203 :名前が無い程度の能力:2008/03/28(金) 21:32:48 ID:f11ga99o0
なんでレミリアをいぢめたいのか考えてみた
それは多分、公式や二次創作で優遇され過ぎているからだ
なんでフランをいぢめながらもちょっと持ち上げたくなるのか考えてみた
それは多分、公式や二次創作で不憫な扱いを受けている話が多いからだ

なにが言いたいかというと
この姉妹をいぢめるのはサイコウだということですよ

もしも霊夢がフランを好きになったら
これはそんなifの話↓
ttp://fukunyu.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/src/fuku0123.txt

ttp://fukunyu.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/src/fuku0124.txt
↑fuku0123の続きですが蛇足です、見なくていいです
途中まで書いてて消すのもあれなので一応乗せときます


fuku0123.txt

いぢめスレ提供



博麗霊夢は紅魔館に訪れた
それを出迎える紅魔館の主
「あら、霊夢いらっしゃい。来てくれてうれしいわ。調度良い紅茶と美味しいケーキが入ったの、よかったら・・・・・」
自分の意中の女性を茶会へ誘う
しかし、愛しの霊夢は素っ気なく断る
「そんなことより、フランの部屋に通してくれない?」
現実は残酷で、霊夢が選んだ相手は自分ではなく妹だった
博麗霊夢が想いを寄せるのはレミリアではなくフラン

霊夢に聞こえないように小さく舌打ちをしてから従者を呼びつける
「咲夜」
「はい、お嬢様」
物音一つ立てず、どこからともなく咲夜が現れる
おそらく時間を止めているのだろう
「霊夢を地下室に」
「かしこまりました」
主人に恭しく頭を下げ、霊夢を地下室へ案内する
地下室の階段を下り、フランの部屋の前に到着する
咲夜が鍵を取り出し、扉の鍵穴にさしこむ
「なぜ、またフランを地下室に閉じ込めたの?少し前は館内を自由に出歩けたはずよ?」
最近になりフランはまた地下に閉じ込められるようになった
咲夜は表情を変える事無く、その問いに答える
「原因の半分は自分にあると理解しているかしら?」
「大方そんなことだとは思ったわ・・・」
用は妹に対するレミリアの嫉妬
霊夢が自分になびかないから、その腹いせに妹を再び監禁したのだろう
扉の鍵が解かれる
「では、ごゆるりと」
そう言って、咲夜は姿を消した

扉が開いた瞬間、霊夢の胸に飛び込んできた少女がひとり
「れーむ!来てくれたの!?」
レミリアの妹。フランドール・スカーレット

フランはベットに腰掛ける霊夢の膝の上に座り、鼻歌まじりで足を上機嫌にばたつかせ
懐いた猫のように霊夢に頭を摺り寄せる
霊夢はそれにこたえ、フランの頭を優しく撫でて、両腕で彼女の体を優しく包み込む、決して離さないという気持ちを込めて

フランの温もりを直に感じ、霊夢は至福のひと時を味わう
その胸中を占めるのは、目の前の吸血鬼の少女に対する想いだけ
嗚呼、この子はなんて綺麗な瞳なのだろう
瑞々しく輝いて、曇り一つ無く。どこまでも澄んでいる。覗き込んだらそのまま吸い込まれてしまうほどに
穢れを一切しらない、無垢な心と精神
日の光にさらされること無く育った、透き通るような肌
太陽のように暖かな色をした金色の髪
裏表の無い無邪気な笑顔
その全てが私の精神を異常なまでにかきたてる
可愛い、可愛いフランドール

許されるなら
今この場で「愛してる」と想いを伝え
無理やり唇を奪い
肌を重ねあいたい

「れーむ?」
その声で霊夢はハッとする
フランに僅かばかりでも劣情を抱いてしまった自分を恥じる
もし、フランが今以上の関係を望むなら、霊夢は喜んで受け入れる
しかし、自分から今以上の関係を持ちかけるのは博麗の巫女としてはばかられる


