リゾナンタークライシス~邂逅編~


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第五話

その夜の喫茶リゾナントはいつも以上に静かだった。
しかし奥のトレーニングルームでは高橋愛は戦闘服に身を包んでいた。
着用している戦闘服はいつもの黒を基調として白のブラウスの戦闘服ではなかった。
白のジャケットに黒のスカートにブーツ。新しい戦闘服だ。
グローブをはめ、二挺拳銃をホルスターに入れた。

パチパチ。愛は顔に二回ほど軽く叩いた。
「よし。」

愛は喫茶リゾナントを出ようとした。
「何してるの?」
ビクッ!いつの間にか店の中に里沙がいた。

「里沙ちゃん、驚いたがし。その気配の消し方、相変わらずスパイ時代の習性が抜けないんやな。でっ、何の用や。」
「愛ちゃんの考えてることはわかるわよ。一人で田中っちと愛佳を探すつもりなんでしょ。」

愛は里沙から顔をそむけた。

「何でもお見通しなんやな、里沙ちゃんは。」
「どうして一人で抱え込むの!二人が攫われたことは愛ちゃんに責任はないのよ。」
「あーしはリゾナンターのリーダーや。みんなを守らないといけないの。ジュンジュンまでやられて、もうこれ以上誰も傷ついてほしくないんや。」
「ばかなことを言わないで。ひとりで勝てると思うの!幸い、ジュンジュンは助かった。でも、相手はMの中枢なのよ。今までのダークネスを相手にしたのとはわけが違うの。こんな時だからこそみんなで力を合わせる必要があるの!」

リンリンから知らせがあり、ジュンジュンが一命を取り留めたこと。そして事件の背後にMの中枢が関わっていることがわかった。

「明日になれば、三人も帰ってくる。行動するのはそれからでも遅くないと思う。それに愛ちゃんはここ数日の能力展開で疲れてる。休んだほうがいいわ。」

里沙が愛の肩に手を置いた。愛も置かれた里沙の手に自分の手を乗せる。

「ありがとう、里沙ちゃん。本当にありがとう・・・・・・でも、ごめん!」
ゴン!愛が里沙の腹を殴りつけた。
「あ・・・い・・ちゃ・・ん」
気絶した里沙を魅惑の水さんルームの自分のベットに寝かせて、愛は喫茶リゾナントを後にした。

愛は瞬間移動で東京タワーのてっぺんに移動した。そこで精神を集中して、精神感応能力を展開した。

愛の脳裏に数か月前の元Mの研究開発班長の保田圭の言葉がよみがえる。
「いい、今回の新型スーツは耐久性はもちろんのこと各個人の戦闘能力・超能力を飛躍的にアップさせているわ。」

スーツの力を借りて、能力を増幅している愛の頭の中に様々な思考が入ってくる。その中で限られたものを導き出すのは至難の業だ。
だが、やらねばならない。その考えだけが愛の精神力を維持し続けていた。そして・・・

(愛佳、心配するなっちゃ。)
確かに声が聞こえた。

(れいな!)
愛はただちに瞬間移動を開始した。


その頃、れいなと愛佳は独房に入れられていた。
「だせ!ここからだすっちゃ!」
「黙れ!」
「うっ。」

独房の鉄格子を叩いていたれいなに見張りの兵士が電気ロッドを突き付け、れいなに電気を流した。

「田中さん、大丈夫ですか?」
れいなが入れられている独房には数時間前に捕えられた愛佳の姿も・・・
ふたりとも手には捕まった時のまま、能力阻害効果のある手錠がはめられている。

「平気とよ。ここから出られればこっちのものたい。能力を阻害されとっても、れいなには拳があるとよ。」

確かに攻撃系能力をもたないれいなにとっての武器はその肉体から繰り出される格闘術である。手は手錠でうまく使えないが、そんなことであきらめるようなれいなではない。

だが、その話はさきほどの兵士にも聞こえていたみたいで。
「なんなら、お前の手足を折って、動けなくさせようか。こっちに用があるのはお前たちの能力だけだからな。」

兵士が警棒を抜いて、独房の中に入ってきた。
「ふん、やれるもんならやってみろ!」
「ほざくな!」

兵士が警棒を叩きつけようとしたら、手を振り上げたところで止まっている。
「ふたりに手を出すな!」

兵士は独房の壁に顔をたたきつけられた。兵士を倒したその人は・・・
「愛ちゃん!」
「高橋さん!」

愛はすぐにふたりのもとに駆け寄り、抱き寄せた。
「よかった、無事でよかった。」
「愛佳、絶対高橋さんが助けにきてくれはるって信じてました。」
「れいなも。」

「ごめんな、遅くなって。いろいろ事情があったんよ。待っててな、今手錠、はずしてあげるから。」

愛はさっき気絶させた兵士から手錠のかぎをとろうとしたら・・・
「やっと来たんだね。愛ちゃん。」

独房の入口に見覚えのある白衣を着た女性が立っていた。
「Dr.マルシェ。」
「ぽんちゃん。」
「あさ美ちゃん。」

そこにいたのはダークネスの研究機関・Awesome Godの主任・Dr.マルシェこと紺野あさ美だった。

「ようこそ、Dr.マルシェのM研究所に。」



「あんたいつの間にMに鞍替えしたんや」
「そういえば、れいなを捕まえた連中。自分たちのことをMの部隊って言っとったとよ。一体、どういうこと?」
「そう、あなたたちを捕まえたいのはMの上層部。あなたたちの共鳴能力はとても貴重なの。さぁ、愛ちゃん。今度はあなたがこの独房に入る番よ。」

