『リゾナンターSP シルバーランドの姫君 (5)~(8)』


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目次

(5)


「・・い・・・ちゃ・・ん・・・あい・・・ちゃん・・・愛ちゃん!」
「はっ!」

愛が目を覚ますと目の前には里沙とさゆみの姿があった。

「さゆ・・・なんであんたがここに・・・イタッ!」
「動いちゃダメ!愛ちゃん、大けが負ってたんだから。」
(そうや・・・あーし、サファイアの戴冠式に行こうとしてその途中で・・・)
「戴冠式は!サファイアは無事か!」

愛のその答えには誰も答えようとしかなかった。
重い口を里沙が開いた。

「サファイアは王妃様と一緒に監獄に入れられた。戴冠式で王妃様がサファイアが女であることを話してしまった。それで王位は大臣の息子に渡された。」
「何か仕掛けてあったんやろう。たぶん、ダークネスのやつらが・・・」
「ダークネスだって!」
「うん、ミティと矢口にやられたんやよ。サファイアの元に行こうとするあまりとんだドジを踏んだやよ。」
「いったいこのままだとどうなるの?」
「政治は大臣が握っている。野望の障害ともなるサファイアと王妃様を抹殺にかかるだろうね。」
「じゃあ、早く助け出さないと。」
「ああ、そうや。不覚をとったけど・・・・あーしはあきらめん。必ずサファイアを救いだす。そういえばなんでさゆがいるんや?」
「あ、そうだ皆がやってきた経緯を話してなかったわね。」


数時間前
里沙の元に電話が入ったのだ。

「もしもし。」
「新垣さん!愛佳です、実は今朝、予知夢を見たんです!高橋さんが大変な目に会うんです!早く連れ戻さんと!」
「えっ!わかった。すぐに愛ちゃんの元に行く!」
「愛佳たちもすぐに向かいます。」

「それでみんな大急ぎで飛んできたの。」
「そしてわたしは川に流れている愛ちゃんを見つけて、引き揚げたわけ。」
「そうやったんか。ほかのみんなは?」
「町や鉱山、それに監獄の様子を探ってもらっている。」

監獄
牢番の部屋

ここには3人の牢番がいる。
さきほど囚人としてサファイアと王妃を収監し終えたところだ。
すでに自分のもとにはふたりを殺すようにという大臣からの命令書も届いていた。
しかしピエールは悩んでいた。

「お・・・俺はどうすればいいんだ。」
「どうした、ピエール?」
「いや、何でもない。それよりも囚人の方はどうだ?」
「さっきの騒ぎで元王子様は騒いでいるよ。もっとも元御姫様のほうが正しいが。」

実はさきほど食事をめぐってサファイアと牢番たちの間にいざこざがあった。
結局はサファイアたちには食事は与えられなかった。
だが、いずれは食事を口に運ぶことになる。
人生最後の食事を・・・

「この命令に逆らえば俺の家族は・・・」
「あら?そんなに悩んでいるのならその役目、私たちがしてあげるわよ。」
「誰だ?」

ピエールの背後には妙に露出度の高い衣装を身に纏っている女3人組がいた。

「私たちはダークネスの粛清人Rとその部下たち。美勇伝と呼んでくれてもいいわ。」
「そいつらが何の用だ。言っておくが、俺はここの責任者だぞ!」
「そんなことは知ってるわ。いずれあんたが仲間と謀って、あのふたりを逃がそうとすることもね。私のところのえらいえらい予知能力者の先生がそういうもんだからさぁ。懲らしめに来てあげたの。」

よく見ると後ろには仲間のトロワとコリンがぼろぼろの姿になっている。

「安心して、あなたたちよく見ると私たちによく似てるから。殺さないであげる。その代わり、死んだ方がましだと思うような目には合わせるけど・・・」
「やめろ・・・やめてくれ!」

