攻略開始 初日とある公園エルシィ「・・・・・・」一方「・・・・・・」エルシィ「・・・プッ」一方「次、笑ったら殺す」エルシィ「で、でもぉ・・・に、似合ってますよ・・・神様・・・ププッ・・・」プルプル一方「チッ・・・」エルシィ「神様って結構可愛い趣味をお持ちなんですね~!」一方「違げェよ!違いますゥ!これはなァ・・・!」エルシィ「あっ、美琴さんが来ましたよ!」一方「・・・!!」
美琴「ありゃ?いちごおでん売り切れてるじゃない。ついてないわねー・・・」エルシィ「またお昼に同じ自販機の前へとやって来ましたね。よほど好きな商品でもあるのでしょうか?」一方「・・・・・・」一方「・・・行ってくる」エルシィ「えっ?そ、その格好で接触を!?」一方「これでいいンだよ!おい!オリジナル!」美琴「・・・!その声は・・・!!」クルッ・・・美琴「・・・へっ!?」
昨日と同じ公園昨日と同じ自販機の前そして昨日と同じアイツが私の前に現れたけれど1つ違っていたことがあった一方「・・・よォ」デデーンソイツはゲコ太の着ぐるみを着て私に話しかけてきたのだ美琴「あ、あくせられーた・・・なの?」一方「ンだぁ?昨日会ったばっかの人の顔をもう忘れちまったとか若年性の痴呆症ですかァ?」美琴「・・・・・・」コイツの顔は忘れたくても一生忘れられないそして今のゲコ太の着ぐるみを着たコイツの姿も私は一生忘れられないだろうていうか・・・美琴「どういうことなの・・・」
一方「しっかしお前、昨日もココいたよなァ?この自販機になンか好きな商品でもあンのか?」美琴「えっ・・・ま、まぁ・・・うん・・・」一方「しかし今日も暑ィなァ・・・ムシムシしやがる」美琴「そ、そりゃ・・・夏だしね・・・当たり前でしょ・・・」一方「・・・・・・」美琴「・・・・・・」一方「(チッ・・・間が持たねェ・・・)」一方「(早くこの格好に食いついてこいってンだよ!お前、このカエル好きなンだろうが!)」普通に話しかけたところできっとオリジナルは俺の話に聞く耳持たねェだろうなんせ現時点で好感度は最底辺なワケだしなだったらオリジナルの興味のあるモンを共有するだから俺はエルシィにオリジナルの好きなカエルのキャラクターの着ぐるみを作らせたコレで接触すンのが親しくなる為の近道かと思ったンだがどうも反応が悪ィな・・・
一方「あのよォ・・・」美琴「あー!昼休み終わっちゃう!早く学校に戻らないとー!!」一方「・・・あァ?」美琴「じゃ、じゃあね!!」スタコラ一方「・・・・・・」エルシィ「あー・・・美琴さん行っちゃいましたね・・・」エルシィ「ていうか・・・若干引いてませんでしたか?神様の格好を見て・・・」一方「・・・いや」一方「これは大きな一歩を踏み出したみてェだ」エルシィ「えっ?」
エルシィ「一体どういう・・・」一方「わっかねェンかなァ、このポンコツは」エルシィ「ポンコツ言わないでください~!」ムキー一方「昨日と今日とでオリジナルの俺への対応がだいぶ柔らかくなった」エルシィ「対応・・・ですか?」一方「あァ。昨日は別れ際に『私、行くから』で終わっちまったが今日は『じゃあね!!』とキタもンだ」一方「別れ際に挨拶を交わす・・・今のやりとりでそれだけの仲にレベルアップしたわけだ」一方「本気で嫌われたら挨拶なンざしてもらえねェからな・・・っても、まだレベル1ってとこか・・・」エルシィ「な、なるほど・・・でも、どうして今のやりとりだけで?」
