注:過激な描写が有りますので、お読みになる際はご注意下さい。








「みぃー みぃー」
「うふ、うふふふ、猫魔理沙は本当に可愛いわねぇ」
昼下がりの神社。
暖かな陽射しの当たる縁側に、霊夢、パチュリー、アリスの三人が身を寄せ合うようにして腰掛けていた。
中央に座る霊夢の膝の上には、子猫程のサイズになった魔理沙が体を丸めて乗っている。
頭には黒猫の耳が、尻からは尻尾が生えていた。
膝上の猫魔理沙を撫でる霊夢の眉は垂れ下がっており、顔はにやけた笑顔で緩みきっている。
その様子を、アリスとパチュリーは左右から熱っぽい目で覗き込んでいた。

生粋の魔女二人が一致団結して猫変化の薬を精製。
標的の親友の巫女がその薬をお茶に混ぜれば計画は成就。
だぼだぼの服の中から、生まれたままの姿の小さな魔理沙をつまみ上げ、
アリスが作った人形サイズの服を着せれば、
愛らしい猫魔理沙の完成である。

「あぁ…、こ、こんなに気持ちよさそうに…」
パチュリーの細く白い指に喉を撫でられ、気持ちよさそうに目を細める猫魔理沙。
喘息の調子が良いと言うわりには、パチュリーの呼吸はやけに荒い。

「ね、ねぇ霊夢、そろそろ私の膝に乗せさせてよぉ…」
同じく呼吸の荒いアリス。
霊夢の膝から猫魔理沙を抱き上げようと手を伸ばす。

「フシュルッ!!」
身体に触れられる寸前に、猫魔理沙の鋭い爪が閃いてアリスの右手の甲を斬り裂いた。
「お"うッ!!」
もんどりうって縁側から転げ落ちるアリス。

「あっ!」
そのまま猫魔理沙は霊夢の膝上から跳躍し、境内裏の林の中へ走っていってしまった。

「ちょっとアリス、どうするのよ!」
「責任を取って連れ戻して来て頂戴…」
憮然とした表情でアリスに詰め寄る霊夢とパチュリー。

「うく… わかったわよ、ちょっと待ってなさい…」
アリスは地面から身を起こしながら答える。

「薬の効果が切れる前に、必ず捕まえてやる…」
口から漏れた言葉はまるで独白の様で、瞳も霊夢とパチュリーの方を向いてはいなかった。
その奇妙な様子に顔を見合わせる巫女と魔女を背後に、魔理沙が走り去った林へ飛ぶ。
アリスは右手の甲の爪痕を舐め上げると、口の端を不気味な笑いの形に吊り上げた。



     *



「さぁ、見つけたわよ 子猫ちゃん」
ひどく月並みな台詞だと自身でも思いながら、小高い岩壁に追い詰めた猫魔理沙にアリスがにじり寄る。
陽射しを背負って伸びるアリスの影が、壁に身を寄せて震える猫魔理沙の小さな身体を覆っていく。
岩壁の周囲はアリスの放った人形達が半月状に包囲しており、逃げ場は無い。

しかし、魔理沙まであと一歩と言う所で、アリスの歩みが止まった。

「 ……。」

目を潤ませ、か細い声で哭きながら小刻みに震える猫魔理沙。
その小さな姿を見つめている内に、アリスの心の中の黒い闇が少しずつ晴れて行った。
威嚇する様に高くかかげていた両手を下げるアリス。

すっ としゃがみ込み、今度は笑顔で、優しく包み込むように両手を広げた。

「ほら、怖くないから、おいで?」
そっと、手を伸ばす。














「フシャァ―――ッ!!!!」
「うおああぁッ!!!!」
今度は左手の甲を斬り裂かれた。
アリスのこめかみで、何かが弾ける。

「 よくもッ! この クソ猫がッ! 」
ギチリ、と歯を食いしばったアリスの右足が、唸りを上げて猫魔理沙の腹を蹴り上げた。

「ギャヒュッ!」
腹から空気を吐き出すような声を出しながら、猫魔理沙の小さな体が宙高く吹き飛ぶ。
岩壁の高い場所に背を打ちつけられた後、血を吐きながらゆっくりと落下してくる。
ぐったりとしたまま落ちて来た猫魔理沙の腹に、アリスの鋭い横蹴りが突き刺さった。

「ギュみぃ…ッ!」
アリスは猫魔理沙の腹にめり込んだ左足を、そのまま突き出して伸ばし切る。
岩壁と靴底の間に挟まれて、猫魔理沙の身体がひしゃげた。
メシャリ、と何かが砕ける音が、肉の中からくぐもって響く。
アリスが左足をどけると、岩肌に血の跡を引きながら ずるり、と猫魔理沙の体が地面にずり落ちた。

「ゴホッ! ゴヒュッ!」
地に横たわり、血反吐をはいて悶える猫魔理沙。
苦しむ間すら与えず、アリスの靴のつま先が魔理沙の腹部を連続で何度も蹴り上げる。

「猫耳なんかでッ 媚びてッ いい気にッ なってんじゃ…ないわよッッ!!!」
蹴られる度に、魔理沙の小さな体はゴム鞠のように跳ねて岩壁にぶつかり、地に落ちる。
落ちた所を、また蹴り上げられる。
硬いブーツのつま先が、猫魔理沙の体に何度もめり込み、全身の骨を砕いた。
飛び散った返り血が、惨劇を無表情で見守る人形の一体の頬に付着し、染み込んでいった。



「ふぅ…ッ はッ ふッ… 」
やがて、猫魔理沙は赤黒い血溜まりの中で動かなくなった
肩で息をしながら、冷たい視線でその姿を見下ろすアリス。
やがて呼吸を整えると、人形達をまとめてその場を歩み去った。




     *




神社の境内裏にパチュリーの、絹を裂くような悲鳴が響いた。

夕陽も落ちかけたというのに、一向に戻る気配の無いアリスに憤慨しながら、
霊夢とパチュリーは境内裏の林へ出向いた。

そこで、襤褸雑巾の様になって倒れている魔理沙を発見する。
既に薬の効果は切れており、身体のサイズは元に戻っていた。
だが魔理沙の身体中の骨と言う骨はほとんどが砕け、内臓も酷く損傷していた。

「いやああぁッ! 魔理沙ッ! ど、して、 こんな… こんな……ッ!」
血溜まりで衣服の端が汚れる事も構わず、動かない魔理沙の傍らに膝をついて震えるパチュリー。
青い顔のまま呆然と立ち尽くしていた霊夢が我に返り、嗚咽を漏らしているパチュリーを怒鳴りつけた。
「医者の所に運ばないと! 動かさない様に! 早く!」

野獣に襲われても、このような惨い状態にはならないだろう。
どうしてこんな事に、と考える間も無く、二人は魔理沙を永遠亭に運んだ。













  • あのな、こういういじめは嫌いなんだよおれ、
    ネコいじめとまんま同じじゃねえかよ。弱者虐待か?よそでやれアホウが! -- J (2008-11-23 01:20:18)