ルーミアと別れた後、香霖堂へ向かって一直線に飛び続けていた魔理沙。
その前にようやく香霖堂が姿を現した。
香霖堂の店主の霖之助とは、それこそ物心つく前からの付き合いである。
魔理沙ご自慢のミニ八卦炉も、彼が作った魔理沙の宝物だ。
当時は叔父のような存在だった霖之助だが、時間の流れが人とは違う為
成長していく魔理沙に対し、霖之助はあの頃と何一つ変わらぬまま。
徐々に魔理沙の感覚は叔父から兄、そして想い人へと変わっていった。
そんな霖之助がこの一大事の中、無事かどうか気にならない訳がない。
ましてやメルランやフランのように、何故か暴走する妖怪も現れている。
戦闘能力の低い霖之助がそういう妖怪に襲われたらと思うと、気が気ではないのだ。
やがて香霖堂の正面まで辿り着くと、慎重に箒から降りる。
そして入口のドアを勢いよく開け、中に飛び込んだ。

「香霖!!」

ところが中は蛻の殻、霖之助は何処にもいない。
まさかすでに何か起きてしまったのだろうか、不安が募り心臓の鼓動も速くなる。
そこへ突然、背後から誰かの声がし部屋に響く。

「店主ならいないわよ」

声の主はいつの日か香霖堂にやって来ていた、赤い羽を持つ鳥の妖怪だ。
その妖怪は椅子に腰かけると、こちらを気にする事なく棚の本を読み始める。
中途半端に答えを出されて理由が気になる魔理沙は、思い切ってその妖怪に話しかけてみた。

「香霖がいないってどういう事だよ。お前は何か知ってるのか?」
「教えてあげてもいいけど知識は財産、タダでとは言わないわよね?」

何やら物をねだっているようだが、生憎手持ちは何もない。
どうせ欲しがっているのは本だろうから、適当に店の本をくれてやろう。
そう思い一冊の本を棚から出し、その妖怪に手渡した。

「この『怪物的な怪物の本』ってのはどうだ? 値段も高いし文句ないだろ、後で私がツケにしとくから持って行け」
「賢明な判断、感謝するわ」

そう言うと妖怪は本を持って外に出る、そして迷いの竹林の方を指差すとゆっくりと口を開いた。

「店主は背中に怪我をして永遠亭に行ったわ、何でも妖怪に襲われたそうよ。
 あれから数日経つけど、まだ帰って来てないから結構重症で入院してるのかもね」

そのままその妖怪は嬉しそうに飛び立って行く。
だが魔理沙は神妙な面持ちで、迷いの竹林の方をじっと見つめていた。

「香霖……」

自分が知らない間に霖之助がピンチになっていた。
その時、駆け付けられなかった事を酷く後悔する魔理沙。
だが居場所が分かったなら一安心だ、とりあえず無事を確める為にも見舞いに行こう。
魔理沙は永遠亭を目指すべく、まずは魔法の森との中間地点にある人里へと歩いて行った。













森を抜け人里へ少しづつ近付いていく魔理沙、その頭の中は霖之助の事でいっぱいだ。
入院する程の怪我ならあまり動けないのではないだろうか。
それなら本でも持って来た方がよかったかもしれない。
そんな事を先程森を出る時に摘んだ花束を見ながら考えていると、何かにぶつかって尻もちをついてしまった。

「いたたた……ん?」
「大丈夫、お嬢さん」

ぶつかったのは前から歩いて来た衣玖だった。
衣玖は手を差し伸べ、魔理沙を引っ張り起こす。
その態度はどこか他人行儀で、初対面の相手に対するかのようだ。
服装もいつもの羽衣のついた服とは違い、まるで別人みたいに感じられる。

「怪我してない? 一人で平気?」
「……ああ、大丈夫…」
「そう、強いのね。子供は元気なのが一番よ」

どうも向こうはこちらの事を知らないみたいだ。
他人の空似と云う奴だろうか、だがそれにしても似すぎている。
見た目だけじゃない、微量ながら纏っている電気の帯はまさしく衣玖のもの。
恐らく電気から発せられる気も同じものだろう。
別人として片付けるには、あまりにも大きな共通点。
一応、確認しておいた方がいいかもしれない。

「あ、あのさぁ!」
「何?」
「衣玖……じゃないのか?」
「!!」

途端に顔色が変わる衣玖。
さすがに本人に名前を聞くのは少しおかしかっただろうか。
そう思い撤回しようとする魔理沙だったが、何やら衣玖の様子がおかしい。
突然頭を抱え込み、必死に首を左右に振り始めたのだ。

「…どうかしたのか?」
「……違う」
「え?」
「違う…違う違う違う!!」
「なっ!」

突然声を張り上げる衣玖、その周囲には無数の電撃が迸っている。
迂闊に近付けば感電しかねないと、距離をとる魔理沙。
すると今まで魔理沙が立っていた場所に、凄まじい轟音と共に雷が落ちて来た。
雷撃の被弾地では、離れる時うっかり落とした花束が炭の塊と化している。
再びすぐ傍まで迫っていた命の危機に、魔理沙の顔からは冷や汗が流れ出した。
だがそんな事はお構いなしに雷雲はゴロゴロと二撃目の準備に入る。

