227 名前:ひょっとしたらグロかも…[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 22:56:28 ID:6YOqWcPIO
どうしてこんなことになったのか。
私は考えたがわからなかった。
ただ一つ確かなのは、自分が月の民に見つかり、永琳やイナバ達とともに月に連れ戻された、ということである。
罪人でありながらも、月の姫である私は、牢屋では無く座敷牢に入れられている。
食事もきちんと給仕付きで出されるが、こんな状況で喉を通るわけがない。

「召し上がられないのですか。」
「…いらないわ。」

さすが蓬莱の薬を飲んだ罪人だ。
これだけ飲まず食わずでも平気とはね。
あぁ嫌だ。罪人なんかの近くにいたら汚れてしまうよ。

食事を片付けて牢を出て行った下女達が、そんなことを言っているのが聞こえる。
しかしそんなことはどうでも良かった。

「イナバ達は大丈夫かしら…。」

永琳は月王月夜見からも一目置かれる存在だ。
いくら大罪人とは言え、厳罰を下されるということはあるまい。
しかしイナバ達は…。


次の日、それなりの地位と覚しき男が座敷牢にやって来た。
見て貰いたいものがあるのだという。
私は輿に乗せられ広場へと連れてこられた。
群衆が広場を囲み、その中央には…

「イナバ…?」

鈴仙、てゐ、その他永遠亭に住んでいたすべてのウサギ達が縛られて座らされていた。

「これより蓬莱山輝夜様を誑かしたウサギ達を斬首に処す!
各々罪人の末路をその目に焼き付けるように!」

鈴仙が広場の中央へと引きずり出される。
やつれて細くなった体が震えているのがわかる。
執行人と覚しき男が剣を振り上げた。

刹那、鈴仙と目があった。思えば臆病で要領の悪いイナバだった。
狂気を操る目は今、涙であふれている。いや、いつも涙目だった気もするが。
いつも我が儘を言っては困らせていた。しかしいつも鈴仙は困った顔で苦笑しながら、「もう、仕方ないですねぇ」と

ドシャッ

容赦なく剣が振り下ろされた。
自分の目から涙がこぼれ落ちるのを感じた。
次はてゐが広場の中央に引きずり出されようとしている。
必死に抵抗してはいるが、あれでは…。

「目を背けてはいけませんよ輝夜様。」
手で顔を覆っている私に、隣の男が話しかけてきた。
「輝夜様を誑かした連中の処刑です。一つ一つあなた様の罪を皆で見つめ直していきましょう。
これはその最初の一歩です。」

これは自分の罪で、あの子達には関係がない、と叫びたかったが、なぜか声にならなかった。
そうこうしている内に
てゐの首が

落ちた

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最終更新:2008年03月08日 01:12