『夜を這うもの』


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『夜を這うもの』

  • 作者 伊南屋
  • 投下スレ 1スレ
  • レス番 17-18 23-27
  • 備考 電波 完結

17 伊南屋 2006/06/20(火) 04:02:26 ID:vGs3P5Lu
『夜を這うもの』

 柔沢ジュウが目を覚ましたのは、体にのし掛かる重みを感じたからだ。
 暗闇に微かに浮かぶ影に、体を強ばらせる。
 強盗、という可能性が脳裏によぎる。この世の中にあってそう珍しい事ではなく、いつ自分に降り懸かってもおかしくはない。だからと言ってそれを受け入れる事など勿論できない。ジュウは抵抗しようとした。しかしそれは首筋に当たる冷たい感触にとどめられる。
「抵抗しない方が良い」
 ジュウにのし掛かる影は少女の声でそう言った。姿の見えない侵入者、その声にジュウは聞き覚えがあった。
「雪姫、か?」
 その瞬間、風にカーテンが揺らめき、射し込んだ月灯りが影を照らす。
「正解だ、柔沢」
 そこにいたのは白いリボンで黒髪を結い、ジュウの学校とは違う、ブレザーの制服に身を包んだ少女。斬島雪姫だった。
 夜の寝室で美しい少女にのし掛かられる。普通なら喜ぶべきシチュエーションだろう。首筋で光るナイフさえなければ。
 もっともこのナイフがなければ自分は喜んでいたのだろうか? そうジュウは考えて、しかしそんな事を考えている自分に苦笑する。そうじゃないだろう。今考えるべきはそうではない。
「お前にいくつか質問がある。良いか?」
「ああ」
「まず、どうやって入ってきた?」
「簡単だ。雨と同じで窓からだ」
 見れば部屋の窓が開いている。さっきカーテンが揺れたのはそこから入り込んだ風だったか、とジュウは納得した。
「だかちょっと待て。雨の時は工場の足場があったが今はそんなのないぞ?」
 そう、外壁の塗装工事が終わった今、かつての様に侵入を助ける作業用の足場はもうない。条件は揃っていないのだ。
「うむ、だから壁を直接な。おかげでナイフが何本か駄目になってしまった」
 事も無げに淡々と話す雪姫。しかしそれは並大抵の事ではない。ジュウは改めてこの斬島雪姫という少女の恐ろしさを感じた。
「質問は以上か?」
「いや、もう一つ」
 そのもう一つの問いこそが核心。ジュウは雪姫を見据え問う。
「一体何の用だ?」
 正直、何故いきなり寝込みを襲われ、ナイフを持った少女に生殺与奪を握られなくてはならないのか分からない。と言うか分かったらそれはそれで問題があるように思う。
「ふむ、何の用か……か。まあ聞くよりは体で理解した方が良いだろう」
 何の事だ。と言おうとしたジュウの口が塞がれる。目の前には零距離で雪姫が瞼を閉じている。


18 伊南屋 2006/06/20(火) 04:27:29 ID:vGs3P5Lu
「ん……こういう事だ」
 雪姫が顔を離し、囁く。
「な、お前……今キス……」
 キスを交わしたという事実にジュウは混乱する。
「おや? ちゃんとしたキスは初めてだったか。……安心しろ私もだ」
「や、そうじゃねえ……って言うか本当に何のつもりだ?」
「ここまでして分からないか。さすが雨の想いに気付かないだけはあるな。驚異的鈍さだ」
 なにを言ってるんだこいつは。なんでキスをした? 最近になって理解不能な人物や状況にはそれなりに遭遇してきたが、その中でもこれはかなり理解に苦しむ。
 もっともそれはジュウの“そういった事”への疎さ故に来るのだが本人に自覚は全くない。
「仕方無い。勝手にやらせて貰おう」
 そう言い、雪姫はジュウの首筋に当てていたナイフを首筋から離す。ジュウが安堵したのも束の間。闇を切り裂くように銀閃がジュウの胸元を走る。
 斬られた。そう思ったがそれはすぐに否定される。全く痛みがないからだ。視線を胸元に向ければ切り裂かれていたのは寝間着代わりのTシャツだけだった。
 ジュウの額を冷や汗が流れる。ほんの後数ミリ、いや、それ以下の誤差で自分の胸まで切り裂かれていたかもしれない。
「おま……! アブねえな!」
 しかしジュウの抗議の声を聞き流し、雪姫は裂けたTシャツの隙間からその細い指をはだけた胸板に這わせる。
「少し落ち着け。興が冷める」
 そう言うやいなや雪姫は再び唇を重ねてくる。薄く開いた瞼から自分を見つめてくる瞳と、自分の肌を這う少し冷たい手の感触にジュウは寒気にも似た感覚を覚えた。ただそれは決して深いなどではなく、むしろジュウの奥底に訴える何かを持っていた。
「落ち着いたか?」
 たっぷり十秒以上の口付けか解放し、雪姫が聞いてくる。
 ジュウは言われて初めて自分が先程よりも落ち着いているのを自覚した。それは思考の麻痺なのかもしれない。しかし、確かにこれ以上不用意な抵抗をしようとは思わなくなっていた。
「それで良い」
 大人しくなったジュウを見て雪姫が笑みを浮かべる。その表情は例えるなら妖艶。その一語に尽きた。
 再び、しかし今度はゆっくりと雪姫がナイフでジュウの体を撫でていき、ナイフの軌跡をなぞるように布地が裂けていく。絶妙な力加減で肌の上を走るナイフはまるで指先でなぞられているかのような快感すら伴う感覚をジュウに与えていく。