「違う……私は衣玖じゃない! 宇佐見 蓮子よッ!!」
「う、うわあああああ!!」

怒鳴り声と共に大量に炸裂する雷撃、その一発一発が地を削り木を焼き払う。
このまま此処にいれば雷撃に巻き込まれてしまう、魔理沙は慌てて人里の方へ逃げ出した。





全力疾走で街道を走り続けつ事数分、ようやく人里が見える所までやって来た。
だが目的地は人里じゃない、その向こうにある永遠亭だ。
何かお土産を買って行こうにも、生憎物を買うだけの金銭は持ち合わせていない。
今日は立ち寄る理由などないのだ。
それより気になるのは先程出会った女性、蓮子。
雷撃を操るあの技は、まさに衣玖そのものだった。
しかし本人は強く否定している、一体蓮子とは何者なのだろうか。
ルーミアといい、今日は正体のいまいち分からない奴とよく出会う気がする。
空には相変わらず霧が広がり、行く道も何処か仄暗い。
構わず黙々と進む魔理沙の前に、やがて迷いの竹林が姿を現す。
しかしそこは不気味な鳥の声が聞こえる、完全な闇の世界だった。
中の様子は真っ暗で分からず、鳥の声が気味悪さを一層際立たせる。
不安じゃないと言えば嘘になるが、この先で霖之助が待っているのだ。
迷っていても仕方ない。そう頭の中で呟き、魔理沙は闇が支配する迷いの竹林に足を踏み入れる。

「………しかし暗いな…」

竹林の中は外から見た以上の暗闇だった。
数歩先は全く見えず、空を見上げても何処までも続くような闇が広がるばかり。
とても真昼の竹林とは思えないような状態だ。
幸いミニ八卦炉は火も起こせるので、提灯代わりにして先を進む。

「…どうなってんだ………うわっ!」

すると突然、顔に冷たい物がへばりついた。
それは糸状の物らしく、粘着力が強く脱出は困難かに見える。
ところがどうやら火に弱いようで、ミニ八卦炉の火を当てたら簡単に離れる事が出来た。
しかしこの糸状の物には見覚えがある。

「これは………蜘蛛の巣?」

火力を上げ周りを見渡してみると、竹林中に蜘蛛の巣が張られていた。
その一つ一つが人間より遥かに大きく、巣の主が普通の蜘蛛ではない事を表している。
もし空を飛んでいたら、あっという間に絡めていただろう。
今回ばかりは怪我の功名と言わざるを得ない。
だがほっと一息吐いている魔理沙の耳に、何やら不気味な音が聞こえてくる。
それは巨大な化け物が、巣の上を静かに忍び寄って来るかのような音だ。
音は徐々に近くなり、魔理沙の方へじわじわと迫って来ている。
この暗闇の中で、正体の分からない相手に不意打ちをうければ一溜まりもない。
魔理沙は灯りを消し静かにその場を離れ、化け物をやり過ごす事にした。
やがて近付いていた音はそのまま通り過ぎ、段々遠くなっていく。

「………行ったか」

とりあえず目先の脅威は去ったようだ。
再び灯りを点け歩き出そうとする魔理沙。ところが、

「チュインチュイーン!!」
「しまっ!」

突然響いたけたたましい鳴き声と共に、何かがこちら目掛けて飛んで来た。
この暗闇の中を飛べる相手では、今更灯りを消して隠れてももう手遅れだろう。
そう考え身構える魔理沙だったが、ここである問題点に気付く。
灯りにミニ八卦炉を使っている為マスタースパークが撃てないのだ。
さすがに闇の中で音だけを頼りに撃つのは気に精通していない魔理沙には、あまりにもリスクが高すぎる。
だからと言ってスターダストレヴァリエでは、凶暴な妖怪を追い払うだけの火力が足りない。
どうしたものかと悩んでいると、ふと暗闇に何か光る物を見つける。

「あれは……人魂なのか?」

何故こんなところに人魂が浮いているのかは分からない。
だが人魂の向こうには、遠くから迫る鳥の頭が見える。
どうやら敵の位置を教えてくれているようだ。

「…これならいける!」

すぐに灯りを消しミニ八卦炉を構える魔理沙。
狙うは人魂の向こうの鳥妖怪、相手の移動速度を考えると二発目を溜める余裕はない。
この一発を確実に決めなくては待っているのは死、尋常じゃないプレッシャーが魔理沙を襲う。
だがギリギリの勝負は今までもして来た、今回はかかっている物が違うだけ。
いつも通りやれば上手くいく。それが幻想郷一の人気者、霧雨 魔理沙なのだ。
魔理沙の心から恐怖が消えたその瞬間、ミニ八卦炉が火を噴いた。

