リゾナンタークライシス~完結編~


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第九話


「おりゃ!」
れいなが鳳に殴りかかるが、なぜか当たらない。

「くそ、なんで当たらないとよ。」
「ほほほほ、お前のような野蛮人には私は倒せない。」
「野蛮人やと!レディに向かってなんてことを言うんや、おばさん!」
「黙れ!」

鳳は力を込めると何人にも分裂していった。そして鋼鉄製の扇子を投げつけた。いくつもの扇子をよけようとするが、よけきれず肩にひとつ命中してしまう。

「痛!」

それを遠くで見ていたさゆみは・・・
「れいな、なんかまずそうよ。助けに行かないと。絵里、どうしたの?」
「なんか、おかしい。」
「?」
「絵里、さっきから風を読み取っているんだけど、扇子の軌道がひとつしか感じられないの。」
「あっ!そういえば、あの人幻術を使うってリンリンが。」
「絵里、ちょっとやってみる。」

鳳は扇子をまた投げ付けた。何個もある扇子をれいなはよけられないでいた。
すると、なぜか扇子のひとつが弾き飛ばされ、他の扇子も消えた。

「やっぱり、あれはひとつを除いて、全部幻なんだ。」
絵里がかまいたちで本物の扇子をはじいたのだ。

「サンキュー、絵里。」
「ふん、まだ終わったわけではない!」
まだ鳳の分身が解けていない。絵里が再びかめいたちを撃とうとしたが・・・

「きゃあー!」
さゆみが兵士の人質になった。
「動くな、この女の命がないぞ。」
絵里は何か決心したようで、兵士に近づく。

「動くな、動くとこいつの命は。」
「さゆには手を出さないで、変わりに私を撃って。」
さゆみは絵里の考えていることが分かった。
「絵里、やめて!危険よ!」

さゆみの静止を無視して、絵里は近づいていく。兵士は・・・
「くそ、死ね!」
絵里に向かって、発砲した。弾は絵里の肩に命中した。絵里が倒れこむ。
「絵里!」
同時に兵士の肩にも傷が。絵里は傷の共有を使い、兵士に傷を負わせたのだ。
そして、それで自由になったさゆみが・・・

「絵里に何するのよ!」
兵士に右ストレートをお見舞いした。そしてすぐに絵里のもとに駆けつけ、すぐに回復能力を使った。

「大丈夫?」
「平気、平気。うへへ。」
「ばか!もし心臓や頭に当たったらどうするのよ!」
さゆみは涙ながらに無茶をした絵里を叱った。

分身状態の鳳は刃物を抜いて、構えている。
しかしれいなにはどれが本物なのかはわからない。でも、れいなは何か考え目を閉じた。

「串刺しにしてやる。」
分身たちが一斉にれいなに襲いかかる。

ボキッ!
「ぎゃあー!」
鳳の腕を掴んだれいなが腕をへし折っていた。
「目で見んと、あんたの気配はわかる。これでも喰らえ!」

れいなは鳳の顔に強力なアッパーをかまし、ノックアウトさせた。
「あー、すっきりした。」

その頃、本部長室では・・・
「ダークネス軍の勢い、いまだに衰えません。すでに中央ブロックまで侵攻されています。」
「鳳 羅鵜はどうした!」
「13ブロックでリゾナンターと交戦中です。」
「援軍はまだこないのか。」
「まだ、連絡がつきません!」
「くそ、あと一歩なのにどうしてこうなるんだ。」

マーク・ガーランドは机を叩き、イライラしていた。
「かなり、お困りのようですな。」
「誰だ!」

本部長室にはひとりの男が立っていた。ガーランドは顔写真で一度見たことがあった。
「まさか!ダ、ダークネス!」
そうダクネチュ様と同一人物とは思えないほどの闇のオーラを発しているダークネス総統その人である。

「貴様、腑抜けになったんではないのか。」
「あれは世間を騙すためのフェイクだ。」

ガーランドは動揺した。マルシェからはダークネス総統は腑抜けだから最高幹部の中澤だけに注意すればいいと聞いていたのだが、
まさか味方までだましていたとは

「くそ!」
ガーランドは銃をダークネスに向けて、発砲した。
ダークネスは持っていた刀で銃弾をすべてはじき落とし、そしてガーランドに一気に近づいた。

「地獄に堕ちろ。」
ダークネスの刀がガーランドを貫いた。ガーランドは床に倒れた。

「がぁ!貴様、ただで済むと思うな。私はM本部長だぞ、私を殺したら世界を敵に回すことに・・・」
「十分承知しているさ。世界を敵に回すためにわしは組織を作ったのだからな。地獄に行くまでせいぜい苦しむがいい。」

ダークネスは部屋を後にした。

一方、動力室では・・・
愛佳が何個もの爆弾を手造りで完成させ、小春がその設置をしていた。
「それにしてみっついはどこで爆弾作る技術習ったの?」
「小川さんに教えてもらってたんです。元々諜報班だったあの人なら即席爆弾の作り方ぐらい知ってるやろうと思いまして。」