23 伊南屋 2006/06/20(火) 20:41:35 ID:vGs3P5Lu
『夜を這うもの』続き

「っく……」
 思わずジュウは声を漏らす。
「柔沢……そんな声を聞かされたら抑えが利かなくなるじゃないか」
 雪姫が笑みを一層深くする。それにジュウは何かを感じるが遅い。次の瞬間には再三の口付けが交わされる。だが今度は先の二回とは違った。
 ジュウの唇を雪姫の舌先が突ついてくる。それに驚き、息を呑もうとしたがその拍子に雪姫はジュウへの侵入を果たした。
 ジュウの歯や歯茎、唇の裏側が雪姫の舌に撫でられる。更にそれは歯と歯の間を通り、ジュウの舌を絡めとろうと深く挿し込まれてくる。
「ちゅっ……ちゅぷ……んぅ、ちゅぱっ」
 雪姫とジュウの唇の隙間から唾液の絡められる音が漏れる。
 ――やばい、気持ちいい……。
 ジュウの正常な思考が奪われていく。一方的だった舌の動きは無意識の内に双方からの物となり、ジュウも自らの舌先を雪姫に絡め、口中へ挿し込む。
「ふむっ……ちゅぅ、ふは……っ。柔沢もノってきたじゃないか」
 頬を朱色に染め、瞳を潤ませた雪姫が、ジュウと繋がる透明の橋を吊し、口端から唾液を垂らしながら微笑む。
 ジュウはもやがかかったようにぼんやりとする頭の中でその媚態を美しいと感じていた。
 そうすると途端に体が情欲を訴え、目の前の雪姫を我が物にしたいという感情が鎌首をもたげる。
 そして、やられたままというのはジュウにとって望むところではない。
「雪姫……お前に、触りたい……」
 包み隠さず本心を晒す。だがそれは。
「だめだ」
 と、あっさりと雪姫の拒否を受ける。
 しかしそれで諦めるジュウではない。同意を貰えないならいっそ、勝手に触ってしまえ。雪姫だってそうしているのだ。文句は言えないだろう。
 ジュウは雪姫の太股の下敷きになっていた腕を力任せに抜き取り、雪姫の腕を掴む。それと同時、雪姫の手に握られたナイフを取り上げ、取り返されないように部屋の隅に向かって投げつける。
 部屋の端へと転がっていったナイフを見届けたところで視線を雪姫へ戻す。
 そこにはナイフを失ったことで、先程とは打って変わった、切なげな表情の雪姫がいた。
「柔沢……君」
 雪姫が熱を帯びた、うっとりした視線をジュウに投げかける。
 その様子にジュウは更に征服欲を駆られ、体を引き起こすと一気に雪姫との体勢を上下入れ替える。