「必殺!『マスタースパーク』!!」

一気に闇を貫く強烈な閃光、それが向かって来た鳥妖怪に命中し撃ち落とした。
すると暗闇は消え明るくなり、蜘蛛の巣が張り巡らされた竹林が姿を現す。
今までの暗闇はこの妖怪が作り出した物だったようだ。
闇がなくなったせいか、さっきの人魂もいつの間にかいなくなっている。
せめてお礼の一つでも言いたかったものだ。
一方で闇が晴れた事で、ぐったりと倒れている鳥妖怪の姿が明らかになる。

「…!! こいつはヒポグリフじゃないか!」

ヒポグリフ、上半身が鳥で下半身が馬の魔法生物。
パチュリーの魔導書に載っていた西洋の妖怪だ。
幻想郷では珍しい筈だが、こんな所で会えるとは運がいい。
早速パチュリーへのお土産にしようと近寄る魔理沙。
ところが魔理沙の手が触れると、ヒポグリフは起き上り飛び立ってしまった。
だが辺りには抜け落ちた羽根が無数に散らばっている、これだけあれば十分だろう。
幾つか霖之助にあげて少し自分用に取ったら、残りはパチュリーに渡せば皆喜ぶ。
それで仲直り出来れば、一石二鳥どころか三鳥四鳥の大当たりになるだろう。
そんな事を考えながら粗方回収し終えると、魔理沙は意気揚々と永遠亭に向かって行った。





迷いの竹林を進んで行くと、やがて永遠亭が見えてくる。
途中何度もトラブルに巻き込まれたが、何とか此処まで辿り着けたようだ。
忘れ物はない、お土産に羽根もある。
目に付く問題はないと、そのまま魔理沙は永遠亭の敷地の中に入って行く。

「おい! 誰かいないのか!?」

ところが敷地内には誰もおらず、声をかけても返事は返って来ない。
ただ辺りに不気味な静寂が広がるだけだ。
いつもはいる筈の妖怪兎達も、今日に限って一羽もいない。
今までの事もあり、段々不安になる魔理沙。
堪らず永遠亭の中へ、人を探しに入って行った。

「……まさか誰もいないなんて事ないよな?」

中を進むも見えて来るのは薄暗い廊下ばかり、妖怪兎にも蓬莱人にも出会わない。
段々焦りと不安から、魔理沙の歩みも駆け足になって行く。
すると足下を見てなかったのが悪いのか、何かに躓き転んでしまった。

「…うぅ、なんなんだよ………ッ!」

躓いた何かを確める為に振りかえった魔理沙。
その目に映ったのは、以前とは比べ物にならない程やつれた早苗の姿だった。

「どうしたんだよ! 一体何があったんだ!」

いくらなんでもこんなになるなんておかしい、慌てて問い詰める魔理沙。
ところが早苗は魔理沙を見るや否や、怯えた表情で暴れ始めた。

「嫌! 来ないで! 誰か、誰か助けて!」
「……早苗…?」
「近寄らないで! わ、私には神様がいるんです! 襲ってもいい事ありませんよ!」
「何を言って……」

どうやら酷く錯乱しているようだ。
何とかしてやりたいが、こういう時はその道の専門家に頼った方がいい。
幸い此処は永遠亭、自称天才の八意 永琳がいる。
早苗をこのままにしておくのは忍びない、だが今は解決を急ぐべきだ。
そう思い走り出そうとする魔理沙だったが、突然腕を掴まれた。

「なん…」

振り返る魔理沙、その目の前に現れるナイフ。
ナイフは早苗の手に握られ、刃先は魔理沙の方を向いている。
早苗の怯えた表情から感じ取れるのは、底知れない恐怖。
その恐怖が今ナイフとして、魔理沙に襲いかかって来ているのだ。
魔理沙には一気に近付いて来るナイフが、まるでゆっくり迫っているかのように感じる。
だがその距離が短くなって行くのに変わりはない。
やがてナイフは魔理沙と数センチの距離まで迫り、そして…

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」

あまりの出来事に、魔理沙は何が起こったのか把握出来ずにいた。
冷静に思い出せるのは目の前にナイフが迫っていたところまで。
その後、何かが起き気がついた時には
早苗が悲鳴を上げて倒れていた。

「あああ…ああぁぁあああ!!」

魔理沙の足下にはナイフが突き刺さっている。
そこから少し下がった所には、スカートに真っ赤な染みを作り悶え苦しんでいる早苗。
そしてその後ろには赤い線を引いて、早苗の脚が転がっていた。

「何が……起こって……」

魔理沙は何もしていない。
しようとしても、一気に脚を斬り落とす事なんて出来る筈がない。
なら何故こんな事が起こっているか、考えられるのは唯一つ。

「……誰だ」

この場に他に誰かいる、そいつが早苗の脚を斬り落とした。それ以外考えられない。
だが一体誰が、魔理沙が考え込んでいると目の前を迷いの竹林で出会った人魂が通り過ぎる。

