Gehena_TaT_02

ゲヘナキャンペーン 第二話あらすじ

 前回の事件からおよそ半月が経過したところで、エリヤ、シーマ、グリス、イザ、バドルの5人と各自の部下、及びその他の紫杯連から集められた多数の享受者が一所に集められた。そこには、“瓦礫の街”シェオールの紫杯連の支部長が全員揃っており、非常事態を告げる。
 “銘刀都市”タベルにおいて、王を頂点として一般市民が突如として全ての享受者の追放を宣言、全ての紫杯連に襲撃をしかけてきたというのだ。
 かろうじて逃げ延び、状況を伝えるためのメッセンジャーとしてシェオールに落ち延びてきたタベル鐘杏支部長ゼイネップによると、タベル市民には「ハオマ」と呼ばれる一時的に力を強化する薬剤が投与されており、享受者への憎しみが支配している状態であるとの事であり、享受者が強力とはいえ多勢に無勢な状態であるという。
 また、それに加えてゼイネップが懐から取り出した物は、享受者達の注目を集めるのに充分であった。
 蛇の形をした宝石のようなそれは“世界意思の雫”と呼ばれる非常に希少なアイテムである。“世界意思の雫”は地上の光景を映し出すと言われ、また自らの意思を持つとも言われ、世界に存在する全ての“世界意思の雫”を集めることで地上への扉が開かれるとも言われている。ゼイネップ曰く、タベルの地下洞窟でこれが発掘されたらしく、タベルの地下には地上に繋がる何かがある可能性もあると言われている。
 紫杯連の面子、実益、それに地上への手がかり。それら全てを失いかねない今回の事態に協力を拒む享受者などいようはずもない。
 王の周囲に3人の享受者と思しき存在が護衛としているらしい情報と共に、王党派の瓦解のために、享受者達は団結する事になる。
 かくして、PC達とその部下に加えて界螺の享受者が3人、袈唇の享受者が3人の精鋭部隊でタベル解放作戦を実行する事になり、解散した。
 しかし、解散した時にこうして集められた袈唇の享受者の一人であるハティジェがアイシェ=アームーンを睨みつけているのを我らが享受者達は敏感に察する。アイシェいわく初対面であり、特に因縁などは知らないということであるが、エリヤたちは一応気に留めておくことにする。
 また、このハティジェの顔に、バドルはどことなく見覚えがあった。
 そして、そのハティジェとバドルは独立して呼び出され、王の護衛たる3人の享受者の内1人が、袈唇を裏切ったゾフィーヤである事を聞かされる。事ここにいたってはゾフィーヤの監視など悠長な事を言っている暇は無く、バドルはゾフィーヤの殺害を命令される。


 ルフにより半日ほどでタベル近郊の、タベル享受者連合が身を潜めている洞窟にて現地のケマル、アリイエ(仮)らと合流したエリヤ達。この時、神語学園の教師であり、タベルの有力商人にコネを持つフリーの享受者エルセン・イェテルとも協力関係を築くことに成功する。しかし、間の悪いことに王党派の市民達がこの洞窟を発見し、戦闘になる。
 いかに「ハオマ」によって強化されているとはいえ、所詮は一般人と甘く見ていた享受者達であったが、すぐに自分達の認識が甘かったことを思い知らされる。いいようにやられているように見えた市民達が、《崇呪:バーディアアル》を詠唱したのである。
 崇呪とは、ジャハンナム最強にして最も邪悪な存在である首領級邪霊の力を借り、異常な戦闘能力を得る物である(0話でソネル=アームーンが使用した物も《崇呪:イルディムギヌ》である)。《崇呪:バーディアアル》は“狂気の主催者”の異名を持つ首領級邪霊、バーディアアルに、その戦闘で流れた血を捧げることで凶悪なまでの攻撃能力を授かる物である。ただでさえ数の多い市民が、一斉にこれを使用するとなると、いかなるベテラン享受者でもあっという間に死にかねない。
 甚大な被害を受けたものの何とかこれを撃退した享受者達であったが、王城に正面突破を行うことは不可能であると悟る。それと同時に、この事件の陰に首領級邪霊バーディアアルの存在を嗅ぎ取る。


