステ「」

イン「………………」ギラリ



ピラッ

『騙して悪いが、これも仕事(?)ぜよ』



ステ「」

イン「……………………………………すている?」シャキーン

ステ「」




ガブリッッッ!!!!




「謀ったなぁぁーーーーっ!! 土御門ォォォォォ―ーーーーーーーーッッッ!!!!!!!」ドクドクドク 

「どういうことなんだぜい!? 私のメイドじゃ不満なのかにゃー!? 白状してもらいますたい!!」ガジガジ



「不幸だぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!」



OUT

AIM剥奪(ステイル&神裂がなにげに矯正)

IN

だぞー ←New! だにゃー ←New!








ツ・ヅ・キ・か・く・て・い・ね


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最終更新:2011年06月11日 19:04
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