「…………ッ!!」

今目の前に現れた人魂、そこから感じる魔力に魔理沙は覚えがあった。
もし魔理沙が思った通りだとしたら、竹林での事は偶然居合わせた訳じゃない。
それこそあの人魂はずっと魔理沙の傍にいたのだ、ただ今までは姿を現さなかっただけ。
本当に命の危機が迫った時は、何時どんな時だろうと助けるつもりだったのだろう。
そして今、魔理沙に襲いかかった脅威を潰す為に彼女は今まで隠していたその牙を剥く。

「い、嫌ああぁぁ! お願い、助けて! 神奈子様ぁ! 諏訪子様ぁ!」

泣き叫び助けを求める早苗。
その脚には姿こそ見えないながらも、くっきりと人の手の形が浮かび上がっている。
直後思いっきり脚がピンと伸ばされたかと思うと、

「あああああああぁぁああぁぁぁあああああ!!」

一瞬三日月のような刃が現れ早苗の脚を斬り落とした。
落とした脚はすぐに投げ捨てられ、今度は襟首を掴まれ持ち上げられる。
その脚のない姿は髪の色も相まって、まるで脚を斬り落とした当人のようだ。
更に宙吊りになった事で、一気に血液が流れ出し床を血で紅に染める。
最早いつ死んでもおかしくない状態だ。

「た、助け……もう……許して……お願い……もうしないから……ごめんなさい…」

ぶつぶつと呻き声を上げる早苗。
このままでは早苗が殺されてしまう。
ショックから立ち直った魔理沙は、慌てて止めに入ろうとした。

「ま、待って…」
「……!! ……………」

だが一足早く、早苗の腸が引き摺り出される。
もう、早苗には声を上げる余力も残っていない。
その目はぐりんと上を向き、口からは泡を吹き始めている。
魔理沙は大慌てで姿の見えない師の前まで行き、必死に頭を下げた。

「待ってください! 早苗は…私の友人なんです。だから…どうか殺さないでください、お願いします!」

床に頭をつけ、必死に友の許しを乞う魔理沙。
すると早苗の体は地に落ち、その手から解放された。

「ああぁ……早苗ぇ……」

そうは言っても両足は切断され、腸は引き摺り出された状態。
これではとても持ちそうにないのは、素人目に見ても明らかだ。
早く永琳を探し出し、手術をしてもらわなくては。
急いで走り出そうとする魔理沙だったが、その耳に襖が開く音が届く。

「……誰かいるの?」

声がした方を見ると、赤い目と薄いウサ耳が襖の隙間から覗いている。
どうやら近くに妖怪兎がいたみたいだ。
急いで永琳に取り次いでもらわなくてはと、駆け寄る魔理沙。

「そ、そこの奴! 大至きゅ…」
「嫌あああああぁぁぁあああぁぁぁぁあああ!! 人殺しぃ!!」

ところがその妖怪兎は、こちらを見るや否や悲鳴を上げ襖を閉めてしまった。
どうやら早苗の状態から犯人にされてしまったらしい。
だが今は急を要する、早く取り次いでもらわなくては早苗の命が危ないのだ。

「違うんだ! 私じゃない! それより早く永琳を…」
「嫌ああああぁぁあ!! 助けて師匠! 人殺しが! 人殺しが部屋の前にぃ!!」

どうにも泣き叫んでばかりで話にならない。
あまり時間はないというのに、困ったものだ。
魔理沙がどうしたものかと考えていると、廊下の向こうから何かが走って来る。
もしかしたら騒ぎを聞きつけた永琳かもしれない。
そう思い話しかけようとする魔理沙だったが、そのまま突っ込んで来た人物の一撃で吹っ飛ばされてしまった。

「……いった……うぐあっ!?」

次いでうつ伏せの魔理沙を襲う頭を掴まれる感覚。
今はこんな事している場合ではないのにと思っても、掴まれた状態から逃げ出す事は容易ではない。
魔理沙がどうする事も出来ず痛みに耐えていると、突然掴んでいた手から力が抜ける。
今の内に状況を確認しようと立ち上がると、掴んでいた手が魔理沙の頭からボトリと落ちた。
最早いちいち気にしている気力はない、兎に角今は早苗だ。
魔理沙が慌てて相手の方に向くと、そこには予想外の相手が立っていた。

「…なんで…お前が…」

右腕を肩から斬り落とされてなお立ち塞がっているのは、なんとあの幽香だった。
何故彼女が此処にいるのかも気になるが、それ以上に襲いかかって来た理由が分からない。
だが幽香は魔理沙に考える時間を与えてくれず、残った左腕を休みなく振りかざす。
そんな幽香の猛攻も、二度目の斬撃で両腕がなくなった事で終わりを迎えた。

「なんでだよ……なんでこんな事…」
「私が用があるのはあんたじゃないわ、そっちの悪霊の方よ」
「なっ…!」
「どうしたのよ、さっさと止めを刺しなさい。さもなくばあんたの弟子、喰い殺してやるわよ」