あさ美の言葉が合図だったかのように兵士たちがなだれ込んできた。

「そう簡単に捕まると思ってるんか!」
愛はそう言うと素早く銃を抜き、入ってきた兵士の足に銃弾を喰らわせた。
しかし・・・

「高橋さん、あの兵士たち何もなかったように歩いてます!」
銃弾をうけたはずなのに兵士たちは倒れない。

「ふふふ、どうだねi914。私の作った兵士の感想は。」
杖をついた老人が入ってきた。

「あんたは愛佳を捕まえた。」
「やぁ、また会ったね。私の名はサダシム、このデッドアーミーの開発者だ。」
「デッドアーミー?何それ?」
「死の兵士たちだ。死体を強化改造して作った。いわゆるゾンビ兵士みたいなものだよ。だから銃弾なんて効かない。」

「やったら、これはどうや。」
愛は瞬間移動を駆使して、デッドアーミーの上空に飛び回し蹴りで兵士たちの頭を蹴り飛ばした。

「いくらゾンビでも頭がなくなったら意味ないやろ。」
ゾンビは頭が弱点という発想は完全にバイオハザードをやっていて浮かんだものだった。
だが、実際にはそれは間違っていなかったようだ。

(バイオハザードやっとってよかったやよ。)

自慢の兵士を倒されて動揺しているサダシムとは違いマルシェは笑みを絶やしていない。

「やっぱり、愛ちゃんは一筋縄じゃいかないわね。」
「騒がしいですね。」

独房にまたも来訪者が。見た感じは高校生ぐらいの少女だ。
「あら、起きちゃった。ちょうどいいわ、m411。」
マルシェが愛の方を指差した。

「あの子が以前話したi914こと高橋愛よ。」
「へぇーあなたがそうですか。はじめまして、私はm411。」

m411と名乗った少女は自己紹介をした後に目を光らせた。
すると、愛の体が動かなくなった。それに重さに耐えきれず銃を落としてしまった。

「なっ、これは重力制御。」
愛の体はどんどん沈んでいった。

「愛ちゃん!」
れいなが愛のもとに駆け寄ろうとすると、m411がまた目を光らせた。
ピキピキ
今度はれいなの足が氷によって固められた。

「何、これ!」
「どう、驚いた。この子の力はまだまだこんなものじゃないわ。」

愛はこのままでは押しつぶされると思い、瞬間移動を使い、m411の背後をとった。
しかし、いつの間にか、愛は独房の壁に押し付けられている。

その瞬間を見た愛佳は・・・
(高橋さんの瞬間移動とは違う。残像が見えるっちゅことは高速移動や。)

そしてれいなも・・・
(愛ちゃんが押されとる。それに愛ちゃんの動きがいつもより遅い。)

首根っこを掴まれている愛はm411の腕を振りほどき、もうひとつの銃を抜いたが。
「無駄ですよ。」
銃を掴んだm411が力を込めると銃が融けていった。

(なんて人や。今の物質融解を含めて、4つの能力を持ってはる。はよ、かたをつけないとまずい。)

愛は格闘戦に持ち込んでも相手の高速移動で捕えることができない。
(まずい、完全に相手のペースに引き込まれてる。こうなったら、あれを使うしか。)

愛は右手をかざして、集中し始めた。そう、あの「光」の能力を使うつもりなのだ。しかし・・・「光」は出ず。愛はその場に倒れこんでしまった。

「おやおや、お疲れのようね。愛ちゃん、ここにくるまでにかなり能力を使ったでしょ。実はね、愛ちゃんをおびき寄せるためにわざと結界をゆるくしたの。あのふたりの心の声を拾ってもらうために、そしたら案の定、愛ちゃんが引っ掛かったわけ。」

“すべてが罠だった”マルシェにとっては愛の行動など手に取るようにわかっていたのだ。

「さっ、おとなしく捕まってもらうわよ。m411。」
「はい。」

m411が手をかざすと電撃が愛を襲った。
「きゃあー!」
愛は動かなくなった。兵士が能力阻害の手錠をはめようと近づいた。

「愛ちゃんに触るな!」
「あら、れいな。そんなことを言える立場なの?今のあなたと愛佳は捕らわれの身。少しは身の程をわきまえたらどうなの?あなたたちの命はもちろんのこと、愛ちゃんの命を奪うのはたやすいのよ。」

無情にもリゾナンター最強の戦士・高橋愛に手錠がはめられた。

「Dr.マルシェ。鳳 羅鵜様が到着いたしました。」
「これは好都合。さぁ、おふたりさんお引越しですよ。つれていって。」

兵士が電撃で動けない愛を無理やりたたせて連行し、れいなと愛佳も兵士たちによって連れて行かれた。

その様子をサダシムは苦々しい思いで見つめていた。どうやら自分の傑作を壊されて頭に来ているようだ。


ダークネス基地瞑想室前
「俺」はダクネチュ様の部屋をでた後、Dr.マルシェの緊急電話を内密にあのインチキ女の元に渡すように命令された。
あの女の予知は百発百中なのだが、「俺」はどうも好きになれなかった。
(確か、今日は瞑想室にいたはずだが、ゲッ!)

