上条「うーん……こう夜道を歩いてると口笛吹きたくなるんだよなー」上条「俺だけか? でも、こう誰も居ない様な道を歩いてるとオープン・ザ・マインドされると言うか……」上条「意味も無くバック振り回したくなるし」ブンブン上条「ちょっと鼻歌歌っちゃったり」上条「夜って何でも面白く感じるんだよな」上条「深夜番組にB級映画とかB級ドラマとか多いのもそんな理由な気がするし」上条「恐るべし夜!」木山「君は夜独り言を呟きながら歩くのか?」上条「うぉっ!?」
木山「やぁ、上条君、久しぶりだね」風斬「お久しぶりです」上条「木山先生と……風斬!! 久しぶりだな!」木山「おや、知り合いだったか」風斬「はい、大切な友達です」木山「ふむ、何だか色々想像出来る答えだが追求は避けておこうか」上条「別に想像も何も言葉の意味のままですって」風斬「そ、そうですよ///」
木山「そうか、ならいいんだが……所で君は何でこんな所に居るんだい?」上条「いや、帰り道ですよ。それにそれを言うなら2人こそどうして一緒に? てか面識ありました?」風斬「話すと長いんですけど……」木山「そうだね、もし良かったらこれから晩御飯を食べに行くんだけど、一緒にどうだい? そこで話そうと思うんだが」上条「あー晩御飯食べちゃったんで、遠慮しておきます」風斬「そうですか……久しぶりにお話しできると……思ったのに……ロシアで会えなかった分も……話したかったのに……」グスッ上条「イヤイヤイヤ、いつでも会える……訳じゃないけど、誘ってくれれば食べようっていや俺が今度誘うから、だからって何で涙目なの!? あ、駄目、その粒流しちゃ駄目だからぁあああ」木山「あぁ、風斬君を泣かせてしまったようだね」上条「はい、行きます、行きますから風斬さん泣きやんでぇえええ!」風斬「ほんと?」上条「本当だから!」
木山「うん、話しがまとまった所で、行こうか」上条「ふぅ……」木山「あ、あと上条君」上条「はい?」木山「女の涙は武器らしいぞ」上条「……はぁ?」木山「なぁ風斬君?」風斬「知りません♪」
――― ファミレス上条「AIM拡散力場の研究?」風斬「はい、そうなんです」木山「冥土返しに紹介されてね、それで会ったんだよ」上条「へぇー……で、どんな研究してるんですか?」木山「あぁ、私の研究の一つに、『能力者の脳波ネットワークの構築』があるのだが、それを応用して『風斬氷華』をネットワークとして固定する研究だね」木山「詳しく話すと、そもそも『風斬氷華』は偶然にしろ必然にしろ、そこに出来た……ふむ、何と言えばいいのか……」風斬「先生、大丈夫です」木山「そうか、なら言葉は選ばないけどいいね? つまりそこに出来た『現象』だと解釈する事も出来るんだ」上条「っ……」風斬「大丈夫だから、気にしないで」
木山「『現象』が解明出来れば、その『現象』を再現できる事も可能なはずだ、そう例えば……人工的にプラズマを起こしたり、雨を降らしたりね」木山「彼女の場合、『能力者が無自覚に発してしまう微弱な力のフィールド、AIMが人を形成した現象』だね」木山「ならば、その微弱なフィールドをネットワークとして繋ぎ、彼女と言う『現象』を再現する研究なんだ」上条「え……でも、こうして風斬は……」木山「簡単に言ってしまえば、彼女をより強固な存在になる、と言う事だ。微弱なフィールドに方向性を与える事によってね」上条「強固な存在……?」木山「ホログラムのように見える彼女が、実体として見えるようになると言う事だ」上条「!! それって!」木山「あぁ、彼女が望みさえすれば普通の生活も送れるようになる、まぁ冥土返しはそう言った理由で私と彼女を会わせたのだろうけどね」上条「風斬! 良かったな!」風斬「はい、私も最初聞いた時は信じられませんでしたけど……本当みたいなんです」木山「それに、君の右手で触っても問題無くなるな」上条「本当ですか!? ……って、女の子にそうそう触らないですし嬉しいんだけど喜んでいいのか解らないんですけど!?」風斬「///」上条「そ、それで、いつ位に!」木山「優秀な助手が2人入った事により、後少しと行った所だ」
