佐天「…アイテム?」25


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あらすじ

砂皿とステファニーの一ヶ月の潜伏期間が終わり、彼らはフレンダ救出作戦に向けて動き出す。
彼らが行動に移った日は学園都市の日本国からの独立記念日。

他の暗部組織も行動を始める中、アイテムもスクールの討伐に動き出す。



※フレンダとステファニーが姉妹という設定です。
フレメアさんは出てきません。
また、セイヴェルンという名前ではなく、フレンダ=ゴージャスパレスという事になります。

ま、パラレルワールドみたいな感じです。






――ファミレス ジョセフ


「あれ?あれは超電話の女じゃないですか?」


「おはよー!」
(ちょっと寝坊しました、すいません)


佐天は持ち前の元気の良さでアイテムの面々に挨拶する。
会うのは夏休みの一回目以後初めてだったが、特に気兼ねなく挨拶出来た。


「にしても…みんな朝から早いわねー…」


「何でお前が直接来るんだよ、電話の女」


「いや、まぁ、あのその…今日は祝日だし、アイテムがどういう感じで仕事の話しをしてるのかなって思って…」


麦野は「ふーん…」と鼻を鳴らすだけ。
他のメンバーは浜面が持ってきたドリンクバーを飲みながら麦野と佐天のやりとりを聞いている。


「単刀直入に言うけど、今回の任務はスクールの鎮圧…で、ついさっき入った情報だと、スクールは八王子の素粒子光学研究所に向かったって情報だわ…!」


佐天はそう言うと柵川中学校の鞄から仕事用のタブレット型携帯電話を取り出す。
以前滝壺とフレンダと一緒に撮ったプリクラは携帯の裏面に張ってあるので見えない。



「えーっと…これが今回戦いに参加している人達の顔写真とデータね」


佐天はみんなが見やすいように掲げて見せる。
高画質の液晶から出力された画像にはアイテムの面々の顔も映って見える。


「超いっぱい居ますねー。にしても今暴れ回ってるのは…この四人組ですか?」


佐天と同い年の絹旗はスクールの垣根帝督の顔写真を指さす。
その質問に佐天は「えぇ、どーやらそーみたい」と答える。


「こいつら、ここ最近ずっと暴れてますね。同業なのに何で目立とうとしてるんですかね?」


「うーん…そこまでわからないわ…ごめん」


佐天は気まずそうに絹旗に返答する。

「で、アイテムのみんなには早速清掃工場に向かってスクールの鎮圧に取りかかって欲しい」


「へいへい、りょーかい」



麦野はシャケ弁をつつき、悪態をつきながらも返事をする。
他のメンバーもいやいやながら「はーい」と返事をした。


「じゃ、いきますかねー。スクールぶっつぶしますか」


麦野のかけ声に「おー!」とアイテムのメンバーが反応する。
すっくと麦野が立ちあがると他のメンバーも立ちあがる。


浜面はその光景を見、伝票入れに入っている伝票をレジに持って行きいち早く会計を済ますと駐車場に向かっていく。
彼は「ちょっと待っててくれ」とアイテムのみんなに一言言うと走って車を取りに行く。


「あ、ゴメン、ちょっとトイレ言ってくる」


浜面が車を取りに行く為にレストランを出たのと同じくしてフレンダがトイレに行きたいと言い出した。
麦野は「はやく済ませてきな」と言い放ち、先にレストランの外に出る。


フレンダは麦野がファミレスに出るのを確認するとトイレに向かう。
その時、アイテムのメンバーから少し遅れて歩いて来た佐天に彼女は目配せする。

首をかしげつつも佐天はフレンダについていった。



――レストラン「ジョセフ」のトイレ


「時間がないけど、私と会うのもこれが最後かな?」


「そうね、フレンダ…」


「涙子はどうするの?」


「…私は前にも言ったようにあなたをここから逃がす…それに協力するのが免罪符だと思ってるから…」


そう。
佐天は人の命が最も軽んじられている学園都市の暗部に身をやつしている。
そんな世界で彼女が最も求めていた物。
それが自分の命令で人が死んだ、という罪を忘れさせてくれる免罪符だった。