だから霊夢はじっと待つ
フランのその小さな唇から自分を「好きだ」という言ってくれるのを
フランが身も心も自分に依存してくれることを


「霊夢が来てくれない日はすごく退屈・・・」
霊夢の腕に掴まり、寂しそうに言う
「・・?、この前まで読む本がたくさんあったじゃない?」
前来たときは結構な数の本が机の部屋に積まれていた。あれだけの本をこの数日で全て読みきれるとは到底思えない
「あいつが来て、全部持って行っちゃった」
「なぜ?」
「わかんない」
自分で聞いておきながら霊夢にはその原因はわかっている
これもレミリアの嫉妬
それに今日フランの顔を見たとき気付いていたが顔色もどこか良くない
「ごはん、ちゃんと食べてる?」
「ううん。最近もらってない」
それを聞いた霊夢は驚愕する
そして、そのことを特に気にも留めず平然と話すフランが不憫でしょうがなかった
これもレミリアの仕打ちである
思わずフランの体を強く抱きしめる、抱きしめずにはいられなかった
「ごめん、本当にごめんなさい・・・・」
「急にどうしたのれーむ?」
不思議そうな顔のフランを他所に霊夢は謝り続けた


自分がフランを愛おしく思えば思うほど、フランはつらい目に合わされ続ける
その仕組みを理解してなお、その想いをとめることはできなかった



2人の時間はあっという間に過ぎ去り、別れの時間がやってくる
「またねフラン。次来るときは何かお菓子でも持ってくるわ」
「じゃあね、霊夢。約束だよ!絶対に持ってきてね!」
フランと交わした約束を胸に、霊夢は地下室を後にする


地下から出て、廊下を歩いているとレミリアに出くわした
「あら、霊夢?偶然ね」
どうせ待ち伏せしていたのだろうと胸中でレミリアを罵る
「もし良かったらこれから・・・」
「どうして?」
レミリアの言葉を遮り質問をぶつける
「なぜフランから本を取り上げたの?」
「パチェが早く返せってうるさいのよ」
「なぜフランに食事を与えないの?」
「持って行こうとするとあなたが居るから、渡しそびれちゃうのよ」
悪びれる様子もなく答えるレミリアに霊夢は殺意を覚える
手を強く握ることでその感情を押さえ、殺意を胸の奥へ無理矢理押し込む
「霊夢が今夜私の相手をしてくれるなら、フランの待遇を考えてあげても良いわ。どう?悪くない条件でしょ」
「・・・・・・・・・・・あっそう、残念だけど交渉の余地は無いわ。さよなら。また明日も来るわ」
強引に会話を切り上げて霊夢は早足で去っていった

霊夢が帰りしばらくして
レミリアは怒りに任せ、壁を思い切り蹴飛ばして部屋一面分を粉々に破壊した
「この私が直々に指名してあげてるのよ!?私よりあんな狂ったガキのどこが良いっていうのよ・・・・・・」
怒り心頭のレミリア。当然その怒りの矛先は妹に向けられることとなる






次の日も霊夢は紅魔館を訪れた、目的はフランに会いに。昨日交わした約束を果たすために
昨日と同様に地下室の鍵を咲夜に開けてもらい地下室に入る
「あ!霊夢だ!いらっしゃい」
今日もフランは明るく霊夢を出迎える
そして昨日と同様に、霊夢にしがみつき、はしゃぐ
霊夢はまず、フランの顔色を見る
昨日に比べ良くなっているため、どうやら自分が帰ってからちゃんと食事が貰えたのだとわかり安心する

だがその顔を見て、同時に霊夢は何か“違和感”を感じた


2人の団欒の時間がしばらく続く
「ねぇ、霊夢?」
「どうしたのフラン?」
急にフランがうつむいて恥ずかしそうな顔をする
「その・・・・あのね・・・・・私、霊夢のことが・・・・・・・・その、えっと・・・好きみたいなの・・・・」
それは霊夢が待ち望んでいた言葉
霊夢に嬉しさがこみ上げてくる、答えなど決まっている
「あなたにそう言ってもらえてうれしいわ、私もフランのこと好きよ」
その言葉を受け取ったフランは霊夢に体を寄せ、唇を重ねようと接近する