一方「これこそ簡単なことだ。アイツはこのカエルのキャラクターが大層お気に召している」エルシィ「ゲコ太でしたっけ?神様と同じく美琴さんも・・・あっ!」一方「わかったみてェだな。同じ趣味を共有している奴に冷たい態度なンて取りにきィだろ」一方「当然例外もあるがそれが他人から理解されにくいガキっぽいもンとかなら尚更そンな態度は取れねェ」一方「ガキの女ってのは同じ志向を持ってる奴がいるってだけで喜ぶもンだ」一方「まァ、その相手がまさか俺だったわけだからあンなきごちない会話になっちまったって考えていいだろ」一方「あとだ」エルシィ「ふぇっ?」一方「俺はこのカエルには微塵も興味ねェ。そこンとこ勘違いしないように!」エルシィ「ええっ?またまた~着ぐるみまで作らせておいて~」一方「こっちこい。ドクロ引っ剥がしてやるからよォ・・・!」エルシィ「か、神様!顔がマジになってます~!!」ガクブル
一方「(まァ、少しはこのカエルの知識も入れておいた方が会話も弾むのかもしンねェが・・・)」一方「(如何せんこのカエルの良さが俺にはこれっぽっちも理解できねェ・・・)」一方「(そういやこのカエルが主役の映画が今、上映してンよなァ・・・)」一方「・・・・・・」一方「(いやいや。流石にそこまでの仲じゃねェだろ。焦ンな俺)」一方「(・・・いや?でも待てよ・・・確かあの映画は・・・)」一方「(なら・・・行けるかもしンねェな・・・)」
攻略 2日目一方「よォ、オリジナル」美琴「一方通行・・・またアンタなの・・・」一方「また俺で悪かったな。つーか、お前毎日この公園いンなァ?」美琴「アンタだって同じじゃない・・・」一方「だァから俺は散歩だって言ってンだろォが。たまたまですゥ」美琴「そう・・・まぁ別に良いけどさ・・・」一方「(イイネ、イイネ!昨日より会話が弾んでんじゃねェか!)」デデーン美琴「(なんで今日もゲコ太の着ぐるみ着てるのよ、コイツ・・・)」
一方「まァ、今日はたまたまじゃなくてだな。ちゃンとお前に用があって来たンだわ」美琴「えっ?な、なによ・・・?」一方「だァからそう身構えンなって。ほら」スッ・・・美琴「・・・なにこれ。チケット・・・?」美琴「・・・!!」美琴「劇場版ゲコ太の大冒険・・・!!」一方「おう。ちょうどたまたま2枚手に入ってなァ・・・」一方「・・・暇なら、ちょっと付き合わねェか?」
美琴「なっ・・・!?」美琴「(映画に付き合えですって・・・あの一方通行が私のことを映画に誘ってるわけ!?)」美琴「(しかもゲコ太の・・・着ぐるみといい、やっぱりコイツもゲコ太が・・・)」美琴「(・・・いや!でもだからと言ってなんでコイツと二人きりで映画なんて・・・!)」美琴「だ、誰がアンタなんかと!つーか、私が映画じゃなくても私がアンタと二人きりで出かけるとかあり得るって思ってんの!?」一方「・・・・・・」一方「そうかい・・・じゃあ返事はNOってことか?」美琴「あ、当たり前じゃない!」美琴「(そりゃゲコ太の映画は観たいけどさ・・・)」一方「そりゃ残念だ・・・男女ペアで入場すればゲコ太の限定ストラップが手に入るってのによォ・・・」美琴「・・・!?」美琴「(げ、限定ストラップ・・・!?)」
一方「まァ、行かねェってンなら仕方ねェか・・・他の奴を当たるわ・・・そンじゃあな・・・」トボトボ美琴「・・・・・・」美琴「・・・ね、ねぇ、ちょっと!」一方「・・・あン?」美琴「アンタ・・・もしかしてゲコ太が好きなの・・・?その・・・着ぐるみといいさ・・・」一方「・・・・・・」一方「(よっし!食いついたァ!!)」一方「あったり前だろォが!俺はもうゲコ太がすげェ好きでな!だからこの限定ストラップもどォしても欲しくて・・・」美琴「そう、なんだ・・・」一方「(こりゃあと一息で映画には誘えそうだな・・・)」美琴「・・・ねぇ」一方「あン?ンだよ?」美琴「・・・ゲコ太のどこが好きなの?」一方「・・・・・・」一方「・・・あァ?」