「協力ね…涙子は充分協力してくれたわよ?一ヶ月前に砂皿さんと私に接触するきっかけを作ってくれたじゃない」


「でも…あれはテレスティーナさんのメールでフレンダに迷惑かけちゃったよ?まだ何か出来る事があるなら…」


「平気。もうこの学園都市から出る覚悟は出来てる。涙子はこの後も連絡係を?」


「いやー!それが全然考えてないのよねー…これからどーすんのか。取り敢えず、安全な場所まで避難したら連絡頂戴。コレ、私の元々持ってる携帯の連絡先」


佐天はそう言うとアドレスと連絡先が記載されている紙を渡す。
フレンダはその紙をポケットにしまうとトイレを出る。


「あ、そうそう。これ、今日お姉ちゃんから来たメール」


「え?どれどれ見せて?」


――――――――――




From:お姉ちゃん

Sub:よっ!

にゃははーん☆
連絡今まで出来なくてゴメンね!
今日の日程はまた後ほど連絡するよ~☆




――――――――――



佐天はメールからしてテンション似てるわ…とフレンダの様な明るいキャラもう一人いる様を想像した。
そして、フレンダとはもう会えなくなる、と考えると、たった数ヶ月の中だったとしてもちょっと寂しさを感じる。


「じゃ、行ってくるわ。結局、見送りに来てくれてありがとね」


「こいつときたら……頑張ってね…!」



数十秒後、大きな排気音でシボレー・アストロがファミレスの入り口前にやってきた。
フレンダはファミレスのドアを勢いよく開けて乗り込んで行った。


佐天はぶぉおおおん!と音を立てて昭島方面に向かって行くアイテムを見送っていく。
彼女は報告が来るまで学生寮で待機しようと思い、元来た道を帰ろうとした。
しかし、彼女は目の前に居る人物を見て脚が震え、歩が停まった。





「み、み、御坂さん…?何でここに?」



「何でって…祝日だから散歩よ、散歩。っていうか、佐天さん、あんた、今、誰と話してたの?」





常盤台の超電磁砲、御坂美琴と佐天はばったり遭遇してしまったのだ。



――八王子の素粒子光学研究所の駐車場


(あいつら無事なのか?)


つい先程研究所に入っていったアイテムのメンバーを浜面は気にかける。
スクールの構成員達がいるという電話の女の情報が正しければ、今頃は研究所内で苛烈な戦闘が繰り広げられているに違いない。


浜面の薬指には以前麦野と買いに行ったペアリングが嵌っている。
アイテムのメンバーには付き合っている事が知られているのだろうか?


彼はシボレー・アストロのハンドルを握りながらぼんやりとその指輪を見つめる。



(麦野は…頑張ってるかな?それに…滝壺も…体調崩さないか…)



浜面は麦野の事を案じつつ、滝壺の事も考えている自分のどうしようもなさにあきれるようにため息をつく。



(おいおい、俺は麦野と付き合ってるんだぞ、何で滝壺の事心配してるんだ…?)



それはみんな真剣に戦ってるからだ、と自分を納得させ、浜面は再び思索の海に出航しようと思ったその時だった。




(オイオイ!一千万軽く越えるじゃねぇか…!にしても飛ばしてんなぁ…)



浜面は走り去っていくメルセデスのステーションワゴンをぼんやりと見つめている。
メルセデスが通り過ぎると、今度は研究所から麦野が走ってきた。走っている麦野の右手にはなにやらヘッドギアが。一体何だろうか?


浜面がヘッドギアに疑問を抱いていると麦野の姿は次第に大きくなり、彼女はドアを勢いよく開けると車に飛び乗ってくる。
その麦野の後姿に隠れ、滝壺も一緒に居る。


「浜面!ぼやっとすんな!今走ってったベンツ追うの!早く!」


既に遠くなっているメルセデスを追撃しろと指示を出す麦野。
いつも一緒に居るときの甘えっぷりとは大違いだ。


麦野と滝壺はアストロに乗り込む。
浜面は戦闘モードに移行している麦野の表情をちらと見て確認しつつシボレーのキーを回し、メルセデスを追う。



「お、おい。絹旗とフレンダはの二人はどうしたんだよ!?」


浜面の質問に麦野はぎりと歯をならしつつ「あいつらはあれぐらいじゃ死なない」とぶっきらぼうに言い放つ。
彼が麦野の表情を確認しようとするとそのコートの端は焦げ、心なしか頬も少しばかり腫れているように見えた。