唇同士が重なる直前、霊夢は突然言葉を発する

「せっかく、約束したものを持ってきたのに。無駄になっちゃったわね・・・・」
「約束?」
その言葉に反応しフランの動きがピタリと止まる
「ほら、昨日約束したじゃない?」
「え・・・・と・・」
袖からカードを一枚取り出す
「ほら、これよ?新しいスペルカードが完成したら一番に見せるって約束」
「ああ、そういえばそんな約束したわね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でもそんなことより今は・・・・・」
霊夢に口付けをしようと再び体を寄せる
しかし、霊夢の手がそれを制した
「悪いけれど、私がキスしたいのはあなたじゃないわ」
「え?」
フランの喉輪を掴み、床に叩きつける
「痛い!霊夢どうして!?いきなりひどいよ!」
「いい加減その下手な芝居をやめなさいレミリア。反吐がでるわ、フランをどこへやったの?」
レミリアと呼ばれたフランが表情を醜く歪める
「どうして私がレミリアだって気付いたの?」
「昨日フランと約束したのはスペルカードではないわ。フランが空腹そうだったから何か食べるものを持ってきてあげるっていう約束よ」
フランの姿をしたレミリアは顔に手をやり、「やられた」というジェスチャーをする
しかし顔はにやけていた
「そんな初歩的な手に引っかかるなんて・・・」
「それ以前の問題よ、一目見たときから違和感を感じてたわ」
「違和感?」
「フランはそんな薄汚い目をしていないわ」

その言葉を告げた瞬間

フランの体は全て蝙蝠に変わり、霊夢の拘束をすり抜け。元のレミリアの形へと戻っていく
戻ったレミリアの顔は激昂していた
「私の目が薄汚いですって!?」
「そんなことよりフランはどこ?」
「フランフランフラン・・・・・・・霊夢はそればかりだ。私のことを少しも見てくれない」
「会話が成立してないみたいね。私はフランは何処かって訊いてるの?」
静かな口調で、しかし殺意の篭った冷酷な感情を乗せて霊夢は同じ質問を繰り返す

幻想郷に住むほとんどの者が震え上がるであろう膨大な恐怖がその短い言葉の中に凝縮されていた

だが、レミリアはその恐怖に対峙してなお揺るがない
口元をニッと吊り上げて、勝ち誇った顔をする

その口から霊夢が最も聞きたくないであろう返事を吐き出す

「殺したわ」
「なんですって?」
「殺したっていうの・・・今頃は灰になって幻想郷の空を自由に泳いでるんじゃないかしら?」
「・・・・・・・・・・・・嘘ね、あなたは妹思いのお姉さんよ」
「本当よ!!私がこの手で殺した!!空腹で弱ったあの子を引き裂いて、日光にさらして灰にしてやったわ!!」
アハハと笑うレミリアに霊夢はゆっくりと歩み寄る
レミリアは霊夢の逆鱗に触れたとわかった、殺されると直感した
だが、その予想に反して、霊夢の取った行動は全く逆のものだった
「えっ?」
霊夢はレミリアを抱きしめていた
恐怖で強張り小刻みに震えていたレミリアの体が霊夢の温かさで徐々に弛緩していく
霊夢の予想外の行動にレミリアの思考が停止する
「いくらあんたでも、そこまで酷いことができるなんて思わないわ・・・」
フランと大して体の大きさの違わないレミリアを両腕で優しく包む
「いいえ、フランは死んだ。もうこの世にはいない」
「本当のことを話して頂戴。フランはどこ?私はこれ以上あなたを嫌いになりたくない・・・」
なおも霊夢の優しい抱擁は続く、レミリアが手を霊夢の背中に回しても嫌がる素振りは見せなかった
「・・・・・・・・・・」

自分が求めていた温もりを得て、レミリアはついに白状する

「フランは私の部屋に・・・・・・・薬で眠らせてあるわ、危害は加えてないから安心して・・・・・・・・だからもう少しこのままで・・・」
「そう、安心したわ」
強引にレミリアを引き剥がす
「え?ちょっと・・・・なんでよ?もう少しあのままでいてくれたって・・・・・・・」
いつの間にかレミリアは目には涙がにじむ
「フランのためなら、平気で私を抱きしめるの!?やさしい言葉を平気で吐けるの!?」
「そうよ。フランのためなら何だってするわ・・・・・」