瞑想室前にいたのはチビ女こと矢口真里だった。
(最近の圭織の様子はおかしいんだよな。もししっぽをつかめたら、おいらはオリメン昇格!)

矢口は中の音を聞こうとドアに耳を当てていた。
(いったい、何やってるんだよ。あのチビ女!)

「あの矢口様。」
「なんだ、お前か。今、おいらは忙しいんだ。しっしっ。」

(くそっ、いったいどこが忙しいんだ。こっちは仕事なんだぞ。どうにかしてこのチビ女をどこかにやらないとな。そうだ・・・)

「俺」は氷の魔女の異名をとる組織の幹部・藤本美貴ことミティを探した。
(確か、今日は基地におられるはずだが、あっ!いた。)

「あのミティ様。」
「ああ、あんたか。どうした。」
「先日、ミティ様の部屋の氷の彫刻が壊された事件ありましたよね。」

その話をした途端、ミティの機嫌が悪くなった。
「そうだよ、私の最高傑作を一体だれが壊したんだよ。絶対許さない。」
「あの実は壊したのが誰か知ってまして。」

「俺」は携帯の動画をミティに見せた。そこには酔っ払ってミティの部屋を荒らしている矢口の姿が・・・そして

「キャハハハハ、何だこれ?壊しちゃえ!」
念動力で氷の彫刻を壊していた。

「あの人はどこにいるの?」
「瞑想室の前です。」
「ありがとう。」

ミティは無表情のまま瞑想室に向かった。
(いつか、あのチビ女を見返すために撮っていた動画が役に立った。あっ、瞑想室にいかないと。)

「俺」が瞑想室につくと、そこには矢口とミティの姿はなく氷がいくつかできていた。どうやら激しいバトルが展開されたようだ。

「ねぇ、まだかな。」
電話越しにマルシェが催促している。
「はい、もうしばらくお待ちください。」

「俺」は瞑想室のドアをノックした。
「入りなさい。」
「失礼します。」
「予知のとおりね。あなたは矢口を遠ざけるのに藤本をけしかけてからやってきた。」

「俺」はこの女のこういうところが好きじゃない。なんでもお見通しでしたみたいな態度の取り方が。絶対友達少ないぞ。

「電話でしょ。」
「はい。」

「俺」は受話器をインチキ女に渡した。

「もういいわ、配置に戻りなさい。」
「失礼します。」

「俺」は部屋を後にした。

「もしもし、紺野。うまくいった?」
「ええ、飯田さんの予知通り愛ちゃんがやってきました。」
「それで予知通り、高橋は・・・」
「ええ、無事捕獲しました。私たちはそろそろ最終段階に入ります。」
「忠告しておくけど、予知がうまくいっても何がきっかけで狂うかわからないからね。」
「ええ、わかってます。じゃあ、また。」

マルシェは電話を切った。
(ここまではうまくいってる。でも、いつも肝心なところで狂わされる。リゾナンターに関わると碌なことにはならない。)

飯田はまたもや予知を開始した。


第六話

「キ・・・さ・・ん・・・ガ・・・キ・・さ・・・ん・・・ガキさん!」
里沙が目を覚ました。

「カメ、さゆみん。」
いつの間にか喫茶リゾナントの二階・愛ちゃんの自室「魅惑の水さんルーム」に寝ていたらしい。
でも、何で? 里沙はふと昨夜の出来事を思い出した。

「そうだ、愛ちゃんは?」
「今朝、きたら誰もいなかったの。私たち愛ちゃんからもらった合鍵で入ったんですけど。」

里沙は近くにあった枕を投げつけた。
「あの頑固もん!」

「ガキさん、何があったの?」
「愛ちゃん、昨日ひとりで田中っちと愛佳を探しに行ったのよ。今も戻っていないってことはまだ探しているかあるいは・・・」

里沙は最悪のケースを想像していた。

「そんな、愛ちゃんに限ってそんなことはないですよ。愛ちゃんは最強なんですよ。」

絵里は心配する里沙を気遣って、前向きな発言をした。


すると・・・

「ただいま!」
ずいぶんと元気な声が一階から聞こえてきた。

「絵里、一階のかぎ閉め忘れたのね。」
さゆみがあきれていた。そして絵里は・・・

「ちょうどよかったからいいんじゃない。結果オーライ。うへへ。」

里沙たちが一階に降りると大量のみやげとバナナクレープを持った小春と傷がまだ完全に癒えてなく、リンリンに肩をかついでもらっているジュンジュンの姿があった。

「おかえりなさい、大変だったわね。それにしてもそのみやげとバナナクレープはどうしたのよ。」
「いや、生き返らせた時にバナナクレープをおごるって約束してしまいまして。」

「ジュンジュン、大丈夫?」
「まだ痛いけど、大丈夫ダ。リンリンパパはやりすぎダ。」

「ご免ジュンジュン。パパにはきつくやっておいたから。」
「なんか、リンリン怖い。」

三人はあることに気付いた。
「そういえば、みっつぃは?」
「タナカもいない。」
「タカハシさんもいませんね。」


その話になると里沙たちの顔が曇った。愛はまで日本での事を3人に伝えていなかったのだ。里沙は3人に事情を話した。

「そんな、じゃあもしかしたらみっつぃや田中さんだけでなく高橋さんも捕まったかもしれないというわけですか。」

事情を話していると絵里が何かに気付いた。
「ガキさん、さっきからこっちを見ている人が。」
「えっ!」
全員が絵里の指さしている方を見るとリゾナントの近くの電信柱に帽子にコートの見るからに怪しい男がいる。
怪しい男はこっちの様子に気づいたらしく、走って逃げた。
「あっ、逃げた。」

