上条「誰を助けりゃいいんだよ……」 > 25


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姫神「どういう。ことなの」

エイワス「人は、知らず知らずの内に周囲から期待される行動を取ると聞いたことがある」

姫神「確かに私は。目立つタイプじゃないけど」

姫神「それを期待されていると自覚してるかと言われると。流石に心外」


エイワス「まあ、実際あの少年に助けてもらった人物はほとんどいないようだし」

エイワス「彼に助けて貰えなくても良しとしないか?」

姫神「それは。私だけお姫様みたいに、なんて。思ったりはしないけど」

姫神「でもやっぱり。ちょっとは期待してしまうし」

エイワス「なるほど。それが揺れる恋心というものなのか?」


姫神「それで。えらく普通に相席しているけど。あなたは誰」

エイワス「私は……あqwせdrftgyふじこlp;……ふむ、ヘッダが足りないな」

姫神(ふじこさん?)

エイワス「エイワス。そう名乗るのが一番相応しいだろう」

姫神「何だか。すごく胡散臭い」


姫神「私に。何か用?」

エイワス「君に多少の価値と興味を見出してね」

姫神「一体。何の」

エイワス「君は今、恋をしているのだろう?」

姫神「う。え。そうストレートに言われると。うろたえてしまうけど」

姫神「上条君には。言わないで。迷惑が掛かるから」

エイワス「ここで君をからかおうとは思わない」

姫神「それは。助かる」

エイワス「君に相談したいことがあるのだよ」

姫神「相談。私に?」

エイワス「恋をする少女にね。浮ついたように聞こえるかもしれないが、大事な話だ」

姫神「私もあまり。経験豊富な方じゃないけど」

エイワス「構わない。他の人間はどうも、揃いも揃って忙しいようなのでね」


エイワス「かつて私は、とある牢獄のとある囚人を訪ねた」

エイワス「一定の興味を見出したものでね」

姫神(……価値は?)

エイワス「彼は驚いていたよ。まあ、大抵の人間は私を見て普通じゃないと思うだろうが」

姫神「うん。何て言うか。光ってるし」

エイワス「キリスト教を信ずる者なら、そう……天使のように見えるのかもしれない」

姫神「天使。言われてみれば。神秘的な雰囲気」

エイワス「実際に言われたよ。『あなたはわたしの天使だ』と」

姫神「それは。口説き文句のように聞こえる」

エイワス「やはりそうか……」

姫神「口説かれたの?」

姫神「確かに。あなたはとても綺麗な人」

エイワス「はっきりそうと言われたわけではないが……」

エイワス「私を見る彼の目は、今の君と同じような輝き方をしていたな」

姫神「恋する。瞳……?」



エイワス「それで、私はまずいと思った」

エイワス「もともとがただの暇つぶしだったからね。彼とどうこうなろうという気はない」

エイワス「だが、それに反して彼の方は燃え上がっていくばかり」

姫神「互いの温度差。私も感じることがあるけど」


エイワス「私は彼を訪ねるのをやめた。向こうは囚人だからね。それで距離を置けば何の問題もないはずだった」

姫神「惚れさせておいてそれは。ひどい仕打ち」

エイワス「だが、話はそれで終わらなかった」


エイワス「なんと、彼は消えた私を追って脱獄してしまったのだ」

姫神「その熱意。素敵な話」

エイワス「やられた方はたまったものじゃないからな」


エイワス「世界は広い。私は適当に逃げ回っていればそれでいいと思っていた」

エイワス「ところが。彼はローマ教皇を手中に収め、何億人という信者を使って私の捜索を始めたのだ」

姫神「どうして。そうなった」

エイワス「正直なところ引いた」

姫神「なるほど」


エイワス「どこへ逃げても必ず追手が来る。世界中に信者を抱えているというのはすごいな」

姫神「それで。どうやって振り切ったの」

エイワス「私はミサカネットワークに侵入し、この『見えている世界』から姿を隠すことにした」

姫神「ミサカ。ネットワーク?」

エイワス「概念としてはインターネットのようなものだと思ってくれればいい」

エイワス「目には見えないが存在する繋がりだ」

姫神「そこに入り込んで。姿を隠す。そんなことができるの?」

エイワス「私のことは『何かよく分からないけどすごい奴だ』くらいに解釈していれば問題ない」

姫神「わかった」

エイワス「上手く隠れたのはよかったのだが」

エイワス「インターフェースとして使っていたミサカ19090号の脳に負担がかかりすぎてしまったらしくてね」

エイワス「少し前にとうとう彼女が限界に達し、ミサカネットワーク全体がダウンするような事態になってしまった」

姫神「どう考えても。はた迷惑」

エイワス「仕方なく私はまた出て来たというわけだ」


エイワス「しかも、私という存在について彼は調べていた」

姫神「億単位の人間が動けば。相当のことが掴めてしまいそう」

エイワス「そう。私が学園都市の技術によって現出していることを、彼は突き止めた」

エイワス「具体的にはAIM拡散力場の集合体であるヒューズ・カザキリをラインとしたシステムだが……」

エイワス「隠れた私を引っ張り出すには、AIM拡散力場がいっぱいあればいいんじゃないか」

エイワス「……というような発想で、能力者のクローン大量生産を目論んだらしい」

姫神「恋は。盲目と言うけど」

姫神「それは流石に。引く」


エイワス「彼の暴挙は取り返しのつかないことになる前に止められたそうだが」

姫神「上条君。彼はやっぱり。ヒーローなのかも」

エイワス「私の問題はまだ解決していないわけだ」

姫神「確かに。彼は今。届かなかった思いを募らせている所だろうし」


エイワス「そこで、恋する少女である君に聞きたい」

姫神「正直。話の規模について行けてないんだけど。何」

エイワス「人間に、恋心をあきらめてもらうには、どうすればいい?」


姫神「……それは」

姫神「色々と。方法はあると思うけど」

姫神「でも。やっぱり。直接言ってあげるのが。一番いいと思う」

エイワス「例えば……君なら、どういった言葉で伝えるのかね?」

エイワス「その、気持ちを」


姫神「私」

姫神「私だったら……」


姫神「私は上条君が好きだから。あなたの気持ちには応えられない」


姫神「そう。言うかもしれない」


エイワス「……なるほどな」

エイワス「私は上条君が好きだから。あなたの気持ちには応えられない。エイワス覚えた」


姫神「あくまでも。私の場合だけど」

エイワス「誰の場合でも似たようなものだろう」


姫神「それが。相談の内容なの?」

エイワス「ああ。参考になったよ。ありがとう」

姫神「あの。誤解しないでほしいんだけど」

姫神「あくまでも。私の場合だから」




姫神「……消えた」





姫神「恋。か」


姫神「……上条君」


<ヴェネツィア・とある教会前>



上条「ほら、行くぞ! インデックス!」







上条「――最後の一人を助けに」






インデックス「うん!」





                     完






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