レミリアをその場に捨て置き
地下室から出て、霊夢はレミリアの部屋を目指す
その間、一度も振り返ることは無かった


レミリアの部屋の前に到着しノックをすることなくドアを開ける
ベットには穏やかに眠るフランの姿
脈を取り、呼吸を確認して霊夢は安堵して、その場に座り込む
「良かった・・・・・・・・」
だがフランの顔は相変わらずやつれていたのが少し残念だった


無防備に眠るフランを霊夢はしばらく見つめていた
「・・・・・・・・・・」
薬で眠らされているとレミリアは言った
つまり、フランは今なにをしても起きない
フランの唇を指でなぞる
指を動かした時に見えた犬歯がなんとも可愛らしかった
唇から指を離し、その指で今度は自分の唇をなぞる
ただの間接キス、しかしそれだけで霊夢は下腹部に熱いものを感じた
(これじゃ足りない・・・)
更なる背徳感を求めて、その感触を直接味わいたくて
霊夢は小さく寝息を立てるフランに顔を近づける

触れる直前

霊夢は自らの足に針をつき立てた
「っぐ・・・・・・・・・・・・・・」
危ない所だったと内心焦る
もう少しで巫女としての一線を越えてしまうところだった
だがどうしてもフランを自分のモノにしたかった
「必ずあなたをここから連れ出すわ」
フランの手を握りそう言って、部屋を出た


部屋を出てすぐのところにレミリアは居た
その顔はひどく悲しそうだった
「どうして私じゃ駄目なの?」
霊夢はそれを無視して彼女の横を通り過ぎる
「なんでよりにもよってフランなの!!私の方があの子よりずっと優れているじゃない!!私のどこが不満なの!!」
それでも霊夢は返事をしない
「少しは私の気持ちに・・・・・・・応えてくれたっていいじゃない・・・・」
自分で言ってて悲しくなったのか、レミリアは目に再び大粒の涙を浮かべていた
廊下のカーペットに次々水滴がしたたる
「ほしい物を全て手にしているあんたが、何も持っていないこの子から、これ以上なにを奪い取る気?」
一度だけ振り返り霊夢はそれだけ言った


しばらく進むとメイド長が隠れるようにそこに待機していた
「主人を泣かせた客人を生かして帰すわけにはいかないってところかしら?」
皮肉たっぷりに霊夢は言う
「いいえ。あなたと妹様がくっついてくれた方が私としては都合が良いのよ。むしろ応援してるわ」
「なぜ?」
「弱った主人を甲斐甲斐しく支えるメイド、いつしか主人はその従者の大切さを知り、ついに2人は主従関係を超えて・・・なんて物語があったら素敵じゃない?」
そう語るメイド長の顔はどこか異質さを感じさせた





レミリアが自室に入り眠る妹の様子を見る
フランの枕元には羊かんとドラ焼きが置いてあった
「っ!」
鎮まった怒りが再び復活し、霊夢が置いたであろう菓子を掴み全てゴミ箱に叩き込む
霊夢が好きになったのは自分ではなくフランなのだろう
もし霊夢が魔理沙や他の女を好きになっていたのならまだ諦めもついた
なぜよりのもよって肉親なのだ
「どうして・・・・」

『ほしい物を全て手にしているあんたが、何も持っていないこの子から、これ以上なにを奪い取る気?』

霊夢が去り際に語った言葉を思い出す
その言葉はレミリアの心を深くえぐった
フランの顔を見る
この前会った時よりやつれているとわかった
(なにをしてるんだろう私は・・・・・・・・)
これではただの虐待ではないか
自分の行動を恥じた
ここ最近の嫉妬で狂っていた頭が一気にクールダウンして今の自分を客観視することができた
(人間なんてたかだか5、60年じゃない・・・・・)
これから長い年月を共にしてくれる大切な家族を蔑ろにしていたことを後悔し反省する
ゴミ箱に捨てた、お菓子を拾い上げて汚れを払い枕元に戻す
(目が覚めたら、まず謝ろう。そして久しぶりに同じテーブルで食事をしよう)
その程度で罪滅ぼしになるとは思っていない
だから妹との日々を大切にしていこうと誓った