せっせと爆弾を作っている愛佳を見て、小春は改めて思った。
(みっつぃは絶対怒らせないほうがいい。)

本部長室についた愛と里沙が見たのは血まみれのガーランドだった。
「何があったの。」
ふたりがガーランドに気をとられている内に後ろにm411が目を光らせていた。

気配を察知して愛が里沙を抱き寄せた。
「あぶない!」さっきまでふたりがいたところがえぐられた。m411の目からレーザーが照射されたのだ。

「いったい、いくつ能力持ってるんや。」
里沙がすかさず、鋼線を放つがm411に到達する前に燃やされてしまった。
m411は右手をかざし、衝撃波をふたりにぶつけた。
「「きゃあ!」」

ふたりが弾き飛ばされるのを見て、m411はすかさず、念力でガラスを割り、その破片をふたりに向けて飛ばした。

それを見て、里沙は・・・
「愛ちゃん!」

愛は一瞬何が起きたかわからなかった。しかしよく見ると里沙が自分の覆いかぶさって苦しそうな顔をしている。里沙の背中には無数のガラス片が刺さっている。

「里沙ちゃん!しっかりして!」
「わたしは・・・大丈夫。」

苦しそうな里沙の姿を見て、ついに・・・
「もう、許さない!絶対に許さない!」
愛は右手をm411にかざした。m411も何かを察したらしくバリアを張り、電撃を放った。

「くらえ!」
愛は「光」をm411に向けて撃った。

電撃はすぐに弾き飛ばされ、m411が作ったバリアにも「光」が襲いかかる。
m411は必死にバリアを張るが、「光」の威力の押され、「光」が脇腹をえぐった。

m411が倒れたのを見て、愛はすぐに里沙のもとに駆け寄った。
「里沙ちゃん!ごめん、あーしのために。」
「もう、大丈夫って言ってるでしょ。勝ったんだからネガティブになんないの。」

愛は里沙の肩を持ち、歩きだした。しかし・・・
「逃がしませんよ。」

m411がふたりに迫る。m411の手に電気が走った。
撃たれる!

ドサ!m411が倒れている。

「間にあったべさ。」
懐かしい声が聞こえてきた。
「「安倍さん!」」
特に里沙のテンションが一気にあがった。
銀翼の天使・安倍なつみを目の前にすると怪我なんてヘッチャラなのだ。
「安倍さん、どうしてここに。」
「海外赴任から帰ってきたら圭ちゃんから助けてやってくれって頼まれて飛んできたら、ふたりがやられそうだからホワイトスノーを使ったべさ。」

なつみはm411を見た。

「この子まだ生きてるわ。助かるかもしれない。手伝って。」
「はい。」
なつみはふたりと協力して、m411の傷をふさいだ。
愛はその様子を見て、思った。

(この人はいつもそう、敵であっても助けようとする。あーしらなんてこの人に比べたらまだまだなんや。)

すると、要塞内の専用放送から声が聞こえた。
「要塞内にいるみなさん。動力室に爆弾を仕掛けました、10分で爆発しますから。脱出してください。」

「小春、動力室を潰せとは言ったけどさ。勝手に時間決めないでよ。」

なつみがm411を抱えた。
「さぁ、脱出するべさ。高橋はガキさんを助けてあげて。」

その頃、マルシェは
「こんなところで終わるわけにはいかないのよ。」
マルシェはすべてのデータのバックアップを取り、脱出を図ろうとしていた。

放送を聞いて、ダークネス軍も・・・
「総員、退避。要塞から距離をとれ!」
「ダクネチュ様、どこにいるんだよ。」
「わしはここだぞ。」
「うわぁ!どこに行ってたんですか。」
「ちょっと、その辺をな。それよりも爆発するんだろ。さっさと飛ばしなさい。」
「言われなくてもわかってますよ。」

「俺」は飛行機を離陸させた。
中で中澤とダクネチュ様がヒソヒソ話をしていた。
「お疲れ様です。」
「ああ、ガーランドはわしが始末した。久しぶりに動くと疲れるの。」

ダークネス軍は要塞の崩壊を見届けずに基地に帰還していった。

ガッタス機は要塞から少し離れたところにいた。
「もう、あいつら何してるんだ。」
吉澤がやきもきしていると要塞が爆発するのが見えた。

「きゃあー!」
脱出に遅れ、マルシェが要塞から吹き飛ばされた。地面に叩きつけられようとしたその時・・・

マルシェの手を誰かが握っている。マルシェが目を開けると自分の手を掴んで、飛んでいる羽を生やした人が・・・
「後藤さん!」
「まったく、研究となると周りが見えなくなるんだから。圭織に頼まれた、あんたが危険な目にあうから助けてくれって。」
「じゃあ、飯田さん。こうなることを。」
「わかってたんじゃないの。」
「でも、私もうダークネスには戻れない。」
「そうでもないと思うよ。あの圭織が何もしないわけないと思うし。」
「そうかな、さすがに私は不安です。」
「もしもの時は後藤も何とかしてあげるから。」

