突然の死の報せに
驚きもしなかったのは
必至の結末なのを感じていたからだ
原型をとどめぬ飛散した肉
あれはあなただったのだろうかと
今でも不思議でならない
せめて顔を確かめることが出来ていたら
君の澄んだ瞳だけは残っていただろうか

次の朝の始業ベルの後で喉から絞りだされるような担任の声
一日として忘れたことの無いあのくぐもった声
話そうとすれば嗚咽が喉につまり
担任は最後の息を吐き出すような声を振り絞って言った
言ってから涙が溢れ出していた
ケイが死んだ 
君が遮断機を越えて見たものを想像出来ない
それは死を逡巡した瞬間だったのか
それは死を受け入れた瞬間だったのか
それは生を永遠に手にしようとした瞬間だったのか

君のバイクの背にしがみついていた時
生きている悦びに満ちていた
そう思っていたのは君ではなかった
 もういいじゃないか・・・
聞こえるともなく言った君の声を聞き逃さなかった
何かを諦めたからではなく
ひとつ階段を上がるためにクルリと反転したのだと思っていた
 もう生きていなくても・・・
次に聞こえたこの言葉の奈落の深さに
胸の下から手を入れられ
心臓を鷲掴みにされてしまった
息が詰まって唇をきつく結んだまま
もう交わす言葉も見つけられなくなり
深夜の交差点の点滅を繰り返す信号機の下で
君の背中から離れた
振り返りもせず手も振らずに走り去った
君が背中で爆音を轟かせていた

そして君の眼を見つけられないまま
月日だけが走り抜けていく