24 伊南屋 2006/06/20(火) 21:17:23 ID:vGs3P5Lu
「やっ……!」
 雪姫が小さく悲鳴をあげるも、それに構わず腕を雪姫の体に近付ける。しばし躊躇したものの、結局は自らの欲には逆らえず、衣服越しに雪姫の胸に触れた。
「くぅんっ……」
 雪姫が甘い吐息を漏らす。
 ジュウは初めて触れる女性特有の柔らかさを手のひら全体で堪能する。制服越しでも分かる極上の感触。これに直接触れたら自分はどうにかなってしまうんじゃないか。どうしようもない好奇心に忠実にジュウは雪姫の制服の胸元、そのネクタイに手を掛ける。
 雪姫は何も言わず、ただそれを見ている。ジュウは拒否がないことに安堵しつつ、ネクタイを解き、抜き取った。
 そのまま淀みなく手を動かし、ブレザーのベストのボタンを一つ一つを外していく。
 脱がし進めていく度、興奮が高まっていくのを感じる。慎重に脱がす自分がじれったい。それと同時、長く楽しみたいと思う自分がいる。
 ベストを脱がせ、ブラウスを脱がし始める。これを脱がせば残すはブラジャーのみだ。
 視線を雪姫の顔に向けると、脱がされる羞恥に耐え、顔をトマトのように紅潮さすた雪姫と目が合った。
 その表情が堪らなく愛しく、ジュウは今度は自分から唇を重ね合わせた。
 自然と互いに舌を絡め合わせ、唾液を交換し、それを嚥下する。
 その間にもジュウはブラウスのボタンを外し、雪姫の肌を露わにしていく。最後のボタンを外し終え、雪姫の上半身は前の開いたブラウスと胸を覆う下着だけになる。
 唇を離すと唾液が糸を引き、それが途切れ、唾液が胸元を濡らす。
 淫靡なその光景にジュウの興奮が際限なく昂ぶっていく。
「はぁ……柔沢……くん」
 雪姫の切なげな声を引き金にジュウは最後の一枚である下着に手を掛ける。持てる知識を動員し、背中のホックに腕を伸ばす。手探りでホックを見つけ、それを外そうとするがなかなか上手く行かない。それでも手こずりながら何とか外す事に成功する。
 戒めから放たれた雪姫の乳房が小さく揺れる。
「っやぁん……」
 軽く表面に触れただけで雪姫は敏感に反応し、身を捩らせる。その反応をもっと引き出したくて、ジュウは更に力を込め指先を食い込ませるように動かす。
 そうする事により雪姫の薄桃色の先端が硬さを増していく。ジュウは吸い寄せられるように舌でそこに触れた。


25 伊南屋 2006/06/20(火) 23:05:44 ID:vGs3P5Lu
「やあぁ……」
 雪姫が体を震わせてジュウの頭を抱き締め、胸元に押し付けるように寄せる。
 舌全体を使って乳首を中心とした一帯を愛撫すると雪姫は更に体を震わせ、浅い呼吸を繰り返す。
 ジュウは空いた手を下へと運び、雪姫のスカートをたくし上げた。
 腰の部分に巻き込んでたくし上げた状態でスカートを固定すると、手を雪姫の股間に向かわせる。
 そっと下着の上から触れてやると雪姫が体を軽く痙攣させる。指先で触れたそこはやや湿っているようだった。
 ショーツの上から割れ目にそってなぞる。すると徐々にだが湿りが増していくのが分かった。
「感じてるのか?」
「きかないで……よぉ……」
 羞恥に顔だけでなく全身を薄く紅に染めながら雪姫が答える。
 そんな反応が眩むほどに愛しい、可愛いと感じる。そんな思いに駆られたジュウはショーツの中へと指を潜らせる。
 直接触れるとそこは驚く程に熱く、濡れていた。
 そっと、中指を沈み込ませると。くちゅり、という水音を立て、指先に雪姫の愛液が絡む。ジュウは更に中指を動かした。
「ひぃっ……んくぅ……ふはぁっ……」
 雪姫が悲鳴にも似た喘ぎ声を上げる。
 その声がジュウの耳朶を打つ度、ジュウの中で雪姫を手に入れたい、深く結びつきたい。という情念が高まる。
 その感情をもはや隠せなくなったジュウは雪姫の耳元に口を寄せ、囁く。
「雪姫……良いか?」
 なんの芸もない言葉だったが雪姫はそれに肯いて応える。
 了承を得たジュウはショーツの腰部分に指をかけ、引き下ろしていく。
 右足を抜き、左足の足首にショーツを引っかけておく。
 互いの腰の位置を合わせ、既に痛い程に勃起したそれを取り出し、雪姫にあてがう。
「行くぞ……」
 その最終確認に雪姫は潤んだ瞳でジュウを見つめ返す。
「いい……よ、きて。ジュウくん」
 その言葉を合図に、ジュウは雪姫へと腰を沈めていった。
 熱を持った雪姫の秘所がジュウの侵入を拒む。
「っ……くぅ」
 雪姫は目尻に涙を浮かべ、破瓜の痛みに耐える。その表情にジュウの中で躊躇いが生まれた。
「……止めるか?」
 情欲よりも、雪姫を苦しめたくないと思い、その言葉を口にする。
 しかし雪姫は気丈に微笑むと「構わない」という風にジュウを抱き締めた。
 ならばいっそ苦しみは一瞬であった方が良い。
 一息にジュウは雪姫の深くまで刺し貫いた。