上条「本当ですか!?」木山「あぁ、特にある1人には常識が通用しなくてね」上条「(新しいナース2人? 常識が通用しない……どこかで……)」木山「数値を与えれば、それが出来てしまうんだ」木山「まぁ、その数値を計算し設計図を作るのが私の分野なんだね」木山「残りの問題は230万ものAIM拡散力場を計算するための超高性能コンピュータと」木山「AIMにベクトルを与える方法だけなんだけどね、これが一番の問題なんだが……これも何とかなりそうなんだ」上条「じゃあ―――!」木山「あぁ、そこで君にお願いがあるんだ」上条「何でも言って下さい! 俺に出来れば何でもします!」木山「一方通行を明日、病院に連れて来てくれないか? 冥土返しは忙しいらしくて頼めるのは君だけなんだ」上条「解りました、明日ですね!」木山「頼むよ」上条「待ってろよ風斬」風斬「はい」
従業員「お待たせいたしましたハンバーグセットのお客様~」木山「私だな」従業員「ミラン風ドリアのお客様~」風斬「はい」従業員「ご注文は以上でよろしいですか?」木山「あぁ」従業員「それではごゆっくりどうぞー」上条「ミラノじゃ無くてミランなんだな」風斬「はい、そうですね」木山「言語の違いなんだが、拘りかなんかなんだろうか?」風斬「それではいただきます」木山「いただきます」
風斬「ふーふー、はふっ」木山「モグモグ」カチャカチャ上条「」ゴクゴク木山「ふむ……」ジーッ上条「ん? 木山先生どうしたんですか?」木山「いや……。そうだ上条君、ちょっと口を開けてくれるかな?」上条「何でですか?」木山「まぁ開けてくれればいいんだが」上条「こうですか?」木山「ふむ」ズイ上条「ん!?」パクッ風斬「あわわわわわわ」木山「ん、結構」上条「モグモグ、ゴクン」木山「どうだい? ニンジンの味は」上条「凄く……ニンジンです……で、何なんですか」
木山「まだまだあるから食べたまえ」上条「だから何で……もしかして、ニンジン嫌いなんですか?」木山「……、君は何を言っている?」上条「ニンジン嫌いなんですか?」木山「いや、これは君の分だからな、食べるのは悪いな、うん」上条「じゃあ1個あげますから」木山「いや、遠慮しておこう」上条「遠慮なんてしなくていいですよ、あ、風斬、ポット取ってくれ」風斬「あ、はい」上条「ありがと」木山「……、解った、1つ食べたら残りは君にあげよう」上条「まぁニンジン貰っても嬉しく無いですけど」木山「それでは」パク風斬「あわわわわわわわ///」上条「あ、先生水少ないですね、汲みますよ」ヒョイ木山「!?」木山「んんー」クイクイ上条「え? あ、風斬、ついでに」風斬「あ、ありがとうございます……じゃ無くてですね!」上条「ん?」風斬「か、か、か、間接キスじゃないですか!」木山「んんんんんー」上条「あ!? あ、いや、そんなつもりは、木山先生すみません! 気付きませんでした!」木山「」グスッゴクン
木山「」グスン風斬「ほら……先生……涙目です!」上条「え! あ! いや、ホントすみません!!」木山「君は、ワザとやっているのか?」グスッ上条「ワザとなんてとんでもないです! すみませんホントに! 間接キスなんてホント考えてませんでした!」木山「何を言っているんだ君は? まぁいい、なら何でもしてくれるかい?」上条「はい、何でもします」木山「よろしい」ヒョイ上条「な、なんなんでせう、これは」木山「ニンジンだが?」風斬「え、あれ? え? ……え?」上条「あのー……状況が読み込めないのですが」
