球磨川『学園都市?』 > 17


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御坂の放った超電磁砲は床をえぐり、青白い閃光と共に球磨川に向け進んでいく。 
 
発射されたと視覚で捕らえると同時に着弾している程のスピードで飛んでくるコインを球磨川がかわせる訳もなく、 
 
あっけなくその右脇腹を打ち抜いた。 
 
貫通したコインが壁へ激突し、轟音が鳴り響く。 
 
高熱を伴う超電磁砲が直撃した傷口は焼け焦げ、出血はしないが、その代りに人体を支える骨と、生命活動を維持するための内蔵が剥き出しになる。 
 
当たり前だが、そんな傷を負ったらまずは助からない。事実、球磨川は両手に持った螺子を離し、そのまま倒れこんでしまう。 
 
思わずそんな光景に息を呑む御坂。自身が超電磁砲を放った結果、目の前のグロテスクな光景がある。 
 
これまで彼女は人に向け超電磁砲を放ったことは何度かあるが、その全てが消されるか、反射されてしまいこのような事態にまで発展したことはない。 
 
人を殺した。 
 
彼女は改めて自分の能力の強大さを確認すると共に、後悔の念に押されてしまっていた。 
 
何もここまですることはなかったのだろうか、少し冷静になって威嚇程度でもよかったのではないだろうか。 
 
今となっては後の祭りだが、怒りに身を任せて行動してしまった自分を責める。 
 
そんな、混乱している御坂は一つだけ失念していた。 
 
目の前のこの男は、どんな傷を負ったところで回復し何度でも立ち上がることができるということを。 
 
だから、ほぼ無意識のうちに球磨川に近寄ってしまった時点で、球磨川の心配をしてしまった時点で、“大嘘衝き”の術中だった。 
 
それは、負能力だけだという話ではない。 
 
球磨川はあえて悲惨なシュチュエーションを作り出すことによって、御坂への攻撃を開始していたのだ。 
 
そして、自らの螺子が届く距離まで近づいた御坂にめがけ、今度は思い切り物理的な攻撃を仕掛ける。 
 
既に球磨川の痛々しい傷はもうない。御坂は攻撃に気がつき慌てて回避しようとするが、球磨川の螺子は的確に人体の稼動範囲が一番狭い腹部を狙っていた。 
 
もはや、避ける事は不可能な距離。命中必須の攻撃だった。 
 
が、それは突如飛来した無数の石つぶてにより叶うことはなかった。 
 
「なァンで敵に同情してンですかァ?御坂美琴(オリジナル)」
 
球磨川と御坂が同時に声のした方へ顔を向ける。そこには気を取り戻した学園都市最強の一方通行が口元を歪め、愉快そうに立っていた。 
 
「超電磁砲の音か……ちょいと目覚ましにしてはデカ過ぎる音だなァ」 
 
面倒臭そうに頭を掻きながら言う一方通行に球磨川が意識をそらした隙に、御坂は距離をとり一方通行の隣まで移動する。 
 
「助かったわ」 
 
「甘ェんだよ、しっかり相手が死ぬまで攻撃をやめるんじゃねェ……こんな感じになァ!!」 
 
御坂の礼など一蹴し、ダンッと思い切り右足で床を踏みつける一方通行。するとその箇所がひび割れ無数の破片が宙に舞い球磨川に襲い掛かる。 
 
「さっきはバッテリー切れで何もできなかったがな、なぜか今は充電満タンだァ!!一瞬で素敵なオブジェに変えてやンよ!!」 
 
「御坂美琴(オリジナル)!!砂鉄の剣だァ!」 
 
その言葉を聞き、破壊され地面が剥き出しになった床から砂鉄を磁力で集め剣を形成させる。 
 
「拡散させて逃げ場を奪え!」 
 
「分かってるわよ!!」 
 
鞭のように球磨川へ向け砂鉄の剣を伸ばし、上空で拡散させ竜巻のように形を変え球磨川を包み込む。 
 
『わぁお、これは流石に死んじゃうなぁ』 
 
しかし球磨川は慌てた様子を見せず、右手を砂鉄の竜巻に向け差し出す。 
 
