プロローグ 1 


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プロローグ

新学期、去年宿木(やどりぎ)高校に入学したと思っていたらあっという間に第二学年になっている
県内でもそれなりの学力を誇る宿木高校、かといって勉強一筋のようなやつが存在するような雰囲気でもなくそれなりに過しやすいわけである

父も母も交通事故で6年前に他界

親戚の家で世話になっていたが中学も卒業したので独立してこっちの高校に通うことを選んだのである・・・家近いし。

今日は少し早い朝だ
月曜日はゴミの日だからな

マンションを出てゴミ捨て場にゴミを捨てに行く
既に何袋かゴミは置かれている

すると後ろのほうから誰かに呼びかけられる

「あら、御陵(ごりょう)君」

肩まである少しウェーブした髪の毛の女性
"鶴留(つるどめ)"という表札の家から彼女は出てくる

「美紀(みき)さん」

彼女は"鶴留 美紀"幼馴染の母親で両親のいない俺にも母親代わりの人だ

「偉いわね、御陵君は」
「いつものことですから」
「綾なんて朝弱いから絶対こんなのありえないわよ?」
「確かに…綾ですからね」
「そうよ、綾だもの」

散々な言われようの"綾"(あや)という女性
幼馴染でこの"鶴留 美紀"の娘である"鶴留 綾"だ

「綾もこれぐらいお手伝いしてくれたらねぇ・・・」

顔を頬にあてながら苦笑いする美紀さん
なんとなく俺もフォローする

「料理も家事も美紀さんに似て得意じゃないですか」
「そこは私の子供だもの」
「そうですね」

ふと美紀さんの悪魔的笑みが出てくる

「でもね、御陵君も私の子供みたいなものなんだから、いつでも甘えていいのよ?」
「はは・・・お気持ちだけ・・・」

思わず顔が引きつる、思ってくれるのはすごくありがたいけど
とにかく美紀さんは止まらない

「酷いわぁ・・・昔はあんなに私のおっぱいが好きだったのに・・・」
「・・・その話はやめてください」
「その時の写真もあるわよ?」
「だからやめてくださいってば・・・」


――――――――


「あ、そうそう」
「なんですか?」
「朝ご飯ぐらいうちで食べていきなさい」
「いや・・・でも・・・」
「いいからいいから、どうせまだなんでしょ」

強引に家に引きづり込まれる

「綾ーっ御陵君が朝ごはん食べに来てくれたわよー」
「ふぇっ?ふええぇぇっ!?ちょっとまだ…寝癖が…」
「お邪魔しまー・・・「駄目ですーっ」

聞きなれた声
妙に堅苦しいこの言葉づかい

…待たされること5分
バタバタと階段を下りてくる少女が一人
頭の上では楽しそうにリボンが揺れている

「ふぅ・・・お待たせしました、御陵君と朝ごはんは久しぶりですね♪」

最初から俺を連れてくる気だったんだろう
何故か3人分既に並んでいる

俺が制服になってからゴミを捨てに行くということをよく知っている美紀さんだからこその技か…

…普通に言うと俺が断るってよく知ってるからなぁ

「・・・次はもっと早く出しに行こう…ゴミ…」
「何か言いましたか?御陵君?」
「ん・・・何にも」

綾に顔を覗き込むように見られる
幼馴染…という関係なのだが不覚にもドキッとしてしまう

ギャルゲか何かか、畜生。

「ほらほら・・・食べ盛りなんだからもっと食べなさい」
「いや・・・あの・・・」

美紀さん俺からお茶碗を奪うと2杯目を盛り始める

「小食ねぇ・・・綾のほうがよく食べてるわよ?」
「い・・・いちいちそういうこと言わないでくださいよぉ・・・お母さんっ」

ぷくーっと綾の顔が膨れる
またドキっとし・・・いかんいかんっ

…どうしたんだ…俺…

「ねぇ、御陵君」
「なんですか?」
「晩御飯も今日はうちで食べなさいよ」
「わぁいっ本当ですか?御陵君が来てくれるなんてっ」

嬉しそうな綾を後目に俺は少し考える

どうせ…断っても駄目なんだろうなぁ…

「いや・・・でも・・・」

しかしここは一度逃げに出てみろと本能が告げている

「昨日、結構食材買い込んだんで・・・」
「今晩、何作るの?」
「一応カレーの予定ですけど・・・」

言い切った瞬間「あっ」と思う、そう既に俺の敗北は必定なのだ

「なら一緒に作っちゃいましょう、そっちのほうが御陵君も楽でしょ?」
「悪いですよ、そんなの・・・」
「えー・・・食べて行かないんですかぁ・・・」

残念そうな綾の声
しかし美紀さんはこれじゃぁ止まらない

「もう・・・素直じゃない御陵君にはこうしちゃうっ」

むごごっ
俺の顔が美紀さんの二つの巨大な丘に押し込められる

通称"素直になっちゃえ攻撃"
むしろ俺の下のほうが素直に・・・いかんいかん。

「何してるんですかお母さんっ」

顔を真っ赤にして怒ってるで"あろう"綾
大きな声出して怒るときはいつもである

「何って素直になっちゃえ攻撃よ?」

悪魔的笑みで"あろう"美紀さん

「むごごごご」

そして窒息寸前で"ある"俺


…さっき食べたのが出そう。


―――――――――

「ふぅ・・・昔はよくこれしてあげたら御陵君喜んだのにねぇ」
「昔の話はもういいですってば…」
「やっぱりもうオバさんのおっぱいには興味ない?」
「いや・・・それはその・・・」

思わず下を向いて目をそらしてしまう

「ううー御陵君のヘンタイさんっ」

何故か泣きそうな綾に大声で怒られる

「・・・なんでお前が怒るんだよ」
「え・・・それは・・・」
「うふふっ綾も御陵君も苦労しそうね」

よくわからないまま俺と綾は美紀さんに訊き返す

「どういう意味です?それ」
「どういう意味ですか?お母さん」

「そういう意味よ、ふふっ」









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