今から10年前、一つの報告書が世界のダム開発の潮流に衝撃的な影響を与えまし
た。
2000年、世界ダム委員会*(World Commission on Dams)は2年半にわたって世界
のダムを調査し、問題点を分析した最終報告書を発表しました。同報告書は、大
型ダムが大規模な移転や環境破壊をもたらすこと、また、経済的・技術的にも必
ずしも有効とは言えないことを明らかにし、ダム開発のあり方を根本的に見直す
画期的な提言を行いました。
報告書が発表されてから10年、ダム開発を巡る日本や世界の動向はどうなったの
でしょうか?日本では、民主党政権になってからダム建設に関する政策変更を巡
り議論が巻き起こりました。一方、国際的には、水力発電ダム業界によるダム建
設に関する基準の作成、大型ダム開発への新たな資金源としての「新興国」の台
頭等、新たな課題が出てきました。
こうした課題も含め、本セミナーでは、特に世界ダム委員会の報告後の国際的な
ダムを巡る状況、また、海外および日本のダム開発の問題や状況の変化について
考え、ダム開発への今後の対処の方向性を探ります。
【日時】2011年1月12日(水)14:00~16:45 (13:30開場)
【場所】国立オリンピック記念 青少年総合センター
国際交流棟第一ミーティングルーム
http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html
または下記問い合わせ先までご連絡ください。
【プログラム】(予定)
1.基調講演:「WCD報告書以降のダム開発を巡る世界の動き」(逐次通訳付)
マイケル・サイモン(オックスファム・オーストラリア/国際水力発電協会
(IHA)のHydropower Sustainability Assessment Forum**委員)
2.海外のダム開発の現場における問題・状況の変化
事例報告1:フィリピン・サンロケ多目的ダム事業
「WCDが調査したダムの提示する新旧の課題(仮)」
波多江 秀枝(FoE Japan委託研究員)
事例報告2:タイ・パクムン水力発電ダム事業
「住民パワーが運転を止めたダムの行方」
木口 由香(メコン・ウォッチ)
3.「政権交代後の日本のダム事情」
~なぜか迷走 さてどうしよう!!~
遠藤保男(水源開発問題全国連絡会)
4.質疑応答
【お問い合わせ先】国際環境NGO FoE Japan (担当:柳井・清水)
TEL: 03-6907-7217 / FAX: 03-6907-7219
E-mail: finance@foejapan.org
HP: http://www.foejapan.org/
【主催】国際環境NGO FoE Japan、水源開発問題全国連絡会、
メコン・ウォッチ、RWESA-Japan
【協賛】「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
世界ダム委員会とは・・・ 世界銀行のイニシアティブの下、大型ダム開発の
有効性の検討や水資源・エネルギー開発の代替案の検討、ダム事業に関連する国
際基準の作成を目的に設立。企業、コンサルタント、政府関係者、学識経験者、
NGOなどが委員として参加し、98年に活動開始。
Hydropower Sustainability Assessment Forumとは・・・ 国際的な水力発
電の業界団体である国際水力発電協会(IHA)が今年策定した「水力発電におけ
る持続可能なアセスメント手続き」に対し、レビュー及び勧告をおこなった。フォー
ラムのメンバーには、先進国・途上国政府、銀行、NGO、世界銀行など様々なセク
ターのメンバーから構成されている。
国際環境NGO FoE Japan
清水規子
住 所:〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-8 みらい館大明1F
TEL 03-6907-7217 FAX 03-6907-7219
最終更新:2010年12月15日 20:30