美琴「いや、だから!ゲコ太のどこが好きなのかって聞いてんの!」一方「・・・・・・」一方「(・・・ヤベェ、その質問の答えは用意してねェぞ・・・)」一方「(ここで下手なこと言ってみろ・・ヘビーなファンのコイツには実は俺がこのカエルのことを本当は何も知らねェってモロにバレちまうじゃねェか!)」一方「(そうなったら、それこそ好感度は最底辺に・・・!修復不可能になる・・・)」一方「(クソったれ・・・!こンなことになるなら昨日のうちに予備知識だけでも詰め込ンでおくンだった・・・!)」美琴「・・・ねぇ?」一方「(チッ・・・!こうなりゃヤケだ!!)」一方「そ、そりゃ決まってンだろうが!可愛いとこに惚れこんだンだよォ!!」一方「・・・・・・」一方「(・・・って、それだけはねェだろ!?どう見てもこのキモいカエルは可愛さをウリにしたキャラじゃねェだろォが!!)」一方「(・・・終わった。こンなミスを冒すようじゃ学園都市最強は引退だな・・・)」一方「(悪ィなエルシィ・・・結局一緒に死ンでもらうことになりそうだわ・・・)」美琴「・・・・・・」
美琴「・・・アンタ、わかってるじゃないの・・・」一方「あァ・・・悪ィな、好きだなンて嘘をついちまって・・・」一方「・・・・・・」一方「・・・はァ?」美琴「やっぱりそうよね!ゲコ太の魅力って言ったらなんて言ってもその可愛さにあるわよね!!」美琴「ラブリーな瞳にキュートな手足・・・もうっ最高よね!!」一方「・・・・・・」一方「(俺の回答は大当たりでした・・・ってか?)」一方「(・・・ってマジかよ!?近頃のガキの女の感性ってのはみンなこうなのか!?)」
美琴「(なによ・・・コイツ真性のゲコ太好きじゃないの・・・)」美琴「(ちゃんとゲコ太の一番の魅力も理解しているし・・・)」美琴「・・・・・・」美琴「・・・いいわ。アンタがどうしてもって言うなら付き合ってあげる」一方「・・・あァ?」美琴「その映画、しょうがないから私が一緒に観に行ってやるって言ってんのよ!私のおかけでゲコ太の限定ストラップが手に入るんだから感謝しなさいよね!」美琴「(ゲコ太の限定ストラップ、どんなのだろ~!)」一方「・・・・・・」一方「(レベル3・・・ってとこだな。この流れは悪くねェぞ・・・!)」
攻略 3日目エルシィ「・・・つまり今日の夕方から美琴さんと一緒に映画を観に行く約束をしたってことですか?」一方「そういうこった。まァ、限定ストラップってヤツのおかげだな」一方「どういうわけだか知ンねェが女ってのは限定品に弱いもンだからな」エルシィ「・・・・・・」ムー一方「ン?なにふてくされてンだ、お前?」エルシィ「ずるいです~!私もゲコ太の映画観たい~!!」一方「・・・・・・」一方「・・・はァ?」
一方「ンだよ。映画観てェならお前もチケットを買って観りゃ良いじゃねェか」エルシィ「そういうことではないのです!」ムキー一方「あァ?一体なーンなンだよ?」エルシィ「私も!私も限定ストラップが欲しいんです!!」一方「・・・・・・」一方「・・・っと、そろそろ待ち合わせの時間か・・・」エルシィ「真面目に聞いてください~!!」