小春とリンリン、里沙が追っかけていった。
だが、なかなか追いつけない。そこで・・・

「小春に任せて・・・」
小春が念写の力で逃げる男の前に偽の壁を作った。どうやらうまくいったらしく逃げる男は動揺している。その隙に男の体を鋼線で動きを封じた。

「さぁ、一体だれなのか話してもらいましょうか!」
「ガキさん、私だよ。私!」
「私、私じゃワカラナイ!顔を見せろ。」


リンリンが帽子をとると、その男の顔が見えたのだが・・・
「あっ、里田さん。」
「もう、早くこれなんとかして!」
里沙は鋼線を里田から外した。
里沙とは顔見知りであったが、小春とリンリンは初めて会う人だった。

「新垣さん、この人誰ですか?」
「里田まいさん。吉澤さんが新設した隠密部隊・ガッタスの小隊長。」
「「えっー!」」

隠密部隊の人があんな格好する?小春とリンリンは同じことを考えていた。

「でっ、どうして私たちを監視するような真似をしてたんですか。」
「まぁ事情はリゾナントで話すわ。」

4人は喫茶リゾナントに戻った。そして・・・
「あっ、アホの里田さんだ。うへへ。」
「アホってカメちゃんには言われたくないわよ。」
「でも、隠密部隊であの恰好はないの。」
「あんた、もしかしてアホなのか?」

さすがに里田は頭にきたらしく。
「もう、せっかくいい情報を教えてあげようとしたのに。もう帰る!」

里沙はあわてて、里田を止めた。
「ごめんなさい、ごめんなさい。それで話っていうのは。」


里田は席について話を始めた。
「よっしーに頼まれて、最近のM上層部の動きを追ってたの。どうやら、最近のMは支部長クラスが各国でそれぞれ秘密の計画を進めていたらしいの。」
「それってもしかして。」
「そうあなたの国で中国支部長の鳳 羅鵜が進めていた要塞建造計画もその一つよ。彼女は強力な幻影能力者で建設現場をカモフラージュして、要塞を作っていたの。」

「他にも私たちがまだ知らないブラックプロジェクトを何個も進めているはずよ。」
「でも、それとリゾナンターの誘拐と何か関係があるんですか?」

「この写真を見ればある程度納得するんじゃないかな。」
里田は新しい写真を見せた。そこには三人の男女が映っていた。

「これって。」
真っ先に反応したのは里沙だった。それもそのはず、そこにはかつての友が映っていたから。

「そこに映っているのはM本部長のマーク・ガーランド、元ダークネスの科学者・サダシム、そしてみんなのよく知っているDr.マルシェ。」

「この事件にマルシェが関わっているの?」
「間違いないわ、サダシムはダークネスを追われてから秘かにガーランドに取り入ったの。おそらくマルシェはそのツテを頼ってM上層部に接触したんだわ。」

「でも、こんなことをしたら真っ先に・・・」
「粛清されるのがオチ。」

こうなってくるとますます行方の分からない3人のことが心配だ。


バリーン!突如、リゾナントの窓が割れた。そして地面には手りゅう弾が。
「みんな、伏せて!」
里田の叫び声でみんな物陰に身を隠した。爆発した手りゅう弾からは煙がでてきた。

「みなさん、スモークグレネードです。げほげほ。」
里田とリンリンはすでに自前の銃を抜いていた。

「小春!ジュンジュンを奥に避難させて!」
手負いのジュンジュンを戦わせるわけにはいかない。ジュンジュンの近くにいた小春に里沙は指示をだした。

「絵里!どこにいるの!絵里!」
さゆみは大声で絵里を探した。しかし出くわしたのは兵士だった。
「きゃあー!」
さゆみが悲鳴をあげると同時に兵士はお腹に一撃を加え、さゆみを気絶させた。

絵里はさゆみが兵士に攫われるのが見えた。
「さゆ!」
絵里がさゆみを追おうとする。
「カメ!」
里沙が絵里を引き戻した。さきほどまで絵里のいたところに銃弾の嵐が・・・

「まずい。完全に囲まれた。」
「ガキさん、離して!さゆを追いかけなきゃ!」
「バカ、今行ったらあんたも捕まるでしょうが。」

だが、このまま店にいたらいずれ捕まる。どうすればいいんだ。

兵士たちは一気に店内に踏み込もうとする。
「隊長、空から何かきます。」
「何!」

兵士たちが空を見上げると黒い車のようなものが飛んできた。
「どけ!どけ!」
やってきたのはリゾナンカーに乗っている小川麻琴である。
空中飛行モードのリゾナンカーで兵士たちを撹乱している。