完全に劣勢にもかかわらず挑発を続ける幽香。
その表情は不敵な笑みを浮かべ余裕さえ感じられる。
何がしたいのか分からない、好戦的とはいってもこの状況では戦えない筈だ。
高いプライドがそうさせるのだろうか、それは命をかける必要のあるものなのだろうか。
そんな思考を巡らせていると、三日月の刃が幽香の首に当てられている事に気付く。

「まさかっ!」
「何をしているの? 怖気づいた訳じゃないでしょうねぇ」

まさか幽香を手に掛けるつもりなのだろうか。
知らない仲ではない筈なのにどうして。
だがそんな魔理沙の思いとは裏腹に、刃はギロチンのように徐々に上がって行く。
そのままある位置まで上がると、ぴたりと止まり動かなくなる。そして次の瞬間、

「!!」
「……えっ?」

突然飛んで来た矢によって師の刃も魔力も消し飛んでしまった。
その場に残った魔理沙も幽香も、驚き目を丸くする。
だが矢を放った主は、こちらが状況を理解するまで待ってくれる程優しくない。
次いで飛んで来た無慈悲な矢が、魔理沙の腹に綺麗に突き刺さった。

「……ぁぁ…あ……」

次第に遠くなって行く意識。
どうやら矢に何か仕組まれていたようだ。
しかしもう考え事が出来る程、頭が働かない。

「安心しなさい、ただの麻酔薬よ」

その言葉が聞こえたのを最後に、魔理沙はその場で気を失ってしまった。













あれからどれくらい経ったのだろうか。
気が付くと魔理沙は真っ白な部屋の中にいた。
辺りを見渡そうとするも、体が固定されているらしく全く動けない。
何とか脱出出来ないかと魔理沙が考えていると、視界に白衣を着た人影が映り込んだ。

「おはよう、気分はどう?」

その人物こそずっと探していた永琳その人。
魔理沙はすぐに早苗の事を伝えようと口を開く。

「…………っ!?」

だが声が出ない、予想外の出来事に慌てる魔理沙。
しかし永琳は表情一つ変えず、魔理沙の疑問を打ち消した。

「心配しないで、まだ麻酔が効いてるだけよ。………早苗なら大丈夫、手術は成功したわ」

とりあえず早苗は無事なようだ、ほっと一息吐く魔理沙。
だが、ならどうして自分はこんな所に拘束されているのだろうか。
魔理沙が新たな疑問を浮かべていると、突然永琳が急接近して来た。

「気になるわよね? なんでこんな事になっているのか。教えてあげる、私の素晴らしい計画をね!」

そう言った瞬間、確かに永琳から禍々しい気を感じた。
それは魔法の森で出会った妖怪達が放っていたもの、それは人が狂気と呼ぶもの。
常人には理解出来ないような歪んだ思想、それが邪悪な気として感じられたのだ。
このまま此処にいてはいけない、頭の中で警報が鳴り響く。
だが今の魔理沙に逃げ出す術はない、そうしていると永琳が何処からかカルテを持って来て近くの椅子に座り込む。
その目は狂おしく、それでいて楽しそうにあやしく輝いていた。

「私の目的はとても簡単な事、幻想郷を支配する事よ」
「!!」
「私が陥ったスランプの原因、それは鈴仙が塞ぎ込んでしまったからだったのよ! 欠けてはいけない者が欠けてしまった
 これ以上の原因なんてある筈ないのに、気付くのに時間が経ってしまったわ。天才にあるまじき失態ね。
 でも鈴仙を元気づける事は今までもやって来た、そのどれもが失敗に終わったわ。普通にやっても駄目、そこで私は考えた。
 鈴仙が恐怖を克服出来ないなら、幻想郷から鈴仙が恐れる者を消し去ってやろうってね。でも鈴仙が恐れているのは妖怪
 妖怪を幻想郷から消し去る事なんて出来ないわ。だから私は幻想郷を支配する。全ての妖怪を私達の前に跪かせるの。
 そして鈴仙の心から恐ろしい妖怪という存在を消し、無様なペットという認識で塗り替えるのよ!
 姫様もたくさんのペットが手に入り、さぞお喜びになるでしょうね。ふふふ、全ては永遠亭の幸せの為なのよ」

今の永琳の心は狂気に染まりきっている、とても説得は出来そうにない。
最早自分には、どうする事も出来ないのか。そう思っていると突然、永琳がリボンを投げ渡して来た。
以前話した通り魔理沙は気に精通しておらず、魔力か余程強い気しか感じ取る事は出来ない。
だがそのリボンを見た瞬間、何故だか分からないがそれが黒谷 ヤマメの物だとすぐに分かった。

