ボクは ひとり
部屋にいる
 灯りをすべて消して Dの歌を聴いている
 窓の向こうには街の明かり
 雨に濡れて光ってる
救急車が通る
 ああ、また今日も誰か 生きていけないと 薬を飲みすぎた
 死んでしまえばいいと言いながら 薬を酒で流し込む

 虚しさが 深い 奈落に拡がってゆく

今日も明るい素振りの嘘
 世間と折り合うのは 
 なんとか生きていこうとしているからです

 ボクには誰も見えない
 ボクには何も見えない

桔梗たちばな水仙しろゆり月見草
歌う君を見失った日々

あなたはあのときのままラインの翳を引く
 もうずいぶんと老いている
二度と顕われることのない
 あなたに
ボクの時間は止められた

 電車が頭の上を通る
 轟音
 懐かしいガード下の居酒屋には
あなたのモノクローム写真が 長い年月にくすんでいる

 満員電車のドアガラスを叩いて泣いた

遠い昔 のこと 

 あなたを見失った日を境に ボクはもうどこにもいない