木山「何故だい? 君は嫌いなものを食べるのが好きな被虐体質なのかい?」上条「いや、そう言う訳じゃないですけど……え? ニンジン嫌いなんですか?」木山「……、解っててやって無かったか、それも性質が悪いな」上条「嫌いだって言えば無理しなくても良かったのに……」木山「君は、大の大人がニンジン嫌いだと言ったらどう思う?」上条「んー、特に何とも、あ、でも木山先生なら、可愛い所あるなーとか思いますよ」木山「大人をからかうものでは無い、それに私なんかにそのような感情を持つ男性など居ないだろう」上条「そんな事無いですって、涙目の先生可愛かったですって」木山「な///」風斬「もしかして先生ニンジンが嫌いで涙目になったんですか?」木山「……、そうだ、文句あるかい?」上条「別に無いですけど、泣く事無いじゃないですか」木山「泣いてはいない」ムスー風斬「あ! で、水で流しこもうとしたんですか」木山「悪いかね?」上条「あのジェスチャーはコップ貸せって意味だったんですか……・子供ですか?」木山「子供とは失礼な……解ったのなら食べてくれ」ヒョイ
上条「いや、あの、何でそのフォークなんでせうか?」木山「私の使ったフォークは嫌かね?」上条「いや、嫌とかそういう問題では無くてどちらかと言えば嫌では無いと言うより嫌じゃないのですがむしろ好ましいとか何を言ってるのか解らないけど、そこにフォーク余ってますし、それ使います」木山「嫌じゃ無いならいいだろう」ズイ上条「いや、でも木山先生は嫌じゃ無いんですか?」木山「嫌ならこのような事はやらないさ」上条「え?」木山「ほら」ズイ上条「」木山「」ズイ上条「」パクッ木山「ふふ、良く出来たな」
上条「」モグモグ木山「残りはハンバーグを食べながらで良いかな?」上条「いや、流石に自分のフォークで食べますって、なんかニンジンだけ食べてるって卑しく無いですか? 腹減ってるなら頼めよ人の貰ってんじゃねぇーよみたいな……」木山「それなら、私が食べさせてあげよう」上条「いや、それは……」風斬「あ、あの……」上条「ん?」風斬「あ、あーん///」スッ上条「」パクッ風斬「///」上条「!? つい無意識に!?」
――― 食後上条「へぇー風斬あのドラマ見たのか……クラスの女子もなんか言ってたなぁ……」風斬「はい、病院で知り合った友達と一緒に見たんですよ」上条「いいじゃんか、新しい友達。で、どんな人なんだ?」木山「まるで、保護者みたいな質問だな」上条「いやそんなんじゃ無くて、ただ単純に興味があるだけですって」風斬「えーと、新しく入って来たナースの方なんですけど、色々教えてくれるんです、流行りのファッションとかドラマとか」上条「女の子らしいと言うかなんと言うか……、でもその内昇天ペガサスMIX盛り!! とか言い出さないよな? な?」風斬「言いませんって! 流石に私達も、これはあり得ませんって話しましたし。それにどれだけ偏見持ってるんですか」上条「良かった……いや、風斬がそんな子になっちゃったらどうしようかと……風斬はそのまま黒髪の方が似合うぞ、うん、そのままの風斬で居てくれ」風斬「///」木山「所で、その昇天ペガサスMIX盛り? とは一体何なのかね?」上条「知ら無くていいです」木山「そうか」風斬「えぇ、知らなくていいです」
上条「2人はこれからどうするんですか?」木山「私はナースの子の家にお邪魔する予定だ。何でも恋愛の勉強の為に映画を見るらしい。私は断ったんだがな、押し切られてしまった」上条「風斬もか?」風斬「はい、なんでも超大作らしいです」上条「ふーん……そのナースの子は彼氏のいない20前半と見た」木山「それはどうしてだね?」上条「偏見だけど、やってる事が悲しい寂しいと言うか、そう言うのって彼氏と居れば見ないんじゃないですか?」木山「ふむ、成る程……」風斬「あ……あはは……」木山「では実際に会ってみればいいんじゃないか? 迎えに来てくれたし」上条「(く、くれた? 過去形!?)へ、へぇ……でもこんな時間に? 大丈夫なんですか?」木山「大丈夫だろう、だって」麦野「レベル5なんだもん♪」