「さぁさぁ、逃げないとミサイルで吹き飛ばすよ!」
リゾナンカーのミサイル発射口が開くのを見て、兵士たちが動揺した。

「よせ!」
「構わず発射!」
リゾナンカーの発射したミサイルは兵士たちを吹き飛ばした。

「さぁ続きましては。」
麻琴はさゆみを収容したトラックに狙いをつけたが、トラックは移動せずにワープしてしまった。

「あっ、消えた。」
「空間転移装置を利用したのね。」
無線ごしから元Mの研究開発班長の保田圭の声が聞こえた。

麻琴はリゾナンカーを降ろし、里沙たちの元に駆け寄った。

「みんな、大丈夫。」
「まこっち、助かったよ。」
「驚いたよ、リゾナンカーの調整が終わったから届けにきたら戦場みたいになってたからさ。」

小川麻琴は愛と里沙の親友。今は山梨にある保田圭の研究所で助手をしている。
すると、絵里は爆発から生き延びている兵士を見つけ、駆け寄り襟元を力強く掴んだ
「さゆを、みんなをどこにやったのよ!」

めったに怒らない絵里が怒りをあらわにしている。それもそのはずだ。目の前で親友を攫われた身になれば・・・

「言うもんか。」
兵士は強情にも口を割らない。
里沙は兵士の首に鋼線を巻きつけた。

「ここまでした以上はもう容赦しないわ。口を割って、楽になるか。それともこの鋼線で首を絞められるか。またはあなたの頭の中をかき回しましょうか。みんなの居所を話しなさい!」

その頃、愛はある一室にいた。その部屋はかつて里沙が捕えられた海上の孤島の独房・共鳴者の監獄によく似ている。部屋のすべてのものが白に覆われている。

愛はその監獄の真ん中にある柱に鎖で縛られている。
そこにサダシムが入ってきた。

「これがi914とはな。」
「いったい、何の用やよ。あーしは見世物じゃない。」

杖が愛のお腹に押さえつけられた。
「くっ。」愛は痛みをこらえている。

「貴様は私の最高傑作を台無しにした。」
「あれが最高傑作?あさ美ちゃんが作ったものの方がよっぽど性能がいい。」
「ふざけるな!」
今度は杖で愛の頬を叩いた。

「あんな小娘が私を超えてたまるか!お前は知らないだろうが私はかつてダークネスの一流の科学者だったのだ。地位も名声もあった。しかしあの小娘が組織に加わってから組織は私を邪険にした。」
「それでMに入ったんか。」
「私はMで復活を遂げるはずだった。だが、あの小娘め、今度は私がいることを利用してMに取り入り始めた。どこまで私を追い詰めればいいのだ。あのデッドアーミーは私の最高傑作になるはずだった。それを貴様は!」

今度は杖で何度も頭を殴った。だが、愛も負けずと言い返した。
「そんなのただの逆恨みやろう。自分の力がないのをあさ美ちゃんのせいにして、そんな奴にあさ美ちゃんを超えられないやろ。」

(敵なのになんで擁護しているのだろう。やっぱり自分はまだ甘いのかな。)

「そんなことはわかっている。あの小娘は天才だ。だが、あいつの思いどうりにさせてたまるか。あいつはお前たちリゾナンターにかなりご執心のようだ。だったら、私がお前たちを殺してやる。」
「れいなたちに手を出すな!」
「ふん、人の心配をする前に自分の心配をしろ!」

サダシムは愛の全身を何度も杖で殴りつけた。
バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!
愛の口や体から血がでてきて、白い部屋を赤く染めようとしていた。

「何しているの!」
マルシェが入ってきた。
「彼女は大切な研究サンプルです。乱暴するものではありませんよ。」

サダシムは部屋をでようとしたら、ザクッ!
マルシェに腕を引っ掻かれた。サダシムはマルシェをにらんだ。

「お仕置きです。」

サダシムはそのまま部屋をでたが、心臓に違和感を感じ始めた。
「うっ、苦しい!」
サダシムはその場に倒れた。

「サダシム様!おい、誰か医者を呼べ!」

マルシェが小さな破片を取り出した。
「これには心臓発作に見せかけられる即効性の毒が塗られているの。彼はもう助からないわ。ごめんね、愛ちゃん。もう少し早く来れば、こんな目に合わなかったのに。」

マルシェは愛の口から出る血をハンカチでぬぐった。
「食事よ。はい、あーん。」
お腹がすいていたために愛はマルシェの差し出した食事の入ったスプーンを口に入れた。

「れいなや愛佳は?」
「ふたりとも健康そのものよ。れいななんてね、さっきから出せ出せって騒いでる。愛佳ちゃんの方は脱出方法でも考えてるのかな。」
「なんで、Mにとりいったんよ。あんたならダークネスでも十分だったはずやよ。」

マルシェは器にスープを淹れながら話した。
「前に言ったよね。能力を消去するための研究を始めてるって。それはダークネスにとっては不要なものなの。能力者による新世界を目指す彼らにとって私の研究は邪魔なもの。だから、Mに取り入って、まずれいなを捕まえた。あの子の共鳴増幅は能力消去のカギになるわ。」



「じゃあ、なんであーしや愛佳まで。」
「Mの本部長があなたたちの共鳴能力に興味を持ってね。あの人のことだから共鳴能力を持った軍隊でも作るつもりかもね。」
「共鳴は作ろうと思ってできるもんやない。たとえ、作れたとしても人の絆ができてない共鳴は意味がない。」
「そうね、間違いじゃないかもね。なら、その言葉は本部長に直々に言うのね。さぁ行くわよ。」

マルシェは愛を拘束している鎖を外した。
「あさ美ちゃん?」
「勘違いしないでM本部長があなたに会いたいっていうの。」
マルシェはすかさず能力阻害の手錠を愛の手にはめた。