エルシィ「つまりですね!」一方「おゥ」エルシィ「攻略と称して美琴さんと映画を楽しみ、あまつさえ限定ストラップまでゲットしようとしている神様はズルい!って言ってるんです!」一方「・・・・・・」一方「やっぱ、そのドクロ引っ剥がす」グイグイ・・・エルシィ「あ、あうう~!や、やめてください~!!」一方「俺も好きでやってンじゃねェんだよ!!だァれが好んでこンなカエルのストラップなンか!」エルシィ「じゃあ、ストラップ私にくれますか・・・?」一方「・・・あァ?」
エルシィ「限定ストラップ!神様がいらないなら私が欲しいんです!!」一方「・・・・・・」エルシィ「・・・・・・」一方「だーめですゥ」エルシィ「はわっ!?」ガーン!!一方「欲しけりゃお前も誰かと一緒に行け。つーか、羽衣で作れンじゃねェのか?」エルシィ「か、神様のいぢわる~!!やっぱり神様、ストラップが欲しくて美琴さんと・・・!!」ムキー一方「・・・・・・」一方「・・・意味合いは違うが確かにそうかもなァ」エルシィ「えっ?」一方「(まァ、映画の目的はアクマで親密を上げるためだが・・・)」一方「(場合によっちゃストラップは重要なイベントを引き起こす為のキーアイテムになるかもしンねェ・・・)」
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一方「(待ち合わせ5分前か・・・オリジナルの奴は・・・)」一方「・・・おっ。早ェな」美琴「・・・よっ。遅かったじゃない」学校の制服かよデートだってェのに色気のかけらゼロだなまァ、こンなガキに元々色気なンざ期待してねェがよ美琴「って、アンタ映画にまで着ぐるみ着てくるワケ!?」一方「別にゲコ太の映画なら着てても不自然じゃねェだろ?ほら、アソコのガキだって着てんじゃねェか」美琴「うっ・・・そ、それは・・・そうかも・・・」一方「だろォ?」一方「(まだぎこちねェけど映画観る前から会話が弾ンでンじゃねェか・・・!こりゃ友達まではランクアップしたかァ?)」一方「(・・・っても友達のままじゃダメなンだよ。このままじゃホントに仲の良い友達止まりのままだ)」一方「(映画が終わってからが正念場だ・・・!ハッ!楽勝だってンだよ!)」
―――数分前数日前までこんなこと絶対に考えられないこれから私がアイツと一緒に映画を観ることだなんてしかもゲコ太の映画にアイツから誘ってきた一体どういうつもりなの?今までの罪滅ぼしのつもり?ふん!そんなんでアンタが今までやってきたことを私が・・・・・・・・・でも、何故か普通に会話しちゃってるのよね・・・普通なら無視ぶっちぎりのはずなのに・・・やっぱり、あの着ぐるみのせいだ!あの最強最悪の能力者の一方通行がゲコ太の着ぐるみを着てフレンドリーに話しかけてきたらイヤでも無視出来ないわよ!・・・・・・ああ~もう!ホントわけわかんないわアイツ!!一方「・・・おっ。早ェな」・・・アイツが来た・・・ってまた着ぐるみかよ!!ハァ・・・でもまぁ今は深くは考えず純粋に映画を楽しみましょうかね・・・アイツも多分そのつもりなんだろうし・・・
一方「(しっかしよォ・・・)」ゲコ太『ゲコ美姫・・・お迎えにあがりました・・・』ゲコ美『ゲコ太王子・・・』一方「(とんでもねェほどのC級映画だなコレ)」一方「(ガキでも喜ばねェだろ、この内容は・・・)」一方「(さすがにオリジナルでも・・・)」チラッ美琴「・・・・・・」ドキドキ一方「(オイオイ・・・食い入るように見つめてやがるじゃねェか・・・)」一方「(・・・俺の感性が間違ってンのか?)」
