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旅人と異国の王女

あらすじ

とある国が戦火に飲まれ、王族が散り散りに逃げ落ちてきた折、隣国のある村に王族一行が迷ってきた。当然村の人々から注目の的になったが、お互いが関わり合わないように振る舞い、一行は村を素通りする。しかし、好奇心旺盛な村の若者たちがひっそりと一行に付いていった。一行が関所を通る際、関所の番人たちは上からのお達しだからと、全員馬車から降りて通るように命じる。甲冑に身を包んだ兵士に導かれ、老婆と共に王女らしき娘が馬車から降り立った。付き人と思われる老婆は、終始涙を流していた王女らしい娘を慰めていた。その様子を覗いていた村の若者たちの一人・クラウスは、その娘に一目惚れをした。

村に戻ったクラウスは、あの娘のために何か力になりたいと思い立って仲間と話し合ったが、周囲から「できることには限界がある」と諭される。それでもクラウスは諦めきれず、なんと村を抜け出して娘を後を追う旅に出た。森を抜け、山を登り、谷を越え……過酷な旅が続き、しかも一行とは何度もすれ違った。クラウスは、一時は思いつきで行動したことを後悔し、村を出る前に周りから言われた言葉を思い出すが、あの娘が敗戦した隣国の王女ジゼル本人であることを知り、決して村に帰ろうとはしなかった。もはや使命感に燃えていたのだった。

ある時、一行に関する情報が手に入らなくなった。クラウスは途方に暮れながらも旅を続けていると、見慣れない格好をした集団が盗賊に襲われたことを知る。その集団が王族一行に違いないと考えたクラウスは焦った。しかし、それきり一行の消息は途絶えてしまった。

数か月が過ぎ、流石のクラウスも諦めかけていたが、ある日、偶然にも王女ジゼルを発見する。一行の情報を求めて訪れた貧民街の路地に、王女はたった一人でいた。変わり果てた王女の姿にクラウスは驚いたが、それでも王女を助けようと手を差し伸べた。しかし、王女が差し出したのは手ではなく、鋭利なナイフだった。


登場人物

クラウス
辺境の村で生まれ育った青年。強い正義感と行動力を併せ持つ。努力は報われると信じており、一方で融通のきかないところがある。好奇心から友人たちと共に、戦火から逃れて村に迷い込んだ隣国の王族一行に付いていき、一行が関所を通る時に姿を見せた王女に一目惚れし、彼女の力になろうと考えて王女一行を追う旅を始める。

ジゼル
戦火に飲まれた自国から従者たちに連れられ落ち延びた王女。最初は己の悲運に嘆き悲しむばかりだったが、旅を続けるうちに精神的に成長し、従者たちと王国再建を誓う。しかし、旅の途中で盗賊に襲われ、従者たちに庇われながら逃げ延びる。たった一人になっても王国再建の夢は捨てなかったが、敵の多い生活に疲弊し、身分を隠して貧民街で暮らすようになる。