「でも今の永遠亭の力では、すべての妖怪を屈服させる事なんて出来やしない。
 だから私は、ある方法で最強の妖怪を作る事にしたわ。それは二体の妖怪を混ぜ合わせて強力な妖怪を生み出す方法よ。
 最強の妖怪さえ生まれれば、合成過程で私に逆らえなくする催眠薬を入れてそのまま永遠亭の戦力に出来るわ。
 最初は妖怪兎で作ってみたけど、やっぱり駄目ね。もっと強い妖怪じゃなきゃ最強の妖怪にはなりえない。
 そんな時やって来たのが、あの地底の妖怪。何て名前だったかしら? 兎に角、自殺未遂で連れて来られたそうよ。
 まさに運命が天才を後押しした瞬間ね。早速、私はその命を再利用させてもらう事に決めたわ。
 でも問題は何と混ぜるかよ。こんな上玉、妖怪兎じゃもったいないわ。すると丁度いいのが見つかったの。
 それがそのリボンの主、前に亡くなった地底の妖怪よ。死体との合成は初めてだったけど、上手くいくって確信していたわ。
 ……結果は成功よ。病をバラまく花のような結晶を纏う妖怪、病気に耐性のない妖怪は一網打尽だわ。
 ただ彼女だけでは幻想郷を制圧するには力不足、特に能力のせいで寒さに弱いのは改善の余地があるわ」

そのままカルテを捲り、次のカルテへと目を移す永琳。
同時に今度は袋詰めにされた、人の手首のような物を投げ渡して来た。

「!!」
「次に来たのは地底の洋館に住んでる妖怪、ペットに目を撃たれたとかで運ばれて来たわ。
 姫様とは知り合いだったみたいだけど、鈴仙の為にも例外などあってはならない。それに姫様もずっと一緒にいられた方が
 いつも退屈せずに済むでしょう。ただ問題は混ぜ合わせる妖怪がいない事よ。仕方ないからてゐに探させたわ。
 そしたら霧の湖の底に、妖力を溜め込んでる妖怪がいるみたいじゃない。早速獲りに行ったわ、てゐを餌にして。
 素晴らしい妖気だったわ。これなら強力な妖怪が作れる、そう確信したわね。早速帰って合成を始めたわ。
 でも運命も私の天才ぶりに嫉妬し始めたみたいね、丁度合成している最中に姫様がやって来たのよ。
 今回の計画は後でびっくりさせる為、姫様には内緒にしていたから焦ったわ。まさかその間に逃げ出すなんて……
 しかも合成した妖怪の体で、手錠のかかった自分の腕を引き千切って。あのまま上手くいってたらと思うと…惜しいわ」

そう言って唇を噛むと、永琳は再びカルテを捲る。
今度飛んで来たのは、ミスティアの帽子だった。

「次に来たのは団体さんよ、運命も私の知能の前ではひれ伏すしかないと分かったみたいね。
 早速三人とも拘束して、てゐに材料を探させたわ。今回は玄武の沢まで出向いたけど、行った甲斐はあったと思いたいわね。
 捕まえた妖怪はすぐに拘束したうちの一匹と合成したわ、でもあれは失敗作だった。人並みの知能を持ってなかったのよ。
 これじゃあ力が強いだけで能力を自在に使いこせない低級妖怪と同じ、仕方ないから普通のペットにする事にしたわ。
 いろいろ調べた結果、獣の妖怪同士を混ぜた事で獣の血が濃くなり過ぎたみたい。次から気をつける事にするわ」

永琳は白衣の胸ポケットから煙草とマッチを取り出し、おもむろに吸い始める。
同時に胸ポケットから、ルーミアのリボンが飛び出して来た。

「前回の失敗から私は、知能が高く獣の血の薄い妖怪を探していたわ。そんな時ある方法を思いついたの。
 魔界の妖怪を呼び寄せる方法よ。これなら探さなくても高い知能の妖怪が手に入る、我ながら素晴らしい発想力だわ。
 早速てゐに召喚術を教えやらせてみたの。そしたら奇妙な妖怪が出て来たわ、今まで見た事もないような奴よ。
 でも私の敵じゃなかった、軽く捻り潰して材料にしてやったわ。合成して生まれたのは凄まじい妖気の妖怪
 本来なら合成妖怪軍団の隊長になれる知能と実力を持った妖怪だった。でも一つだけ問題点があったの。
 あいつね、私の催眠薬が効かないのよ! そのままどっか行っちゃったし! ……賢すぎるのも問題ね」

感情的になり、声を荒げる永琳。
だが少し経つと冷静さを取り戻し、ある物を魔理沙に投げ渡す。
それを見た魔理沙は目を疑った。
なんとそれは霖之助の眼鏡だったのだ。

「…ッ!!」
「あら、随分興奮してるわね。そんなに大切な人だったの? これはねぇ、わざわざ自分から訪ねて来てくれた半妖のものよ。
 私は知能の高い妖怪同士を合成する際、どうすれば薬で制御出来る状態にするかの実験をしたかったの。
 そんな時、丁度いい材料が向こうからやって来たら使わない訳にはいかないじゃない。
 だから私は合成したわ、その半妖と二人も材料を連れて来てくれた親切な妖怪をね。結果は大成功。
 合成体に増殖能力をつけた事で自我が分散され、知能が混ざり合い高くなり過ぎる事を防いだわ。
 しかも増殖体を何の妖怪でもない素体にする事で、他の遺伝子の影響を受けやすいようにしておいたから
 これからは動物の遺伝子を注射するだけで、様々な妖怪の代わりになる材料が無限に手に入るようになったのよ!
 ふふふ、一体どうして私はこんなにも優秀で秀才で完璧なのかしらね。時々自分の才能が恐ろしくなるわ」