 情報収集の結果、市民の統制は取れていない事や見張りの交代時刻などを突き止めた享受者達は、王城攻略に当たって長い作戦会議を経て、PC達主力部隊による空中からの急襲と、ケマル率いる陽動部隊によるタベルの生命線である幻鏡工房の襲撃によるおびき寄せ、更にバドルが単身女中として進入し、痺れ薬を水に混ぜるという3正面作戦を決行する事を決定する。ゼイネップ、アイシェらは念のために本拠地の防衛に残し、ハティジェは主力部隊に編成し、連れて行くことにする。
 また、3人の享受者についても情報収集を行い、1人がゾフィーヤであること、1人がセイウチの獣人であり、死んだはずの《クラシャの遺児》でもあるバイラムであること、最後の1人が奇妙な服を着た女性である事を突き止める。
 決行は明日夜明け前、見張りの交代をついてと決定した一行は、決戦前夜の雰囲気を利用して今ひとつ信用のおけないNPC達に探りを入れ始めた。
 結果として判明したのは「ケマルはアリイエ(仮)と生まれたときからの付き合いであり、半年前の事件以降に出会った、というわけではないこと」「ハティジェは(本人は知らないが) アイシェの異母妹であり、ライバル心を抱いていること」「マタールらもアリイエが元気に飛び回っているのは気になっていたが、陵渦内部で事件よりも前からずっとケマルと一緒にいたことから、追求することは特にできなかったこと」を聞き出す。


 そして翌朝、ケマルの陽動に対応して遥か高空からルフを利用して急降下攻撃をしかける主力部隊。この作戦は図に当たり、陽動及び痺れ薬により、咄嗟に反応できなかった王城からは予想されていた迎撃が無く、あっさりと王宮最上階に侵入する事に成功する。しかし、彼らはこの時王宮から単身出て行ったゾフィーヤを見逃していた。
 突入した主力部隊、及び合流したバドルは享受者が2人で王を守るように進み出てきた所で対峙する。
 この時、歴戦の享受者達の知識は、相手がただの享受者でない事を見破った。
 チチェックと名乗った女性享受者は“狂気の主催者”バーディアアルの代行分体――首領級邪霊が自らの体の一部から生み出した分身であると判明。超自然的な能力により、部屋全体を血の海へと変えた状態で戦闘が始まろうとするその時、グリスがアイシェにつけさせていた傷那と危那から強烈な怯えの感情が一瞬伝わった後、意識が暗転するような感覚が伝わる。

 PC達は知る由もない事であったが、この時、ゾフィーヤが本拠地を――しかも、前回は影も形も見せなかった冥極刀を片手に――襲撃し、守りに残したゼイネップやハルペィルを一蹴、アイシェを拉致したのであった。

 PC達も異常事態が起きたであろう事は気づいたが、何は無くとも目の前の敵である。
 大量の黒沙を刀と共に自在に操るバイラム、暗殺術を駆使して装甲を無視しながら血の海を自在に操り打撃を与えてくるチチェックの2名は強敵であったが、イザの魂装術がバイラムの黒沙を封じ、バドルが攻撃に魔毒を用いた回復に縦横無尽に奔走し、イェテルが敵の攻撃を防ぐと共に味方を強化し、シーマが味方の受けた傷を癒し、ハティジェの邪眼が敵の回避を封じ、グズズバザニスを召還したグリスと強烈な愧風で敵をなぎ倒すエリヤの強力な攻撃――享受者達の、完全なるコンビネーションの前に一人の死者も出さずにバーディアアルの手下達は敗退した。