美琴「いや~ラストのシーン、凄い感動しちゃったわぁ・・・」一方「・・・・・・」美琴「・・・アンタもそう思うでしょ?」一方「(・・・やっぱ最後までC級のままだったわ・・・)」美琴「・・・ちょっと?」一方「あ、あァ・・・姫様がオタマからカエルに成長するシーンには俺も心打たれたぜェ・・・」美琴「やっぱそうよね~!」一方「(まァ、オリジナルが満足してンならそれで良いンだけどよ・・・)」一方「(それに・・・)」美琴「映画は最高だったしゲコ太の可愛い限定ストラップも貰えたし、もう言うこと無しね!」一方「(無事に限定ストラップもゲットした・・・)」一方「(こっからが山場だな・・・)」美琴「あ、あのさ、一方通行・・・」一方「・・・あン?」美琴「・・・大げさに言いたくないんだけどさ、今日はありがとう・・・誘ってくれて・・・」美琴「・・・アンタが誘ってくれたおかげで限定グッズも手に入ったし・・・」一方「・・・・・・」一方「(・・・今なら行ける・・・!)」一方「オイ、オリジナル」美琴「な、なに?」一方「お前のストラップ貸せ」美琴「えっ?」
一方「聞こえなかったか?お前のストラップ貸せって言ってンだよ」美琴「えっ?な、なんでよ?」一方「良いから、ほら早く貸せ」美琴「い、一体なんなのよ・・・ほら・・・」スッ・・・一方「ン・・・っと、付け方はこうか・・・?」美琴「へっ?」一方通行は私のストラップを手に取ると自分の携帯に付け始めた美琴「って、えっ!?なにしてんのアンタ!?」一方「あァ?」
一方「何って見りゃわかンだろ?携帯にストラップを付けてるンだろォが」美琴「い、いや・・・それはわかるけど・・・なんでわざわざ私のを受け取って・・・」一方「オリジナル」美琴「な、なによ・・・?」一方「携帯貸せ」美琴「・・・・・・」美琴「・・・はぁ?」一方「はぁ?じゃねェよ。携帯貸せって言ってンだよ」美琴「な、なんでよ・・・?」一方「ストラップ付けンだよ。ほら貸せ」美琴「・・・へっ?」
一方「・・・あン?何呆けてンだよ?」美琴「い、いや・・・だって・・・」
私から受け取ったストラップを自分の携帯に付けて今度は私の携帯に自分が貰ったストラップを付けようとしてるの・・・?・・・どういうこと?
一方「俺に付けられンのがイヤなのかァ?だったら、ほら。自分で付けろ」スッ・・・美琴「い、意味わかんない!なんで同じストラップを交換した上で携帯に付けるわけ!?交換する必要ないじゃん!」一方「ンだよ?ペアのストラップを付ける相手が俺じゃあ不満かァ?」美琴「い、いやそれは別に・・・」美琴「・・・!?」な、なに私・・・!?あの一方通行に心を許してるわけ・・・?そんなのありえない・・・でも・・・美琴「だ、だからなんで一々交換する必要があるのよ!?」
一方「・・・・・・」一方「お前が貰ったヤツを付けたかった。そっちの方が思い出になンだろうが」美琴「・・・!?」一方「お前から貰ったストラップ。見る度に今日のことを思い出せンだろ」一方「・・・お、お前と一緒に映画観れて・・・良かったぜ・・・」美琴「な、なっ・・・!?」美琴「あ、アンタ・・・一体・・・!?」ドキドキって私、なんでドキドキしてるのよ!?相手はあの一方通行よ!?なんで・・・あの実験の件は絶対に許せないのに・・・そのはずなのに・・・美琴「~!!!」ダッ・・・!一方「あっ、オイ!?オリジナル!?」一方「・・・・・・」一方「(行っちまいやがった・・・)」
エルシィ「美琴さん・・・走って行ってしまいましたね・・・」エルシィ「この場から逃げ出したようにも見えましたが・・・」一方「・・・まァ、逃げられたってので正しいわな」エルシィ「ええっ!?せっかく映画が終わった直後はイイ感じだったのに~!」一方「・・・いや、これは完全に俺のシナリオ通りだ」エルシィ「えっ?」一方「さてと、今からアイツのことを追いかけンぞ・・・!」一方「さァ、エルシィ・・・エンディングが見えたぞォ!!」