「相手のスクールのリーダーの垣根…うざってぇ…!」




浜面も流石に垣根の何がうざったいのか、そんな事を麦野に聞くヘマは犯さなかった。
アクセルをベタ踏みし、ひたすら昭島方面に向かうバイパスをひた走る事に全神経を集中させるが、直後後ろの合流点からずいっとクレーン付き大型トラックがやってきた。
しかも建築物破壊用の鉄球付きだ。



「お!おいおいおい!後ろ!やべぇぞ!」



浜面は左サイドミラーに映っているトラックを見るやいなや更に加速しようとするがいかんせんファミリーカーのシボレー・アストロはスピードの限界だった。
アメ車といえど、大馬力を誇るクレーン車には勝てない。
クレーン車は据え付けの鉄球をぶんと振り回してくる。


シボレー・アストロの後部が一気にひしゃげる。
後部のガラスが派手にはじけ飛び、寒風がびゅうっとシボレーの車内に押し寄せてくる。


浜面はミラーで化け物の様な動きで動いているクレーン車を視野に捉える。
運転手は誰だ?ふとそんな思考に駆られ、浜面がミラー越しに目をこらすと女だった。しかもキャバ嬢の様に派手派手なドレスを着ている。



「お前等、早く降りろ!この車は多分、もたない!」


「分かった!」


「浜面!ここは三手に別れよう!滝壺も!良い!?」


「うん」


麦野は返答を待つまでもなく、一気に道路に降りる。
道路は車が玉突き事故を起こしており、地獄絵図の体をなしていた。


麦野はクレーン車の燃料タンクに原子崩しを放ち大爆発を巻き起こすが、ドライバーはすんでの所で退避する。



「オラ!てめぇんトコのヘッドギア男の手土産だぜっ!」


血がこびりついているヘッドギアを麦野はクレーン車のドライバーに投擲して走り出す。
そのヘッドギアを投げられたトラックのドライバーはシボレー・アストロから降りた滝壺を追っている様だ。



(チッ!スクールの狙いは滝壺?)



麦野の能力の照準補佐を行う滝壺が居なくなれば麦野の原子崩しは無用の長物になってしまう。
それだけは避けなければならない。麦野は一度走った道を戻って、大型トラックのドライバー…よく見ればドレスを来た女に原子崩しを適当に放つ。


「きゃっ!」


それに驚いたのだろう。
ドレスの女は声を上げて退避する。
その退避する通路には麦野の彼氏…浜面が!



「私の男に手ぇ出してんじゃねぇ!」


「はぁ?そんなつもりないし!」


麦野の怒声を意に介さず、ドレスの女は後続でやってきた下部組織の連中を従えて一気に麦野達を捕縛しようとする。
麦野はもう一度適当原子崩しを発動させる。太陽の光にてらされて麦野のペアリングがぴかっと一瞬光る。


「じゃ、集合はアジトで!」



「おう!」



「わかった」



三人は今度こそ三手に別れてそれぞれ散らばって走り去っていった。
そこでドレスの女は軽く舌打ちをしつつ、携帯電話を取りだし、連絡を入れる。



「帝督ー?私だけど、そっちの方はどう?こっちはアイテムとその下部組織の構成員入れて三人、全員逃げられちゃった☆」


てへっ☆と舌を出しつつ心理定規は謝る。
帝督と呼ばれた男は受話器越しに聞こえるようにわざとらしく舌打ちすしながら会話をする。



『ったくよー。心理定規、お前の能力なら、ちょちょいと感情いじくってどうにかなんねぇのかよ?』


「ごめんごめん、帝督」


『はいはい。じゃ、取り敢えず、下部組織にの奴らをさっきの研究所に呼び戻せや。例のモン、お前が持ってるんだろ?』


「あぁ…ゴメン私じゃないわ。でも、狙撃手の運転するメルセデスが持ってるから、今から狙撃手の所に合流したほうがいいかしら?」


『頼むわ。あーそうそう。アイテムの白人、一人いるんだけど、どーするよ、心理定規』


「そうねぇ…さっきアイテムの奴らが集合場所って言ってたから、その場所だけ聞き出しちゃいましょ。多分知ってるだろうから」


『りょーかい』





事務的な通話を終えるとドレスの女、もとい心理定規は下部組織の運転するメルセデスC180に乗り込む。
味方の狙撃手と合流するのは後だ。まずは捕縛したアイテムの捕虜に尋問するのが先決だ。