その瞬間、御坂の制御が聞かず元ある地面へと還っていく砂鉄。 
 
そして飛来する破片には両手を万歳の姿勢から一気に下へ振り下ろす事で全段叩き落した。
 
「なっ!!」 
 
全てを無効化した球磨川を見て二人は驚愕の声を上げる。 
 
「磁力が……」 
 
「ベクトルが……」 
 
「消えた!?」 
 
御坂が操作していた砂鉄からは磁力が消え、一方通行が放った破片に存在するベクトルもなくなってしまい、停止したのだ。 
 
二人が思い浮かべるのは一人の少年。全ての異能を殺す右手をもつ上条当麻の顔だった。 
 
『幻想殺し、とはちょっと違うけどね。僕の大嘘憑きは殺すんじゃない、無くすんだ』 
 
そんな二人から思考を読み取ったように言葉を発する球磨川の両手には再び螺子が握られている。 
 
『ねぇ一方ちゃん……充電満タンなら何だって?美琴ちゃん。教えてあげなよ、誰が一方ちゃんの傷を戻(なお)したのかを』 
 
『ベクトル操作?超電磁砲?いくら君たちが強い(プラス)の能力を持ったところで』 
 
『僕の弱さ(マイナス)の前じゃあんまり意味がないんじゃないかなぁ?』 
 
『知ってるでしょ?どれだけ桁が多いプラスの数字だって、マイナスを掛けてしまえばそれはプラスじゃなくなるって事ぐらい』 
 
球磨川は言葉を終えると、一気に駆け一方通行の眼前へと迫る。 
 
完全に虚をつかれた一方通行は簡単に懐へ球磨川の侵入を許してしまい、美琴も対応に遅れてしまう。 
 
『こんなふうにね』 
 
笑顔のまま右手に持った螺子を一方通行の腕へ螺子込もうとする球磨川に対し、一方通行は回避する素振りを見せない。 
 
「は!反射膜ができてンだ、そんな螺子なンぞはじき返してやンよォ!」 
 
先の天井戦の時のように今の一方通行は能力を十全に使用できる。だから今度こそこの攻撃は反射される筈だった。 
 
「避けて!!」 
 
思考がオンになった御坂が叫び、反射的に避けた一方通行は球磨川の魔手から逃れることができた。 
 
そして二人揃って球磨川と距離を取る。 
 
「なに言ってンだ!オリジ」 
 
「さっきアンタが言ったじゃないの!ベクトルが消えたって。つまりアイツは反射膜さえ無視できるのよ!見なさいその腕を」 
 
その第一位の頭脳でよく考えなさい、と御坂が叫ぶ。 
 
一方通行は言われて自分の腕を確認すると、反射膜で守られているはずの服が螺子によって破れていたのだ。 
 
確かに、避ける瞬間に演算に異変があった事を思い出す。 
 
「おいおい、まさしくあのムカツク三下みてェじゃねェか」 
 
「それ以上よ。アイツは右手だけだけどコイツはどうやら全身でそれができるみたいだから」 
 
「……なるほどなァ」 
 
改めて目の前の敵のでたらめさを再確認する一方通行。そんな話し合いをする二人に球磨川は無邪気な笑みを浮かべながら螺子を消し口を開いた。 
 
『じゃあそろそろ僕の能力を教えてあげるよ。週間少年ジャンプじゃもはや通例となっていると言っても過言ではないからね』 
 
とはいっても学園都市に来て結構名乗ってるんだけどね、と前置きをおいて。 
 
『球磨川禊、高校二年生。過負荷、いや負能力名は【大嘘憑き(オールフィクション)】マイナスレベル5。気になる効果は……』 
 
言いながら球磨川は一方通行の服を指を指す。すると破れた箇所が元通りに戻る。 
 
そして、球磨川は自身の抱える負能力の効果を口にした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『全てを虚構にする事ができるんだ』 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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