牢番部屋のドアが閉じられて、中から容赦ない打撃音が聞こえてきた。
「ああ、かわいそうに。」
「石川さん、ほんま容赦ないわ。」

バタン!
牢番部屋のドアが開かれると血だらけのピエールを抱えたRが出てきた。

「さぁ、ここでリゾナンターを待ち伏せよ。」

その頃、監獄の外では・・・
「粛清人Rにその部下のふたりか・・・この国の兵隊だけだったら簡単だったんだけどな。」

小春が念写で今、監獄の中で起きたことを念写していた。


シルバーランドの鉱山
ここには国中の男たちが駆り出されており、発見された未知の鉱物を発掘していた。

「本当に国のほとんどの男を駆り出しているが・・・一体、そのミチの鉱物って言うのはそれほど価値があるのカ?」
「さぁ?情報がまだありませんからね。ただ・・・この発掘にダークネスが関わっているのは間違いなさそうです。」

するとリンリンはあるところを指差した。
そこにいたのは・・・

「Dr.マルシェだ・・・」

見るとマルシェは何やらダークネスの科学者たちと機械を持ち込んでいる。

「人が多すぎるな。おそらく戦獣もいるぞ。獣のニオイがする。」
確かに鉱山の男たちに交じって黒服の男が数人いる。
「ヘタに近寄れないネ。いったん、新垣さんの元に戻りましょう。」


ゴールドランド
シルバーランドの隣国であるゴールドランドは別に意味でシルバーランドと同等の騒ぎが起きていた。

「何?王が変わった?」
「はい、すでに王位は大臣の息子に受け継がれております。しかし大臣の勝手で国は乱れ切っております。」
「・・・私は屈辱を味わったままだったが、あえて戦争に持ち込むのは避けていた。しかし国がそこまで乱れているのなら、私はもう黙っておられない。戦の支度をしろ!」
「はっ!」

旅行公司
バクバクバクバクバク!

愛は絵里やさゆみが持ち込んだ食事を乱暴に頬張っている。
水もほとんどラッパ飲みであった。

「愛ちゃん!焦りすぎだよ!」
「そんなことをしたら喉をつまらせるの!」
「血が・・・血が足りんやざ!もっと飯!・・・・くっ!」

案の定、愛は喉をつまらせた。
すると里沙があきれたように言う。

「もう、そんなに焦るもんじゃないの。まったく・・・サファイアを助けたいのはわかるけど、今は愛ちゃんの体を癒すことよ。さゆみんの力である程度直したけど、戦うのも難しいほどの重傷なのよ。」
「でも・・・あの大臣がサファイアをほおっておくとは思えん。」
「そうね。そろそろ監獄に行っていた小春や愛佳が戻ってくると思うけど。」
「戻りました。」

するとベストなタイミングで小春と愛佳が戻ってきた。
「なるほど、監獄にはRが待ち伏せているわけね。」
「はい、監獄の兵士もほとんどがダークネスの構成員になってます。」
「中の構造は久住さんの念写ですべて把握済みです。」

すると愛佳は小春の念写した監獄の様子を写した写真を里沙に渡した。

「中の構造自体は問題なさそうね。やはり問題は粛清人Rがいる部屋とサファイアのいる監獄がすぐ近くにあることね。戦いに巻き込んだら大変ね。作戦は慎重に立てないと。」

「大変っちゃ!」

するとれいなが駆け込んできた。

「どうしたの、れいな?」
「ゴールドランドが攻めてくると!」

れいなには念のためにゴールドランドの様子を探ってもらっていた。

「国の乱れを知って動きだしたってところかしら。まずいわね、シルバーランドとゴールドランドがまともにぶつかったら・・・」

今のシルバーランドは国が乱れたことで兵の士気は落ちている。
しかしダークネスが関わっている以上、侮れない。

「サファイアの救出を急ぐしかないわね。」

「ただいま、戻りました!」
「戻ったぞ!」

ジュンジュンとリンリンも戻ってきた。

「鉱山を見てきましたが、マルシェがこそこそ動いています!」
「ついでに町の様子も見てきたが、リボンの騎士がどうとか街の人がつぶやいていたゾ。」
「リボンの騎士はサファイアが秘かに悪党退治していた時に使っていた名前やよ。まぁ、しっとるのはあーしだけやったけど・・・」
「うーん、みなさんサファイア救出の方法を考えたんですけど・・・」
 ・
 ・
 ・

「何で私がこんな恰好をしなきゃいけないのよ・・・」

里沙は監獄の前でカラフルでまるで少女漫画の主人公のような騎士の姿で現れた。

「私はリボンの騎士・・・サファイア様と王妃様を救いにきた!」

里沙は監獄に向かった声高らかに叫んだ。

牢番の部屋
「石川さん!何か、変な奴が監獄の前にいますけど!」
「来たわね、リゾナンターが。」
「それが違うんです。リボンの騎士と名乗っているんです?」
「はっ?何それ?」