「おーい!どかねぇか!テメェ等!」


「うっさいなぁ…」


心理定規は通路をふさいでいる彼女達にクラクションを鳴らすうざったい車とドライバーに向かって適当にグレネードを撃って黙らせる。
直後彼女を乗せたメルセデスは一路、研究所に向かっていく。



――八王子の素粒子工学研究所


時は少しさかのぼり、研究所前。



シボレー・アストロから降りた麦野達アイテムは研究所に向かう。



「スクールはこの研究所の中のどこに潜んでるか分からないわ。気を付けて」


麦野も言葉でいやがおうにも緊張の度合いが高まっていく。
大規模な研究所はしかし、静かにたたずみ、アイテムが足を踏み入れていくのを待っているかのようだ。


研究所に入ると麦野と滝壺、フレンダと絹旗の二組別れて捜索をする。



「見つけ次第、即、殺っちゃっていいから」


麦野の冷淡な指示がアイテムに下される。
フレンダと絹旗は麦野達とは別のルートで研究所をまわっていく。


(結局…静かすぎるって訳よ…なんだってこんな所に潜伏したのかしら?)


フレンダと絹旗はなるべく気配を殺して曲がり角を曲がろうとするが、ここで停まる。


「(絹旗、ちょっと待って)」


「(何か居るんですか?)」


フレンダは絹旗の質問には答えずシッ!と口に指を当てて静かにするように伝える。
彼女は手鏡を出して通路の先が安全かどうか確認する。


(奥の方に警備の狙撃手がいる…スクールの配下の人間かしら?)


フレンダは音を殺して静かに背中に背負っている狙撃銃、アキュレシー・インターンナショナルを構える。
通路の反対側に積み重なっている段ボール機材の方にタッ!と跳ぶ。


タァン!


一瞬。静寂を打ち破る射撃音が工場内に響き渡る。


(やっべ、ばれちゃった?)


瞬間、絹旗が一瞬の内に飛び出して、狙撃手が居ると思われる所に一気に目の前にあった消化器をブン!と凄い勢いで投擲する。
しかし、投擲された消化器はガァン!と音を立てて、破裂し、真っ白の消化液を派手にまき散らすだけだった。


「完全に読まれてましたね…相手は対人レーダーでも装備してるんですかね。確かに気配は殺したんですが…!」


絹旗は通路を隔てて反対側にいるフレンダに話しかける。
恐らくここから出れば弾丸に撃ち抜かれるのは明白だった。
彼女の能力である窒素装甲を使っても良かったのだが、いかんせん薄い窒素の膜を張れるのは手のひらから数十㎝の範囲のみ。足を打たれでもしたら失血死もあり得る。


「ここは二手に分かれて通路の先に居る狙撃手を片付けましょう…!フレンダ、援護頼めますか?」


「OK!やってみるわ」


敵ながらあっぱれの防衛方法だな、とフレンダは思った。
研究所の通路の角を曲がれば長い渡り廊下。


まっすぐに突き進むだけなのだが、シンプルながら最も施設防衛しやすい構造だ。
なにせ、敵が出てきたら鉛玉をありったけぶち込めばいいのだから。


フレンダは来た道を戻っていく。
絹旗はフレンダの行動がばれないように派手に研究所の物品を投擲する。


(これで裏手に回って…!狙撃手をぶっつぶせば…こっちのもんって訳よ!)


絹旗が派手に飛び回っている最中に素早く通路を戻り、狙撃手の裏手に回る。
スピードが勝負だ!いかに敵の狙撃手に感づかれずに背後に回れるか!通路は長い!かなり走らなければ…!


フレンダは約七キロの重さがある狙撃銃と腰にさしてあるククリ刀と拳銃の重さに息を切らしつつも全力で走った。




「…!…っ…!はァ!」


単に絹旗の援護に回る為ではない。
今日の任務の最中にフレンダは姉と会合し、学園都市から抜け出すのだ。こんな所で死んではいられない。



(…あれ…?まだ?まだ着かないの?)


フレンダは走っている。
確かに走っているのだが…!全く進んだ感じがしない。



(あれ?この研究所…こんなにこの通路、長かったけ…?)


