上条「これを見てみろ」美琴「え?」そう言って上条は地図を広げ見せてきた。上条「地下鉄だよ」美琴「地下鉄?」眉をひそめる美琴。上条「ここから数km歩いたぐらいに入口があるようだけど……つまりこの地図は今はもう使われていない地下鉄の線路を利用した逃走ルートってことだよ」美琴「!」確かに、地図に顔を近付けじっくり見てみるとその大半が地下鉄の路線を基にして描かれたと思われる逃走経路だった。美琴「そうみたいだね。でも何か問題でもあるの?」上条「仁科はこの地図は1番価値の低い逃走経路の情報だって言ってた」美琴「でも今は使われてない地下鉄なら、姿も見られないし大丈夫じゃないの?」上条「まあそれはそうなんだが……そういう地下鉄ってのは大抵……」美琴「?」そこで言葉を切る上条。美琴「何よ?」上条「いや、何でもない。とにかく、だ」ズアッ、と上条が立ち上がる。上条「時間も惜しい。まずはこの地下鉄の入口を目指すぞ」美琴「………分かった」上条が今さっき何を言おうとしたのかは予想がつかなかったが、取り敢えず美琴は上条に同意して立ち上がっていた。
しかし忠誠心は無駄に高いのか、ゴリラブタはこれでは折れなかった。ゴリラブタ「でもバレたら仁科さんに殺されるし………」黒子「………………」ブンッ!ゴリラブタ「おわ!?」黒子がゴリラブタの身体に触れたかと思うと、次の瞬間にはゴリラブタは部屋の中にあったベッドの端に座っていた。ゴリラブタ「な、何々!?」ヒタッ……ゴリラブタ「きょぇっ!?」気付くと、ゴリラブタの横に黒子が同じようにベッドに腰掛け、その白くて細い手で彼の左頬を撫でていた。黒子「……教えて……頂けませんの?」ジッと黒子はゴリラブタを至近距離で見つめる。ゴリラブタ「あ……あ……ハァハァ」黒子「…………」ジーッゴリラブタ「分かったよ~ん……ハァハァ」簡単に折れるゴリラブタ。黒子「ありがとうですの!」ゴリラブタ「いや、黒子ちゃんの為だもん……ハァハァ……で、何が知りたいんだっけ?」黒子「貴方がたを頼って今日お店に来た犯罪者の方々の名前ですの」ゴリラブタ「そう言われてもな~……ハァハァ……実は僕下っ端であまり深く関われないし……それにさすがに1日にどれだけの犯罪者が来たかなんて覚えてないよ……ハァハァ」黒子「1人ぐらい犯罪者の方を見てませんの?」ゴリラブタ「いや、何人かは見たけどね……ハァハァ」黒子「ならっ!」ゴリラブタ「でも仁科さんが……」顔を俯かせ、ゴリラブタは躊躇を見せる。
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