一方「(・・・かーン考えてみりゃァよォ)」一方「(アイツがレベル5だろうが、どンだけ立派なお嬢様だろうが)」一方「(あいつはまだ中学生のガキだ)一方「(ガキが恨みだとか、そンな感情を持つこと自体おかしいよなァ)」一方「(そうさ・・・簡単なことだった)」一方「(・・・ガキはガキらしく笑わせてやればいい)」一方「・・・色々背負わせちまったンだよな俺が」美琴「・・・!!」
美琴「な、なんで追いかけてくるのよアンタ!?」美琴「(つーか、着ぐるみのままだし・・・)」一方「なーンで決まってンだろうが」一方「お前のことが心配だったからだよ」美琴「な、なっ・・・!?」ドキッな、なんなのよ一体・・・!?コイツは先日まで実験であの子達を大量に殺害してきた一方通行なのに・・・!?そのはずなのに・・・美琴「・・・なんでアンタのことを拒否・・・しきれないのよ・・・私・・・」美琴「アンタのこと・・・許せないはずなのに・・・」一方「・・・・・・」
一方「・・・俺がこンなことを言うのもなンなンだけどよォ・・・」一方「簡単に忘れられるとは思わねェし、俺のことを許してくれとも言わねェさ・・・けどよ」一方「・・・あの実験はもう終わったンだ。お前はもう何も背負わなくて良い。お前はお前のやれることをやったンだ」一方「お前はもう、笑っても良いンだよ」美琴「う、ううっ・・・」美琴「う、うるさいっ!元はと言えばアンタが・・・!アンタが・・・」一方「・・・なァ」美琴「・・・えっ?」一方「・・・映画楽しかったな」美琴「・・・!!」
一方「良い笑顔してたじゃねェか。それで良いンだよ」美琴「・・・なんで」一方「あァ?」美琴「なんでアンタが私に気を遣ったりすんのよ・・・」一方「・・・・・・」一方「何かが変われるかもしれねェ・・・最初はそンなことを思ってた」一方「でも今は。俺ン中でお前の存在がすげェでかくなってンだわ」一方「公園で声かけたのは一昨日だっけか?お前との3日間がかけがえのないもンになっちまったンだわ」美琴「あ・・・うっ・・・うぅぅ・・・」
一方「今までの償い・・・いや違うな。俺はこれからもお前に笑っていて欲しいンだわ」美琴「か、勝手なこと・・・」一方「・・・ホラ。俺のストラップ・・・」スッ・・・美琴「えっ・・・?」一方「・・・お前も付けろよ。いや、持ってるだけでも良いか。それだけで今日のこと思い出せンだろ」美琴「・・・あっ・・・そ、その・・・」ドキドキ一方「・・・ま、また・・・どっか遊び行こうぜ。ゲコ太グッズの買い物とかいつでも付き合ってやるからよ・・・」美琴「~~~!!!」
美琴「ほ、ホントに勝手なことばかりっ!」美琴「一緒に映画を観ただけで、そんなことまで言えるなんて信じらんないっ・・・!!」美琴「なのに・・・」美琴「・・・アンタがゲコ太のファンだって聞いた時は嬉しかったし・・・アンタと話をしてて楽しかった・・・」美琴「・・・・・・」美琴「・・・ねぇ」一方「・・・なンだよ」美琴「また・・・一緒に遊んでくれる・・・?」一方「・・・・・・」一方「・・・あァ。どこにもでも付き合ってやるよ」
美琴「・・・・・・」美琴「・・・ありがとう」俺の前へと一歩踏み出すオリジナル・・・ン?一体なンだよ?美琴「・・・・・・」そして目を閉じましたっと・・・・・・あァ、そういうことかこンのマセガキがって、俺もそもそもの目的はコレだったな一方「・・・・・・」グイッ美琴「あっ・・・んっ・・・」俺は無言でオリジナルの腰を抱きよせ・・・そして、口づけを交わした