Rは部屋を出ていった。

          ◇          ◇          ◇

(6)


すでに里沙の周りには監獄を警備していたダークネスの構成員たちが囲んでいる。
そして里沙の目にはRの姿も捕らえた。

「よし、Rを誘いだしたわ。ジュンジュン、リンリンよろしく。」

「ハイハーイ!それでは作戦を開始します。ジュンジュン!」
「行くぞ!」

すでに獣化したジュンジュンが壁を突き破った。
そこには王妃をかばっているサファイアの姿があった。
見るとふたりとも薄い服を着ている。

「私たちは高橋さんの仲間デ―ス!助けにきました!」

ドーン!
Rの耳にもジュンジュンが壁を破壊する音が聞こえた。

「まさか・・・あいつは囮?」
Rが引き返そうとすると急に体を拘束された感覚が襲った。

「残念だけど・・・あなたをいかせるわけにはいかないのよ!」

Rの目にはリボンの騎士に扮装している里沙の姿が見えた。

「新垣!貴様!」
「小春!」
「いっけー!」

小春が上空からダークネス構成員たちに雷を落とした。
R以外の兵士たちは全員倒れた。

「新垣さんのところには落ちてません?」
「平気よ、ロスのような目はもうごめんだから。」

Rは怒りのまなざしでふたりを見つめている。
「あんたたち・・・私をコケにしてただで済むと思うな!」

わぁー!
監獄の中では外にでていなかったダークネスの構成員たちがサファイアのいる監獄に向かっている。

「サファイアを逃がすんやないで!」
「ジュンジュン!おふたりを連れて早く!」
「バウ!」

ジュンジュンはリンリンを置いていけないとその場にとどまろうとする。
「私は大丈夫ですから、早く!」
「バウ!」

するとジュンジュンはサファイアと王妃を乗せて、走りだした。

「さぁ、私が相手になりますよ!」

ジュンジュンはサファイアと王妃を乗せて、愛のいる旅行公司へと急いだ。

「はぁ、はぁ・・・サファイア・・・」
「お母様、しっかりして!」

王妃はかなり体力を消耗していた。
そういえばこのあたりは気温がかなり低かった。

ヒュン!ザクッ!
ジュンジュンの足を氷の刃が突き刺さった。

「グワッ!」
「きゃあ!」

ジュンジュンがバランスを崩し、サファイアと王妃が投げ出された。

「まったく、梨華ちゃんは何やっているんだか。」

そこに現れたのは氷の魔女・ミティだった。

「グ・・・グ・・・」

ジュンジュンが動かない足を引きずって魔女の元にとびかかろうとしている。

「お前はそこでじっとしていろ!」
ミティは氷の枷をジュンジュンの首や手足に打ち込んで地面に貼り付け状態にした。

「あなたは一体?」
「私?私は・・・魔女。」

まるで自分に酔いしれているようにミティは名乗った。

「どうして・・・魔女が?」
「あなたを殺すためよ・・・あなたはまだ気づいていないけど、この辺の気温を低下させたのも私・・・おかげであなたのお母様は段々弱っている。」

サファイアが王妃を見ると息はしているものもすでに弱っているのがわかるほど動きが小さい。

「お母様を助けて!」
「いいわ、あなたの命と引き換えにね。」
「・・・」

サファイアは考えた。武器もない自分がこの魔女に挑んでもとうてい勝ち目はないだろう。
あのパンダも魔女には手も足もでない。
この状況を放置していては母が息絶えるのも時間の問題だった。

「わかった!この私の命を・・・」
「ヤメロ!」

突如聞こえた声の聞こえた方を向くと獣化を解き、うまれたままの姿になったジュンジュンの姿があった。
どうやら氷の枷のために自然と体力がなくなったらしい。

「ヤメロ!そいつの言うことを聞くな!聞いたらそれで終わりだ!」
「黙れ!」

ミティのはなった氷の刃がジュンジュンの脇腹に刺さった。

「ウッ!」
「よせ!私の命が目当てなのだろう。殺すなら、私だけを殺せ!」
「チッ、そうだな邪魔が入らない内にやってしまうか。」

そういうとミティはナイフを手にサファイアの背後に回り込んだ。
サファイアは目を瞑り、覚悟を決めた。

「心配しないで・・・あの世にいけばお父様も待っているだろうから。」
(フランツ様・・・さようなら。)