「ガードロボ。」
マルシェが呼んだガードロボにマルシェは愛の手錠から伸びている鎖をつなげた。
「愛ちゃん、下手に逃げようとしたら、この鎖を通して、電流が流れるから注意してね。行きましょう。」

愛とマルシェは監獄を後にした。



第七話

愛はマルシェに連れられるままにM本部長室に入った。

「本部長、ご紹介します。こちらはリゾナンターのリーダー・高橋愛です。」

外を眺めていたM本部長は愛たちの方に振り返った。見た目はまだ30代の赤毛のアメリカ人だ。
「君がi914か。私がMの本部長マーク・ガーランドだ。」
「あーしは高橋愛。i914という名前は捨てたんやよ。」
「そうはいかん。君たちは人間ではない、研究材料なのだ。君の他の仲間たちもこれからは暗号で呼ばれるだろう。」
「これ以上、仲間に手を出させない!」

愛は人を人とも思わないこのおとこを殴ろうかと思ったが、手錠で殴りたくても殴れないのだ。

「君たちはマルシェ君の能力消去と同じく我々の切り札になるはずだ。君の能力はもちろんだが、仲間との共鳴もまた大いなる力となる。ほら、見たまえ。お仲間が増えたぞ。」

愛が窓の外に目をやると手錠をつながれ、連行されるさゆみの姿が・・・
「さゆ!」
「君の店を襲撃して捕えられたのがひとりだけなのは残念だが、仕方がない。これだけ派手に暴れていてはダークネスにも感づかれそうだからな。まずは君の体を調べる。つれて行きたまえ。」


その頃、M日本支部の前では・・・
「保田さん、私たちみんなを助けにいきます。」
「でも、新垣。高橋たちはあの要塞に捕らえられている。場所はわかったけど、助けだすのは・・・」
「何言ってるんですか!小春たちは海上の孤島を攻略したんですよ。」
「ただ、待ってるだけなんて、絵里できない。」
「大丈夫だ、ジュンジュンの体はもう平気だ。」
「どうせ、やられるのならこっちから出向いた方がいいです。」

「まったく、あんたたちときたら本当に一度決めたら曲げないんだから。小川!」
「はい、これはグレードアップした戦闘服のデータが入ったデバイスよ。今までと同じように起動させるだけで戦闘服に代わるわよ。」

5人はそれぞれデバイスを起動させて、戦闘服を着用した。
ジャケットの色が里沙と小春、リンリンは白。絵里とジュンジュンは赤である。
ふたつとも目立つ色だが、これは以前の戦闘服で愛とれいなだけが囮のために色を白くしていたことが後で発覚したのでグレードアップバージョンではみんな目立つ色にという要望からだった。



「それとこれは他の三人のデバイス。愛ちゃんはすでに持ってるから。」
「ありがとう、まこっち。保田さん。じゃあ、行ってきます。」

5人はリゾナンカーに乗り込み、発進準備に入った。
里沙はポケットからある写真をだした。それに映っているのは・・・
(安倍さん、私たちを見守っていてください。)
それは海外に行っていて、ずいぶん会っていない先輩の安倍なつみの写真だった。
そしてもうひとつ取り出したのは愛とのお揃いのお守り。
(愛ちゃん、待っててすぐに行くから。)

「がきさん。」
「うん、リゾナンカー発進!」

リゾナンカー空高く舞い上がった。

保田と麻琴はそれを見守った。


その頃、ダークネス基地では・・・
「緊急警報、緊急警報。ダークネス基地にいるものは至急第13ホールに集結せよ。」

矢口はハイテンションだった。なぜならついにオリメン昇格のチャンスを掴んだからだ。
(やったぞ!ついに圭織とマルシェの尻尾をつかんじゃったもんね。)

実は前々から圭織の行動を怪しんでいた矢口はこっそり発信機をつけていたのだ。

(裕ちゃんも本腰いれたからあのふたりはもう駄目だろうな。これでおいらは念願のオリメンだ!)


(なんだ、なんだ。急に騒がしくなったぞ。)
「俺」は13ホールにいった。そこには最高幹部の中澤裕子とハイテンションな矢口真里、氷の魔女・藤本美貴そして飯田圭織がいた。

いつもならGや粛清人AとRがいるのだが、三人とも今は海外の任務でいないのだ。
中澤裕子は演説を始めた。

「Mが巨大な要塞を建造していることがわかった。要塞の建造は完了としてもまだ、完全な状態ではない。やつらが仕掛けてくる前に我らが先制攻撃をかける。この戦いが我々ダークネスの運命を決める。いいな!」

「おー!」

兵士たちは急いで出撃の準備に入った。
「俺」は戦闘機の出撃準備をしていた。するとそこに・・・

「わしも乗せてってくれ。」
(ダクネチュ様!)
「どうしてここに!」
「みんな出撃するのにわしだけ残るにはどうも好かん。心配するな、向こうについてもこの機に残っているから。」
「ですが・・・」
「かまわへん、総統の命令だ。お乗せしろ。」