ガッタス機に無線が入った。
「もしもし。」

「こちら、高橋愛。リゾナンター全員帰還しました。」

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エピローグ


ダークネス基地
「なんで!なんで圭織とマルシェは無罪なわけ!絶対有罪だよ!」
「うるさい!マルシェは拉致されて無理やりやらされていただけ。圭織は状況を打開するために予知して、アドバイスしていただけ!ふたりに罪を問わすいわれはない!」

ダークネス基地内でチビ女がわめいていた。どうやら事件に加担していたと思われるふたりの処分がなくなったことに腹を立てているようだ。

「なんでよ、何で裕ちゃんはふたりをかばうのさ!納得できない!」

すると中澤は矢口の胸倉を掴んだ。
「矢口、うちの言うこと聞けへんのか。そんなんじゃ、オリメンになれないどころかこの組織からも抜けてもらうで。」
「わ、わかったよ。裕ちゃんがそこまで言うのなら。」

(チビ女、今回はさんざんだったな。ざまあみろ!)

「おーい、また冷房が壊れたぞ。」
(あっ、ダクネチュ様がまた呼んでるぞ!)
「はい、ただいま。」

その頃、中澤はとぼとぼと帰る矢口を見て、呟いた。
「これでカバーストーリーは作れた。今の組織に不戦の守護者と天才科学者の両方をなくすわけにはいかんからな。(それにしてもm411はどうなったんやろな? 
g923、i914に継ぐダークネス様の後継者やったんやけど。)



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M日本支部
「ボス、これから大変べさ。」
「そうやな、M上層部の大規模な人事入れ替えやブラックプロジェクトの凍結や調査をせんとあかんしな。ほんま休む暇がない。」

ふたりが医務室に到着するとベッドにはm411が寝ていた。

「ボス、私あの子を引き取ろうと思うんです。」
「引き取って、どうするんや。あの子の能力は計り知れない。お前でも抑えられるか。」
「大丈夫です。よっしーに頼んであの子の記憶を変えます。それにわたしの言霊で能力は封印します。あの子には普通の女の子としての生活を送らせたいんです。」
「まったく、海外に行ってもその甘い性格は変わらなかったみたいやな。」

ふたりが話していると医務室のスタッフがなつみを呼んだ。
「じゃあ、あの子の能力の封印に取り掛かります。ボス・・・私、現実はちゃんとみているつもりです。でも、現実を見ているからこそ自分なりの理想をかなえてみたいんです。みんなが普通に暮らせる世界を。」

ボスは部屋に入るなつみを静かに見守った。
「さてとMの本部長になったからには忙しくなるで。」

喫茶リゾナントのドアには「本日、臨時休業」のプレートが掛けられていた。
そして中にはリゾナンターが勢ぞろいしていた。

「それではリゾナンター全員無事生還を祝いまして乾杯!」
「「「「 乾杯!」」」」」

成人メンバーはお酒、未成年メンバーはジュースを飲んだ。

「いやー!いい仕事をした後のお酒はうまいね。」
「がきさんはただ怪我をしただけじゃないですか。」
「何言ってんのよ、このアホカメ!さゆみんから聞いたよ、あんた無茶して肩撃たれたんだって!」
「あれは仕方がなかったんですよ!」
「私だって愛ちゃん守りたくて仕方がなかったんだから!」
「ふたりともさゆみをめぐって喧嘩しないで。」
「「していない!」」

「クスミ、もっとバナナ寄こせ!」
「あげない!こないだのバナナクレープで十分でしょ!」
「まだ足りない。もっとおごれ!」
「このままだったら生き返らせるんじゃなかった!少しはわがままが治るかと思ったのに!」
「何!わがままはクスミだ!」
「ジュンジュンだよ!」

ふたりが喧嘩していると。
「ジュンジュン、私も最近体内発火覚えたんですよ!」
「久住さん、まだ愛佳爆薬持ってますよ。」

「「えっ!」」

ジュンジュンと小春はふたりの不気味な笑顔に冷や汗を流している。
「せっかく助かった命なんやから大切にしないとな。」
「命、大事ヨ。」
「「はい。」」

「愛ちゃん。」
れいなが愛に近づいた。
「うん?」
「ありがとう、助けに来てくれて。」
「何言ってるんやざ。結局、あーしも捕まってやっぱダメダメのリーダーやよ。」

れいなは首を横に振り、手を握った。
「愛ちゃんはダメダメじゃない。そりゃ、時折無茶しようけど愛ちゃんはれいなたちのことを一番に考えてくれている。あの時、愛ちゃんが来てくれてうれしかった。だからこそ、言わしてほしいとよ。」
「?」
「無茶せんといて愛ちゃん。前にジュンジュンがいっとったまんまちゃけど。愛ちゃんがいない平和はいらないとよ。」

その言葉を聞いて愛にうれし涙がこぼれた。
「ありがとう、れいな。」


リゾナンタークライシス 完



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