霊夢は博麗神社に戻ると八雲紫を呼びつけた
「フランの能力は危険よ。あの力は博麗大結界すら粉みじんに吹き飛ばす」
霊夢がたった今したためた書に目を通す紫
その書面にはフランの能力についての危険性が数多く書き連ねられていた
「なるほど、で危険だから博麗神社に永久封印すると・・・・・」
「そうよ」
直後、紫は口元を扇で隠し、霊夢をあざ笑うかのように言葉を続ける
「で、本音はあの子を姉から引き離して永遠に自分だけのモノにしたいと・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
霊夢はその問いに一切答えなかった
紫は口を硬く結び、真剣な面持ちの霊夢の様子を楽しそうに観察する
「わかったわ博麗の巫女のあなたがやると言うのなら、私は別に反対しないわ」
フランに対する必死さが伝わったのか、紫は霊夢の言い分を聞き入れた








その日の夜、霊夢は再び紅魔館を訪れた
レミリアはばつが悪そうに挨拶をする
「霊夢、さっきはその・・・・・」
「今回は博麗の巫女として来たわ」
「?」
何処か霊夢の様子が違う
「この館に住む吸血鬼。フランドール・スカーレットを正式に幻想郷の平和を脅かす『厄災』として認定したわ。フランを博麗神社に永久封印と取り決められたわ」
「ちょっと、霊夢!それってどういう・・・・」
いきなりのことで戸惑うレミリア
「封印といっても、神社にある元々は妖怪を調伏させる部屋に移すだけなのだけれどね・・・・・・まぁだれも来ない地下室にいるよりはマシでしょう?」
言っていることイマイチわからないがは霊夢はフランを連れ去りに来たのだとレミリアは理解する
「そういうのを職権乱用っていうのよ?独占欲もそこまでいけば病気ね」
「フランをここに置いておいたらどんな目に遭わされるかわかったものじゃないわ」

これが霊夢なりに考え出したフランをレミリアの虐待から救い出し、彼女を独占する方法
フランのためなら自分の地位を最大限に利用して、友すら手にかける覚悟がある

「恋は盲目だと言うけれど・・・・・・あなた自分がどれだけぶっ飛んだことを言ってるか自覚してる?」
「心配しなくても、あの子には一秒たりとも寂しい思いはさせないわ。フランは責任を持って博麗の巫女が代々愛で続けてあげるから安心なさい」
全くかみ合わない2人の会話


いつの間にか霊夢の手には御札を針がそれぞれ握られており、周囲には陰陽球が浮かんでいる
「いいから大人しくフランの身柄をこちらに引き渡しなさい。邪魔立てするなら・・・・」
妹の大切さを再認識した今、フランを引き渡す気などレミリアには毛頭ない
「咲夜」
「はい、ここに」
呼ばれてすぐ咲夜が姿を見せる
「パチェと美鈴を呼んできて。他のものは全て避難するように伝えなさい」
「仰せのままに」
一礼して咲夜が消える

「それがあなたの返事というわけね・・・・」

次の瞬間、館中の窓ガラスが全て割れる音がした












夜が明け、自分を起こす者の声が聞こえる
「フラン・・・起きてフラン」
誰かが自分の体を揺すっている
全身の力が入らないが、かろうじてまぶたを開ける
「れーむ?・・・・・・・・・・・・れーむだ!」
思っても見ない相手に起こされ、そして霊夢が居てくれた嬉しさでフランは跳ね起きる
「おはよう、フラン」
「うん!おはよう!・・・・あれここは?」
状況がイマイチ理解できず、周りを見渡す。この場所がレミリアの部屋だと理解するのにしばらく時間が掛かった
「ねえ、フラン?」
「なに?」
「今日からしばらく私の家で暮らさない?」
「いいの?本当にいいの?」
「レミリアから許可を取ってあるから大丈夫よ」
「じゃあ、行きたい!」
2人はレミリアの部屋を出た

「どうして、こんなに紅魔館が壊れてるの?」
「フランが寝てる間に台風が通ったの」
「そうなんだ。そういえば、みんなは?」
「さあ?フランを残してみんな何処かに出かけてしまったみたいね」
それを聞き少し不機嫌な顔になるフラン
「フランは私と一緒じゃ嫌?」
しかし、不機嫌な顔は一瞬で満面の笑みへと変わる
「ううん。すごく嬉しい」
「そう」
霊夢も嬉しそうに微笑んだ