永琳は頭を押さえて笑い、自分の実験の成果に酔いしれている。
だが魔理沙は霖之助の事で、ショックから立ち直れずにいた。
しかしそんな事はお構いなしに永琳は話を続け出す。

「さて、これが何だか分かるかしら?」

そう言って永琳が出したのは、黄色いスカーフと蛇と蛙の髪飾り。
最早永琳の言いたい事が、わざわざ考えなくても伝わってくる。

「ふふふ、貴方がなかなか起きないから先に済ませてしまったわ。……言わなくても分かるでしょ?
 そう、手術よ。最強の妖怪を作る為のね! それにしても随分酷い事するわねぇ、おかげで蓬莱の薬を使う事になったわ。
 だってこの私の患者や姫様のペットが死ぬなんて事、これ以上あったら私の天才たる威厳に関わるもの。
 それに使ったのは蓬莱の薬を数万倍に薄めた物、不老不死にはなるけど魂まで作用しないから姿は固定されないわ。
 おかげで楽に手術出来たわ、失った部分に直接他の妖怪のパーツを繋げたらどうなるかも試せたし。
 ………勿論上手く繋がったわよ? 再生しようとする力が、そのまま結合状態を強固にしてくれるのだから。
 手術から数時間しか経ってないのに、あそこまで同化したのは蓬莱の薬様様ね。
 さすがは私と姫様の努力の結晶、数万倍に薄めたとはいえあの二人に使うには少し高価過ぎるくらいかしら。
 でも結果を考えたら妥当かもしれないわね。あの戦闘能力の高さは傑作と言ってもいいぐらいだわ」

鼻高々に自分の実験の結果を永琳は語る。
だがさすがにもうこれ以上、こんないかれた実験の話は聞いていられない。
幸い麻酔の効果も切れたようだ。
魔理沙は堪った鬱憤をぶちまけるべく、思いっきり永琳を怒鳴りつけようとした。

「ギガガゲグゴーゲーギギッ!! ……ッ!!」

だが口から出たのは人の言葉ではなかった。
それこそ化け物の唸り声のような不気味な声。
途端に魔理沙の頭の中は、一気に真っ白になった。

「……もしかしてまだ自分が人間だと思ってたの? あはははは! おめでたいわねぇ! 貴方はもう立派な合成妖怪よ!
 それも攻撃やスピードといった戦闘能力を強化した代わりに、言語能力など人間らしい部分を削った正真正銘の化け物よ!
 本当に貴方は傑作ね……素晴らしいわ……。貴方なら幻想郷の支配に大きく貢献してくれる筈よ。
 さあ、暴れて来なさい。貴方の余計な理性は私が消してあげる。
 妖怪の闘争本能の赴くままにッ! 殺してッ! 焼き払ってッ! 妖怪の賢者達に私達の力を見せつけてやりなさい!!」

そう言って魔理沙の異形の腕に、深々と注射器を差し込む永琳。
その顔は狂気に彩られ、おぞましく笑っていた。
やがて注射器の中身がすべて流し込まれると、魔理沙の中に異常な感情が生まれる。
絶え間ない破壊衝動、溢れ出る殺意、そしてその矛先が向かうのは魔理沙がもっとも勝ちたいと願った相手。
最早魔理沙を止められる者は、永琳を除いて誰もいない。

「ゲググガァーッ!!」
「ふふふ……あっはははは! 見てなさい! 私達が、永遠亭こそが! 幻想郷の支配者に相応しいという事を教えてあげるわ!」
『へぇ、そんな事の為に私の弟子を化け物にしたって訳かい』
「………え?」

永琳が声に驚き振り返った刹那、その首が鮮血を撒き散らし華麗に宙を舞った。













遅れて数時間後、霊夢は不吉な予感に突き動かされ永遠亭にやって来た。
辺りには生物の気配が全くせず、まるで死に絶えてしまったかのようにさえ感じる。
だが今はこの不吉な予感が指し示す、何かを確めるのが最優先だ。
霊夢が永遠亭を奥へ奥へと進んで行くと、ようやく生物の気配がする場所に辿り着く。
その気配のする部屋へ思い切って乗り込んだ霊夢の目の前に広がっていたのは、まさに地獄絵図というべき光景だった。

「………」

そこにいたのは真っ黒で巨大な、六本の腕と羽を生やした化け物だった。
化け物の口の中には人の手のような物が見え隠れしており、他の部分は肉塊になり果て原形を留めていない。
六本の腕の一本からは握り締めた手から人の足がぶら下がっていて、指の隙間からはぐちゃぐちゃの脳髄が滴っている。
普通の人間だったら発狂しかねない悲惨な光景、その中で霊夢は笑っていた。
それは虚勢でも余裕でも何でもない。ただ純粋に知ってしまっただけだ。
目の前に広がる殺戮の舞台の出演者達を。