ミティのナイフが振り下ろされた。

パシッ!
「ミティ・・・あーしの友達を殺させはしない!」

          ◇          ◇          ◇

(7)


「高橋愛!」

ミティの腕を愛が掴んでいた。
「ふん・・・生きていたか。だがそんな手負いで何ができる!」
「ひとりじゃないと!」
「絵里たちもいるんだよ!」

すると絵里がかまいたちでミティを吹き飛ばした。
ミティの衣装はボロボロになった。

「くそっ!」

ピピピ!
「何だよ、マルシェ!今、忙しいんだ!」
「もうサファイアに用はないから。今すぐ戻って。」
「チッ!お姫様、運がよかったね。」

ミティは転送ゲートで姿を消した。

「逃げられたと!」
「ええやよ、サファイアが無事だっただけでも・・・うっ!」

愛は傷口を押さえた。
まだ完全に治っていないのだ。

「高橋さん!」
「愛佳・・・ジュンジュンと王妃様を・・・」
「わかりました。」

愛佳がジュンジュンの元に駆け寄った。
「ミツイ・・・どうしてここに?」
「愛佳が予知でジュンジュンたちが危ないことを知って、高橋さんの瞬間移動で飛んできたんや。」

愛佳がジュンジュンの氷の枷を取り除いていった。
さゆみは王妃の様子を見ている。

「愛・・・」
「サファイア、すまないやよ。あーしがいたらんばかりにサファイアが監獄に入れられるようなことを・・・」
「いや、愛は大けがをしてまで私のために・・・」

ピピピピ!
里沙からの通信だ。

「里沙ちゃん・・・あーしや。」
「愛ちゃん、私。サファイアはどう?」
「無事に救い出したやよ。里沙ちゃんの方はどうやよ。」
「それが妙な話で、Rと戦っていたら急に引き上げていったんだよ。」
「そうか・・・ミティもそんな様子やった。ゴールドランドが攻めてきているのと関係あるのかな?」
「そうね。」

するとどこからか大きな声が聞こえてきた。

「お妃さま募集中!」
「かわいい子募集中!」
「何?今のは?」
「お妃さまって言ってなかったと!」

どうやらスカウトマンと思わしき男の子たちが走り回っている様子だ。

「サファイア!サファイアどこなの!」

突如、王妃の叫び声が聞こえた。
「そういえば、サファイアはどこやざ!」

「あ!愛ちゃんあそこ!」

絵里が指差した先にはサファイアと思わしき女性がスカウトマンに連れられ、お城のほうへと向かっていた。

「サファイア・・・まさか!」

鉱山
そこにはダークネスの面々がそろっていた。

「何で私たちを戻したのよ!これからって時に!」
「まぁまぁ。ゴールドランドが攻めてきていますから。それに例のものが完成しましたので。お城でお披露目会をしようかと。」


シルバーランド城
「やったぞ!ついに息子の花嫁が決まった。」
「大変です!」
「何だ?」
「ゴールドランドが攻めてきました。」
「よし、軍隊を送れ!私も用が済ませたら向かう。」
「用とは?」
「息子の花嫁が決まった。」

大臣は急いで王の間へと向かった。
その様子をナイロンは憎々しく見つめていた。

(国が滅ぶかもしれないのに・・・花嫁なんて・・・)

王の間
大臣に呼ばれて、王がやってきた。
王は小春に似て、能天気そうな表情を浮かべている。

「花嫁をこれに・・・」
「わぁーい!」

花嫁を連れて、スカウトマンふたりが駆け込んできた。

「顔をあげよ。」

顔をあげた花嫁はまさしくサファイアであった。
いつもと違う化粧と服装のためなのか大臣はまったく気づかない。

「美しい。」
「大臣・・・この顔に見覚えが・・・覚悟!」
「危ない!」

サファイアが短剣を取り出したのを王が気づき、大臣をかばった。

「誰だ!」
「見忘れたか!」
「サファイア!生きていたか。近衛兵、でてこい!」

大臣が城中に響かせるような声をあげるが誰もこない。
するとナイロンがやってきた。

「この城にはもう誰もいません。」
「何?」
「聞け、この城はゴールドランドが占拠した。」

そこに現れたのはフランツ殿下であった。

「殿下。」
「サファイア、なぜここに?獄中にいると聞いていたが。」
「父の仇を討つために・・・大臣を殺すために・・・ここに来ました。」
「そうか、となると君はいまだにこの国の汪というわけだな。僕は君との勝負を望む。」