最高幹部の中澤裕子がいいというのなら仕方がない。
「無線!」
「俺」は無線機渡した。

「総員、出撃!」



第八話

「きゃあ。」
独房にさゆみが入れられた。
「さゆ、大丈夫と?」
「大丈夫。もういいわよ、お姉ちゃん。」

するとさゆみの顔つきが変わった。
「御苦労さま、さゆみ。」
「あら、さえみさんになってますね。」
「あなたたちを助けるのにあえて敵につかまってもらったの。」

さえみは服のそで口から針金をだした。
「さすがに手錠が電子ロック式だったらどうしようかと思ったけど、これなら安心ね。」

さえみはれいなと愛佳の手錠を外し、自分の手錠も外した。
「よっしゃー!こうなればこっちのもんとよ。」
れいなは今まで動けなかった欝憤を晴らすかのように体を動かした。

さえみは物質破壊の能力を行使して、鉄格子を破壊した。
「さぁ、さゆみ。後はあなたの出番よ。」
人格がさゆみに戻った。
「ありがとう、お姉ちゃん。れいな、愛ちゃんは?」
「別の部屋に連れて行かれたとよ。」
「はよう、探しましょう。」

その頃、要塞の司令室では・・・
「レーダーに未確認物体確認。」
「すぐさまに確認作業に移れ!」
「目標確認、リゾナンターの専用戦闘機・リゾナンカーと確認。」
「向こうからわざわざ飛び込んできたか。対空戦闘よーい!」

要塞は砲台を作動させた。

リゾナンカーに乗っている里沙たちもそれを察知した。
「向こうも気づいたみたいね。」
里沙は操縦桿を強く握った。

「みんな、迎撃よろしくね。」

「目標、攻撃圏内に入りました。」
「よし、撃て!」

要塞の砲台から無数の砲弾が飛んできた。
絵里がかまいたちで砲弾の軌道を変えたり、リンリンとジュンジュンは念動力で砲弾を撃ち落としている。

「小春、あんたは要塞に近づいたら思いっきり電撃を喰らわせなさい!」
「わかってます。」

この戦法はかつて海上の孤島に乗り込んだときに使ったものだ。今の防衛システムのほとんどは機械仕掛け。それを電撃で破壊すれば侵入は用意だ。

リゾナンカーが要塞の上空にたどり着いた。
「小春、今よ!」
「いっけぇー!」

小春の最大級の電撃は要塞に命中した。しかし・・・
砲台の攻撃は続いている。

「ばかめ、貴様らのやることはお見通しだ。ミサイル発射!」

要塞からミサイルが発射された。それを見たリンリンが・・・
「あれは誘導式です。撃ち落とします、発火!」

リンリンのはなった火球がミサイルに命中したが、爆発と同時に大量の殺傷用の破片がリゾナンカーに・・・・

「まずい!」

すると破片の前に強力な光が放出され、破片が蒸発した。

「いったい、何なの?」
絵里が周りを見渡すと、そこにはガッタスの戦闘機が。

「よっ、助けに来たぜ。」
「吉澤さん!」

ガッタスの戦闘機がフラッシュボムを使い、破片を蒸発させたのだ。

「うちらが先頭を切って、突入する。」
「そんな、まともに行ったら撃ち落とされます。」
「安心して、この戦闘機にはリゾナンカーに負けないほどの武器は積んでいるわ。それにパイロットが優秀だから。」

操縦している里田が自慢げに話した。
「でも。」
里沙が悩んでいると
「がきさん、もたもたしてられないわよ。」
「わかった。私たちも全力でサポートします。」
「よし、行くぜ!」
二機が要塞に突っ込んでいった。

「がきさん、こっちがフラッシュボムで相手のめをくらます。その隙にシールドブレイクして突入しろ。」
「はい!」
「みんな、要塞に突入する。しっかり掴まっててよ。」

ガッタス機がフラッシュボムを発射した。

「ばかめ、目くらましをしたつもりか。巨大ビーム砲を用意しろ!」
コンピュータが二機をとらえた。

「よし、撃て!」
大きな爆音が響いた。しかし爆発したのは・・・
「なぜ、ビーム砲が爆発したのだ。」
「司令、多数の機影を確認。」
「なんだと。」

「キャハハハハ、命中したぞ。たいしたことないんじゃないの?」
「今度は私の番ね。」

ダークネスの戦闘機から氷の魔女が降り立った。

「氷の魔女?ダークネスだ!」

「ニイガキ、あれは?」
「あれはダークネスの戦闘機群よ。予想外の攻撃に相手が動揺している。今よ。」

リゾナンカーが要塞に突っ込んだ。

一方、ガッタス機は・・・
「よっしー、どうする?」
「あいつらがいつでも脱出できるように要塞を片づけよう。あの要塞を沈黙させる!」


要塞内の研究室では・・・
「緊急事態、ダークネスが襲撃してきた。繰り返す。」
手術台に愛を縛りつけて、体を調べようとしていたマルシェは動揺していた。
(なんてこと、こんなに早くダークネスが来るなんて。)

物陰かられいながマルシェをはがいじめにした。
「れいな!あなたどうして。」
「さゆとさえみさんに助けてもらったとよ。愛佳、早く愛ちゃんを。」
「高橋さん、今助けます。」