上条「……」風斬「麦野さん……」木山「麦野君、わざわざすまないね」麦野「いえいえー、一緒に映画見る為なら何でも無いですよー」ニコ木山「そうか。麦野君紹介しよう。こちらは」上条「木山先生、ちょっと、ほんの少し、ほんの少しだけ待って下さい」木山「どうかしたのか?」上条「あ、え、そ、そうお花を摘みに行って来ます」麦野「あれれーこの声はー聞いたことあるなー」上条「オハナヲツミニイッテキマス(裏声」麦野「へー彼氏のいない20代前半ねぇー」上条「か、かか、そう! 案山子のいないの間違えだったような……」ダラ風斬「そ、それは流石に無理があります……」麦野「やってる事が悲しい……ねぇ……」上条「げ、幻聴が聞こえるんでででですががが気のせいでせうか……」ダラダラ木山「大丈夫だ幻聴じゃ無い。それについさっき裏声にしたじゃないか。おや? 汗を掻いているようだがそんなに熱いか?」上条「ちょ……ちょっと……そ、その……えっと……なんというか首の後ろで原子が激しく運動している気がすると言うか何と言うか」ダラダラ麦野「今晩は上条君♪私が摘んであげましょうか♪」ニコ上条「こ、こんばんんは麦野さん、出来れば平和に1日をお、終えたいのですが、それを踏まえてき、聞いちゃいますと……な、何を摘むんでしょう……か?」ダラダラ麦野「命♪」上条「これで失礼しますうううううううううううううう」ガタッ麦野「座れ」ガシッ上条「いやああああああああああああああ」
木山「ほう、知り合いだったのか」麦野「えぇ、ちょっとしたね、ね?」上条「は、はい、そ、それはともかく麦野さん?」麦野「何♪」上条「な、なんで手を握ってるのでしょうか?」麦野「逃げないように決まってるじゃない♪」上条「」風斬「そ、その話は置いといて、そろそろ行きますか?」麦野「そうね、アイツも待ちくたびれてるだろうし」上条「(アイツ?)ふぅ……それじゃあ俺はここで……」
垣根「遅ぇぞ麦野、2人呼んでくるのに何分かかってんだよ……って上条、お前も居たのか」上条「垣根さんこんばんは、それでは僕はこれで」垣根「上条いい所に居るな、今から映画見るから来いよ」上条「いや遠慮させて貰います」垣根「いいから、ちょっと耳貸せ」ガシッ上条「ちょ、ちょっと胸当たってますって!」垣根「胸なんて気にすんな、こんなのタダの脂肪だっつーの、てか脂肪で出来てるかも怪しいしな。で、話を戻すと来い」上条「嫌です」垣根「そう言うなよ、男1人で女3人と恋愛映画見るなんて嫌なんだよ」上条「いや、垣根さん男じゃ無くなってるでしょ」垣根「細かい事はいいんだよ、本音は麦野と映画見んのが嫌なんだよ」上条「何で」垣根「観終わった後にうるせーんだ、ああいう男はどうなの、女はどうなのグチグチグチと、それを聞かされる俺の身になってみろよ、もうあれだよ、あれ一種のヒステリーだよ」上条「余計行きたくねーよ!!」垣根「それを永遠飽きるまで聞かされるし、返事しなかったらビーム飛ばして来るし適当に返事しても飛ばして来るし、だから来いっつーの!」上条「だから行きたく無いって言ってんだろ! それに明日学校だから無理です、帰ります」垣根「それなら気にすんな、特性飲むと眠く無くなるドリンク作ってやるから」上条「なんか危ないかほりがプンプンしてるんですが」垣根「俺の能力だから大丈夫だ、副作用も何にも無ぇよ」上条「そんなモン飲みたく無い! て事で帰ります、さようなら」垣根「頼む、来てくれ!!」上条「嫌です」垣根「こんなに頼んでもか……」上条「嫌です」
垣根「」グスン上条「泣いても無理です」垣根「無理か?」グスン客1「おいおいにーちゃん、そんなベッピンさん泣かすなよー」ヒソヒソヒソヒソ上条「えぇぇぇぇ!? イヤイヤ、えぇぇぇぇ!?」客2「付き合ってやれよー男だろー」<ソウダソウダーナニアイツナニサマー>麦野「話は終わったようね、それじゃあ行くわよ、あ、あと垣根は後で私刑ね」垣根「え」木山「ふむ、上条君も来るのか……楽しみだ」風斬「そうですね」ゾロゾロ垣根「ま、まぁ1つ不穏な言葉が聞こえたが……うん、女の涙は便利だな、麦野の言う通りだ」上条「!? まさか風斬にも……」風斬「あぁ、何か言ってたな、困ったら取り合えず泣けって」上条「風斬いいいいいい、もうそんな子とは遊んじゃだめだああああああ」垣根「はは、まぁ男同士寂しく映画見ようぜ」上条「だから男じゃ無いだろ……不幸だ……」
つづく
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