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新宿の森の背後から現れ出る女たちの群れに、ふらふらと迷い込んだ美貌藍歌は大きく口を開けた管を曝した。
その管の中を覗き込んだ薄汚れた新宿の森の女たちは一斉に声を立てて哂い出すのだが、理由もないその哂いに美貌藍歌は後ずさりしながら管の先をとろけた皮膚で覆い隠したのだった。
よってたかって剥がそうとする力は美貌藍歌の皮膚を硬直させカラカラに乾涸びさせて、抵抗という意思の虚しさがポロポロ瘡蓋となって肉を侵す。
足の枷は外れぬまま美貌藍歌は彷徨う。いのちがカラカラと乾いていくのを左目の端に感じながら折れた股関節を引きずっていく。
一本の丸太を引きずったような痕跡をどこまでも残しながら生きていくのは哀しい。
美貌藍歌は、やはり哀しい。
赤提灯暖簾を潜って、おひとついかがですかなどと歪んだ笑みを浮かべてみても、美貌藍歌は凍っている。腐臭漂う路地裏を一本の痕跡を引きずって彷徨う姿は背ける目の端にさえ入らない。
蒼いつかの間の静寂は、遠くから音を連れてやってくる者を今日も待っているのだ。
美貌藍歌の哀しさを慰めるためでも、夜に彷徨う哀しさを賛美するためでもない。瀕した哀しみに満たされた美貌藍歌の、ただそこにある一本の管のように哂われながらあるという、ただそのことのためだけに。
今宵、純正七番の折れた脚どりは管から路地へ、赤提灯から暖簾へと渡り歩くのだ。









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