「いいわ、もうたくさんよ。幻想郷なんてどうでもいい。それより私と遊びましょう、魔理沙」

その言葉に反応したのか、化け物は口と手の中の肉塊を放り捨て霊夢に向かって行った。





何処とも知れない異様な空間。
真っ赤な花が咲き誇り曇天が広がる道をただ一人、鍵山 雛は歩き続けていた。
思えば夏の終わり頃、早苗を永遠亭に連れて行った帰りにおかしな穴に吸い込まれたのが運の尽き。
気付けばこの怪しげな空間に飛ばされていたのだ。
どうも空間が捻じれているようで、もう数カ月は歩いている気がするのに見えてくるのは同じ景色ばかり。
時間の概念すらないのか、空腹にもならないのが幸いと言ったところか。
だがあくまで時間切れで死ぬ事がないと言うだけで、脱出の糸口にはなりえない。
終わりの見えない迷宮に、雛の精神は徐々に限界に近付き始めていた。

「………え?」

ふと足下を見ると何やら影が大きくなって行く。
何事かと上を向くと、何かがこちらに近付いて来てるではないか。
もう何カ月もなかった変化に、目に涙を浮かべて喜ぶ雛。
待ち望んだ救助か、それとも新たな迷い人か。
どちらにしても変化そのものが、淀み沈みきっていた雛の精神には救いとなったのだ。

「あぁ……私の救世主様…」

必死に向かって来る何かに手を伸ばす雛。
その小さな体は落ちて来た化け物の足により、血溜まりへと変わり果てた。

「此処は歪んだ博麗大結界の中に出来た空間、誰の邪魔も入らない私達だけの場所よ」

遅れて降りて来た霊夢が、楽しそうに説明する。
その目に少ないながらも狂気が宿っていたのは言うまでもない。

「私を越える、貴方の追い求めた夢よ。その夢に私が一生付き合ってあげる。手加減はしないわ、今の貴方は強いもの」

そう言って陰陽玉を出し戦闘態勢をとる霊夢。
すると閉じかけていた大結界の穴から、何者かが飛び出して来た。

「霊夢うぅぅー!!」

それはチルノだった。チルノは真っ直ぐ霊夢の方へ向かって行く。

「私達の戦いに弱輩者が割り込むのは無粋よ」

そんなチルノを、霊夢は弾き飛ばそうと結界を張る。ところが、

「『ダイアモンドブリザード』!!」
「なっ…」

チルノの弾幕は結界を突き破り、あっさりと中に入り込んで来た。

「…どうして……」

まさかあのチルノに破られるとは思っておらず、唖然とする霊夢。
するとチルノはポケットから、ある物を取り出した。
それは毘沙門天の宝塔、強い妖力を秘めた仏具。
恐らくこの宝塔から力を吸い取って、先程のような力を身に付けたのだろう。

「あたいは強くなった! 今度こそ皆の仇、とらせてもらうよ!」
「……何の事か分からないけど、それだけの力があるなら十分よ。私達の遊びに参加させてあげる」

こうして火蓋を切って落とされた三つ巴の戦い。
出口の存在しないこの閉鎖空間の中、勝者は一体どのような運命を辿るのだろうか。
だが今の彼女達に勝った後の事を考える余裕はない。
誰にも知られる事なく、ただひたすら戦い続けるのだ。
最後の一人になる、その時まで。





「豊姫様ー、依姫様ー」
「どうしたの、レイセン」
「実は地球の衛星軌道上に不可思議な物体が…」
「不可思議な物体?」
「何やら発生と消滅を高速で繰り返しているようなのです」
「そう、お姉様はどう思う?」
「レイセン、月に接触する可能性は?」
「限りなく少ないと考えられています」
「じゃあ放置でいいわ、余計に穢れを持ち込む危険性を上げる必要はないでしょ」
「はい、了解しました」
「…………はぁ、それにしても永琳様は今頃何を…」
「…そうねぇ、元気で暮らしてるといいわね」


































  • 勘違いしてるけど、⑨がカッコいい…! -- 名無しさん (2010-07-12 00:23:28)
  • やっぱり旧作メンバーか!
    魅魔様、狂った……て事あるかね?
    -- 名無しさん (2010-12-03 11:05:24)
  • 霊夢はなんで壊れたちゃったんだろ。前作のラストではわりと前向きな感じだったのに。
    魔理沙の有様がよほどショックだったんかね? ともあれこの歪んだレイマリは
    実に素敵だ。 -- 名無しさん (2011-10-09 12:40:26)
  • 霊夢たちの戦いは、実力が同じなら
    何度死んでも一回休みで済むチルノの勝ち確定だな。
    そして彼女は一人きりの最強となる。 -- 名無しさん (2012-10-22 10:02:08)
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