後編

ALSHARD ff


セッショントレーラー

戦争はずっと続いた。

私を慰めてくれた大人達も、次第に口が重くなり……救いを話すこともなくなった。

教会の牧師の説教――機械神様の救いを説く言葉も、どこか虚しかった。

意味を持つのは、千の言葉よりも、一つの銃弾。

でも、毎日聞こえてくる叫びには、万の思いが詰まっていた。

――それでも、戦争は終わらなかった。この世界は終わってしまうのだろうか?私達は真面目にそんなことを話した。

いつからだろう、新しい世界の噂が町に流れはじめたのは。

この古い世界は滅んで、新しい世界がどこかにあって、それで…僕たちは、その世界に住めるという話。

「新しい世界」…それは、新たなる希望になっていた。

楽園かどうかなんて分からない、でも、戦争がなければいいなって、皆で笑いながら話した。

皆と笑い合えるのは、その話ぐらいだったから。だから、皆と笑った。

――1人になってから。昔滅んでしまったという、異教の神様の話を思い出して…ちょっとだけ泣いた。

アルシャードff シナリオ 「黙示録~人の世の黄昏~」

神無き人の世に、神話が生まれる。

シナリオハンドアウト


フレース・ヴェルグ
――城を無くした騎士に意味は無い。あなたの領土は敵の手に渡り、楽園は崩壊した。
怒りの日よ。突如として飛来した三羽の怪鳥。それは滅びを齎した。果敢に守ったあなたも、三羽の怪鳥と魔女、そして、翼を失った者に勝てなかった。
飛来したのは人の作り出した人工の鳥。神話を打ち破る、新たなる翼である。あなたの翼は、神話とともにもがれた。
あなたは、楽園から落ち、人の世を彷徨う。人の世にも悲劇が満ち、虐げられる弱者がいた。
あなたの翼は一度もがれた。だが、それでも立ち上がり、再び空を舞うというのなら。
――取り戻せ、空を。空に浮かぶ、あなたの守るべき地を。


ユリー
――主人を失った従者ほど、惨めなものはない。
あなたは、かつて失った主人を取り戻した。そうだろうか?本当に?
あなたの目の前にいるのは、本当に主人か?彼は地位も名誉も失った、奪われた…偽者に。いまや、あなたが尽くす理由はあるのだろうか?
偽者から本来の地位を取り戻す?――それこそ、偽者が何を言うのだろう。あなたは偽者。偽者が本物の地位を取り戻すなど、笑える話と月の魔女は哂う。
本物になっておしまいと魔女は続ける。あなたの本当とはなんだろう?奈落が活性化する今、奈落はあなたに語りかける。あなたの本質は“奈落”だと。
だが、それでも。主のためにその脚で立ち、失われた主人の地位を取り戻すと言うのなら。
――取り戻せ、正統なる地位を。あなたの、そしてあなたの主の。

フリア・フリア
――信頼を失った傭兵ほど、惨めなものはない。
あなたは裏切られ、罠に嵌められ、そして…多くの部下を失った。今、あなたは世界の敵として、ミッドガルドを彷徨うのだ。
昔のあなたならば、全てを投げ出して自由になれた。だが、今は違う。残った部下と、「死神部隊」という名前はあなたを縛り付ける。
そんなあなたに、裏切り者は声を掛ける。俺と一緒に「新世界」を向かえよう、と。だが、あなたは死神。あなたは裏切りものを許すことができるのか?仲間を見捨てることができるのだろうか?あなたが偽者の足で踏みしめる大地。そして、母なる大海。その世界は今、無くなろうとしている。
それでも、あなたが銃を握り、雄々しき戦歌を歌うと言うのならば。
――取り戻せ、戦場を。もう一度、全ての信頼を。

荒砥 崇義
――常勝の軍に戦争犯罪は無い。ならば、君がいる意味は無い。
帝国軍は、あのゾンバルド将軍を英雄として祭り上げた。いまや、彼は英雄であり、欠かす事の出来ないキルシェ侵攻の要である。
あなたは知っている。彼が、偽者であることを。だが、彼が本物である必要はあるのだろうか?英雄に本物も偽者も無いではないか?
勝者は常に正しい、敗者は常に惨めだ。正義は強き者のもの。負け犬は、消えるだけ。ここは煉獄。それは君が一番良く知っている。

だが、それでも、あなたが悪を裁く意味を見出し、その剣で、弱き者を守るというのなら。
――取り戻せ、裁く意味を。弱きを守るという意味を。


※ハンドアウト書き換え推奨。プレイヤーの皆様、自分に合うように書き換えて下さいませ。
※注:セショントレーラー及びハンドアウトはイメージです。本編は了承無く変更になる場合があります。ご了承ください。
最終更新:2007年12月10日 02:32
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