フランツ付添の兵士がサファイアに剣を渡す。
サファイアは仕方なく剣をとる。

「どちらかが倒れるまで戦う。」
「どちらかが・・・ほんとうにどちらかが。」
「くどい!」

キンキン!
サファイアとフランツは剣を交えた。
だが、容赦のないフランツと比べてサファイアはためらっていた。

(だめ、私にフランツ様は殺せない!)

サファイアは剣戟の中で一つの決心をした。
自分が死のうと・・・

フランツの剣をはじき、フランツが態勢を崩した時、サファイアは剣を捨てて飛び込んだ。
「やぁー!」

フランツは声の方に剣を突きだした。
手ごたえがあった。
しかし剣が貫いたのはサファイアではなかった。

「あんたら・・・いい加減にしろ!」

サファイアとフランツの間に愛がいた。
フランツの剣が愛の腹に深く刺さっている。

「サファイア・・・愛する人のために・・・死ぬやと・・・ふざけるな!」
「愛・・・どうしてその事を・・・」
「あーしの・・・頭にあんたの心の声が聞こえて・・・飛んできたんや。」
「愛する人だと!」

フランツが目の前の光景に戸惑っている。

「フランツ殿下・・・あんたは・・・危うく心から愛する人を・・・手にかけるところやったんや。」
「何?」
「まだ気づかんのか!サファイアは・・・あんたが恋した・・・・亜麻色の髪の乙女や!」

それを言い終えると愛はその場に倒れた。

「愛!」
「愛ちゃん!」

リゾナンターが愛の元に駆け寄った。
すぐさま、さゆみが愛の傷を治し始めた。

「まったく、あんたはいつもいつも無茶するんだから。」
「こうでもせんと・・・間に合わんかったやよ。サファイア・・・フランツ殿下。愛するもの同士で殺し合うのはおかしいやよ。」

サファイアとフランツはお互いの顔を見つめていた。
「私は危うく愛する人をこの手で・・・すまない。」
「いいえ、フランツ様の名誉をわたくしたちが傷つけたのは事実なのですから。」
「でもあなたは私を救ってくれた。私が下らない意地を張ったばかりに・・・」
「フランツ様・・・」

「ああ、もう愛ちゃんは無茶するのが好きなのかな?」
「あさ美ちゃん・・・」

そこにはDr.マルシェの姿があった。
「なぜここに?」
「このシルバーランドに私たちが介入してきた本当の訳を話しに来たの。」
「本当の訳?」
「たぶん、みんなも知っていると思うけど、シルバーランドに未知の鉱物があるんだけど、それはねぇ。世界最高の強度を持っているの。それでね・・・」

マルシェがあるボタンを押した。
するとマルシェの背後から大きなマシンがでてきた。

「あ・・・あれは?」
「アロエ。私がシルバーランド鉱物から作り出したハイテクメカ。本当は大量生産して、ゴールドランド相手にテストしようと思ったんだけど、
まずはリゾナンターのみなさんを相手にテストさせてもらおうかな。」

するとマルシェはアロエに乗り込んだ。

里沙が先頭にたった。

「みんな、愛ちゃんの傷が完全に癒えていない。さゆみんと愛佳は守ってあげて。」
「がきさん、どう思うと?」
「さぁ、あさ美ちゃんが作り、世界最高の固さを持つ鉱物のロボット。油断できない。」
「でも、勝てますよ。小春たちは今まで強い敵を倒してきたんですから。」
「よし。行くわよ!」

          ◇          ◇          ◇

(8)