バシューン!!!エルシィ「でたぁ!!!」一方「(・・・!オリジナルの中から妖怪じみたもンが・・・コイツが駆け魂ってヤツか・・・)」一方「(へっ・・・手間取らせやがってよォ・・・!)」駆け魂「グォォォォォォォ!!!」エルシィ「勾留瓶!!いっけぇ!!!」スッ・・・ポンコツドクロが瓶みたいなモンを取り出して開け口を駆け魂向ける駆け魂「ゴォォォォォォォ!!!」ズズズズズズッ・・・おォ吸いこまれてる吸いこまれてるホラ、さっさと楽になっちまえグォォォォォォ・・・スポンッ!!!エルシィ「駆け魂勾留!!神様、ありがとうございますっ!!」おォ、やるじゃねェかポンコツドクロ伊達に空飛んでねェな一方「(なンにせよ・・・ゲーム、クリアっことかァ!?)」
駆け魂勾留後・・・オリジナルは攻略最中の記憶を丸々と失っていたンだよ・・・アイツと遊ぶなンてことはゲコ太の映画での一度きりの幻想でしたァってか?っても記憶が残ってれば残ってたでアイツとの恋人生活が始まってたわけだしなァまァ、これで良かったンだろアイツはまだガキだしこれから先、コンマ2秒で好きな奴もコロコロと変わって色ンな恋愛でもするだろうそンな輝かしい未来が待ってンのに俺みたいなヤツに人生預けるなンてことはあっちゃならねェはな
・・・おっ、オリジナルじゃねェかハッ、まァた同じ自販機の前にいやがる好きだねェ・・・って、攻略終了後にこの公園来てる俺もどうかしてンな美琴「・・・ん?・・・あっ」一方「・・・あン?」美琴「・・・・・・」ズンズン一方「・・・あァ?」オイオイ?なァンで俺の方に寄ってくンだよ?記憶は綺麗さっぱり消えちまったンだろォ?」美琴「・・・ね、ねぇ!」一方「な、なンだよ・・・出会い頭に・・・」
美琴「あ、アンタもゲコ太好き・・・なの・・・?」一方「・・・あァ?」美琴「あっ・・・いや、その・・・携帯ストラップ・・・」一方「・・・あン?ストラップって・・・」一方「・・・あっ」そォいやあの日付けたまま、そのままにしてたな・・・まァ、別に外しても良いンだけど・・・よ?一方「・・・って」美琴「そ、それって限定ストラップよね。わ、私もゲコ太好きなのよ!ほらっ・・・!」スッ・・・ンだよコイツ・・・記憶無くなってんのにあの日俺が渡したストラップ付けてやがる意味がわからないけどゲコ太は好きだからとりあえず付けますゥってことかァ?ホント、ガキだねェ・・・美琴「ね、ねぇ!ゲコ太のどこが好き!」・・・このストラップまァ壊滅的にセンスはねェが、せっかく限定品で持ってンだ・・・しばらく付けてといてやるか・・・一方「あァ、やっぱ可愛いとこだなァ」
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一方「ところでよォ・・・」エルシィ「はい?どうしました神様?」一方「お前なンでまだいンだよ?」エルシィ「えっ?」一方「えっ?じゃなくてよ。駆け魂はもう捕またンだから契約は終了だろォが」一方「つーか、まずこの首輪外せよ。うっとおしい」エルシィ「・・・何をおっしゃってるんですか神様?」一方「いや、だからまず首輪をだな・・・」エルシィ「駆け魂狩りはまだ始まったばかりじゃないですかぁ!何を寝ぼけてるんですぅ?」一方「・・・・・・」一方「・・・はァ!?」どうやら俺はこの夏へっぽこ悪魔、そして最大級の不幸ってヤツらに取りつかれちまったらしい・・・
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