26 伊南屋 2006/06/21(水) 02:16:41 ID:snwicfet
「ぐ……っぅ!」
 雪姫がくぐもった悲鳴を上げる。
 ジュウは腰を止め、上半身だけを動かし雪姫の目尻の涙を舐めとる。両の目から涙を拭うと、ジュウは雪姫と唇を重ね、舌を挿し込む。
 それらの行動はジュウにとって無意識に近い行動だったがその結果、破瓜による苦痛から雪姫の意識を逸らし、痛みを和らげる結果となった。
 しばらく互いの舌を絡め、唾液をすり合わせる。混ぜ合わされた粘液を啜り、逆に流し込み、二人はそれを嚥下する。
「ふぅ……っはぁ。動いて……いいよ?」
 その言葉を受け、ジュウはゆっくりと出来る限り痛みを与えないように腰を前後させる。
 まだ男を受け入れたばかりの雪姫の秘裂は狭く、それだけの動きで耐え難い快感がジュウの背中を走る。すぐにでも遠慮などなしに腰を打ちつけ、快感を求めようとする本能をかろうじて押しとどめ、焦らぬように抽挿を繰り返す。
 しばらくそうしていると雪姫から甘い吐息が漏れてくる。雪姫は徐々に感じ始めているらしい。そうさせているのが自分だて思うと、嬉しさがこみ上げてくる。
 その喜びを腰の動きに反映させ、少しずつ運動を速めていく。
 最深部突き上げ、根元まで引き抜く。それに合わせて雪姫の体が揺れ、形の良い乳房が雪姫の上で震えていた。
「ジュウく……ひあぁっ!」
 痛みがなくなり、雪姫に残ったのは快感だけ。その感覚をより深く味わおうと細い太股がジュウの腰に絡められ、より深く、強い結び付きを促す。
「ふあぁ……ジュウく、ん。ジュウくぅん……っ」
 譫言のようにジュウの名前を繰り返す雪姫。その雪姫の断続的な締め付けに限界へと導かれる。
「っく……雪姫……もう、出るっ……」
「はっぁぅ……、いいよ……? このまま、膣中に……」
 その言葉と同時、一際強い締め付けがジュウを襲う。それに抗う術もなく、雪姫に限界まで深く突き入れ、最奥に精を放つ。
「あ、ひゃあ……! 出てぇ……出てるよぉ!」
 子宮口を叩く感覚に、雪姫は大きく体を震わせて達する。
 ジュウに回された腕にも力がこもり、それに応えてやる。
 長い射精が終わったのを感じ、慎重に雪姫から抜き取ると、微かに痙攣したそこら、ジュウが吐き出した精液と、破瓜の血が混ざった薄紅色の液体が零れた。
 その淫猥な光景を眺めていたが、疲れによる眠気に襲われ、ジュウは雪姫の隣に体を横たえる。
 そうするとろくに眠気に抵抗も出来ず瞼を落とし、ジュウは寝息を立て始めた。


27 伊南屋 2006/06/21(水) 02:34:43 ID:snwicfet
 柔沢ジュウが目を覚ましたのは耳元で囁かれたからだ。
「おはよう」
 少女の声で囁かれ、ジュウはゆっくりと瞼をを開く。ジュウの目がまっさきに捉えたのは見慣れた天井ではなく一人の少女だった。
「おはよう柔沢」
「雪姫」
 その手に包丁を携えた斬島雪姫であった。
「顔を洗ってこい。勝手にだが朝食を用意した」
 だから包丁か。妙に納得しつつ、ジュウはその言葉に従った。

 顔を洗い、意識がクリアになるとジュウは昨夜の事を思い出し狼狽えた。
 まとまらない思考を引きずり雪姫の待つテーブルに向かう。
「あ~、なんだ、その……」
 どう声を掛けるべきか考え倦ねるジュウに雪姫が先制して言った。
「すまなかったな」
「え?」
「無理にあんなことをしてしまって悪かった」
 あんなこと。を思い出して赤面しながらジュウは答えた。
「いや、その……別に嫌じゃねえし、むしろ気持ち良かっ……じゃなくて。最後の方は俺からだったし……」
 しどろもどろになりながら謝罪は必要ない事を告げる。
「というか、その……そういう事なんだな?」
 その問いに雪姫は視線を手元の包丁に落とす。心持ち、冷淡な表情に赤みが差した気がした。
「皆まで言わせる気か?」
「あー……、いやそうだな、すまん」
 ジュウとて流石にここまでして気付かないわけではない。
「俺が好き……って事で良いんだよな?」
 雪姫が首肯し肯定。
 意志を確認したのだ、応えねばなるまい。そしてジュウの中で応えは既に決まっていた。
「じゃあ、俺からもだ……斬島雪姫」
 名前を呼び、自らも佇まいを正す。
「……俺と付き合って欲しい」
 それはジュウの偽らざる本心。
 雪姫の頬の赤みが増していく。そして、しばらくしてから聞こえるか聞こえないかという小さな声で雪姫が答えた。

「……よろしく、たのむ」

Fin.
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