ガシャン!ガシャン!
アロエは巨体を動かしながらリゾナンターに迫る。

「まずは私がイクダ!」
ジュンジュンが獣化して、アロエにぶつかった。
しかしアロエは傷ひとつつかない。

「無駄よ、ジュンジュンの体当たりなんかじゃあ、びくともしないわ。」

するとアロエはジュンジュンを持ち上げて、投げ飛ばした。

「ジュンジュン!」
絵里が風を使い、ジュンジュンの地面に叩きつけられる際にダメージを軽減した。

「久住さん!」
「うん!」

リンリンが発火、小春が電撃を放った。
しかしアロエはびくともしない。

「うーん、まさに予測データに間違いない。さぁ、今度は何を仕掛ける?」
「くそっ!アロエを壊せないんなら、マルシェを引きずりだすと!」

れいながアロエの腕を避けて、頭上に乗った。
「あ!田中さん、離れてください!」

愛佳は予知で何かを見たようだ。
れいなはとっさに頭上から飛び降りた。
するとれいながよけたのとほぼ同時にアロエ全体に電気が走った。

「田中さん大丈夫ですか?」
「愛佳が予知してくれとらんかったら今頃黒こげたい。」
「時間がない中でアロエにつけられた、たったひとつの装備。私をコクピットからはなせられないわよ。」

「どうすればいいと!アロエを破壊できず、マルシェも引きずりだせない。」
「みんなで共鳴するやよ。」
「愛ちゃん・・・無理しちゃだめなの!」
「大丈夫や、みんなであの共鳴技を使うんや。」

ここに来る前、何度か構想していた技があった。
全員の共鳴を使った愛の光の力を超える必殺技を・・・

「みんな!」

愛の号令でリゾナンター全員が一か所に集まり、輪っかを作り共鳴を始めた。

「何か嫌な予感がするなぁ。でも、見たところ発動まで時間がかかりそうだから。邪魔するね。」

アロエがリゾナンターに迫る。
その前にサファイアとフランツが立ちはだかる。

「「ここから先はいかせない。」」

ふたりが剣を手にアロエに立ちはだかった。
アロエが大きな腕を振り下ろすが、ふたりの素早い動きに対応できていない。

「困ったなぁ、アロエにもう少し装備をつけられる時間があれば・・・」

リゾナンターの共鳴は最大まで高まった。
「みんな、いくよ!リゾナントバスター!」
「「「「ヘルミー!」」」」

強烈な光がアロエを包みこんでいく。
アロエの中の計器が次々狂っていく。

「ああ、やっぱり駄目か。おじゃマールシェ!」
マルシェは転送ゲートで逃げ出した。

ドーン!それと同時にアロエは爆発した。

「やった。やったやよ・・・」

バタン!
愛は気を失って、倒れてしまった。

「愛ちゃん!」

ダークネス基地

疲れた表情のマルシェの後藤真希が話しかけてきた。

「あさ美、ぼろぼろにやられたんだって?」
「でも、何も得なかったわけではないですから。リゾナンターの共鳴による新技もデータがとれましたから。」
「ふーん?でも、裕ちゃんは怒っていたぞ。幹部を大勢投入したうえに逃げ帰ったことを。」
「心配いないでください。名誉挽回はいつでもできますから。」

そういうとマルシェはパソコンにデータを映し出した。

「あのアロエはまだテスト段階の機体。あの戦いで得たデータを元にこんどこそリゾナンターを超える発明をするんだから。」

それから数日後、愛たちは城の外にいた。

「帰ってしまうのね。」
「一応、一件落着したやよ。」

出迎えに来たサファイアは御姫様の姿をしていた。
あの後、サファイアとフランツ殿下が結婚することでシルバーランドとゴールドランドが統合されることになった。
悪事を重ねた大臣は処刑も覚悟したが、サファイアの慈悲で息子とナイロンともども国外追放となった。

「鉱山はどうするんやよ?」
「平和利用に使える道が見つかるまで封印する。私もこれから女としてフランツ様と平和な国にしていくわ。ありがとう、愛。」
「サファイア、お幸せに。もしも何かあったら・・・」
「れいなたち、リゾナンターがすぐに駆けつけるとよ。」

去っていくリゾナンターをサファイアは見つめていた。
すると突然・・・

「愛!」
サファイアが愛に向かった何か投げた。
愛はすかさずキャッチする。
それはサファイアがリボンの騎士を名乗っていた時にかぶっていた帽子であった。

「私とあなたとの友情の証よ!」
「ありがたくもらうやよ!」

愛はにこりと笑いながらその帽子をかぶった。