やがて2人は玄関までたどりつく
時間は朝方であるため、外はもう日の光で溢れている
日光に恐怖してフランは霊夢にしがみつく
「大丈夫よ」
安心するように言い、霊夢は日傘を広げる
フランは外出するレミリアの姿を一度も見たことが無いため、その日傘が元は誰の所有物が知らなかった

「さあ、行きましょうか」
「うん」
「この傘小さいから、もう少し私のほうへ寄りなさい」
フランの手をとり自分の方へ引き寄せて体を密着させる



2人の足元には、今にも息絶えそうな弱った小さな蝙蝠が一匹いたが気付く者などいなかった


fin




fuku0124.txt

fuku0123.txtの続きです
蛇足です







自室でレミリアが目を覚ますとそこにはまず従者がいた
「お嬢様、私のことわかりますか?」
「咲夜でしょ?いくら私が長生きしてるからってそこまでもうろくしてないわ・・・・・ってあら?」
咲夜は泣き出していた
次に部屋に現れたのは美鈴
レミリアの姿を見た瞬間、「お嬢様がお目覚めになられましたー!」と絶叫しながら館中を駆け回って周囲に報告した
次に部屋にやって来たのはパチュリーと小悪魔
「あなた一年も寝てたのよ」と知らされてレミリアは驚いた
どおりで頭が少しぼんやりしているのかと納得した
そのぼんやりした頭で、レミリアは紅魔館のメンバーで最後の一人が現れるのを待った
しかし、待てども待てどもその子はやってこない
だから気になって聞いた
「ねぇ、フランはどうしてこないの?せっかく一年ぶりに目覚めたというのに薄情な子ね」
皆の空気が一気に重くなるのを感じた


ああそうか、フランは霊夢が持って行っちゃったんだ


一年前の出来事をつい昨日のことのように思い出す
「でもまあ、霊夢のことだから悪いようには・・・・・・・」
「あの子はもう、この世には居ないわ」
「へ?」
パチュリーの言っている意味がわからず、もう一度聞き返す
「あの子なら、半年前に死んだわ」
「何を言い出すのパチェ?驚かすならもっとマシな嘘を・・・・・」
レミリアが咲夜、美鈴、小悪魔と視線を送っても、全員顔を伏せてしまう
「冗談でしょ?」
「これ。妹様のよ・・・・・」
パチュリーが差し出したものは透明な低い円柱型のプラスチック、実験室で良く見るシャーレだった
その中にコロコロと転がる、小さな白いものが二つ
吸血鬼の牙だった
「・・・・・・・・こ、こんな歯、他の妖怪にだってあるじゃない!」
「じゃあ、これを見れば理解してくれるかしら」
次にパチュリーが取り出したのは布で包んである長物
布を僅かに解くとまず見えたのは
宝石のような装飾品
「うっ!」
レミリアは口を押さえ、その場で嘔吐した
姉妹だからわかる、あれは正真正銘、妹の羽だ
「大丈夫ですか!お嬢様」
咲夜が替えの服を持ってきて、手早く着替えさせ、シーツを取り替える
なおもパチュリーは続ける
「そしてこれが妹様の・・・・・・」
「もう、止めて下さい!」
美鈴がパチュリーを制する
「ごめんなさい・・・・・ちょっとムキになってたわ」
「いいんです。お気持ちはわかりますから・・・」
美鈴も声を荒げてしまい反省する
パチュリーの手にはフランが生前被っていた帽子があった

レミリアはその帽子を見るやいなや、強引に引ったくり胸に抱え大声で泣き始めた


体中の水分を全て出し切るほど泣き
ようやくレミリアは落ち着いた
「フランはどうして死んだの?事故?病気?」
「「「・・・・・・・・・・」」」
皆、答えようとしない
ベットから起き上がり外へ出ようとするとドアの前で美鈴が立ちはだかる
「ベットにお戻りください。まだお体は本調子ではないんですよ?」
「いいから、どきなさい」
「・・・・・・・・・・・・・・失礼しました」
眼力だけで美鈴をねじ伏せて、道をあけさせる
外は日が差していたため適当な傘を取り神社に向けて出立した
(お気に入りの傘はどこにいったのかしら?)
なぜか、ふとそんなことを思った