 一息ついた彼らの背後から、拍手の音が聞こえた。
 拍手の主は、ゾフィーヤ。彼は享受者達の健闘を称えて微笑んでいる。
 エリヤが鋭い声で「貴様は何者だ」と尋ね、ゾフィーヤが答える。

 「僕は、首領級邪霊“狂気の主催者”バーディアアル従貴第二位、ゾフィーヤ・ナスレッディン=ホジャ――以降、お見知りおきを」

 従貴――首領級邪霊によってその力を分け与えられた強力な存在であり、代行分体と同様に首領級邪霊の忠実な手足となって働く存在である。
 ゾフィーヤは自らをそう名乗り、アイシェをさらった事を告げる。
 と同時に、突如としてタベル全体が地面に沈み始める。“街ごと堕落”した場合に見られる現象であり、この地獄の更に奥深くに封じられ二度と戻ってくることはできないとされる恐るべき現象である。しかし、此度の沈下は途中で止まり、あくまで地下に入り込むだけに留まった。
 これはゾフィーヤにとっても計算違いであったようで、この状況なら復帰も不可能ではないようだ。しかし、それと同時にゾフィーヤは告げた。

 「タベルでの計画は確かに君達の活躍によって頓挫した。だけど、それは同時に、君達がとても優秀な駒であると証明したことでもあるんだよ」

 そして、ゾフィーヤは満身創痍の享受者達を残し、床に溶け込むように消えるのであった。


登場NPC

“氷血の黒曜石”エザレラ:
やっぱり出番は少ない。

サリフィエル:
界螺のシェオール支部長。バドルにゾフィーヤの殺害を命じる。

ウリアーン:
袈唇のシェオール支部長。ハティジェに裏切り者ゾフィーヤの始末を命じる。

ゼイネップ:
タベルの危機を知らせに来たり世界意思の雫の情報をもたらしたりと、ストーリー的に縦横無尽の活躍をするが、同時に噛ませ犬属性がつきそうで困る。
今回はゾフィーヤに吹き飛ばされ意識を失うものの一命は取り留める。

アイシェ:
さらわれた。それでこそヒロイン。

ハティジェ:NEW!
アイシェの異母妹。14歳の黒豹獣人で邪眼術を操る。アイシェをライバル視している。
何気に最終戦闘で大活躍していた。

ケマル:
生存者の意見を取りまとめている。
アリイエとは生まれたときからの付き合いらしい事が判明した。

アリイエ:
「絶対帰ってこよーね!」だの「信じてるから!」だの背景のほうでヒロインっぽく振舞っていた。

マタール&アーフェイ:
陵渦生き残りとして登場。マタールはいつの間にか絶飛滅を入れたらしく、突入組として背景で増援を防いでいた。

メーメット:NEW!
タベルの富裕商人。
エルセン・イェテルの知り合いであり、手助けしてくれた。

バイラム:NEW!
セイウチ獣人の黒沙刀士。元“クラシャの遺児”で本来なら死亡しているはずであった。
ゾフィーヤの言によると彼もまたバーディアアルの従貴であるらしい。
グリスにより不死性を断ち切られ、死体が確保される。

チチェック:NEW!
バーディアアルの代行分体。
グズズバザニスに軽口を叩く程度の能力。

ゾフィーヤ・ナスレッディン=ホジャ:
“狂気の主催者”バーディアアル従貴第2位。
前回は隠していた刀術を解禁し、ゼイネップ、ハルペィル、袈唇の享受者らを単体で圧倒、アイシェを拉致した。
PC達には興味津々のようであり、敵方のお約束として満身創痍のPC達をわざわざ逃がしてくれた。

おまけ

“狂気の主催者”バーディアアル
復讐、殺人、抗争を虚燃現象(首領級邪霊特有の能力。それらが存在する限り滅ぶことはない)とする首領級邪霊。
上半身だけの狂女の胸に理知的な美女が貼り付けられた姿を持つ。
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