愛の花の香ほの匂う昔のことと思うけれど若き少年の汗光る夏の浜辺でスイカ割る姿を見つめる少女たちの嬌声木霊する弁慶舟隠し洞窟に波打ち寄せてほの暗い磐奥に声籠るとき不安な季節の眩暈震えに怯えつつも恐いもの見たさの冒険こそがまだソレを知らぬ少年少女の好奇な眼差し輝いていることを誰が責められようもない程に自らを省みればフラッシュバックするあの頃のこれ以上ないほどの赤面破廉恥身の程知らずな振る舞いしか思い浮かばぬはずだと言い当てられては返す言葉もないとはいえ愛の花の香などと洒落たものなどではなくて内なる器の我知らずのうちに膨らむ衝動を抑える術など皆無絶無ただひたすらにわけも分からぬフェロモンの作用と思い知りつつ迷い込む磐奥波に呑まれて漂う邪気は邪念の無念な定めと諦めて互いの手と手が重なるときに激しく動悸するを不思議と感じては胸が熱い熱いどこまでも上昇するかのような体温を冷まそうと胸いっぱいに息を吸い込み濃紺の舟隠しの底深くへ潜り潜ると更に暗き内なる不思議に出会うのであるからして続く生の行方を知りたいからと唇重ねる磐奥深い心理の開け放たれるを待つ暗い壷の蓋をこじ開けてこそのすべての始まり。