部屋に残された4人
美鈴が口を開く
「いいのでしょうか・・・・・・お嬢様を行かせて・・・・」
その問いに答えられるものはどこにも居なかった





博麗神社の遥か上空にレミリアは到着する
彼女の手には日傘、もう片方の手にはグングニルが握られている
彼女の眼下には巫女装束を着て、箒で庭を掃除する赤いリボンをした黒髪の女性
「フランの仇・・・・・ここで討たせてもらうわ」
レミリアは大きく振りかぶった



初撃は外れてしまった
原因は距離があったこと、体がまだ本調子でないこと、傘をさしていたことが挙げられる

ターゲットが建物の中に逃げ込んでからは、真上から出鱈目に槍を投げ続けた
家が半壊するまで、投擲を止めなかった
その間、一度も反撃されることは無かった

投げ終えて戦果を確認するために、庭に降り立ち、中に入る
傘を捨てて両手を自由にして奇襲にそなえる
「!」
床に血痕を見つけた
それが足跡のように奥のほうへ続いている。血の量からして結構な深手だ
その血を指ですくって舐める。間違いなく霊夢の血だった

少し進んだ奥の部屋でうつぶせに倒れている巫女を見つけた
腹部から結構な量の血が流れている
レミリアは巫女の黒髪を容赦なく掴み無理矢理体を起こさせる
「・・・・・霊夢じゃない」
無理矢理起こされた少女は痛みに耐えかねて小さくうめき声を上げた

近づいた時から体格に違和感を感じていた
この巫女の体は霊夢に比べて遥かに小柄だった

(新入りかしら?)
一年の時間が過ぎたのだ、霊夢が弟子を取っていても不思議ではない
しかし、一つの疑問が残る
(じゃあなぜ、こいつの体から霊夢の血の匂いがするの?)
苦痛に顔をしかめて悶える少女の顔を観察する
この顔に見覚えがあった

















「あなた・・・・・・・・・・・・・フラン?」

目の前にいたのは、レミリアの妹のフランドールだった
巫女装束と黒髪、彼女を象徴する羽が無いことで気付かなかったが、間違いなくフランだった
「ちょっと、これ・・・どういうことよ・・・・・・・」
「嫌な予感がして、急いで戻って来て見れば・・・・・・・・・ずいぶん早いお目覚めじゃない?レミリア?」
背後から自分の良く知っている声がした、一度は恋焦がれた相手だ
「霊夢」
振り返ると同時に視界全てを塞ぐほどの御札がレミリアを襲い、そのまま体に張り付き床に貼り付けられた
「壊れた神社の修理費の請求は、紅魔館でいいのかしら?」
「そんなことよりもその子を・・・・・・・・フランを!!」
レミリアにとって今の自分の身よりも妹の方が心配だった
「大丈夫よ、この子ならこの程度じゃ死なないわ」
霊夢がフランを抱き起こして、腹部の具合を確認する
「良かったもう塞がってる・・・・」
霊夢が心から安心したのが見て取れた




「貴様・・・・・フランに何をした!?」
抜け落ちた羽、黒髪、霊夢と同じ血液、日光にさらされても大丈夫だった体。今のフランには不可解なことが多すぎる
「最初はね、部屋に閉じ込めてずっと一緒にいようと思ったの。でもそれじゃ、あんたとやってることが同じだと気付いたのよ、それじゃ可哀想じゃない?」
霊夢は思い出を語るように話し始める
「フランに自由を教えてあげたかったの。だから体を少し改造(イジ)らせて貰ったわ、辛かったけど、全てはこの子のためよ」
聞きなれない言葉にレミリアが反応する
「改造(イジ)った?」
構わず霊夢は話を続ける
「まずは、フランの体から全部の血液を抜いて、仮死状態にするの。それから毎日少しずつ私の血を輸血していって。そのあとの工程がまた大変なのよ・・・・
まあこれ以上説明すると長くなるし企業秘密だから省略するけど。最終的に羽と牙が自然に落ちて、私と同じ髪の色になれば、こんにちは新しい博麗の巫女ってわけよ」
「貴様・・・・・・・」
それを聞いてレミリアは体に力を込める、しかし拘束が解ける気配はない
霊夢の話はさらに続く
「博麗に代々伝わる術式と私の手にかかれば吸血鬼を巫女に変えるくらい造作もないことよ。まあそのために魔理沙並に努力と研究を重ねたけれど
だけどこれなら私が引退してもフランがいるから数千年は代替わりする必要はないわね。紫と組めば最強なんじゃないかしら?」