愛佳がコンソールに近づいて、愛の拘束を解いた。
「ありがとう、みんな。」
れいなはまだマルシェを拘束していた。

「あさ美ちゃん、あーしらと一緒に来るんや。」
マルシェは含み笑いをして。

「お断りよ。」
マルシェは忍ばせていた煙玉を破裂させた。
煙が晴れるとそこにはマルシェの姿がなかった。

「逃げられたの!」
さゆみが悔しがっていると研究室のドアが開き、誰かがやってきた。

「愛ちゃん!」
「里沙ちゃん。」
やってきたのは里沙だった。そして・・・
ペチ!里沙が愛の頬をビンタした。突然のことで愛は驚いたらしく。

「ちょ、何すんや!」
「あの時のお返しよ。本当ならこんなので済まないんだから。勝手に飛び出して挙句の果てに捕まって、勘弁してよ。」
「ごめん。」
「でも・・・・無事でよかった。」

里沙が愛に抱きついた。そして絵里・小春も入ってきた。
「さゆ!よかった。絵里すっごく心配してたのよ。」
「ごめんね、さゆみ大丈夫だから。」
「みっつぃ!あら、なんか平気そうだね。」
「何言ってんですか。愛佳たち、とても大変だったんですよ。」

そして・・・
「おい、誰もれいなの心配をしてくれなかったと!」
「そんなことはありません、タナカさんのことをすっごく心配していました。」
「いや、リンリンはいい子だナ。タナカ感謝しろ。」
「リンリンには感謝するけど、ジュンジュンには感謝しないっちゃ。」

「愛ちゃん、急いで今ここはダークネスが襲撃しているから。早く逃げないと。」
「わかっとる、でもあーしには決着をつけなきゃいけん連中がおる。」
「M本部長とm411ちゃね。」

「そうはさせないわよ。」
そこにいたのは鳳 羅鵜だった。
「鳳!」
リンリンは怒りに燃えていた。間接的にしろジュンジュンを一度の死の淵に追い込む原因を作った張本人がそこにいたからである。
鳳はジュンジュンが生きているのを見て、驚いた。

「貴様は李純!生きていたのか。」
「地獄から帰ってきたんだ、覚悟シロ!」
ジュンジュンとリンリンが鳳に向かおうとしたら・・・

「待つとよ!」
れいなが前に割り込んできた。
「タナカ、こいつは私が。」
「まだ、ジュンジュンの傷が癒えてないやろ?ここはれいながやるっちゃ。」

ジュンジュンの傷のことはずっと捕らわれていたれいなは知らないはず。それなのに、ジュンジュンの体を気遣って、戦おうとしている。

「あんたの態度、気に入らないとよ。叩きのめす!」
「ふん、なまいきな小娘が・・・」
「よし、いくぞ!」

れいながファイティングポーズをとると・・・
「待って、れいな!」
絵里がれいなを呼び止める。

「絵里、もう少し状況見てくれないとか?」
「大事なことなの。はい、これつけて。」
絵里はれいなの腕にデバイスをとりつけて、起動させた。するとれいなに新しい戦闘服が装着された。

「おお、新しい戦闘服っちゃか。愛ちゃんが着とったから気になってたと。それに力がみなぎってきた!」
「ふん、そんなものを着ても同じだ。」

鳳は広いエリアに出た。
「待て!」
れいながすぐに追いかけた。ほかのメンバーも外にでたが、Mの兵士たちがリゾナンターをとらえようとやってきた。

「ここは私たちが食い止めます!いこう、ジュンジュン。」
「うん。」
ジュンジュンとリンリンが兵士たちを食い止めている。

「じゃあ、私と愛ちゃんで上の本部長室まで行くわ。カメとさゆみんは田中っちたちのサポートをお願い。小春と愛佳は・・・」
「動力室を潰せばいいんですね。任せてください。」

「よし、みんなで生きて帰るんや。里沙ちゃん、こっちや。」
愛と里沙が最上階に向かって走っていった。

「任せてくださいとは言ったけど、動力室ってどこなの。」
小春が不安に襲われていると肩を叩く愛佳が・・・

「久住さん、愛佳はこの要塞に位置関係すべて記憶してます。」
「えっ、そうなの。」
「さっき、コンピュータにアクセスして地図見ときましたから。それにいいものがあります。」

愛佳は木箱を持ちだした。
「それって何なの?」
「爆薬です。あの研究室に置いてあったんで拝借したんです。」
「それってかなり危険なんじゃ。」
「愛佳たちをここまでコケにしてくれたんですよ。それなりのお礼がいりますやろ。」

爆薬を持ちながら、愛佳はにっこりとしていた。
(みっつぃって怒らせたら本当に怖いよね。)

その頃、ダークネス軍では・・・
「キャハハハハ、吹き飛んじゃえ!」
(相変わらず、うるさいな。戦闘中ぐらい黙っていてくれよ。)

「俺」はチビ女の部隊と一緒だ。本当はダクネチュ様の護衛なんだが、ダクネチュ様が前線で戦闘機を止めてくれっていうから結果的には戦闘に参加している。
今のところ、中澤と魔女のチームも有利にことを運んでいるみたいだ。あれ?確かあそこにはダクネチュ様が座っていない!

気づいたら、いつの間にかダクネチュ様の姿がなかった。

「あー!ダクネチュ様がいない!」
その声がチビ女に聞こえたらしく俺の方に駆け寄ってきた。

「はぁ、何やってるんだよ。この馬鹿!探せ、あれでもおいらたちのボスなんだからさ。」


その頃、愛と里沙はM本部長室を目指していた。しかしなぜか兵士たちの迎撃がない。
「どうしたんやろ、誰も出てこないやざ。」
「おかしいわね。」


そして愛たちよりも先に本部長室についているものがいた。その者はとてつもない闇のオーラを放っていた。


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