確かに狙撃手は通路の終着点に陣取って狙撃を敢行していた。
しかし、それにしてもだ。もう相当走ったぞ?とフレンダは首をかしげる。



「…はぁ…ハぁ…はぁ…ハァ…!」
(結局…あとどれだけ走ればいいの?)


フレンダは気づけば肩で呼吸をしていた。
予想以上に疲労が蓄積していた事に彼女は驚いた。



しかし、彼女が最も驚いたのは不意に男の声が掛かった事だった。




「いやー…お前よく走るなぁ…マラソン選手か?」




抑揚のない、しかし、自信に満ちた男の声。
フレンダはとっさに拳銃を構えるがそこに男の姿はなかった。


彼女は「誰!?」と辺りを見回しながら叫ぶ。




「垣根帝督…スクールのリーダーだ」



フレンダはその男の名前を思い出す。
今日の朝、佐天が言っていたスクールに所属している学園都市第二位の男。それが垣根。



「ここまで俺の未元物質の幻覚に嵌ってくれるとは…いやー…楽しませてもらったわ」



直後、垣根の手がブンとふるわれる。
瞬間、フレンダの意識は遠のいていった。



――研究所前の駐車場 アイテムとのカーチェイス後


「あら?目が覚めたかしら?」


「……ここは?」


女の声でフレンダは目が覚めた。
気付けば目の前には自分と同い年か、ちょっと年下ほどの女がいた。派手な赤いドレスを着ている。


(この女は…朝、涙子が言っていたスクールの構成員のうちの一人…?)


視界に映っているのは赤いドレスの女だけだった。
フレンダは研究所の外に駐車している下部組織のメルセデスのC180ステーションワゴンの後部座席に座っていた。
ドライバーは不在で、フレンダの隣に赤いドレスの女が座っているといった感じだった。


「…ここはスクールの下部組織の車の中よ」


「わ、私に何するつもりなの……ってか絹旗は?」



「あぁ、あの小さい子?あの子は内のリーダーにやられて逃亡中。他のアイテムのメンバーもどっかに逃げてったわよ?私が追撃したけど、逃げられちゃった」


赤いドレスの女は淡々と喋り続けると、フレンダの方を見てくすっと笑う。


「ふふ…ねぇ?そんな怖がらないで。あなた手、震えてるわよ?」


ドレスの女がフレンダの手をさっと掴む。
するとその光景を見ていた垣根が「能力は使うなよ、心理定規」と言う。



ドレスを着た女は「えぇ」と言い、フレンダから手を離した。


「単刀直入に聞くけど、アイテムのアジトってどこ?」


「そ、そんなの答えられるわけないじゃない…!」


フレンダがそう言うと、心理定規の能力使用を制していた垣根の表情が歪んだ。


「それはダメだなぁ。じゃあ、取引だ。お前がここでアイテムのアジトを言ったら見逃してやるよ」


「……もし言わなかったら?」


「ここでお前を殺す」


垣根はそう言うと「仕方ないな、心理定規」と彼女の首をしゃくって合図を送る。
すると垣根に指示された彼女はなにやら目をつぶっている。フレンダは何が始まるのか、と思いその光景を見つめている。


「…ふぅん…あなた、姉の事が大好きなのね。距離単位もかなり近い」


「へぇ…お前に親族いるのか…それで暗部たぁ…哀れな奴だよ、お前も」


「…余計なお世話って訳よ…!」


フレンダがそう言うと「姉から先に見つけて殺して良いんだぞ?」と垣根はにかっと真っ白な歯茎を見せて笑う。
彼にそう言われたフレンダは「名前もわからないのに?」と挑発するような素振りで垣根に答える。



「外人が沢山いるのは第十四学区か、横田基地だろ、いずれ見つかる…それか、コイツの能力で名前は把握したから、見つけ出す事も出来なくわねぇ…!」


「グッ…!」
(八方ふさがり…?)


フレンダの額にじっとりと汗が浮かび上がってくる。このままアイテムのアジトを教えなかったら彼女のいま、 最も会いたい人物に危険が及ぶ可能性が。



(心理定規とかいう奴の言ってることがホントかどうか分からないけど、名前からするに心や精神を操る系統の能力者のようね…)


フレンダは目の前にいる垣根と心理定規を交互に見る。
そして長い沈黙の内に彼女は口を開いた。




















「……ア、アイテムのアジトは……」
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