吸血鬼の長所と博麗の力をもった究極の存在
そしてフランには巫女としての才覚があると、霊夢は褒める

「あと記憶も消したわ、495年も地下室に居ても良いことなんて無かったでしょうから。かわりに新しい記憶と名前をあげたわ」
「なんですって!」

調度その時フランの意識が回復する

「うう・・・・」
「○○・・・・・・しっかりして○○・・・・」
○○とはフランの新しい名前らしい、レミリアの耳には全く馴染みそうに無い名前だった

目を開け、レミリアの姿を確認するやいなや、飛び起き。針と札を構える
「れーむ様こいつが、この妖怪が神社を!!」
「大丈夫よ、もう捕らえてあるわ」
フランが札まみれのレミリアを睨みつける
「貴様よくも神社を・・・・」
「フラン待って、私よ!!姉のレミリアよ!!」
「レミリア?紅魔館に住む吸血鬼がなぜここを襲う?それにフランとは誰のことだ?」
以前のフランからは想像をできない口調と態度を取られレミリアは困惑する
「・・・行きなさい吸血鬼。今回は特別に見逃がしてあげるわ」
霊夢がそう言った瞬間、札が離れ体が自由になった
「れーむ様。それでは!?」
「いいのよ・・・・・・・・・・・・・・・レミリア。ほら、さっさと消えなさい」

霊夢の言われるがままに、自分は立ち去るしかなかった










紅魔館にもどり、レミリアは一同に問い詰めた
そしたらパチュリーが彼女の知っているかぎりの全てを話してくれた



世間でのフランに対する認識はこうだ
○○は捨て子で身寄りが無いため、博麗の巫女が引き取った
まだ年齢は幼いが、巫女としての隠れた才能が頭角を表し始め、霊夢の後継者として修行の毎日を送っている
というもの

「でも、フランは吸血鬼と同じペースで歳を取るのよ?周囲が不審に思うんじゃない?」
「その辺は、上手く誤魔化すんじゃない?協力者に隙間妖怪にハクタクもいるし。もしかしたらその体質でも構わないと周囲が受け入れてくれる日がくるかもしれない」

幻想郷縁起にはフランドール・スカーレットは死んだものとして扱われている

「確かに・・・・・あれじゃフランは死んだも同然ね・・・・・・」
記憶を消され、人格は別人。顔以外にフランらしいところはなに一つ残っていなかった

ちなみにフランの前で吸血鬼の話をするのは、秘密を知る者たちの間で最大のタブーとされている

「ねぇパチェ?」
「なに」
「あなたの目から見て、今のフランは幸せだと思う?」
これだけがレミリアにとって最も重要なことだった
「・・・・・・巫女としてはじめは、紅白の後にくっついてるだけの存在だったらしいわ。でも、次第に知り合いや友達は増えているそうよ
自分が吸血鬼並の力を持っているとは知らないから、人間と同等の力しか使えないと思い込んで自然と力をセーブしてあるから、安全なんですって
あと自分の能力は空を飛ぶ程度だと思い込んでるから、破壊する能力も使えないんじゃないかしら」

どうやらパチュリーは幸せだと言いたいらしい


過去をリセットして新しい人生を歩みだした妹
「私はその事実を喜ぶべきなの?悲しむべきなの?」
「私の口からはどうとは言えないわ。でも今レミィはすごく悲しい顔をしているわ」


これからフランだった者とどう接していいのかレミリアにはわからなかった
もう自分にとってもフランにとってもお互いに会わない方がいいのかもしれないと思った






ある別の者からは、神社で夜な夜な2人の嬌声が聞こえるらしいという噂を聞いた

どうやら妹は自分とは違い、身も心も満たしてくれる相手と居場所をみつけたらしい





fin